1 モノから業務へと進化する 815年という歴史―・ 6竹田綜合病院・看護科、病理診断科
5Sの導入から15 年を経た竹田綜合病院では、物品管理の方法や検査作業効率の向上など、 業務のやり方に焦点をあてて5S活動を進めています。
試行錯誤して物品管理を徹底
発想のきっかっけは? 病棟内の医療物品(とくに車イ ス、身体抑制用具、センサー類、 褥積予防用具など)がいつの間に かなくなっているということが続 きました。違う建屋に車イスがあ るとの連絡を受け、その時点で初 めてないことに気付いたり、ナン バリングされているのに欠番が目 立ち、貸出しや紛失、破棄などの 把握ができていませんでした。そ こで物品確認表を作成しましたが、 書き忘れや消し忘れが多く、スタ ッフからは「面倒くさい」と不評 でした。 ここを見てほしい― 新しい物品確認表は、書いたり 消したりする手間をかけないよう に、ビニールテープにテプラ表示 としました。患者さんごとに枠を つくって、使用している車イス、 センサー、抑制具などのテプラを 貼りました。 それぞれに色分け、ナンバリン グしていて、変更時は貼り替える だけです。 また、予備、点検中、洗濯中、貸 出中の欄を設けて、さらに点検の 基準を作成しました。 5S の効果は? 毎日行われる日勤終了 前の点検の際に、ひと目 で使用しているモノがわ かり、確認しやすくなり ました。また、洗濯や貸 出しは日々の点検で必ず チェックされ、変更修正 ができているので、物品 の紛失、欠番などがなく なりました。
担当する患者名の下に、点滴スタンド などの管理すべき物品が貼られていて、 何がどこにあるのか、一目瞭然です

試薬ボトルの取出しをスッキリと
改善したかった困リゴトは? 免疫染色数が増加するに伴って、 保有試薬(抗体)と染色関連の試 薬を含めて約130個の試薬ボ トルが並びます。これらのほとん どは、 一般家庭用の冷蔵庫に保管 していますが、その他病理診断に 必要な特殊染色の瓶なども保管さ れていて、保管方法に困っていま した。 ここを見てほしい! 。試薬ボトルは、わかりやすい番 号管理にしました(試薬の並び はアルファベット順) 。ケースの仕切りと対応する試薬 ボトルにテプラで付番しました 。番号が剥がれないように、テプ ラの上部にブルーの綿棒チュー プを輪切りにして包みました 。ボトルケースの側面は、探しや すいようにアルファベットをテ プラしました 。試薬ボトルの大きさに合わせて、 容器がきずつかないように、ス ポンジシートで仕切りをつくり ました 。仕切りは、試薬容器のフタを手 で掴みやすく、取り出しやすい 深さにしました 。試薬ボトルの番号を貼る位置は、 ボトルを持ったり、フタを開け たりする作業のジャマにならな い場所を選びました 。試薬容器のフタには抗体名を記 入し、上から全体を見渡せるよ うにしました こんな効果があった ・抗体の保管場所がわかりやすく なって、作業効率が上がりまし た。また、試薬の取違いも抑え られて、作業ミスが減りました ・試薬が追加された場合は、試薬 ボトルを移動することで、アル ファベット順の並びを常に維持 できるようにしました ・保管ケースにまとめたことで、 清掃がラクになりました ・免疫染色に関連する冷凍庫保管 抗体の整理や陽性対照コントロ ールブロックの効率的な保管も 合わせてできました

2 乱雑だった配線。ファイルを o使いやすく・キレイに―・ 7つくばセントラル病院。さくら園医務室
平成25 年4月に5Sをスタートした機能訓練室では、整理・整頓。清掃を、定点観測しながら基本に忠実に 活動してきました。そのうち徐々に工夫が生まれ、さまざまな材料を上手に使った独自の改善が生まれました。
仕事がやりやすくなる配線のカタチ
困りごとは?
パソコンやプリンターなどのケ ーブルが、事務所内の床を乱雑に 這い回っていました。清掃がしに くいだけでなく、何のケーブルか がわからず、電源を落とせない状 態でした。 ここを見てほしい 配線をまとめて床上げして、清 掃をやりやすくしました。ドア部 分は枠に沿ってモールを貼ってケ ーブルを通したので、入退出の際 につまずくこともなくなりました。 また、LANポートや各コードに シールで名前を表示して、何がど こに繋がっているのかわかるよう にしました。これで、終了時には 主電源を落とせるようになりまし た。清掃もしやすくなり、見た目 にキレイで気持ちよく仕事ができ るようになりました。

材料を上手く使ったファイル管理
困リゴトは? ファイルー00冊が雑然と置か れていたので、見映えが悪いだけ でなく、探し出すのに時間がかか っていました。
どのように進めたの?まず、部署内で役割分担と責任 担当者を決めましたc各担当者は 自分が担当する個所の改善案をつ くって、ミーティングの際に提案 しました。その1つひとつに全員 で意見を述べて、イイトコ取りで 改善案を完成させました。
挫折しそうになったことは?
たまたま入退職が続いて、メンバーが定着しない時期がありまし た。新しいメンバーは5S活動の 知識がなかったので、レベル合わ せにとても苦労しました。そこで、 「全員参加と率先垂範」を基本に、 自らoみんなで協力しながら進め ました。 ここを見てほしい! ファイルを行と番地で整理して コードを表示し、棚はアングルを 利用して仕切りを工夫しました。
5Sに取り組んでみて 感じたことは? 仕事や行動のムダを取るだけで なく、「気付く人づくり」と「行動 する人づくり」が進み、職場と組 織の体質強化が実感できる活動だ と思っています。

3 製氷皿を利用したメディア管理の改善! 72東京医科歯科大学・歯学部附属病院・歯科技工部
5S活動を始めると、モノの見方が変わってきます。ふだんは気にも留めていなかったモノが 改善の道具になります。ここでは、100円ショップで見かける製氷皿が改善グッズに生まれ変わりました。 さらに工夫を加えて作品として仕上げられています。
記録メディア一発取出しのための工夫
改善したかった困リゴトは? ・歯科技工士ごとに持っている記 録メディアには、担当する患者 さんの口腔内写真や歯科技工物 の記録写真など貴重なデータが 入っています 。記録メディアの向きや方向がバ ラバラで、名前ラベルを確認し にくく、探すのが大変でした 。記録メディアが重なり合ってし まい、取出しに苦労していまし た
苦労した点は? ・記録メディアのサイズに合った入れ物を探すことに苦労しまし た 。どの方法で名前ラベルを見やす くするか、試行錯誤しました ここを見てほしい― ・安価な100円ショップの製 氷皿を活用したところです 。名前ラベルが隠れてしまわない ように、製氷皿に適度な角度を 付けて置き方を工夫しました 。製氷皿に名前ラベルを貼って、 記録メディアを独立して収納で きるように工夫しました
こんな効果があった ・記録メディアを探す手間がなく なりました 。製氷皿を使用したことで、記録 メディアが1枚ずつ独立してい るので、取り出しやすくなりま した 。記録メディアの返却もやりやす くなりました 。使用中の記録メディアと、その 使用者が一目瞭然となったので、 管理が容易になりました かかった費用は? 324円(@108円を3個) よい状態を維持する工夫は? 。製氷皿側にも名前ラベルを貼る ことによって、定位置に戻すこ とができるようになり、定置管 理が確立しました 。名前ラベルの方向を一定にして 返却するルールを決めたことに より、5Sの維持ができるよう になりました


4 余剰在庫をなくして、 4シンプル・スリムな在庫管理! 7広島市医師会臨床検査センター。倉庫
長年続いてきたシガラミを断ち切って、新しいことをやるためには、大変な勇気と強い意志が必要です。 職場で新たな基準をつくる作業は、敵をつくつてしまうことにもなりかねません。 5Sの良さを理解してもらうには、時間がかかるものなのです。
必要最低限の在庫で回す工夫
改善したかった困リゴトは? 部署内で不要なモノを捨てる基 準が定まっていなかったので、 個々の判断では捨てられず、みん なが不要なモノを倉庫に溜め込ん でいる状況でした。 そのため倉庫はモノで溢れ、掃 除が困難な状態が続いていました。 また、棚の錆や埃などが目立つ ようになりました。 苦労した点は? 余分な在庫に慣れてしまってい たので、必要最低限の在庫にする ことに不安や抵抗がありました。 そのため、従来のやり方から脱却 する意識改革が大変でした。 また、使用量や過去の発注から 納品までの期間を考慮した注文力 ―ドや注文線をどこに設定するか を決めるのに苦労しました。 ここを見てほしい― ・物品の種類によって注文カード、 注文線などを設定しました 。棚の上にモノを置いたり、床の 直置きを止めて棚に収納し、す っきり、キレイになるように意 識しました(写真A) ・不要なモノを処分して整理・整 頓し、余ったスペースを作業スベースに活用できるようにしま した(写真B) こんな効果があった 。材料費が減りました 。直置きなどがなくなり、清掃し やすくなりました 。注文のタイミングがひと目でわ かり、誰もが注文できるように なりました 。見た目がキレイになりました かかった費用は? ビニールテープ(3個入り) 10 0 円 よい状態を維持する工夫は? 。新たに出てきた不要なモノは溜 め込まず、期限を決めて処分し ます 。使用量に応じて在庫を見直し、 そのたびに表示を変更します 。清掃基準を設定し、清掃カレン ダーを作成して定期的に清掃し ます


コメント