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第4章「業務別」マニュアルの作成・活用ポイント集

目次

①事務マニュアル 業務の特徴と作成上のポイント

ここでは総務、人事、経理部門の業務、営業部門の契約事務など定型的 な事務業務を解説します。

事務業務には次のような特徴があります。

①繰り返し発生する:例えば給与計算は毎月発生する業務です。

契約事務 は契約を1件獲得するごとに行う業務なので、契約件数だけ繰り返し発 生します。

このように事務業務は繰り返し発生する業務といえます。

②さまざまなパターンが発生する:例えば生命保険の契約事務の場合、同 じ保険商品の契約書でも契約者の健康状態、受取人との関係、特約の有 無など細かい点で契約内容が異なるので1件ごとに少しずつやるべき作 業が違っています。

また給与計算でも、社員や契約社員など給与体系の 違いや月の途中入社の人の対応、給与天引きの社内販売を活用する人の 対応などさまざまなパターンが発生します。

③事務処理システムを利用するケースが多い:給与計算ならば「勤怠管理 システム」と連携をした「給与計算システム」を利用したり、経理では 「経理システム」を利用したり、契約事務では「契約管理システム」な ど、それぞれの業務に応じたシステムを使用することが多いといえます。

このような特徴を持った事務業務を行う担当者に求められることは、 ・適切な手順を十分に理解し、その手順どおりに繰り返しできること ・業務上発生するさまざまなパターンに対応可能であること ・利用する事務処理システムの操作方法が把握できていること となります。

事務業務のマニュアルを作成する際のポイントは業務手順が 分かりやすく示されたうえで、さまざまなパターンヘの対応方法と業務処 理システムの操作方法がしっかりと解説されていることです。

②事務マニュアル ロ次構成のポイント

事務の業務といっても、経理、人事、契約管理などさまざまな種類の業 務のことを言うので、全て同じマニュアル構成にすることは難しいかもし れません。

とはいうものの、事務業務のマニュアルは部門ごと、業務ごと に業務手順の解説を中心にまとめていくことが一般的です。

①業務手順と業務要領:対象業務の品質・効率・個人情報保護などを考慮 して最もよいと考えられる手順を解説します。

対象とする業務を確実に 遂行するために「どのような順序で」「何をするのか」が分かるように 解説していきます。

事務処理システムを活用する業務の場合には、シス テム画面を示しながら、システムの操作が分かるようにします。

さらに、 それぞれの手順において、ミスなく、効率的に行うための留意点(業務 要領)も解説します。

②帳票0画面サンプル:対象の業務を全く知らない人は、業務手順を解説 されても、業務を具体的にイメージできません。

対象とする業務を行う ために必要な帳票、必要なデータが表示されるシステム画面、データ入 力画面、作成する帳票などのサンプルがあるとその業務をイメージしや すくなります。

業務手順と業務要領の解説とともに帳票やシステム画面 のサンプルをまとめておくと非常に分かりやすくなります。

③例外処理方法の解説:事務業務は、さまざまなパターンが発生しますが、 マニュアルには全パターンの業務手順を解説することが求められます。

しかし、パターンが非常に多い業務では、全てを網羅した業務手順マニ ュアルを作成することが難しくなります。

このような業務の場合、業務 手順を解説するマニュアルとは別に、例外処理の方法の解説をまとめ、 後から例外処理の解説を追加できるようなマニュアル構成にします。

③事務マニュアル 業務手順書の作成ポイント

業務手順書(業務手順および業務要領を解説するマニュアル)は業務ご とにまとめるので、どの業務のマニュアルで、その業務はどのような位置 づけであるか、何をする業務なのかがすぐに分かるようにしておきます。

ページのレイアウトは業務手順を解説する部分とその手順での留意点(業 務要領)を解説する部分の2つに大きく区分します。

業務手順は、右ページの例のように、「サービス変更申込書の入手」、 「サービス変更申込書の分類」、「サービス管理システムの起動&ログイン」、 「対象顧客のサービス契約画面の呼び出し」といった少しラフな単位で業 務全体の流れを示します。

ラフな単位とは、業務処理システムを利用した 業務を例に解説すると、操作画面の単位をひとつの目安とし、画面が変わ るたびに次の手順に移る、というとらえ方です。

そしてラフな単位でとら えた手順の中身を詳細に解説していきます。

システムでいうひとつの操作 画面での項目別の設定方法や手順を解説するというイメージです。

例えば対象顧客のサービス契約画面の呼び出しに関して、申込書に書か れた顧客情報が確実であれば業務上の処理は単純ですが、申込書は顧客が 書くものですから、全ての項目をしっかりと記入してくれているとは限り ません。

そのため複数の方法でその顧客のサービス契約画面が呼び出せな ければなりません。

マニュアルにはそのような対応方法も記載されている ことが求められます。

当然、事務処理システムを利用していますから、その画面イメージや操 作方法が分かることが望まれます。

業務手順の解説とともに、どのタイミ ングでどのような画面が表示されるかが分かるようにしておくとよいでし よう。

同時に、業務品質や効率面での留意点も解説しておきます。

④事務マニュアル 業務要領解説書・例外処理解説書の作成ポイント

業務要領とは業務をうまくやるコツのことで、実務担当者が業務を行う うえで留意すべきことです。

事務業務の場合、マニュアル作成時に業務要 領を全て整理することは極めて困難で、日常の業務を遂行している中で 「あっ、こんなことが業務をうまくやるコツなんだ」「こんな点に気をつけ ないとミスにつながる」などと気づくものです。

このため、あえて業務手 順と切り離して業務要領だけを別冊の業務要領解説書とし、業務手順の解 説部分に影響を与えずに更新できるようにする場合があります。

業務要領だけを別冊のマニュアルにする場合、「どの業務のどこの手順 でどんなことを留意すればよいのか」が分かるようにまとめることが必要 です。

右ページの例のように、書式の先頭部分にどの業務の業務要領なの かを明記し、書式の左側に業務手順を示し、その手順での業務要領を右側 に解説するというのが分かりやすいレイアウトです。

また業務のパターンが非常に多い場合、業務手順書でうまく解説できな い例外的な処理パターンをまとめて例外処理解説書とする場合があります。

例えば人事部門で行う給与計算では、全従業員を全て同じルールで処理で きるものではありません。

有能な人材を獲得する際に、本人と特別な約束 をして採用をしてしまったり、営業拠点などの閉鎖に伴い退職を余儀なく された人への特別な対応をしたり、さまざまなパターンが発生します。

一 部の人だけ特別な処理が求められるのですが、そのことを給与計算の担当 者が確実に理解していなければ誤った給与を支払うことにつながるのです。

例外処理解説書は、例外処理の発生した経緯、例外処理の対象、具体的 な対応方法の解説をします。

特に標準的なパターンのものとの違いを明確 にすることがポイントです。

⑤研究開発業務のマニュアル 業務の特徴と作成上のポイント

設計・研究開発現場のマニュアルには、次の2種類が考えられます。

①開発プロジェクトマネジメントに関するマニュアル:研究や開発は、多 くの場合プロジェクト形態をとります。

プロジェクトに関わる人が、プ ロジェクトはどのように運営されるのかを共通理解するためのマニュア ルです。

このタイプのマニュアルは、実際に遭遇するシーンは多種多様 であるため、手順を詳細に記述するというよりも、基本的な考え方をき ちんと伝えることに重きを置きます。

プロジェクトマネジメントは、プ ロジェクトチームおよび顧客などを含めた関係者が連携して動くことが 求められるものですので、マニュアルでは情報連携・コミュニケーシヨ ンの仕方を記述することになります。

また、このタイプのマニュアルは、 いかに実態感・臨場感のある例を示すことができるかで、マニュアルの 質が大きく変わってきます。

そこで、何を例示するかについても十分な 留意が求められます。

②実験や分析などの作業の進め方に関するマニュアル:繰り返し業務遂行 されることが予想される実験や分析などの作業の進め方に関して、その オペレーションエ程、手順を示すタイプのマニュアルです。

今日、各種 の測定のデジタル化が進んできており、操作をパソコンで行う装置も増 えてきています。

そのため、実際に使うマニュアルの媒体は紙であった り、パソコンの画面であったりします。

いずれの媒体でも、このタイプ のマニュアルは、直感的に理解できかつ理解しやすいという意味で、で きる限り図解するのが基本です。

実験などの作業を遂行しながら参照す るという現場での使い方を想定して、マニュアルを作成する必要があり ます。

⑥研究開発業務のマニュアル ロ次構成のポイント

研究開発のプロジェクトマネジメントのマニュアルに記載される内容の一 例は右ページのようなものです。

プロジェクトを遂行するために、プロジ ェクトの計画(プランニング)、リスクマネジメント、チームビルディン グ、進捗管理、変更管理、成果物管理・ナレッジマネジメント、契約、プ ロジェクトの完了といった観点でマニュアルを作成するのが一般的です。

以下、それぞれについての留意点をあげてみます。

①プランニング:プロジェクトの成否は、計画段階で決まります。

目標の 確認、課題の洗い出し、リソースの確保、スケジューリングなどをどの ようにするのかを記述します。

②リスクマネジメント:リスクの洗い出し、評価方法、対応方法、そして リスクマネジメントのプロセスについて記述します。

③チームビルディング:プロジェクトテームの形成法、責任と権限、コミ ュニケーション方法(通常と非常時)などについて記述します。

④進捗管理:プロジェクトの進行中の進捗確認の方法、会議の場の運営法、 日程表・課題管理表・リスク管理表などの更新方法について記述します。

⑤変更管理:仕様や図面などの変更の決定方法、連絡方法、変更対応のた めのバッファ(余裕)の確保などについて記述します。

⑥成果物管理・ナレッジマネジメント:プロジェクトの成果物の管理方法、 参考情報のありか、経験からの学習方法などについて記述します。

⑦契約:各種契約先(協力会社、提携先の会社)との契約方法や留意点に ついて記述します。

③プロジェクト完了:プロジェクトの完了のさせ方、将来への情報や知識 のフイードバックの仕方について記述します。

⑦研究開発業務のマニュアル 実務者向けマニュアルの作成ポイント

プロジェクトの実務者向けのマニュアルには、基本的なプロジェクトの 流れ(プロセス)と各工程でなすべきことを記述します。

基礎研究、応用 研究、実用開発など工程によつて特性が異なりますので、マニュアルでは 各工程の特性に応じた進め方を記述します。

このようなプロジェクトマネジメントのマニュアルにおいて大切なこと は、どのような経路で情報伝達がなされるのか、どのように意思決定がさ れるのかについての共通認識を図ることです。

意思決定プロセスとしてど のようなフローをとるのか、各立場の人はフローの中で何をしなければい けないのかを説明する必要があります。

また、通常時の手続きとは別に、 例外時、緊急時の対応方法(コンテンジェンシープラン)についても説明 するとよいでしよう。

さらに留意すべきことをあげると、マニュアルの読者であるエンジエア の人達は、マニュアルの中で使われる「指示」、「許可」、「審査」、「承認」 などの言葉の概念を必ずしも理解しているとは限りません。

従って、マニ ュアルの中で使われる言葉についての概念説明もするとよりよいでしょう。

プロジェクトマネジメントのマニュアルは、作業方法を記述するというよ りは、各人にチームワークを発揮するための考え方を伝えることに軸足を 置くべきです。

最近は、市販あるいは自社製のプロジェクト管理システム を使ってプロジエクトマネジメントの情報管理やコミュニケーションを行 う現場が増えてきています。

そのため、マニュアルがプロジェクト管理シ ステムの操作ガイド形式になってきているケースが見受けられますが、主 として伝えるべきことは、操作方法ではなくマネジメントの考え方や姿勢 だということは忘れてはなりません。

③研究開発業務のマニュアル 管理者向けマニュアルの作成ポイント

プロジェクトの管理者向けのマニュアルには、基本的なプロジェクトの 流れ(プロセス)の中で、管理者として何を考慮し、何を意思決定するの かを記述します。

そのためにマニュアルの中で明確にしておくべきことと して、管理者の「権限」と「責任」があります。

プロジェクトがうまくい かない原因のひとつに、本来それができる権限を有している人が、適切な 手をタイムリーに打たないことがあります。

管理者に認識を強くさせたい 点は、本人が有している「権限」と、その発揮(行使)のシチュエーショ ン、タイミングです。

「権限」と対になっているその人が果たすべき「責 任」も併せてマニュアルで説明することで、「権限」の認識が明確になり ます。

そのうえで、どのようなプロセスで意思決定などをするのか、どの ような会議体を持つのかなど、具体的な権限の行使方法を記述します。

さらに、マニュアルの中でガイドすべき重要な点は、プロジェクト運営 をするうえでの人間の心理的側面への配慮です。

ともすれば、マニュアル は人間の心理面に触れることなく、情報伝達や意思決定の方法を説明する だけに陥りがちです。

しかしながら、実際のプロジェクトは、感情を持っ た人間どうしで推進されているものです。

管理者のものの言い方ひとつで、 情報が伝わりやすくも伝わりにくくもなるのが実情です。

けっして管理者 に対して、「報告を受ければいい」という姿勢を推奨してはなりません。

「聞いていなかった。

知らなかった」ということはよく聞かれる言い訳 ですが、厳しくいえば部下の人から見てその管理者は、「連絡・相談しが いのない人だった」、「本当のことが言いにくい雰囲気だった」ということ です。

そのような管理者にしないためにも、人間心理面の説明もマニュア ルの中でできる限りした方がよいでしよう。

③製造のマニュアル 業務の特徴と作成上のポイント

多くの製品がひしめく中で競争を勝ち抜くために、製造業では迅速に、 抑制されたコストで、高い品質の製品を市場に投入できるよう努力を重ね ます。

これを実現できるのは標準作業手順の存在のおかげで、これを製造 プロセス全体で順守しなくてはなりません。

つまり、製造現場の全ての作 業者が、あらかじめ決められた作業手順をきっちりと守っていることが、 安定した品質や競争力のあるコストを生み出すのです。

そのため、製造作業のマニュアルを作成するためには、その前に標準作 業手順をつくり込まなくてはなりません。

標準作業手順とは、人と物と設 備のもっとも効率よい組合せを考えて、よい物を、より早く、安全に、ム ダのない作業が実現できる作業方法ということになります。

また一方で、必要な生産量をつくり上げるために、各作業は決められた 時間で完了しなければなりません。

実際に作業にかかる時間を勘案しなが ら、1日の生産量を達成できるような時間(これをタクトタイムといいま す)でおさまるように、必要に応じて作業は分割され、分担されて、標準 作業手順は設計されます。

次に、作業順序を設定します。

これは、さまざまな作業をどのような順 番で行うかということですが、必ずしも「モノの流れ」と「人(作業)の 流れ」が一致しない場合もあります。

作業順序が設定されていないと、各人がそれぞれ好き勝手な順序で作業 を行うこととなり、毎回作業順序が異なったり、現場に置かれているもの もどれが必要で、次に作業を行うべき対象はどれなのかが分からなくなっ たりして、その結果加工忘れや寸法違いの不良品が後工程に流れます。

こ れを防ぐために「守りやすい、守れる作業順序」を設定します。

⑩製造のマニユアル ロ次構成のポイント

通常、標準作業手順の作成は、製品が生産される工程の順番に沿って行 われます。

しかし、実際の作業は分担されていたり、複数の製品を同時に つくっていたりするために、必ずしも製品の製造順序と作業順序は一致し ません。

また、作業者は一日中製造作業だけを行っているわけではなく、 朝は準備作業や点検を行ったり、夕方には片付け、清掃を行ったりするこ とでしよう。

そのため、製造系の業務マニュアルは、工程を追ってつくら れたものを1日の流れが分かるように再構成する必要が生じます。

具体的には、各製品の工程経路を作成し、各作業者が、どの製品、工程、 作業を分担するのかを一覧表で示し、明確にしたうえで、作業者ごとの作 業範囲に従って標準作業手順を集めていきます。

また、 1日の作業の流れは「朝の非生産作業」「生産作業」「夕方の非生 産作業」という流れで行われるのが一般的ですので、それぞれの項目に応 じて分冊します。

以上、全体を整理すると、以下のようなマニュアルが作成されることに なります。

①製品ごとの作業順序に従った標準作業手順のマニュアル ②各製品と工程の分担、作業者の分担を示したもの ③非生産作業の項目及びそれぞれの作業手順を示したもの さらに、必要に応じて自主保全や定期点検などの設備管理に関わるもの や、避難訓練や季節行事などの頻度の低い定例作業、サークル活動や発表 など改善に関わるもの、管理者が実施する日常管理や月次の管理などにつ いても追加していきます。

①製造のマニユアル 標準作業手順書の作成ポイント

作業手順を記したマニュアルは、実際の作業をしながら見ることを前提 に作成しなくてはなりません。

そのため、各ページの構成は見開きの中に必要な項目を全て織り込み、 ビジュアルに一見して分かるようにします。

一般的には左側もしくは上部 に図面や姿絵、ポンチ絵などを用いて作業手順を分かりやすく、順序に従 って記述し、右側もしくは下部には作業の注意点を記入します。

このよう に作成された製造系の業務マニュアルを、特に標準作業手順書(SOP: Stmdttd Operation Sequence)と呼ぶことがあります。

記載すべき項目は標準作業手順、標準時間、安全上の留意点、品質上の 留意点などで、これらの項目は各ページの同じ場所にレイアウトします。

留意点は個条書きでポイントのみを見やすく記述しますが、標準時間や品 質の規格項目および基準値などは数値で記入していきます。

また、標準作業は作業の改善を重ねるたびに見直されていくものですか ら、改訂履歴や各作業者の確認印を押す場所なども確保するようにしまし よつ。

標準作業手順書のほかに、特に作業のポイントや注意点だけを抜き出し たカード形式のものを作成する場合もあります。

これは、ある程度習熟し た作業者や、製品ごとの作業にあまり違いがない場合など、作業全体は都 度確認しなくてもよいが、ポイントだけはポカミスを防ぐために確認した いといった場合に使用されます。

これは現場に掲示することを前提とするため、作業の切替えのタイミン グでいっせいにめくるなど、プラカードのような形式でつくられることも 多くなります。

⑫製造のマニュアル 管理者による進捗管理手順のポイント

製造現場ではさまざまな改善活動が行われます。

活動は、個々の施策ご とに実行計画に落とされ、管理・監督者は自部門で掲げた施策の進捗状況 を管理します。

進捗管理という言葉はよく聞かれますが、具体的に何をするかが明確に なっていることはあまりないように感じます。

管理者によって完了後の成 果のみを確認する場合もあれば、少しでも作業が進捗したら報告を聞きた いという場合もあります。

右ページの表は、製造職場の一線監督者が部下の実行計画書の進捗管理 を週単位で行う際に、具体的に実施すべきことを記した例です。

上半分の「作業項ロレベル」とは、下半分の施策を完了するために必要 ないくつかの作業(タスク)を指します。

この作業項目一つひとつが計画 通りに実施されることで施策が予定通り完了することになりますから、監 督者は作業項目がスムーズに行われているかどうかを確認します。

予定通りに着手され、計画通りの内容で進んでいるものはよいのですが、 着手すべきものができなかったり、やってはみたものの思わしくない状態 になっていたりするものは、即座に対策を考え、実行しなければなりません。

計画した施策がうまく実施されないのは、こうした個々の作業項目の内 容を確認しないからです。

この例では、右側に必要に応じて「対応策」を 記入するようになっています。

これは、現場に持ち込んで活用する、チェ ックシート形式のマニュアルです。

結果のみを確認するのではなく、作業項ロレベルでの不具合を着手段階 から確認し、不具合にはすぐに原因の究明と対策を実施するという、本来 すべきことを改めて確認し、文書化することで抜け漏れが明確になります。

⑬営業のマニユアル 業務の特徴と作成上のポイント

営業系の業務マニュアルは、期間内の売上目標や利益目標を達成するた めに存在します。

従って、いかに営業戦略に沿って、有効かつ効率的に活 動し、ライバル他社に先んじて成果をあげるかが問われます。

営業業務の 特徴とマニュアル作成上のポイントは、次の通りです。

①マニュアルを戦略で分ける:営業戦略には、さまざまなアプローチがあ ります。

エリア戦略、チャネル戦略、商品戦略、顧客戦略などです。

そ れぞれにアプローチが異なります。

従って、マニュアルをつくる場合に は、まず営業対象となる商品やサービス(商材)についてどの切り口を重 視して営業するかを見定めることが重要になります。

②組織的な営業を重視する:営業というと厳しいノルマに追われたセール スマンを思い浮かべがちですが、実際はもっと堅実で組織的な活動が重 視されます。

担当者の役割とマネジャーの役割が明示されるとともに、 その連携方法について、年度、半期、月次、週次、日次サイクルでの連 絡・報告・相談など、マネジメントのあり方が明確にされる必要があり ます。

さらには、物流やアフターサービス、経理など、他部門との連携 についても、マニュアルに明記することが重要です。

③営業情報による更新と、成功・失敗事例の共有化:営業の現場は、顧客 のニーズ、ライバルの動き、市場環境が刻々と変化していきます。

マニ ュアルもそれに合わせて更新していかなければなりません。

会議などで 示される営業情報によって、柔軟に更新できることが重要です。

また、 営業活動の成功・失敗事例を組織的に共有することで、同じ失敗を三度 と繰り返さず、より成功確率の高い活動に注力していくことができます。

情報を個人で秘匿せず、組織で共有する仕組みが必要です。

⑭営業のマニユアル ロ次構成のポイント

営業現場にとって活用しやすい営業系の業務マニュアルは、次のような 考え方で編集されます。

参照しやすい分冊化と絞り込みがポイントです。

①営業タイプ別の分冊化:営業の担当者やマネジャーからみて使いやすい よう、企業の営業戦略に沿って、販売する商品別、チャネル別(商社営 業、小売店営業、直販営業など)、顧客別(法人向け営業、個人向け営 業、量販店営業など)、エリア別などに分冊化します。

また、営業部門 の組織は、営業戦略に沿って編成されていますので、事業部別などその 組織ごとに編集することも有効です。

②担当者・マネジャー向けの分冊化:組織的な営業が重視される場合、社 員の役割分担に応じて分冊化し、内容は目次が相互に対応するように編集 することで、活動を連携、補完し合うものになります。

③営業プロセスによる目次構成:プランニング、商談活動、フォロー活動 といった典型的な営業プロセスを示し、個々の営業プロセスごとに目次 を構成していくことで、担当者にも活用しやすくなります。

④マネジメント0タイミングによる目次構成:営業活動は年度、半期、月 次、週次、日次で目標管理をする場合が多く、ミーティングや報告書作 成、実績入力などもそのタイミングで発生します。

これらのタイミング ごとに目次を構成することで、組織的営業が促進されます。

⑤その他の追加マニュアル:上記のほかに、見積書作成、伝票作成など定 型業務のミスをなくし効率的に進めるためのマニュアルや、新製品導入、 各種キャンペーン、成功・失敗事例集など販売促進を効果的に進めるた めのマニュアルなどがあります。

それぞれを散逸させずに全て徹底させ る工夫が必要です。

⑮営業のマニユアルが活用されるためのポイント

営業現場で活用されるマニュアルにするためには、次のようなポイント を踏まえる必要があります。

①営業活動の重要なポイントは、顧客のニーズ、ライバルの動向、市場の 変化に合わせて都度変わっていくことが前提です。

もっとも有効な活動 方法も、その高い成果はそう長くは続きません。

従って「例外業務」が 日常的に発生する確率が高いことが特徴です。

②営業活動には、商品、顧客、ライバルなど市場動向に関する最新の情報 が欠かせません。

これらはマニュアルを補完する情報として、都度、オ ンライン、オフラインの情報交換の中で情報共有していくマネジメント が重要となります。

③営業現場は「顧客第一」を言い訳にして、報告資料の作成や伝票入力な ど社内業務がおろそかになりがちです。

業務上「やってはいけないこと」 と「やらなければいけないこと」を明確に示し、かつ徹底していく必要 があります。

チェックリストを整備するなどの工夫が有効です。

④顧客との前向きな商談時間を確保するためには、極力、社内の定型業務 を効率化していく視点も重要です。

見積書や提案書などはひな形や過去 の類似事例を検索・引用できる仕組みなどがあると重宝します。

⑤情報漏洩リスクの観点から、マニュアルを社外に持ち歩くことは好まし くありません。

また、都度、内容の変更が想定されることから、セキュ リテイー管理がされたオンライン・マニュアルがベースとなります。

⑥マニュアルだけでは営業現場は動きません。

マニュアルの内容を徹底す るには、日常のEメールやミーティング、事前の研修や説明会、定期的 な現場観察や同行指導など、定着化の仕組みも必要です。

⑩高い成果が実現できる営業のマニユアルのポイント

営業系の業務マニュアルは、決められた定型業務が効率的にできるだけ でなく、実際に高い営業成果が実現できなければ意味がありません。

そこ で、現場でマニュアルが活用されるだけでなく、成果の出る方法を示し、 成果に導く工夫も合わせて検討する必要があります。

① トップ営業マンを編集に巻き込む:顧客やライバル、市場環境をよく知 り、高い営業成果をあげた経験者が、マニュアルの編集に深く関わる必 要があります。

状況は刻々と変化しますから、かつて成果をあげた人よ りも、今現在、高い成果をあげている人にどう編集に携わってもらい、 どこまでノウハウを公開してもらえるかがカギを握ります。

またトップ営業マンほど独自の営業スタイルがあるので、複数人に取 材または議論してもらいながら、そのエッセンスをうまくとりまとめる 工夫が必要です。

活用する営業現場から見ても、 トップ営業マンが編集 に関わったマニュアルはぜひ学んでみたいと思うでしよう。

②マニュアルの内容を徹底させる:マニュアルだけでは営業現場は動きま せん。

マニュアルの内容を徹底するには、集合形式での研修や説明会は もちろんのこと、日常の通知やミーティングなどを通じた連絡、営業拠 点を訪問しての定期的な現場観察や同行指導など、継続的な定着化の仕 組みを併行して構築、実施していく必要があります。

また、営業活動は主に社外で行われる活動ですので、成果を見えるよ うにする仕組みも欠かせません。

経営成果を生み出すために、営業プロ セスごとにどれほど資源を投入し(活動資源投入)、行うべき活動がど れほどでき(活動内容)、どのようなよい兆候が見られるのか(活動成 果)を成果指標管理することで、マニュアルの成果を確認しましょう。

①サービス業務のマニユアル 業務の特徴と作成上のポイント

サービス業務には、デパートや店舗での販売、レストラン、ホテル、金 融機関での窓口業務、コールセンターなどさまざまな種類がありますが、 共通的な特徴をまとめると次の通りです。

①接客対応能力が求められる:お客様との直接的なやり取りによって、お 客様のニーズを的確にとらえ、ニーズにあったモノやサービスを提供す ることでお客様の満足を得るというのが基本的な流れです。

お客様によ ってニーズや感性も違うので、接客の場面に応じて、臨機応変に対応で きるようにしていかなければなりません。

②提供するサービスの専門性が必要:レストランに来るお客様は、そこで 提供される食事を楽しみに来ます。

マッサージ店では、プロのマッサー ジ師によるマッサージを期待してお客様がその店に来るわけです。

つま り高い専門スキルが求められます。

このような特徴を持つサービス業務のマニュアルを作成する場合、高い 接客能力の習得と高い専門スキルの習得に、役立つものにしなければなり ません。

そこでマニュアル作成のポイントは次の通りになります。

①接客・サービスの基本をおさえる:あいさつ、身だしなみ、話し方とい った接客の基本を確実におさえておく必要があります。

また、サービス についても基本的な流れとその対応方法や最低限必要な知識は必要でし よつ。

②高い専門性を引き出す:優秀な人はどこを留意しながら行っているのか、 といったノウハウが詰まったマニュアルが理想です。

また、サービスは 一律の対応ができませんので、成功または失敗事例も参考になります。

⑩サービス業務のマニユアル ロ次構成のポイント

サービス業務といっても非常に広い範囲の業務をいうので、どの業務も 同じようなマニュアル構成ということにはなりません。

ただし、サービス 業務の特性を考えると、次のような目次構成がよいでしょう。

①接客マニュアル:接客マニュアルは、接客に関わる全ての人が知ってお くべきことを中心にまとめます。

はじめに会社としてのサービスに対す る理念について解説し、次に、身だしなみ、あいさつ、電話対応など、 一般的な接客マナーについて、目指す状態を示します。

②職種別マニュアル:サービス業務は広い範囲を含むので、職種別に業務 のやり方を中心にまとめます。

1日の業務の流れ、発生する場面ごとの 業務手順、うまく行うための留意点を解説します。

③専門知識の解説書:例えば店舗での商品販売員であれば、商品の知識が 最大の武器です。

商品の特徴を他の商品と比較して説明できたり、使う 場面、使う人ごとにその商品のよさを伝えられたりすることが求められ ます。

また、店に在庫がなかった場合の対応も適切に行わなければなり ません。

このように、サービス業務では、職種に応じて求められる専門 知識習得のための解説書が必要です。

④接客対応事例集:お客様の感性はさまざまで、一律の対応ではよいサー ビスは実現できません。

場面、場面での適切な接客ができるようになる ためには、さまざまな経験が必要になってきます。

しかし、経験を積み 重ねなければよりよい接客ができないというのでは、新人の育成に時間 がかかってしまいます。

このため誰かが体験した成功事例、失敗事例を まとめておき、組織的に事例の内容を共有化することで、仮想経験を積 めるようにするのが接客対応事例集です

⑩接客マニユアルの作成ポイント

接客マニュアルは、接客に関わる全ての従業員が知っておくべき接客の 基本と、プラスアルファのサービスを実現するためのポイントが解説され るものです。

接客マニュアルの内容は、新入社員のときに学んだマナー研 修のテキストに近いものになります。

しかし、接客マニュアルは非常に重 要なもので、マナー研修のテキストとは似て非なるものなのです。

接客マニュアルの最初の部分には、必ず「当社のサービス方針」など会 社としてのサービスの考え方を示します。

サービスはお客様からの信頼を 獲得するための最も重要な要素のひとつです。

企業の戦略を実現するため に競合他社とのサービスの違いを明確にし、サービス面で強みを発揮した いのです。

「当社のサービス方針」は、企業の戦略から展開されたサービ ス戦略と考えてもよいもので、接客に関わる人は内容を理解し、常に意識 して仕事に取り組むべきものです。

会社としてのサービスに対する考え方の後には、身だしなみ、話し方、 電話対応などの解説が続きます。

ベースとなる内容は、社会人として身に つけるべきことで、マナー研修でのテキストの内容に近いものです。

社会 人として身につけるべきことができていなければ、競合他社に勝つことの できるサービスが実現できるわけがありません。

ですから、社会人として のマナーを実現できるだけの内容を、しっかり盛り込む必要があるのです。

そのうえで、「当社のサービス方針」を実現するためにどうするのかを 具体的に示します。

例えば、「ひげを生やしてはいけない」とか「派手な ネクタイをしてはいけない」など、サービス方針に沿った制限や、「親し みを感じる口調であいさつをする」など、サービス方針を実現するために 意識すべきポイントを少しでも具体的になるように解説します。

④修理サービス員の業務マニユアルの作成ポイント

サービス業務といっても、全て接客応対というわけではありません。

例えば店舗での販売員でも、開店前の準備として店の清掃や商品の補充 など行わなければなりません。

このようにサービス業務にはお客様からは 見えない業務もたくさんあり、接客と同様に非常に大切な業務なのです。

業種別のマニュアルはこのような業務を含め、その業種に必要なスキル を習得するためのマニュアルです。

右ページに示したマニュアルの例は、一般家庭を対象とした家電など機 器修理を行うサービス員のマニュアルです。

お客様から機器の修理依頼を 電話で受け、車でそのお宅に訪問し、機器の修理をするという流れです。

訪間型の機器修理では、サービス員の修理技能、接客対応力とともに、 事前の部品準備がCS向上において重要な要素となります。

なぜなら修理 技能が高くても修理に必要な部品がなければ、部品を取りに帰らなくては ならず、結果として2度、3度の訪間になってしまうからです。

マニュア ルはお客様訪間前に行うべきことを示していますが、お客様への訪問予定 時間の電話確認とともに、部品準備のためにやるべきことを解説しています。

また、訪問型の機器修理においては接客対応、機器修理でさまざまなパ ターンが発生します。

そこでこれまで経験したさまざまなパターンを事例 集としてまとめ、組織的にその経験の共有化を図ることが非常に有効です。

例えば機器修理では、実際に修理してみないと料金がはっきり分からな いという難しさがあります。

そこで料金説明でのトラブルが他の業種より 多いという傾向があります。

料金説明で「どんなトラブルがあったか」、 「どのように対応したか」、「その経験を通じてどんなことを学んだか」を まとめておき、それらを活用してサービス員の教育を行うのです。

④社内規定の特徴と作成上のポイント

会社には、規則や規程、規約と名のついた文書(以下社内規定)が存在 しています。

皆さんの会社でも、就業規則、取締役会規程、組織規程、人 事規程、経理規程といった文書を見たことがあるのではないでしようか。

これらは会社のさまざまな分野における組織運営や業務処理の方針や総 則を定めた文書で、右ページの表のように定款や就業規則など、一部には 法律で制定することが求められた文書や、Isoなどの認証類の取得上制定 が求められる文書もあります。

規定には、大まかな方針や行動の原理・原則が書かれており、会社の経 営陣も含めて承認されるもので、頻繁には変更がされません。

また最近は、企業の社会的な責任が重要視されてきた背景もあり、企業 の価値観や方向性、従業員の行動の基準を定めた文書についても、「○○ way(HP way、 トヨタ・ウェイなどが有名)」などように、会社の姿勢が より分かりやすくなるように定め、組織全体への徹底を図っているケース もあります。

つまり、社内規定は、マニュアルとは異なり、実質的な手順書というよ りは、会社としての不変的なルールについて定めた文書なのです。

そうで ある以上、皆さんがつくるマニュアル類も社内規定に沿ったものでなけれ ばならないことは、いうまでもありません。

一般に社内規定は、法律文書の体裁を用いて記載されており、読みやす いものではありません。

ですので、マニュアルでは、社内規定で定めた大 まかなルールを具体的に実施するために、その手順を分かりやすく整理し たり、規定としてはいくつかに分かれているルールを、一般社員が行う業 務の流れに合わせて整理したりしておくとよいでしょう。

⑫社内規定の作成ポイント①

前ページの表にあったように、法令等で制定が求められている規定の種 類はそれほど多くはありません。

ただ、だからと言って最低限のものをつ くればよいかというと、そういうわけにもいかないのが実態です。

内部統制の確立が企業存続の最低条件となりつつある現代の経営環境に おいては、法定の文書以外にも、内部統制のもととなる規定類を幅広く整 備していくことが求められています。

揃えなければならない規定類は、企業の規模や業種によつても変わるの で、一概にはいえませんが、右ページにあるような規定類はおおむね一般 的なものといえます。

これらに類するような規定類が存在していれば、比 較的規定が整備されているといえます。

次に、社内規定類における記載項目の設定例ですが、こちらも文書によ って細部は異なってきます。

しかしながら大筋をおさえておいたほうがよ い項目がありますので、その代表例について右ページで示しています。

特に重要なのは、その規定の目的です。

ここに制定の背景や制定の結果 目指していることを明記しておくことが重要です。

規定というのは会社の法律ですから、守るべき方針や原則、責任と権限、 基本的な運用体制や手順といったことについても、簡潔かつ明瞭に表現し なければなりません。

例えば決裁権限規定の目的記述の例としては「本規程は、会社の業務執 行に関する各職位者の権限と責任及び稟議決裁制度のあり方を定め、法令、 社会倫理及び会社の諸規定の定めを逸脱することなく、事業の組織的かつ 効率的な運営を図ることを目的とする」というような表現になります。

これにより、守るべきことと目指したいことが明確になります。

④社内規定の作成ポイント②

社内規定は、会社のルールを表す文書としての重要性からも、整備は不 可欠ですが、制定してあるからよいという性格のものではありません。

つ まり、会社にはどのようなルールがあって、それはどこ(どの規定)に書 かれているのか、社員が理解できていて、必要なルールを必要なときに確 認できる状態にしなければなりません。

そのためには、右ページ「社内文書の階層例」にあるような社内文書の 階層を整理して、各文書の位置づけを明確にしておくことが重要です。

一 般的には社是や経営理念といった会社の思想を表した文書を最上位に位置 づけ、その具体的な実現に向けた方向づけを行うための社内のルールを、 規定や基準として定めることになります。

それだけで具体的に何をすべき かが分からない場合には、その手順を示す要領(手順や帳票を定義した文 書)を整備します。

規定や基準、要領は、法律の記載方式にならったかたい文で作成をする ケースが一般的です。

そのため、規定類はいざというときのよりどころと して整備し、それとは別に、通常時に一般社員が活用する経費や旅費の精 算ルール、福利厚生の手続きなどを取りまとめて参照しやすくしたマニュ アルを整備しておくことが、ルールの徹底や周知をするうえでは重要にな ります。

また規定の周知徹底を図るために、紙ベースの規定集を配布したり、イ ントラネット上に規定データベースといった形で載せておいたりされます が、社員が規定類を検索しやすくするように、分かりやすい分類(右ペー ジの「規定分類例」参照)をつくっておくことも重要です。

②社内規定の作成ポイント③

社内規定は、法令に則した条文形式で書かれることが一般的です。

この 背景としては、以下のような点があげられます。

①定款や就業規則など法定作成文書から発生している。

②社内規定が会社の法律的な文書であるため、威厳を持たせている。

③各種の市販されている規定集(規定のひな形を掲載した本)が条文形式 になっている。

社内規定は、必ずしも条文形式にしなければならないわけではありませ んが、これを参考にする意味は十分あります。

次に規定の中身ですが、項目は前項で述べたように、大筋は決められる ものの、細日は各規定によって異なります。

しかし補則の部分で「制定・ 改廃履歴」や「主管部門」、「(罰則を設ける場合には)罰則」について明 示しておくことは、運用上とても重要です。

また、社内規定を実際に作成する際には、内容が専門的になることもあ り、各部門で分担してつくることになります。

そのため、事前に規定作成の ルールを、規定管理規定や規定管理要領という形で定めておくことは重要です。

規定管理規定(要領含む)の中では、次の事項について定めておくと、 その後の運用がスムーズになります。

①社内文書の階層や社内規定の分類、体系についての定義 ②規定の効力・消滅のタイミングの定義 ③規定制定時の流れ(原案作成から承認・公布までの手順) ④規定の維持管理のルール(改訂実施のタイミング・改訂の手順) ⑤規定に盛り込むべき項目の定義 ⑥規定の中で使用する用字。

用語・実際の帳票の定義

⑮コンプライアンスマニュアルの作成ポイント①

最近、行動規範やコンプライアンスマニュアルというものを定める企業 が増えています。

これは従業員に対して、社会人としての最低限踏まえて おいて欲しい法律知識や、心掛けて欲しい倫理面の項目などを分かりやす く整理した文書です。

企業も社会の一員であるとの認識が高まり、社会的な責任が問われるよ うになってきた中で、社員の自主的な行動に期待するだけでなく、企業と しての価値観を表した行動の規範を整理しようという考えから生まれてき たものです。

企業の姿勢を表した文書であるとともに、企業文化確立に向けた社員へ の啓発文書でもあるので、非常に大切な位置づけのマニュアルとなります。

以上から、コンプライアンスマニュアルの作成ポイントは以下の通りで す。

①会社としての宣言的な部分と解説書的な説明部分の両要素を備える。

②なるべく平易に分かりやすいように、事例やQ&Aなどの形式を取り入 れるなどの工夫をする。

③背景にある法律とその考え方についても触れておく。

④行動規範、服務規律など関連する文書がある場合には関係性を整理して おく。

⑤判断に迷った際の相談窓口も設置し、その連絡先を明記しておく。

⑥いつでも参照できるように携帯可能にするなどの工夫をする。

コンプライアンスマニュアル作りは企業風土づくりの第一歩です。

ただ 単につくり上げるだけでなく、これを定着し、社員の日常の判断基準とし ていくことが重要です。

そのための教育や運用についても検討しましょう。

④コンプライアンスマニュアルの作成ポイント②

コンプライアンスマニュアルは、何となくは分かっているけれど、きち んと理解できていない法令や倫理違反になる項目について、分かりやすく 解説し、社員が理解できるようにするために作成します。

そのため、コン プライアンス項目ごとに解説を行っていく構成が一般的です。

項目としては、「営業上の姿勢:競合との競争に対する姿勢」「購買先と の関係:不公正取引の防止」「顧客との関係:公正な契約やプロモーショ ン」、「公共機関・公務員との関係:接待や贈答行為の防止」「製品・サービ スの基本方針:PL法対応や不当表示の防止」、「情報セキュリテイー」、 「セクハラ」「パワーハラスメント」「インサイダー取引の防止」「知的財産 の保護」「反社会的行為への関与の禁止」「環境や社会への貢献姿勢」とい った内容があげられます。

自社のリスク認識に応じて設定しましょう。

右ページの例は「セクシャルハラスメント」のケースの記載例です。

下 記のような内容を記載しています。

①行動規範(か何らかのポリシー)との関連:多くの企業ではコンプライ アンスマニュアル作成とあわせて、上位文書として行動規範を制定して いるので、両者の関連性を明確にしておくことが重要です。

②解説:コンプライアンス項目の定義です。

どのような行為が該当するの かを具体的に記載することが重要です。

③関係法令:多くの項目にはその背景となっている法令があるので、その 法令が何かを明確にします。

④事例:日常でよくありそうな場面をケースとして提示し、具体的にはっ と気づかせるという工夫も必要です。

みんなの理解が深まるように、自社なりに工夫して作成しましょう。

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