ネジメン卜と『マニュアj
マネジメントとは何か。
こう定義されている。
組織の目標を達成するために、ヒ卜・モノ・カネその他の経 営資源を効果的・効率的に活用することである。
そして、管理者とは、「ヒトを通じて仕事の成果を上げる人」であ る。
このことからもわかるように、管理者の仕事とは、部下を効果的・ 効率的に活用(育成)することである。
そのためには、何が必要か。
まず、“何を・どのように教えるか”から始まる。
“何を”とは、その 部下に必要なことである。
これは、「5章教育ツールとしての『マ ニュアル』の作り方」で説明したように、期待レベル・習得項目・習 得期間を把握することである。
次に、教育・訓練と評価方法が必要に なる。
① 期待レベル(目標) ② 何を(習得項目) ③ いつまでに(習得期間) ④ どのように(教育・訓練方法) これは、まさに『習得管理表J(マニュアル)と『指導要領』の世 界である。
つまり、「ヒトを効果的・効率的に活用(育成)する」ためには、 『マニュアルJが最適なツールの一つになるということである。
もL,、『マニュアJI,,』がなかったS
では、もしこの『マニュアル』がなかったら、どうなるだろうか?
-何を基準にして教えて良いか、わからない ・仕事の指示カずしづらい(業務・作業が不明確) ・教えるのに、時間と手聞がかかる ・ムダで非効率的な仕事をしてしまう ・評価が主観的になる(自分の好き嫌いで判断) ・新人に、何を・いつまでに教えて良いか、わからない ・教える人によって、バラツキが出る .会社の統一感・一体感が生まれない
“決められたこと(基準)”がないから、当然教えるのに時間はか かるし、仕事の指示もしづらい。
自分の経験だけで教えるので、時と してムダで非効率的な仕事をさせてしまう。
教える人によって、バラ ツキも出る。
つまり、もしも『マニュアルJがなかったら、大いなる ムダな経費・時間・エネルギーを払い続けることになるのである。
『マニュアル』の重要性を、頭で、わかっている人は多いが、具体的 レベルでしっかり認識しておくことが重要である。
いかにムダ・ム ラ・ムリなことを何気なくやっているか。
この損失は計りしれない。
このように、マネジメントの実践において、『マニュアル』が果た す役割・範囲は広い。
管理者にとって、『マニュアル』は“便利な ツール”“マネジメントツール”なのである。
ネジメントツールとしての価値・役割
ここで、『マニュアル』の価値・役割を再確認してみよう。

人材の育成において、期待レベル(目標)・習得項目・習得期間・ 教育方法の4つの要素は、その骨格にあたる。
別な言い方をすれば、 この4つの要素があれば、効撃的・効果的な人材育成ができるという ことになる。
具体的には、どういうことか。
① 基礎(基本)を、モレなく教えられる ② 基礎(基本)を、最も良い形で教えられる ③ 基礎(基本)を、最も短期間で教えられる ④ 基礎(基本)を、最も徹底して教えられる ←一一寸 つまり、人材育成の成果を、最も効率的・効果的に上げられるとい うことになる。
『マニュアJllJは基本に威力を発揮する
人材育成の成果の一つは、必要なことを習得する(した)ことにあ る。

この習得のプロセス“身についた”で、、初めて「行動として発揮」
できる状態になるわけである。
そして、この基本の習得に、『マニュ アルJは最も威力を発揮する。
まずは、決められたことが、決められ た通りにできる。
それが、仕事の始まりである。

マネジメントツールとしての、『マニュアル』の価値・役割とは、 「最低限必要なことjが、「最高の内容・形・方法Jで 提供されている そして、それが、 “使いやすさ”を考えた、教育ツールとしてまとめられている ということカfできるだろう。
『マニュアル』の活用による指
『マニュアル』がマネジメントツールとして威力を発揮する状況。
それは言うまでもなく、実際の指導場面である。
ここで『トレーニングキット』が登場する。
この『トレーニング キット』については、「7章『トレーニングキットJの作り方」の項 で詳しく説明したが、ここでもう一度その構成を見てみよう。
次の6 種類である。
① トレーニングプログラム ② 指導要領 ③ 学習の手引き ④ チェツクシート ⑤ 理解度テスト ⑥ 進捗管理表 このそれぞれは、『トレーニングプログラム』において設計された 適切な時期に、まさにタイミング良く実施することになる。
その方法 も、基本的には『指導要領jにのっとって進めていけば良い。
とく に、新人育成のマネジメントツールとして、この『キット』は有効に 機能し、威力を発揮することになるだろう。
徹底して、この『キッ ト』を活用して、成果に結びつけることが必要である。

前述したように、期待と必要な内容、そして教育・訓練と許価、こ れが育成を構成する要素である。
『マニュアル.] (キット)を活用することは、繰り返すが、部下(特 に新人)を効率的・効果的に育成する最適なツールである。
言葉を変 えれば、このツールを活用すれば、誰でも、必要なことを教えられ る、指導できるということになる。
そして、成果を上げることができ る。
まさに、“便利なツール”なのである。


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