はじめに
あなたはなぜ、タスク管理術を身につけたいのですか?
「一生懸命働いているのにいつまでたっても仕事が終わらない。そんな自分がイヤで、頑張ってもミスばかり」
「期日に間に合わず注意され、スケジュール管理をしようと決心。スケジュール帳を買ってみたけど急な仕事を頼まれて計画がぐちゃぐちゃ」
「気がつけば簡単な仕事に何時間もかかっている。同期は半分の時間で終わらせているのに。自分はなぜこんなにどんくさいのだろう」
「定年まで何年間も夜遅くまで働かなければならないのか。お金はほどほどでいいから、時間と精神的な余裕が欲しい」
「早く仕事を終わらせて、趣味や副業に挑戦してみたい。でも今は忙しくて無理。1日が 25時間ならいいのに」
……などなど、自分の「タスク管理能力の低さ」が招いている今の苦しい状況に終止符を打ちたい。
おそらくそれが、この本を手にとった理由ではないでしょうか? タスク管理で 1日を25時間にすることはできませんが、仕事を時間内に終わらせて定時ダッシュはできます。
今でこそ、仕事術に関する本を執筆していますが、私は典型的なダメ社員でした。仕事はどれも中途半端。そんな状態でも追加の仕事を引き受けてしまい終わらない。
スケジュール調整なんてできないくらいタスクが積み上がり、毎日早朝出勤、ビルの退出時間まで残業。
最終的には体調を崩し、入院してしまいました。そんな私でも残業時間をゼロにできました。この本を読み終わればあなたもきっと定時ダッシュできるようになります。
この本を「読み終われば」といわれて、不安になったのではありませんか?「タスク管理する方法があって、それを実践すれば仕事が終わるのはわかる。
けれども、果たして自分にできるのだろうか?」「そもそもどんくさい自分には無理な方法論ではないのか?」「最後まで読む自信がない」 大丈夫です。
本書は仕事が遅い人に、「早く手を動かせ!」と要求するような本ではありません。仕事を正しく見る目を鍛え、無理なくタスクを終わらせるメソッドを提案したいのです。
そのメソッドとは E- POD(イーポッド)です。
- E:抽出する( Extract)
- P:処理する( Preparation)
- O:整理する( Organize)
- D:実行する( Do)
この 4ステップを実践するだけで、タスク管理できるようになるだけでなく、深く考えるための思考力が身に付きます。
さらに E- PODによって培った能力を活かし、仕事を定時までに終わらせる R E- POD(リポッド)サイクルについてもお伝えします。
本書は5章で構成されています。
第1章では、なぜ残業が終わらないのか考えながら、急激に変化する私たちの労働環境について説明します。
第2章では、タスク管理という言葉の定義について説明します。また、タスク管理が上手くいかない原因についても解説したいと思います。
第3章は、本書のキモになります。具体的なタスク管理法について解説します。じっくり読んでください。
第4章では、タスクを実行するときのコツについて説明します。どれだけタスクを管理しても実際に行動しなければタスクは完了しません。
第5章では、残業をゼロにするための方法を提案します。
第3章で解説するタスク管理法を応用し、定時ダッシュを習慣化するにはどうすればいいかお伝えします。
巻末には、読者無料特典として第 4章で紹介するガントチャートテンプレートと第 5章で紹介する R E- PODサイクルチェックシートをご用意しました。ぜひご活用ください。とても忙しく、すべて読む時間がないという方は、第3章からお読みください。
本書を読み終え、実践していただければ、あなた自身のために使える時間が何倍にも増えていることに気づくでしょう。
身に着けたタスク管理能力は、人生すら思い通りにコントロールできる一生の武器になります。
さあ、「早く帰るためのタスク管理」を身につけましょう!ちゃんはま
第1章 なぜ残業は減らないのか?
残業ありきで働いていた人はコロナ禍の労働時間削減であわてている
「本日のコロナウィルス感染者数は過去最高を記録しました」 2019年 12月。中国からはじまったコロナ禍は、あっという間に全世界に広がりました。
日本も例外ではなく、感染者数を増やし自粛要請や在宅勤務の推奨など社会生活に大きな影響を与えました。
世界規模で経済活動は停滞し、企業の倒産や「あの大企業が?」と驚く有名企業が軒並み赤字報告をしています。
本書を執筆している最中もメディアで流れるのはコロナ関連のニュースばかり。先行き不透明な状況は依然として続いています。経費削減のため、多くの企業で「残業時間ゼロ」が徹底されています。
私が働いている会社も突然、全社員残業禁止命令が出ました。しかし、社員の思いと会社の考えには大きな差があるように感じます。
「仕事量は変わらないのに、時間だけ削減されても仕事が終わるはずない」 耳をすませば、このような声が聞こえてきます。
苦しい思いをしている人がたくさんいるのは確かでしょうが、本当にコロナ禍が原因なのでしょうか? 1年近くこの状況が続いていますが、残業時間を削減されてもなんとか仕事を終わらせているのが現実ではありませんか? 自分の意志ではないかもしれませんが、残業禁止のおかげで効率的な働き方を考えるようになりました。
以前は、残業時間が長いということは努力の証明でした。
「今月は 20時間しか残業できなかった」「俺は、 45時間残業を使い切ったぜ」 と残業時間の長さを競っていました。
残業することが正義と錯覚し「あの人は定時に帰っている。みんな残業してるのに定時で帰る人の気が知れない」こういうことを平気で言う人もいました。
しかし、そのような時代は終わったのです。残業時間が長いということは「仕事ができない」証になりました。
仕事を定時内にきっちり終わらせる人と残業時間をつかっても同じ量のアウトプットしかできない人。どちらが「できる人」でしょうか。
残業しないという選択肢
「残業できなくなって生活費が稼げなくなった。副業はじめようかな。」残業禁止になり、このような声を聞くようになりました。
書店には副業関係の本が並び、 YouTubeではビジネス系ユーチューバーがオススメの副業を紹介しています。
大手企業でも副業解禁の流れが活発になり、推奨しているところまであります。残業代が出る会社で働いている人が、楽をしてお金を稼ぐ方法はダラダラ残業をすることでした。
定時内で終わる仕事を残業時間もつかって、時間をかけて終わらせる。仕事がなくなると収入もなくなる自営業や副業で稼ぐよりよっぽど楽です。
サラリーマンはフリーランスの働き方と比べ、安定した給料をもらえるというメリットがありました。
しかし、コロナ禍のように経済を揺るがす出来事というのは必ず発生します。また、残業に対するネガティブなイメージは今後も残り続けるでしょう。
残業時間ありきの働き方をしていた人は、きっと残業禁止であわてていると思います。
一度ダラダラ働く癖がついてしまうとテキパキ動けるようになるには時間がかかりますし、そのような考えの人が副業に挑戦するモチベーションがあるようには思えません。
常に定時内に仕事を終わらせようと努力し、残業時間をゼロにできた人と会社からの制限で残業時間をゼロにされた人では天と地の差があるということです。
長時間労働しても生産性は上がらない
人間の脳が最高のパフォーマンスで動くのは起床後 2時間から3時間と言われています。その後は、緩やかにパフォーマンスが下がっていきます。
休憩もせずに長時間残業したところで脳は息切れ状態。頑張っても成果が出ず、最悪の場合、ミスから手戻りが発生してしまいます。
また、残業時間が長くなり、睡眠時間が短くなると疲労が回復しません。すなわち、次の日は本来の能力の 7割の状態から仕事をスタートしなければならないのです。
どんどん生産性は下がり、ミスは増えます。この状態になると自己肯定感が低下してしまうので注意が必要です。
もしかすると、あなたは本来の実力の3割も発揮しないまま毎日働いているかもしれません。だからと言って私は残業を否定するわけではありません。
がむしゃらに一生懸命働いて、頑張って走り続けても終わらない苦しさを知っているからです。
私は、今でこそこんな本を書いていますが、何か仕事を任されても期日に間に合ったことはなかったし、考えが浅く何度も手戻りを発生させ、どんどん無駄な仕事をつくるダメ社員でした。
最後には「残業生産機」という悲しいあだ名まで付く始末。今となってはいい思い出ですが、労働基準法ギリギリの残業時間 45時間と 92時間を交互に繰り返していました。
そんな働き方をしていたせいか、私は体調を崩し 3か月間休職することになります。苦しい思いをしましたが、この時間は私に「働き方」を考えるチャンスをくれました。
職場復帰後、以前と変わらない量の仕事が襲い掛かってきましたが、残業をせず、定時内にすべての仕事を終えています。
本書では、定時内に仕事を終わらせるために特に効果が大きかったタスク管理についてお伝えしたいと考えています。
まとめ:なぜ残業は減らないのか?
- ・「残業時間が長い」 =「努力の証明」という考えが残っている。
- ・実は、楽をして稼ぐ方法はダラダラ残業すること。テキパキ働くことを忘れている。
- ・長時間労働の疲労が残り、生産性が低いまま働き続けている。
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