マニュアルづくりは業務の体系化から
小集団活動がたいへん活発な会社があり、各部署ではいろんな業務マ ニュアルがつくられていた。
製品の見積リマニュアルや受注処理マニュ アル、そしてそれらのフアイリングマニュアルなどである。
しかし、こ れらのマニュアルが、それぞれの部署ごとに作成されているため、製品 の見積方法や算定基準が部署ごとに異なり、同じものを見積もっても価 格がちがったり、人が他部署へ配置転換になると、新たにその部署の受 注処理方法をおぼえなければならない。
これでは、せつかくつくったマニュアルも十分に活用されないし、本 来、業務の効率化や業務ミスをなくすためにあるべきものが、トラブル メーカーになってしまう。
マニュアルを効率よく作成し、十分に活用するためには、まず、どの 部署でどのようなマニュアルが作成されているかを把握しなければなら ない。
そして、重複して作成されているものについては、標準化を図る 必要がある。
マニュアルが必要だが、まだ作成されていない業務につい ては、新たに作成し加えていかなければならない。
同じ業務なのに、マニュアルが重複しているものの一本化はどうにか できる。
しかし、どのマニュアルが不足しているかは、どうやつて見つ けだせばよいか。
ブレーンストーミングを行ない、項目をだし合ってま とめる方法も考えられるが、確実にすべての業務が抽出できるとは、い いきれない。
そこで、まず業務の体系化を行なうことが必要になる。
業務の体系化 とは、会社の業務すべてをいくつかに分類することである。
そして、全 体の体系化された業務の中で、それぞれのマニュアルの必要性を検討 し、優先順位をつけ、マニュアルを作成していくのである。
マニュアル 作成に、ムダな時間を費す余裕はない。
業務のマニュアル化をすすめている会社の多くは、マニュアルのフォ ーマットや書き方についてばかりに気をうばわれている。
しかし、体系 化された業務の中で、個々のマニュアルの位置づけを明確にしてこそ、 マニュアル本来の目的が達成できる。
業務の体系化とマニュアル
仕事は流れとしてとらえる。
業務は単独で存在するのではなく、その 業務の前後に関連する業務が存在する。
「受注」という仕事で考えてみ よう。
受注業務の前には、引合いがあり、それにともない見積をして、 お客様は他社との比較をしたうえで発注し、それが自社の受注業務につ ながる。
受注後の業務は、自社在庫の有無により、在庫から引当てれば よいだけなのか、新たに生産をしないといけないのか、なすべき仕事が 異なる。
さらに、受注生産の場合は、また流れが異なる。
このように、ある業務は必ず前後に業務が存在し、それが一連となっ て、さらに大きな区分の業務につながっていく。
同時に、その業務は、 いくつかの具体的な実施事項に細分化することができる。
量が少なけれ ば、受注より大きな範囲の業務を1人が担当することもある。
業務量や 得意先の件数が多ければ、同一部署の何人かが複数で、細分化された部 分だけを担当する。
関連する業務が、部署をこえて分担されていること も、稀ではあるがないわけではない。
同じ「受注」という業務も、得意先ごとに手順や使用する帳票がちが うことがある。
業務の流れと分担のされ方を考えれば、担当業務を担当 者1人でマニュアルにまとめるということが、マニュアル作成の目的や 意味からすると、不適切であることをご理解いただけると思う。
マニュ アルを作成する場合、まず業務の前後関係と業務の種類、分担のされ方 などをよく知っておくことが重要である。
そして作成にあたっては、業 務の流れを、担当者はじめ複数の人の目で見直すことも必要である。
マニュアルの作成にあたっては、具体的な実施事項について、順序や ポイント・コツを記入する前に、業務の体系化をしておく必要がある。
これから作成しようとしているマニュアルは、どういった位置づけにな るのかを知っておくことが重要である。
業務の改善という点から考えて みると、さらに納得がいく。
担当者ごとの改善だけでは、大きな成果は 期待できない。
しかし、業務を流れ、つまリー連の関係でとらえたとき に、はじめて大きな改善の成果が期待できるのである。
マニュアル作成 は体系づくりのための、仕事の棚卸しからはじめよう。
必要な経営機能を分類・細分化する
業務の体系化を行なうには、業務をいくつかのレベルに分類し、大き なレベルから小さなレベルヘと順次ブレイクダウンしていき、モレ業務 がないように作成しなければならない。
この業務の体系は、会社の経営 を行なうのに必要なすべての機能(業務の目的)を、大分類―中分類― 小分類に区分して、さらに単位業務、まとまり仕事、作業にまで細分化 する。
したがって(大。
中・小の)機能は、単位業務やまとまり仕事、 作業という形で、組織上の部一課―係―担当者に配分され、具体的な行 動となって目的を達成することとなる。
機能を、大分類―中分類―小分類したものを、それぞれ大機能、中機 能、小機能と呼ぶ。
これらの機能は、会社の経営活動を行なうために は、こういう機能が必要だという、あるべき姿で設定していく。
したが って、会社ごとに大きく異なってくるというものではなく、作成にあた っては0305項の例を参考にすればよい。
同業種であれば、ほとんどちが いはないと考えてよい。
次に、小機能をさらにブレイクダウンさせていくと、単位業務―まと まり仕事―単位作業一単位動作一微動作となる。
単位業務とは、小機能 の各項目をさらに細分化したもので、小機能と同様に、自社ではこうい う業務が必要だという、あるべき姿で作成する。
単位業務までブレイク ダウンされてくると、それぞれの会社ごとに独自の業務が抽出されてく る。
単位業務を細分化したまとまり仕事は、実際の仕事の手順に合わせて 作成していく。
このレベルでは、それぞれの会社の制度・手続きが具体 的にあらわれてくる。
まとまり仕事は、あるべき姿ではなく、現状の仕 事のやり方を記述していく。
まず、現状を整理してから問題点を把握 し、改善を実施していくという方法をとる。
まとまり仕事をさらに細分化すると単位作業一単位動作―微動作とな るが、すべて最後まで展開するとなると非常に工数がかかるので、体系 化の目的により省略する。
ここでは、マニュアル化のための業務の体系 化であることから、まとまり仕事レベルまでで十分である。
演繹的、帰納的アプローチの併用
人は、その思考パターンにより大きく2分できるそうである。
ある業 務の改善を行なったとしよう。
上司から目標を言い渡されたAさんは、 現状の確認のみをすませ、その目標を達成するための方法をデザインし た。
Aさんのデザインした改善案は、まったく現状からかけ離れたもの であり、実施するにはゼロからのとりくみが必要であった。
一方、Bさ んは、何日もかけ現状調査を行ない、問題点を分析し、目標達成のため の改善案を導いた。
Bさんの改善案は、現状のやり方をベースにしたも ので、すぐにでも実施できるものが多かった。
ここで、Aさんの思考パ ターンを演繹的(設計的)アプローチといい、Bさんの思考パターンを 帰納的(分析的)アプローチという。
演繹的アプローチでは、まずその業務(ものでもよい)の目的は何か ということを考え、次にその目的を達成するための手段を、こうあるべ きだという、あるべき姿を描く。
いったん現状のものから離れ、そのも のの目的(機能という)に置き換え、そこから再びものに戻るという方 法をとる。
帰納的アプローチでは、現状分析一問題点の把握―原因追求 ―改善案の作成という、おなじみのQCアプローチをとる。
両者は、ど ちらが優れていて、どちらが劣っているということではなく、うまく使 い分けることが必要である。
業務の体系化には、この2つのアプローチを併用する。
まず、会社の 経営のためにはどういう機能が必要かというあるべき姿を描く。
大機能 ―中機能―小機能―単位業務まで、このあるべき姿を展開(細分化)し ていく。
次に、目的である単位業務を達成するためのあるべき姿はどう いう方法か、として展開していくと、その会社の経営理想システムが設 計できる。
しかし、業務の体系化を行なってマニュアル作成に活用する という目的からするとそぐわない。
そこで、単位業務から後のまとまり 仕事レベルでの展開は、帰納的に行ない、現状のやり方にそってまとめ ていく。
この方が、実際の適用において活用できる。
しかし、単位業務から後の展開を演繹的に行なってみると、業務を根 本から見直すことができるので、一部の業務からでも実施するとよい。
大機能―中機能―小機能までの分類
会社における業務は、経営を行なっていくうえでぜひとも必要である から行なうわけである。
いいかえれば、それぞれの業務には、会社経営 のためのそれぞれの目的や働きがあるということである。
この目的や働 きのことを、機能という。
業務の体系化を行なうには、個々の業務に着目するのではなく、ま ず、経営活動に必要な機能としては、何が必要かというところからはじ める。
一番レベルの高い機能を大機能といい、政策樹立機能、補助機 能、間接機能、直接機能の4つからなる。
大機能のレベルを1段階ブレイクダウンしたものを中機能といい、経 営企画、研究開発、総務、経理、人事、資材購買、生産技術、品質管 理、製造、販売の10の機能からなる。
中機能は、業種や会社によって は、10の機能すべてが必要とはかぎらない。
たとえば、製造業でも 100%外注に依存する方針であれば、製造という機能は不要である。
卸 売業や小売業、サービス業なども同様に考える。
また、機能の表現のし かたを変えたり、自社としては製造機能は必要なく、物流機能が中心だ とする場合は、製造のかわりに物流や仕入を加えることになる。
中機能のレベルをさらに1段階ブレイクダウンしたものを小機能とい い、たとえば中機能の経理における小機能は、予算0資金・出納0会 計0決算・資産管理・税務、販売における小機能は、市場調査・販売計 画・販売促進・価格政策・販売活動・物流管理・代金回収0与信管理な どとなる。
これらの大機能―中機能一小機能への展開で重要なことは、自社にと って、あるべき姿で作成するということである。
たとえば、販売機能に おいて、市場調査は重要であり小機能にとりあげるべきであるが、自社 では現在行なっていないからといって、この機能は不要だとしてはなら ない。
むしろ、こういう機能が必要であるのに、当社ではほとんどなさ れていないと考えられるものを積極的にとりいれる。
なお、中機能、小機能の各分類は、10進分類とする。
小機能の数が多 くなった場合も、10分類にとどまるように工夫する。
小機能から単位業務一覧表をつくる
小機能まで分類できると、次に単位業務一覧表をつくる。
小機能の各 項目に対して、あるべき姿を描いていく。
ただ、あるべき姿を描くとい ってもゼロから考えていくことは実際上むずかしいので、現状の業務を 抽出しておいて、追加したり、削除しながら10進分類した単位業務をと り作成する。
単位業務の数が10をこす場合は、単位業務の名称を大きく設定した り、小機能が10以下であれば単位業務の1つを小機能に格上げしたりし ながら、まとめていく。
単位業務の記入は、できるだけ小機能が達成される手順にしたがって 書くようにする。
たとえば、販売活動という小機能であれば、単位業務 としては、得意先訪間―見積―受注業務―契約一納期管理―クレーム処 理などとなる。
しかし、大国顧客への対応は、一般のものとは異なるのでとくに別項 目として設定しておきたいというような場合には、大口顧客対応という 単位業務を、末尾に記述する。
また、顧客管理という小機能では、単位 業務をエンドユーザー、販売店、特約店、特別需要、輸出などと顧客の 構成要素で層別し記述する。
作成上でもう1つ気をつけなければならないことは、小機能や単位業 務で設定した各項目のレベルは、おおよそ合っていなければならないと いうことである。
たとえば、小機能の中に広告宣伝・販売活動という項 目があったとする。
この2つを見ただけではあまリレベルの差は感じな いが、小機能の販売活動の中に販売促進という単位業務があがっていれ ば、これは小機能を販売促進とし、広告宣伝はその中の単位業務とした 方が、全体のバランスとしては良くなる。
しかし、どんなに概念をはっきりさせて行なっても完全にはいかず、 レベルの乱れや逆転が生じる。
分類と体系は、それ自体が目的ではなく 手段なので、理論に終始して必要以上の精密さを求めることは、本末転 倒である。
マニュアルづくりのための業務の体系化という、実用的見地 からみて、ある程度はわりきってもよい。
まとまり仕事一覧表をつくる
単位業務一覧表が完成すると、次にまとまり仕事一覧表をつくる。
経 営の大、中、小機能および単位業務一覧表までは、あるべき姿の作成と いうことですすめてきたが、まとまり仕事一覧表は、現状のやり方を調 査し、それをもとに作成していく。
もちろん現状のやり方に問題がある 場合は改善して、標準化できたものを記述する。
しかし実際は、問題が あるとわかっても、即、改善することはむずかしいので、とりあえず現 状のやり方を書いておき、改善した後で更新するという方法をとる。
内容は、その単位業務を達成するための業務の手順を記述していく。
たとえば、受注業務という単位業務であれば、そのまとまり仕事は、注 文を受理する一製品在庫を確認する一受注伝票を発行する一注文請書を 返送するとなる。
また、業務の手順に合わせて、担当部署名、その仕事 の難易度、仕事の頻度、その仕事の結果のアウトプット(一般的には帳 票類)などを記述する。
また、大、中、小機能および単位業務一覧表まで、10進分類で展開し てきたが、 まとまリイ土事については、 とくに制限は設けない。
しかし、 通常は20項目もあれば十分である。
まとまり仕事自体、業務マニュアルにかなり近いものであるが、 1つ ひとつの手順はわかるが、その内容までは示されていない。
「注文を受 理する」ときには、どういう項目を確認しなければならないかとか、受 注伝票を発行した後どこに回すかなどの詳細は記述しない。
また、もし 製品在庫がなければどういうアクションをとらなければならないかなど の、例外事項についても書かない。
しかし、まとまり仕事一覧表が完成 すれば、マニュアル作成作業の60%は終了したと考えてよい。
それでは、このまとまり仕事一覧表の作成までにどれくらいの期間が あればよいか。
企業規模や業種により異なるが、2~ 3人の専任者で、 3か月がひとつの目安である。
しかし、マニュアル作成のための業務の 体系化を目的と考えれば、必ずしもまとまり仕事一覧表をすべて完成さ せておく必要はなく、単位業務一覧表までをまずつくり、マニュアルを 作成しながら必要に応じてまとまり仕事一覧表を作成すればよい。
単位作業一単位動作―微動作までの分析
まとまり仕事をさらに細分化していくと、単位作業一単位動作―微動 作にまで至る。
すべての業務は、微動作(0.3~0.5秒程度)にまで分析でき、この 要素を組み合わせることで業務がなりたち、その目的が達成できる。
マ ニュアルの体系化のためには、まとまり仕事一覧表まで作成されていれ ば十分であるが、個々のマニュアルを作成するときには、単位作業―単 位動作一微動作までの分析が役に立つ。
単位作業一単位動作―微動作は、帰納的に作成する。
現状を調査、分 析して、問題点を改善して作成するというプロセスをとる。
単位作業分 析ではその手続きの見直しを図り、単位動作分析では作業方法の改善を 図り、微動作分析では仕事を遅らせる動作をなくす。
このような、分析 過程をへて、マニュアル作成を行なう。
単位作業とは、たとえば「注文書を発行する」というまとまり仕事で は、注文書を記入する。
課長検印をうける。
注文書を郵送する、と細分 化できる。
一般の業務マニュアルは、このレベルであらわす。
ただ、業 務体系が文字で記述されているのに対し、マニュアルは文字のみでな く、フローチャートなどの図表や絵、ビデオなどを活用してあらわす。
単位動作とは、「注文書を記入する」という単位作業においては、注 文書をとりだす・ボールペンを取る・記入する・注文書を仕分けする、 と分析できる。
この分析は、業務のポイントを明確にするうえでマニュ アル作成に生かすことができる。
鉛筆ではなくボールペンで強く記入す ることとか、注文書は業者別のトレイに仕分けしておくなどの案がで る。
微動作とは、たとえば注文書のとりだしという単位動作では、探す・ 見いだす・手をのばす・つかむ・運ぶ・手放す、と分析できる。
ここ で、探す。
見いだすなどの微動作は、仕事を遅くする動作であり、これ らをなくすための改善が必要である。
そして、改善した動作で仕事がで きるようにし、マニュアルに活かすことが、微動作まで分析するメリッ トである。
単位作業の4区分
作業は、単位作業・単位動作0微動作と細分化されていくが、単位作 業レベルを大きく分類をすると、思考作業・事務作業・コミュニケーシ ョン作業・直接作業と4区分できる(ほかに、いずれにも属さない除外作 業がある)。
前項の「注文書を記入する」は、事務作業に大区分される。
事務作業は、記述・複写・入力作業、起票・計算作業、収集・整理作業 の3つに中区分され、「記入」に該当するのは、起票・計算作業のうち の「起票・記帳する」である。
「課長検印をうける」は、思考作業に含まれる。
思考作業は、計画・ 判断作業、調査・分析作業、システム・設計作業に3区分され、「検印」 は計画・判断作業のうちの「判断・指示する」である。
「注文書を郵送 する」は、コミュニケーション作業に大区分される。
コミュニケーショ ン作業は、接遇・応対作業、移動作業、会議・打合せ作業に3区分さ れ、「郵送」は接遇・応対作業のうち「受発信する」にあたる。
このように、個別業務は作業レベルで考えると、4分類することがで きる。
作業をマニュアルという観点からみると、4つの大区分のうち、 事務作業は最もマニュアル向きであり、マニュアル化しやすい。
具体的 な実施事項は、主として帳票(帳簿と伝票)処理であるし、手順の差が 比較的小さく、マニュアルを作成しやすい。
コミュニケーション作業の マニュアル化は、事務作業より少しむずかしい。
サービス・小売業の接 遇・応対作業は、現金の受渡しなどの直接作業と同時並行ですすめられ ることが多いため、具体的な実施事項が複雑化し、手順に差がでるなど が原因である。
思考作業を、マニュアル化するのは困難なことが多い。
構想・立案作 業、調査・分析作業など、主要な部分は頭の中だけですすめられ、確固 たる手順がないに等しいからである。
逆に直接作業は、モノを媒介とし て、確実にマニュアル化できる。
このように区分して考えると、マニュ アル化に最適なのは直接作業と事務作業、比較的マニュアル化しやすい のがコミュニケーション作業、しにくいのが思考作業となる。
直接作業 を別にすると、事務作業から着実にマニュアル化してゆけばよい。
重要業務の強化と不要業務の削減をめざす
業務の体系化では、まず演繹的に大機能―中機能―小機能―単位業務 まで、展開(細分化)してきた。
これは自社が経営をつかさどるために はこうあるべきだとしてまとめ、現状の自社での活動は考慮しない。
次に、抽出された単位業務のそれぞれについて、まとまり仕事を現状 行なっている範囲で作成した。
どのような手順で、どういう頻度で、誰 がやっているのかなどを調査してまとめた。
ここで、この両者のあいだにギャップが発生する。
あるべき姿と現状 とのあいだのギャップである。
単位業務にはとりあげたけれども,現状 はやられていない業務と、単位業務にはとりあげられていないが時間を かけて行なわれている業務の2つである。
前者は、経営において必要な 機能であると認められ、演繹的なアプローチによる業務の設計を行な い、実施していかなければならない。
後者は、抽出した単位業務にはな い業務であり、簡単に、単位業務にとりあげるのを忘れただけとかたづ けないで、本当に、この業務は自社にとって必要かどうかをよく吟味 し、やらなくてもよいものなら止める。
また、業務体系ができると単位業務別、またはまとまり仕事別に、業 務量(時間)が集計でき、業務改善の手がかりとなる。
業務を、重要性 と業務量のマトリックスにあてはめてみるとよくわかる。
多くの時間が 費やされている業務については、いくらそれが重要な業務であっても、 やり方を改善することが必要である。
ましてや、不要業務に時間をかけ ているほど、もったいないことはない。
重要だがほとんどやられていな い業務は機能欠如であり、不要業務に時間をかけていた分で補う。
こう して、あるべき姿に少しずつ近づけていく。
業務の体系を活用して、業務改善へのアプローチについて述べたが、 この手法をとりいれることで、マニュアルが生きてくる。
不要業務をそ のままマニュアルにしてしまうほどおろかなことはない。
時間がかかり すぎているやり方をそのままマニュアルにしてしまうほど「ムダ」なこと はない。
重要な業務に少ししか時間をかけないと「ムリ」が生じる。
会社 全体のこれらの「ムラ」を、マニュアル作成を機会になくしていく。
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