本書の使い方 本テキストは、公益社団法人日本アロマ環境協会 (AEAJ)が主催する、アロマテラピー検定試験 (以下、試験)に対応しています。 受験にあたっては、以下にご留意ください。 ・1級の試験は2級の範囲も含まれます。全章にわたって 勉強しておきましょう(2級の試験は2級の範囲のみ)。 以下の内容は、試験の出題範囲外です。アロマテラ ピーの知識を広げ、実践的に楽しむための参考にし てください。 ・コラム(COLU M Nと表記されている囲み・ページ)の内容 『Chapter lアロマテラピーの基本』内の 「偉人たちが愛したアロマテラピー」(P8~ 9) 『Chapter 2きちんと知りたい、精油のこと』内の 「世界の精油の原料植物事情」(P25) 『精油のプロフィール』(P93~ 128)内の 「学名」 「主な産地」 「成分の一例」 「精油について」の成分名 「研究データ」 「How to use」 ・資料編(P129~ 141)
Chapter1 アロマテラピーの基本
歴史上の人物も活用していたと伝えられる香りのチカラ。 まずは、アロマテラピーとは何か、基本を理解しましょう。 香りに対する感性を呼び覚まし、心豊かな生活を楽しむきっかけを作りませんか。
偉人たちが愛したアロマテラピー
絶世の美女といわれたクレオパトラが愛したローズ
アロマテラピーを政治にまで巧みに利用したのが、かのクレオパトラ。 香りのチカラでローマ皇帝ユリウス・カエサル(シーザー)など多くの 英雄を魅了。特にローズの香りを好み、男性を部屋に呼び入れる際は、 膝まで埋まるほど、バラの花びらを部屋中に敷き詰めたというエピソー ドは有名です。さらに美容のため、植物油にさまざまな芳香植物を加え たオイル(香油)で、入浴後にトリートメントをしていたといいます。
古代エジプト壁画の香水瓶。
香水を得るために花をプレスする女性のレリーフ。
香りの流行をリードした マリー・アントワネット
激動の人生を送ったマリー・アントワネットも植物の香りをこよなく愛 した女性のひとり。ローズとバイオレットを自分の香りと決め、ベルサ イユ宮殿で流行していた銀髪のかつらには、ニオイイリスの根茎を細か く砕いたパウダーにバイオレットの香りを混ぜて振りかけていたそう。 ちなみに、ルイ15世の時代にベルサイユ宮殿は「芳香宮」と呼ばれるほ ど香料に包まれ、毎日まとう香りを変えることが大流行しました。
1.バラの画家と呼ばれたピエール ジョセフ・ルドゥーテの博物画.
2ベルサイユ宮殿の庭園。
ナポレオンは 香水マニアだった!?
フランス初代皇帝ナポレオンのお気に入りは、オレンジやローズマリー などの天然香料で作られたオーデコロン。当時オーデコロンは薬や化粧 水としても使われており、ナポレオンは普段から洗顔に用い、首や肩ヘ もふんだんに振りかけ、なんと1カ月に60本も使っていたとか。戦い に挑み続ける過酷な状況で、心を整えるため、植物の香りが重要な役割 を担っていたのかもしれません。
1.ナポレオンの身支度道具。 2■ 9世紀フランスの香水ボトル。
古くからひとびとは、ごく身近にあった植物を薬草として食べたり、塗ったり、 香りを嗅いだりして、傷や病気を治すために利用してきました。 日本でも、芳香植物は「香薬」と呼ばれ、薬の原料としての役割を担っていたのです。 世界各地に広がり、受け継がれた植物療法は、体系化されて現代医学のもとになっていますが、 中でも「香りのチカラ」に注目したのがアロマテラピーの源流。 そんなアロマテラピーの楽しさや奥深さ、役立て方を学んでいきましょう。
アロマテラピーの定義
今では広く知られているアロマテラピーという 言葉は、「アロマ=芳香」と「テラピー=療法」 を組み合わせた造語です。 日本でもユズ湯やショウブ湯が親しまれてきた ように、古くからひとびとは、植物の香りをごく 自然に生活の中に取り入れてきました。 リラクセ ーションやリフレッシュに、また、美と健康のた めにも香りが有効活用されてきたのです。 アロマテラピーは、植物の香り成分を凝縮した 精油(エッEy, t )vt 4 )v) t 用いるのが大き な特徴です。心身に働きかけてトラブルを穏やか に解消し、健やかな状態に導くといわれています。 アロマテラピーは、ストレスを抱える現代人の 心強い味方。香りを楽しみながら、心と身体を トータルにサポートするホリスティック(全体 的)な自然療法として、私たちの毎日に寄り添っ てくれます。
ますます身近に。日常を 豊かにするアロマテラピーの魅力
アロマテラピーの利用法は実にさまざま。好き な精油をディフューザーで香らせてリラックスじ たり、お風呂に入れて楽しんだり。また、オリジ ナルのアロマスプレーを作る、 トリートメントオ イルを作ってボディケアに活用するなど、それぞ れの気分や状態、ライフスタイルに合わせて、初 心者でも気軽に取り入れられるのが魅力です。 近年、アロマテラピーは個人で楽しむだけでな く、ビジネスとしても拡大。サロンでのトリート メントや、化粧品や雑貨などの製品開発において もアロマが付加価値として注目されています。ま た、健康の増進や病気の予防のために、医療、 介護、ボランティアなどの現場でも取り入れら れるようになりました。このほか、ホテル、スポ ーツ、インテリア、アパレルなどの業種で働く人 たちが、アロマテラピーの知識を接客やサービス に活かす場面も増えています。さらに、子どもた ちに向けた取り組みも。香りの体験教室を通して 五感を磨き、自然の大切さを伝える活動を行うな ど、教育の場にも広がっています。
AEAJによるアロマテラピーの定義
アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分 である「精油(エッセンシャルオイル)」を使っ て、美と健康に役立てていく自然療法です。 アロマテラピーの目的 ●心と身体のリラックスやリフレッシュを促す ●心と身体の健康を保ち、豊かな毎日を過ごす ●心と身体のバランスを整え、本来の美しさを 引き出す
活用の場が広がるアロマテラピー
[美容・コスメ業界]
[リラクセーション・ヘルスケア業界]
[インテリア・アパレル業界]
[教育業界]
[介護・医療・ボランティア業界]
[サービス・観光〕
COL∪ MN「ホリスティック」という考え方
【1・olistic i】
ホリスティックとは、「全体的な」「包括的な」という 意味をもつギリシヤ語holosに由来する言葉で、人間 を心や身体が一体になったものとしてとらえます。 「ホリスティックケア」は、病気そのもの、不調その ものだけでなく、その要因となつたライフスタイルや ストレスなど、身体も、心も、環境も、包括的にとら えて整えていくもの。 アロマテラピーもそのひとつです。 毎日を健やかに心地よく暮らすための身体作りに、 ぜひ取り入れてみましょう。
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