7.1 支援
7.1.1 一般
組織は,食品安全マネジメントシステムの確立,実施,維持:更新及び継 続的改善に必要な資源を決定し1提供しなければならない。
組織は,次の事項を考慮しなければならない。
a)既存の内部資源の実現能力及び全ての制約,及び b)外部資源から要求される資源
●規格のポイント・解説
*1日版の一部に新規の見出しや新規表現が追加されているが,基本的な要求事 項に変更はない。
・食品安全マネジメントシステムの構築,運用,管理には,組織内部資源と 外部提供者からの資源が必要である。
。
「外部資源から要求される資源」とは,例えばOEM(Orlginal Equipment Manufacturer)で,製造・販売を実施している場合などの外部経営資源, 外部利害関係者の要求する経営資源,親会社からの人的資源などが該当す る。
ア.1.2 人 々
組織は,効果的な食品安全マネジメントシステムを運用及び維持するため には,必要な力量のある人々(ア.2)を決定し,提供しなければならない。
食品安全マネジメントシステムの構築,実施,運用又|よ評価に外部の専門家の協力が必要な場合は,外部の専門家の力量,責任及び権限を定めた合意 の記録又は契約を,文書化した情報として利用可能な状態にしておかなけれ ばならない。
● 規格のポイント・解説
*表題の「人々」も新規の見出しであるが,要求事項は,効果的な食品安全マネ ジメントシステムを運用・維持するための人々の力量の重要性を強調している。
*食品安全マネジメントシステムの有効的な運用に必要な人材を確保し,プロ セスに必要な力量の人材を該当するプロセスに配置することを要求している。
*力量そのものは,別途,ア.2項「力量」に規定している。
*効果的な食品安全マネジメントシステムの運用・維持のために,外部専門家 が必要な場合には,その専門家の力量なども明確にすることを要求している。
(ちなみに,IS022000:2018の外部専門家であれば,微生物に関する学識 経験や食品加工などの実務経験などが問わねる)
食品安全基礎知識
食品微生物とpH 微生物のなかにはpHl~ 2の酸性でも増殖でき,最適pHが2~ 3でしか も,pHlで生存する微生物も発見されている。
しかし,食品一般の細菌で はその増殖限界はpH3~ 4で,カビ・酵母はpHl.6~ 3.2であると報告さ れている。
また,アルカリサイドに抵抗を持つpH10~ 11の領域で生活する微生物 もあるが,アルカリサイドの食品は,中華生麺,ピータンなど(石灰,アン モニアのアルカリ性保存食品)であり,食品とアルカリ性・微生物の関わり の事例は少ない。
7.1.3 インフラストラクチャー
組織は,食品安全マネジメントシステムの要求事項に適合するために必要 とされるインフラストラクチャーの明確化,確立及び維持のための資源を提 供しなければならない。
注記:インフラストラクチヤーには,次のものが含まれる。
― 土地,容器,建物及び関連ユーティリティ ー設備,これにはハードウェア及びソフトウェアを含む ― 輸送のための資源 ― 情報通信技術
● 規格のポイント・解説
*1日版の箇条6.3頂よりも,具体的な要求事項となつている。
*記載事項は,箇条6.1項のリスク及び機会の対象事項ともなり得る。
*「輸送のための資源」とは,例えば,国内外の食品輸送に関する保管施設,コ ンテナや専用配送車などを指す。
*注記に示さねる事項については,ISO/TS22002-1について別記した附属書 1「ISO/丁S22002-1 要求事項と解説・実施例」を参照されたし。
● 審査のポイント
*食品安全マネジメントシステム運用に関するインフラストラクチャーの特定 とそのメンテナンスを含む適切な維持・管理状況が審査のポイントとなる。
●審査指摘事例
的に食品安全の維持・運用に必要とされる,例えば, レトルト殺菌機,フラ イヤー,温度計,CIP殺菌・洗浄システム,乾燥機温度計,金属探知機,X 線異物検出機などに関するメンテナンス計画が確認できませんでした。
圏「食品安全マニュアル」では,食品安全マネジメントシステムに必要となるイ ンフラストラクチャーを明確にする手順になつていますが,製造に関する設 備やボイラーなどのユーティリティに限定されており,規定さねた要求事項 を網羅した手順とは言えません。
その他の設備は次のようなものがあります。
・試験。
検査機器 ・緊急事態対応システム 。
1青報管理に関するソフトウェア設備など。
M食品製造現場のOPRPやCCP特定機器類の表示の明確化を推奨します。
(管 理限界,管理基準の明記も含む) 例えば,CCPに設定されている「金属探知機」にCCP-1と表示し,できれば, その管理基準(Fe:φ l.Omm,Susl φ 2.Ommなど)を明記するなど。
饉食品製造施設の機械・機器類の中から,より食品安全に関わる機器類を選択・ 特定し,該当する機器類についての,食品安全メンテナンス計画と実施に関 する手順の明確化が要求されます。
現状ではすべての機器類が網羅されていますが,定期的な食品安全メンテナ ンスが実施される手順とは言い難い状況が観察されました(いつ,誰が,ど のように定期的なメンテナンスを計画し実施するのかなど)。
食品安全基礎知識
腸炎ビブリオ 腸内細菌と類似の性状や生態を持つているが,ビブリオは,海洋をすみか としている点で,腸内細菌とは異なる。
この細菌は海洋の主な細菌類の一つ で,陸の腸内細菌に似た生態系を持ち,海の動物(魚類など)に寄生している。
グラム陰性の拝菌で,大部分が極在性の1本のベン毛をもつている。
本菌 は,ほかの多くのビブリオ科細菌と異なり,スクロースを発酵させないので, TCBS寒天培地で容易に識別が可能である。
魚介類の体表,エラ,腸内などで,かつ酸素のない環境で極めて速く増殖し,腐敗原因となる。
ヒスチジン脱炭酸酵素を持ち, ヒスタミンを産生し, 中毒原因となる。
1950年大阪のシラス干し食中毒で20名が死亡した事件は,後になり原 因菌がビブリオ属であることがわかつた。
ビブリオは特に夏季には多く見ら れる。
しかしほとんどのビブリオは人に対し病原性を持たないとされており, そのなかで溶血性株が耐熱性の毒素を産生し,溶血性を持つている。
腸炎ビ ブリオは,食塩濃度が2~3%で最も増殖が速く,8分で1回の分裂を起 こし1時間半では, 1個が4,000個になる計算。
ア.1.4 作業環境
組織は,食品安全マネジメントシステムの要求事項に適合するために必要 な作業環境の確立,管理及び維持のための資源を明確にし,提供し,維持し なければならない。
注記:適切な環境は,人的要因及び物理的要因の組み合わせで有り得る。
a)社会的要因(例えば,非差別的,平穏,非対立的) b)心理的要因(例えば,ストレス軽減,燃え尽き症候群防止,心のケア) c)物理的要因(例えば,気温・熱,湿度,光,気流,衛生状態,騒音) これらの要因は,1提供する製品及びサービスによつて大いに異なる。
●規格のポイント・解説
*1日版の箇条6.3頂に該当し,より具体的な要求事項となつている。
*注記の「適切な環境は,人的要因及び物理的要因の組み合わせで有り得る。
」 とは,例えば,プロセスの機器類と適切な人員の配置などを指している。
*IS0 9000では,作業環境を「作業が行われる条件の集まり」と定義しており, 物理的,社会的,心理的,環境的要因を含むとしている。
(例えば,温度,照明,表彰制度,業務上のストレス,人間工学的側面,大気 成分など) *作業環境は,製品要求への適合に影響がある作業環境を意図しており,作業者の安全確保のための作業環境に関連し,過重労働や精神ストレスを与える 人間関係なども含まれる。
*食品安全マネジメントシステムに要求される作業環境の要求事項は,食品安 全を実現するための作業環境,すなわち適切なゾーニング,人,物:空気の 流れや,作業場の温度,湿度,照明,衛生状態,騒音,臭気, トイレ,休憩 室などすべての環境が含まれる。
・審査のポイント
*作業環境の要求事項は,製品カテゴリーや業種によつても差異があるので, 関係業界団体の要求事項(各種衛生規範参照)なども考慮することが肝要であ る。
*食品安全衛生に配慮された作業環境であること。
・審査指摘事例
ゾーニングは設定されていますが,原材料の流れ,人の動も空気の流れな どが整合しておらず,交差汚染の可能性が観察されました。
■ 食品製造プロセスにおいて,日視による異物検査が実施されていますが,検 査場所の製品表面上の照度は,最低基準の500ルクスを満たしているとは思 えず,まず照度測定により,日視検査工程に適切な照度を確認することが肝 要です。
日食肉製品製造工程(細切・混和工程)付近のフロアの排水溝に食肉加工残澄が 沈降しており,その近辺から異臭が感じらねました。
残澄や廃水に対する認 識の改善が望まねます。
購冷凍たこ焼き製造工程において,製品を焼き容器わ`ら剥離させる振動から発 生する音は,不快感を覚えるほどのホーンであり,現場責任者もその数字を 確認していませんでした。
適切な作業環境の維持のため,その環境調査と改善が求めらねます。
食品安全基礎知識
カンピロバクター ヒトや動物の腸内,□腔などに寄生し,動物の腸炎を起こすことで知ら れる。
1982年札幌で起きた丼戸水による食中毒事件は,このカンピロバク ターと毒素原生大腸菌の混合感染と特定され,感染者は最終的には8,000 人に及んだと報告されている。
カンピロバクター属の内で, ヒトに腸炎を起 こす菌種としてカンピロバクター・ジェジュニとカンピロバクター・コリが 知られているが,実際に検出されるのはほとんどカンピロバクター・ジェ ジュニである。
最近,この菌による食中毒は増力日の傾向にあるが,食中毒の症状が比較的 軽いので届けられないケースも多い。
この食中毒は,わずかの菌数が□に入つても発症しやすく,腹痛や下痢が 主な症状である。
比較的軽い場合が多いが,時に脱水症状や敗血症を起こす。
この菌による発症の原因は,肉類,非加熱牛乳,汚染井戸水などである。
鶏 肉などの肉類はこの菌に汚染されている可能性も高く,これらの製品はカン ピロバクター食中毒の主要な原因になつている。
(例えば,鶏肉の唐揚げの 加熱温度の不足など) この菌は熱に弱くまた30℃ 以下では増殖できず,乾燥状態や食塩にも 弱い。
総合的に,70℃ 力]熱,3%食塩,低温,乾燥(水分活性)を制御条 件として管理すれば安全とされている。
ア.1.5 食品安全マネジメントシステムの外部で策定された要素
組織が,食品安全マネジメントシステムの,PRP及びハザード管理計画を 含む外部で策定された要素を用いて,その食品安全マネジメントシステムを 確立,維持,更新及び継続的改善をする場合には,組織は,提供された要素 が次のとおりであることを確実にしなければならない。
a)この規格要求事項に適合して策定されていること。
b)組織の現場,プロセス及び製品に適用可能なこと。
c)食品安全チームが,組織のプロセス及び製品に特に適合させてあること, 及び d)この規格で要求されているように実施,維持,及び更新されていること。
e)文書化した情報として保持されていること。
◎ 規格のポイント・解説
*新規の要求事項であるが,本項は,例えば,外部委託作業に関する外部策定 要素,OEMに掛る外部策定要素や親会社の策定要素などを,組織に取り入 れて,食品安全マネジメントシステムを確立,運用,維持する場合の要求事 項を規定している。
すなわち,組織が外部的要素を取り入れる場合でも,必ず,本規格との整合 や該当組織への適用を確実にすることを要求している。
a)外部で策定された要素と本規格の食品安全マネジメントシステムが整合 していること。
b)組織の製造プロセスに適用可能であること。
c)食品安全チームが外部要素を十分に理解し,組織の製造プロセスと適合 させ,PDCAを運用すること。
○ 審査のポイント
*食品安全チームは,外部で策定さねた要素を用いて策定した食品安全マネジ メントシステムを運用する場合,組織の食品安全マネジメントシステムに関 するすべての要素との整合性を十分に認識し,その適合性を確実にしなけれ ばならない。
・審査指摘事例
組織は,ISO/丁S22002-1の箇条6.4頂「空気の質及び換気」に関する要求事項,箇条6.5項「圧縮空気及び他のガス類」に関する要求事項について,親 会社の策定した同「RPR管理規程」をそのまま組織のものとして,食品安全マ ネジメントシステムに組み込んでいましたが,組織の製造プロセスの実態と 整合していませんでした。
■ アレルゲンの管理について,親会社の策定した「アレルゲン管理規程」に記載 さねている作業手順と組織のアレルゲン計量現場の作業手順との整合性が確 認できませんでした。
フ.1.6 外部から提供さねたプロセス,製品又はサービスの管理
組織は,次の事項を行わなければならない。
a)パフォーマンスの評価,選択,監視(モニタリング),及びプロセス,製 品又はサービスの外部提供者の再評価のための基準を確立し,適用する。
b)外部提供者に対して,要求事項を適切に伝達する。
c)外部から提供されたプロセス,製品又はサービスが食品安全マネジメン トシステムの要求事項を一貫して満たすことが出来る組織の能力に悪影 響を与えないことを確実にする。
d)これらの活動及び評価並びに再評価の結果としての必要な処置について, 文書化した情報を保持する。
● 規格のポイント0解説
*箇条7.1.6項は,新規の箇条7.1.5頂に関連する要求事項であり,外部提供 者(例えば,外部専門家を含むOEMなど)から委託された有形・無形のプロ セスに対する相互要求事項の再評価に関する事項である。
(注)IS09001:2008では,「供給者」,IS09001:2015では,「外部提供者」 といい,組織の一部でない提供者であり,製品やサービスの生産者,流通者, 小売業者,販売者をいう。
a)外部から委託さねた事項のパフォーマンス(測定可能な結果)の評価,モ ニタリング結果,プロセス,製品・サービスなど,すべてについて再評 価する基準を設定し運用すること。
b)外部提供者に対して,食品安全マネジメントシステムの要求事項を正確 に伝達することを要求している。
c)外部から提供されたプロセス,製品・サービスを実施できる組織の能力 を確認すること。
d)a)~c)の活動の評価の結果,必要な処置事項は記録を残すこと。
・審査のポイント
*外部提供者(外部専門家を含むOEMなど)から委託された有形,無形のプロ セスに対する評価基準が明確になつていること。
*外部委託事項と組織の受話能力の評価が明確になつていること。
*外部委託者の力量,責任,権限などが確実に承認されていること。
*a)~ d)項に関する活動に対する評価と必要な処置について,文書化された 情報(記録)が維持されていること。
・審査指摘事例
■ 組織は,外部が提供した製品を販売しているにも関わらず,その評価基準を 再評価した記録を確認できませんでした。
日組織は,外部専門家による製造プロセスのモニタリング手順の構築などを採 用していますが,組織の食品安全マネジメントシステムとの適合についての 評価が確認できませんでした。
田採用した,外部専門家の力量評価の記録が確認できませんでした。
食品安全基礎知識
食品微生物の分類と適応温度
7.2 カ 量
組織は1次の事項を行わなければならない。
a)組織の食品安全パフォーマンス及び食品安全マネジメントシステムの有 効性に影響を与える業務を,その管理下で行う,外部提供者を含めた人 (又は人々)に必要な力量を明確にする(3.4参照)。
b)適切な教育,訓練又は経験に基づいて,食品安全チーム及びハザード管 理計画の運用に責任をもつ者を含め,それらの人々が力量を備えている ことを確実にする。
c)食品安全チームが食品安全マネジメントシステムの開発及び実施につい て,多くの分野にわたる知識と経験を組み合わせたものをもつことを確 実にする。
これらには,食品安全マネジメントシステムの範囲内での組織の製品, プロセス,機器及び食品安全ハザードを含むがこれだけに限らない。
d)該当する場合には,必ず=必要な力量を身に付けるための処置をとり, とつた処置の有効性を評価する。
e)力量の証拠として適切な文書化した情報を保持する。
注記:適用された処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,教育 訓練の提供,指導の実施=配置転換の実施などがあり,また,力量を備え た人々の雇用,そうした人々との契約締結などもあり得る。
◎規格のポイント0解説
*力量について,1日版の箇条6.2.1,6.2.2,7.3.2項の要求事項に該当するが, 新規では,力量の重要性をさらに強調し,かつ,より具体的な要求事項を規 定している。
*人的資源である要員の確保のなかで,食品安全チームはもとより食品安全に 影響を与える活動に従事する要員には,適切な教育。
訓練,技能,経験など を総合した,いわゆる力量が要求される。
JIS Q 9000で力量は「知識と技能 を適用するための実証された能力」と定義されており,実際の業務にそれら の能力がバランスよく活用される状態を要求している。
a)組織の食品安全パフォーマンス(食品安全活動の結果)と食品安全マネジ メントシステムの有効性に影響を与える業務に従事している外部提供者 を含めた人々に対し,必要な力量を明確にすること。
b)食品安全チームやハザード管理計画の運用に責任をもつ関係者の力量が 明確であること。
c)食品安全チームの各メンバーは,食品安全に関する広範囲な力量を有し ていること。
d)必要な力量を身に付けるための処置,例えば,再教育を含め,場合によっ ては,適材適所のための配置転換などを実施した処置の有効性を評価す ること。
e)「力量の証拠として適切な文書化した情報」とは,力量が証明される文書 類のこと。
(注)JISQ9001:2015では,力量を「意図した結果を達成するために,知識及 び技能を適用する能力」と定義している。
鰊審査のポイント
*食品安全マネジメントシステムに関与し,食品安全に影響を及ぼすすべての 従事者(外部提供者を含む)について,力量が明確になつていること。
*食品安全チームや食品安全ハザードの運用に責任のある要員について,力量 を明確にしていること。
*食品安全チームの各位は1食品安全に関する力量(知識,技能,経験)を有し ていること。
*力量を備えるために特別に実施した処置に対しての有効性を評価していること。
*食品安全に影響を与える活動に従事する要員に対して,力量を明確にし,か つ評価(力量の程度)を確実にしていること。
*力量をより効果的に向上させるために,どのような手順で教育・訓練を実施し, その有効性を評価し,かつ以降の活動に活用さねているか,明確になってしヽ ること。
*要員の力量評価・判断にかかる適切な教育・訓練実施記録が維持さねている こと。
*要員は,食品安全にかかる重要性や,内,外のコミュニケーションに対する 重要性について,認識していること。
(箇条7.3項関連)
● 審査指摘事例
■ 規格には,食品安全チームメンバーが関連する訓練や教育を受けられること を確実にすること,とあります。
しかし,過日実施の「食品安全衛生の基礎 矢□識」に関する講習会を欠席した要員に対するフォロー教育が実施さねてい ませんでした。
■ 規格では,食品安全マネジメントシステムのモニタリングを担当する要員の 教育・訓練が行われることを確実にすることが要求されています。
「OPRPプラン」による,冷凍加工製品の袋入ね工程で,その品温をモニタリ ングすることが規定さねていますが,モニタリング実施担当者の教育・訓練 の実施記録が確認できませんでした。
■ 組織は「非加熱冷凍カキフライ」の製造を受託していますが,食品安全チーム メンバーの1人にインタビューしたところ,製品に直接関係するような微生 物に関する知識を確認できませんでした。
日C⊂ P工程としている金属探知工程や×―Ray工程に必須とさねる教育・訓練 内容をより詳細に設定。
実施し,評価することが望まれます。
例えば,金属 探知機の感知の強弱の位置関係に関する矢□識など。
■ 「加熱。
冷却ラインカ量表」が評価・承認されていますが,2年前に評価・承認されたものであり,最新の評価が求められます。
圏教育訓練の効果の確認として実施されている「理解度確認テスト」の質問項 目には,実施した教育・訓練の理解度に関する設間が確認できませんでした。
例えば,CCPモニタリング(金属探知機)の原理に関する基礎事項など。
轟規格では,食品安全に影響する活動に従事する要員に必要な力量を明確にする ことが要求され,「食品安全マネジメントマニュアル」には,食品安全に関して 必要な力量を「食品安全力量評価表」に明確にすると規定しています。
しかし ながら,宮能検査については,その力量評価が明確になつていませんでした。
饉各製造工程のウエイトチェッカーと金属探知機からリジェクトさねた「不適 合である可能性のある製品」を修正・検証し,規定されたラインプロセスヘ フィードバックする手順は確立されていますが,このプロセスを検証する要 員について,教育・訓練が実施され,評価さねた力量が,「製造課力量表」か ら確認できません。
ただしこの要員は,ライン主任としてベテランであることは,現場インタ ビューで確認できました。
議食品安全に関する業務を実施している開発部や営業本部の各要員に必要な力 量が明確にされていません。
また,要員には食品安全に関して自らの仕事の 重要性を認識させるために「食品安全方針自己管理表」を作成させ,各部署長 が確認していますが,その有効性の観点から,その利用方法や手順に改善の 余地が観察されました。
■ 食品安全衛生に関する教育。
訓練を実施していましたが,欠席した要員に対 するフォローアップ教育が未実施のまま数か月が経過しており,実施手順に 改善の余地が観察されました。
爾水産練り製品製造工程からリジェクトされた,不適合である可能性のある製 品について,修正・検査し設定された工程ヘリリースする手順は確立さねて いますが,この検査する要員についての教育・訓練が行われ,力量が担保さ れことを立証する記録が確認できません。
は食品安全チームリーダーは,指名した食品安全チームメンバーが適切な訓練。
教育を受けられることを確実にすることが規定されていますが,メンバーヘ のインタビューによつて,一部食品安全基礎知識の不備が確認さね,かつ適 切な訓練を実施した結果や今後の実施計画などが確認できませんでした。
■ 「検査検品実施基準」に従つて,検品評価チェックリストを用いて検品(官能 検査)を実施していますが,宮能検査要員の力量を確認できませんでした。
■ CCP加熱殺菌工程に従事する要員の力量評価は1「社内有資格者認定リスト」 に明確になつていましたが,水産加工製品に該当すると思われる微生物につ いてインタビューしたところ,「腸炎ビブリオ」に対する基礎知識を確認する ことができず,力量の評価基準に改善の余地が観察さねました。
■ 「食品安全力量表」には,内部監査員に要求される必要な力量が明確にされて おらず,力量があることが確認できない要員によって内部監査が実施されて いました。
また,内部監査員の力量評価に使用した教育訓練の記録が維持さ れていません。
■ 直接食品に使用している井水の残留塩素検査を毎日実施していましたが,活 性塩素に関する知識やその濃度計算に関する力量の不備が,当該作業に従事 している要員へのインタビューによつて確認さねました(活性塩素が12% と表示されている次亜塩素酸ソーダ原液を希釈して,活性塩素120ppm溶 液を作る力量)。
■ 内部監査員のリーダーの力量評価結果を明確にすることが推奨されます。
内部監査員はリストに明確になつていましたが,内部監査の実施に際して, そのリーダーの力量が明確になつていません。
■ 現時点の力量は,「力量評価表」によって確認できましたが,継続した力量の 向上を目指す教育・訓練計画の立案と運用が明確になつていません。
例えば, 組織の要求する個別の要員に対する教育訓練事項と,その具体的な計画などを, 明確にすることが望まれます。
■ 食品安全マネジメントシステム規格は,食品安全に影響がある活動に従事す る要員に必要な力量を明確にすることを求めていますが,「教育訓練要領」や 「力量評価チェックリスト」には,食品衛生法,JAS法で規定している食品安 全上重要なラベル表示や規格書作成,原料規格書の検証に必要な力量などが 明確になつていません。
■ 食品安全に従事する個人の力量は「社内有資格認定リスト」に「◎」「△」で評 価さねていますが,その定義が曖昧であり,また空白欄も散見され,その要 員に対する組織の要求事項が不明確でした。
■ バン生地ドウの物性測定の検査では,当時力量を認定されていない実習要員による検査記録が確認さね,検査要員の教育・訓練手順に改善の余地が観察 されました。
■ 「教育訓練実施記録」には,有効性の評価基準が明確にされておらず,「有効 性の評価」の欄には「OK」のみが記載さねており,有効性の評価手順に改善 の余地があります。
■ IS022000規格では,要員が必要な力量を持てるようにすることを確実にす るために,教育・訓練を実施し適切な記録を維持することが要求されていま すが,「バンの焼き上がり検査工程」の担当要員には,必要な力量と評価に関 する教育・訓練,技能や経験について,該当する記録が確認できませんでした。
7.3認 識
組織は,組織の管理下で働くすべての関連する人々が,次の事項に関して 認識を持つこと確実にしなければならない。
a)食品安全方針 b)職務に関する食品安全マネジメントシステムの目標 c)食品安全パフォーマンスの向上によつて得られる便益を含む,食品安全 マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献 d)食品安全マネジメントシステム要求事項に適合しないことの意味
● 規格のポイント・解説
*表題「認識」の見出しは,新規であるが,要求事項内容は,1日版の箇条6.2.2 項の要求事項にも該当し,組織の管理下で働く要員のすべてに対する食品安 全マネジメントシステムの認識に関するより具体的な要求事項である。
・審査のポイント
*組織の管理下で働くすべての要員に,食品安全方針,食品安全マネジメントシ ステムロ標,食品安全マネジメントシステムの達成の有効性の認識,およびそねらの未達成や不適合に対する弊害などに関する理解と認識などが要求さねる。
● 審査指摘事例
■ 製造現場で食品の品質に影響するプロセスに従事している要員数人に,許可 を得て,インタビューしたところ,組織の食品安全マネジメントシステムに 関する目標と自身の業務の関わりについて理解できていませんでした。
■ 要員自身の関係するプロセスで発生した不適合について,組織の食品安全マ ネジメントシステムでの位置づけが理解できてしヽませんでした。
■ 冷凍食品製造工程の一次包装工程に従事する要員にインタビューしたところ, 日視検査を含めた自身の作業の適切性が,食品安全マネジメントシステムの 有効性にどのように貢献しているのか,その関わりについて十分な理解が確 認できませんでした。
食品安全基礎知識
セレウス(Bacillus cereus) ・グラム陽性,通性嫌気性,拝菌で,菌体の中央部に芽胞をもつ。
・大腸菌と比べると,菌体の長さ,幅とも約2倍ある大型菌である。
。
10℃ 以下では発芽しないが,5~50℃ で発育増殖する。
・低Aw(0.912~ 0.95)でも増殖できる。
・芽胞の耐熱性は,Ctostridium属ほどではないが,疎水性が強く,器具 などに付着しやすいうえに,100℃ でのD値(90%死滅させる時間)は, 1.2~ 8.0分であり,一般の炊飯温度では,十分生存している。
・食品内毒素型食中毒は,嘔吐毒素であり,毒素セレウリドによる。
・セレウスは,澱粉を分解するが,毒素セレウリドを合成する菌株は,澱 粉分解陰性のものが多い。
・土壌菌であり,土壌lg当たり, 102~ 105いる。
・本菌の嘔吐型食中毒は,米飯が関わり,広く穀物に付着している。
。
本菌由来の嘔吐型食中毒は,いずれも澱粉由来の食品であるが,デンプ ン培地で培養しても,セレウリドは産生されず未解決な課題が多い。
食中毒症状は,喫食後3時間で悪心・嘔吐が起き,発熱はなく,黄色ブ ドウ球菌による食中毒に似ている。
耐熱性毒素,セレウリドを産生し,喫食により食中毒を起こす。
セレウリドの産生は,30℃ 以下とされており,35℃ を超えると産生 しないとの報告がある。
セレウリドは,4つのアミノ酸が3セット環状につながつた,疎水性の 高いペプチドで,分子量は1.2kDa(キロドルトン),121℃ ,60分で も抵抗性を示し,酸,アルカリ,消化酵素にも安定である。
予防策としては,炊飯後の温度管理が重要である。
無菌充填炊飯製造工程では,本菌の性質を十分考慮した,炊飯前の何回 もの高圧蒸気加熱,炊飯温度管理,無菌化充填包装管理などが実施され ている。
7.4 コミユニケーシヨン
7.4.1 一般
・規格のポイント・解説
部と内部のコミュニケーションを総括した共通の要求事項を具体的に提示し ている。
*本項は,ア.4.2項に,「外部コミュニケーション」と7.4.3「内部コミュニケー ション」の要求事項の中で考慮し,確実に実施すればよい。
ア.4.2 外部コミュニケーシヨン
組織は,十分な情報が外部に伝達され,かつフードチェーンの利害関係者 が利用できることを確実にしなければならない。
組織は,次のものとの有効なコミュニケーションを確立し,実施し及び維 持しなければならない。
a)外部提供者及び契約者 b)次の事項に関する顧客及び/又は消費者 1)フードチェーン内での又は消費者による製品の安全な取り扱い,表示, 保存,力]工,配送,及び使用可能にする製品情報 2)フードチェーン内の他の組織及び/又は消費者による管理が必要な, 特定された食品安全ハザード 3)契約の約定,引き合い及び発注で,それらの修正を含む,及び 4)苦情を含む顧客及び/又は消費者のフィードバック c)法令・規制当局及び d)食品安全マネジメントシステムの有効性又は更新に影響する,若しくは それによつて影響される他の組織 指名された要員は,食品安全に関するあらゆる情報を外部に伝達するため の,明確な責任及び権限をもたなければならない。
該当する場合は,外部とのコミュニケーションを通じて得られる情報は, マネジメントレビュー(9.3参照)及び食品安全マネジメントシステムの更新 (4.4参照)へのインプットとして含められなければならない。
外部コミュニケーションの証拠は,文書化した情報として保持しておかな ければならない。
● 規格のポイント・解説
*本項は1日版の箇条5.6.1項に該当し,供給者を外部提供者に改め,また, 外部コミュニケーションの記録を,フードチェーンの利害関係者が利用でき るように,「文書化した情報として保持する」と改訂している。
*外部コミュニケーシ∃ンの効果的な手順の確立と記録の維持が要求さねてい る。
*外部コミュニケーシ∃ンは,規格に規定されている「外部提供者」「最終消費 者及びすべてのフードチェーン」「法令・規制当局」及び「消費者団体等その 他の組織」などに対するコミュニケーシ∃ンを指す。
*外部コミュニケーションを効果的にするためには,外部へ提供する情報(相 互に関連する食品安全ハザードに関する情報が中心),外部から受けた情報の 食品安全マネジメントシステムの更新,マネジメントレビューヘのインプッ トや,これら情報の取扱いに関する責任・権限などの明確化などが要求され ている。
● 審査のポイント
*相互に関連するフードチェーンの関係者が,そねぞれの食品安全ハザードに ついて,情報を共有していること(例えば,原材料供給者は,自らの提供す る原材料の食品安全ハザード,その原材料使用者は,’肖費者を含む提供者に 対する食品安全ハザードの限度値などの「コミュニケーション」情報)。
*「外部コミュニケーション」情報の取り扱いに関する責任・権限は明確であり, 適切に扱われ,文書化さねた情報が維持されていること。
・審査指摘事例
目顧客から異物混入のクレームが発生していましたが,クレームの受信や経過 など:顧客担当者のコミュニケーションに関する記録が確認できませんでし た。
さらには,外部コミュニケーションに関す手順にも不備が観察さねました。
情報に関する責任と権限,伝達手順や記録の維持などが確認できませんでし た。
■ 主原料の産地が国内から中国になり,食品安全ハザードにも影響すると思わ ねる情報(ハーベスト前の殺虫剤の散布,その他残留農薬に関する情報)を入 手しているにも関わらず,これらの情報が,食品安全チームメンバー全員に 周知されておらず,また,マネジメントレビューのインプット情報からも確 認できませんでした。
食品安全基礎知識
逆性石鹸と普通石鹸の科学 逆性石鹸は,高級アミンの塩からなる界面活性剤であり,殺菌剤や柔軟剤, リンスの成分として利用される。
逆性石鹸という言葉は,一般に広く利用されている石鹸との対比から名 づけられたもので,通常の石鹸(普通石鹸)が水に溶けると脂肪酸陰イオ ンになるのに対して,逆性石鹸は水中で陽イオンになる。
このため陽性 石鹸,陽イオン界面活性剤とも呼ばれる。
逆性石鹸は普通石鹸に比べると界面活性作用はあまり強くないものが多く, このため洗浄力では劣ることが多い。
しかし陽性に荷電した逆性石鹸は, セルロースやたんぱく質など,陰性に荷電した高分子とは電気的に吸着 しやすいという性質がある。
この性質のため,細菌やカビなどの微生物 に作用させると,その表面の生体高分子に吸着して変性させることで殺 菌作用を示すため,消毒薬などの殺菌剤として利用される。
また衣類や 頭髪に吸着することで,空気中の水分が保持されやすくなり柔軟性を与 えることから,衣類の柔軟剤や頭髪用リンスなどとしても利用される。
普通石鹸と逆性石鹸を,1昆ぜると,会合して両者ともに界面活性を失い, 普通石鹸の洗浄効果も,逆性石鹸の殺菌や柔軟効果もともに減弱してし まう。
例えばシャンプー(普通石鹸)とリンス(逆性石鹸)を混ぜたり,手 洗い用の石鹸と消毒用の逆性石鹸を混ぜると,十分な効果は得られなく なる。
また逆性石鹸は,溶液中に汚れなどの有機物が大量に存在すると それらと結合してしまい,本来意図している微生物や衣類,頭髪への結合が阻害される結果,その効果が減弱する。
このため逆性石鹸を用いる ときは,まず普通石鹸で汚れを十分に落とした後,水で十分にすすいで 普通石鹸を洗い流し,その後で逆性石鹸を使うのが効果的である。
殺菌剤としての逆性石鹸:食品工場で広く使用されている逆性石鹸のうち, 塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンゼトニウムが外用の消毒薬として 器具や手などの消毒に,塩化セチルピリジニウムがトローチやうがい薬 などに配合されて□腔や気道の殺菌に用いられる。
逆性石鹸は,一般的な細菌,菌類(真菌),原生生物,一部のウイルスなど, 広範な微生物に対して殺菌作用を示し,その効果には持続性がある。
た だし芽胞に対しては無効であり,真菌,緑膿菌,結核菌,エンベ□―プ を持たないウイルスに対する殺菌作用は弱い。
E.H.Spauldingが提唱した消毒薬の殺菌力の区分では,3段階(高水準, 中水準,低水準)のうちの低水準のグループに分類されており,,肖毒対 象としては,環境,器具,手指,粘膜の消毒。
また,対象微生物は,一 般細菌に使用可能だが,真菌に対しては高濃度長時間処理が必要となり, 芽胞,結核菌,ウイルスには使用不可とされている。
普通石鹸は,汚れとなる有機物と混合すると殺菌力が低下するため注意 が必要である。
特に薬用石鹸(普通石鹸にほかの殺菌成分を配合したも の)との混同から,逆性石鹸に洗浄力を期待した使い方をするなどの誤つ た使い方がなされることもあるため,逆性石鹸以外の名称を用いる場合 もある。
さらに近年は,ほかの消毒薬と同様,使用中の逆性石鹸の中か ら緑膿菌やセラチア菌などの細菌が検出される例も報告されており,適 切な使用,保管が重要であることが再認識されている。
逆性石鹸は水溶液として用いるほか,エタノールと混合して速乾性の手 指消毒薬(スクラブ)として用いられることもある。
スクラブは速乾性で 水がなくても使用可能であることに力0え,工タノールと逆性石鹸という, 作用点が異なる三種類の消毒薬によつて相乗的な殺菌効果を得ることが でき,しかも逆性石鹸の殺菌力が持続することから,有用な消毒薬とし て用いられている。
特に,塩化ベンザルコニウムではエタノール溶液が, 水溶液とともに医療分野などで利用されている。
フ.4.3 内部コミュニケーション
組織は,食品安全に影響する問題を要員間でコミュニケーシヨンするため の効果的な手続きを確立し,実施し,かつ,維持しなければならない。
組織は,食品安全マネジメントシステムの有効性を維持するために,下記 の変更があれば,それをタイムリーに食品安全チームに伝えることを確実に しなけねばならない。
ただし,変更はこれだけに限らない。
a)製品又は新製品 b)原料,材料及びサービス c)生産システム及び装置 d)製造施設,装置の配置,周囲環境 e)清掃・洗浄及び殺菌。
消毒プログラム f)包装,保管及び配送システム g)力量及び/又は責任・権限の割り当て h)法令/規制要求事項 i)食品安全ハザード及び管理手段に関連する知識 j)組織が遵守する,顧客,業界及びその他の要求事項 k)外部の利害関係者からの引き合い及びコミュニケーション 1)最終製品に関連した食品安全ハザードを示す苦情,リスク及びアラート m)食品安全に影響するその他の条件 食品安全チームは,この情報が,食品安全マネジメントシステム(4.4参 照)の更新に含められることを確実にしなければならない。
トップマネジメントは,関連情報をマネジメントレビューのインプット (9.3参照)として含めることを確実にしなければならない。
● 規格のポイント・解説
*本頂は,1日版の箇条5.6.2項に該当するが,新規の要求事項はない。
*すべての要員が,食品安全に影響する諸問題を食品安全チームに伝達し,周知するための手順を確立し,実施・維持することが要求さねている。
*箇条7.4.3項の食品安全マネジメントシステムに関する有効性を維持するた めのa)~ m)の13の事項(これに限定されない)に変更が発生した場合は, タイムリーに食品安全チームに伝達する手順の確立が要求されている。
【参考解説】 1)食品安全に影響する問題を組織の全員に周知させるための有効な手順の確立, 実施,維持が要求事項である。
2)組織は,a)~ m)頂の情報を含め,食品安全チームに変更がタイムリーに 伝達されることを確実にすること。
このタイムリーと確実にする手順の確立 が重要な要求事項である。
3)a)~ g)項の内容は, この規格が要求する根幹となる要求事項であり = HACCPシステムで運用する事項,前提条件プログラム(PRP),オペレー シ∃ンPRPおよび重要な運用項目が網羅されている。
4)食品安全チームは, a)~ m)項の情報を食品安全マネジメントシステムの 更新に含まれることを確実にすること。
5)トップマネジメントは, a)~ m)項に関連する情報をマネジメントレ ビューのインプットに含むことを確実にすることも要求事項である。
6)7.4.3頂「内部コミュニケーシ∃ン」では,食品安全に関するさまざまな活動, 作業,手順のために,適切な情報やデータを利用できることを確実にする。
フ)食品安全チームは,内部コミュニケーションに関する主管部門として,重要 な役割を果たすこと。
8)食品安全チームは,必要とする関連情報を明確にすること。
9)内部コミュニケーシ∃ンに関する要求事項は,7.4.3項だけでなく,食品安 全マネジメントシステム全体の各所で要求されている。
*新製品の開発や発売に関する内部コミュニ分一ションも重要であり,原材料 に関する情報をはじめ,生産システムまたは機器,顧客,要員の資格認定レ ベル,責任,変更に関する情報などを,明確に伝達すること。
またこ机に関 する責任・権限を明確にすること。
●審査のポイント
*食品安全に関わる情報が把握され,食品安全チームに伝達さねる手順が確立 されていること(例えば,内部コミュニケーションの手段は,日常の食品安 全会議,ISO会議,各部署会議など)。
*食品安全に関わる顧客の苦情の情報も含めて,その処置手順が確立され,適 切に処置されていること。
そして,マネジメントレビューにインプットされ 維持されていること。
*明確にしたリスクおよび機会,ハザード分析,管理限界,並びに行動基準な どから逸脱して実施された製品の処分やその他の予防処置についてのすべて の情報が,適切な階層や部署に周知し伝達されていること。
*新規の法令や規制要求事項,新たに発生したリスクとその評価法,新たに発 生したハザードの対応法などが,関係要員に周知されていること。
● 審査指摘事例
■ 「食品安全マニュアル」や「内部コミュニケーシ∃ン手順」によると,食品安 全上の「トラブル」や「顧客仕様書変更」などが発生した場合は,すべての情 報を即刻規定した要員に伝達することとあります。
過日発生した,金属異物混入トラブルや顧客仕様変更(レシピや使用原料の 一部変更)では,担当者がその情報を確認したにもかかわらず,処置を先行し! 食品安全チームリーダーヘの情報伝達は2日後になつていました。
■ 遵守すべき規制要求事項は,「遵守法令表」や「顧客仕様書」に整理さね,品 質管理課が,微生物検査基準などとともに最新版を管理していましたが,食 品安全チームのメンバーはその内容を認識していなかつたことが,インタ ビューによって明らかになりました。
■ 食品安全に影響する問題の発生(変更事項などを含む)情報について,食品安 全チームメンバーヘの伝達手順が確認できませんでした。
■ 規格は食品安全マネジメントシステムの有効性を維持するために,タイム リーに,かつ確実に食品安全チームに伝達することが要求されています。
例 えば,清掃。
洗浄,殺菌。
消毒プログラムの変更や洗ビンエ程で使用されているアルカリ剤や化学薬剤の残存性の検証実施担当者の交代などについて, 適切に伝達されておらず,内部コミュニ併―シ∃ンプロセスの改善が望まれ ます。
塚「製品温度管理基準」では,1年前に設定温度が更新され運用されていました が,「工程管理日報」では,現場担当者の判断によつて,過去のデータを元に 異なる温度が設定され,この変更に関して食品安全チームヘの報告,過去の 記録の検証手順とその妥当性確認などに不備が観察さねました。
日規格は,内部監査で発見さねた不適合と,その原因を除去するために遅滞な くその処置を実施し,また組織が要求するその他の手順が実施され効果的で あることの検証が求められています。
ところが,4か月前の内部監査の指摘 事項3件について(CCPに関する不適合),是正処置が原因究明の途中で停 滞していました。
またこの是正処置の進捗状況を食品安全チームリーダーは 認識していませんでした。
このような事実から,貴社の食品安全マネジメン トシステムをより効果的なシステムにするための改善が求められます。
食品安全基礎知識
ノロウイルスの科学 食品由来感染症として,現在,国内で最も多く発生しているは,「ノロウ イルス」患者である。
一方,食品内や生体内での細菌の産生した毒素による場合もあり,これは 感染症というより,中毒による健康被害である。
現在,前者の感染型細菌性 食中毒と区別した予防対策が実施されている。
(1)ノロウイルス属(Norovirus/N∨ )の特徴 ・ウイルスは,その粒子単体では代謝できず,生きた細胞内でしか増殖で きないので,すべてが感染侵入型である制菌類との大きな相違点であり, 細菌類と区別されている)。
・食品の栄養物を利用して食品中で増殖したり,かつ毒素を産生したりは しない。
・患者や保菌者によつて汚染された水,空気,食品などを主たる感染経路 する場合が多く,これらのウイルス性の食品媒介感染症をウイルス性食中毒という。
・NV以外にも,A型,E型肝炎ウイルス,□ タウイルスなども経□感染 するが,食中毒の大半は,NVによるものである。
・ノロウイルスの名前の使用は,2003年8月からであるが,ウイルス本 体は1968年に発見されている。
・アメリカのノーウォークで起きた集団下痢症の発見で,当初,ノー ウォークウイルスと呼ばれていた。
このウイルスの発見前から,わが国では,伝染性下痢症という病名で診 断していた。
・ウイルスは,遺伝情報としてDNAを保有するものと,RNA(リボ核酸) を保有するものに大別され,N∨ は,RNA保有ウイルスである。
・NVは,正三十面体のタンパクの殻の中に,1本鎖のRNAをゲノムに もつウイルスであり,宿主細胞に由来するエンベロープと呼ばれる膜を 持つていないので,アルコールなどの殺菌抵抗性が強いとされている。
・その他,特徴的な形態をもつアストロウイルス属は,胃腸炎を起す近似 のウイルスである。
・以前は,これらをまとめて,小型球形ウイルス(Small round― strucred virus/SRS∨ )と呼んでいた。
・サポウイルスやアストリウイルスは小児の感染が多く,大人にも胃腸炎 を起すNVである。
・ウイルスには,感染宿主の細胞膜に由来する脂質二重膜をかぶつて出て くるもの(エンベ□―プウイルス)とこれらの膜をかぶらないものがある。
・脂質二重膜であるエンベ□―プは,胆汁や消毒剤などに脆弱であるが, エンベ□―プを持たないNVなどは,抵抗性が高く,エタノールや塩素 消毒にも耐性を示すのは,そのためである。
。
このため,浄化槽や下水処理場でも不活性化されずに環境水中に流入し やすいと考えられる。
(2)ノロウイルスの疫学 ・食中毒の半数近くが,ノロウイルスの感染である。
・カキ,ホタテ,ハマグリ,赤貝などの二枚貝は,海水中のプランクトン を中心とした有機物を濾しとって摂取しているため,大雨などによる汚物の河川への流入などからウイルスが流入し,貝類などに蓄積される。
国内産のカキの25%がノロウイルスを持つているという報告がある。
一般に,カキ1個当たり,200個ぐらいのウイルス粒子をもつていると いわれる。
・最近では,消費者の衛生的注意の高まり,水質(大腸菌群最確数が海水 100m[中70以下)に基づいた生食用カキ養殖水域の設定や加熱用カキ の養殖場所区分,原産水域表示,衛生指標菌数の規格(一般生菌数が5 × 104/g以下,糞便性大腸菌群最確数 *が230以下/100g,腸炎ビブ リオの最確数が100以下/1g)が定着した。
*大腸菌群最確数:最確数法/MPN(Most Probable Number)とは, 推計学に基づいた手法で,試料の細菌数を推定する定量法の結果得られた, 最も優れた値/最尤値(さいゆう値)のことである。
最尤法(さいゆう法) は統計的推定法で,確率が最大になるような母数の値をその推定値とす る手法をいう。
・極めて少数のウイルスでも経□感染するという研究者もあり,感染者が 調理に従事し,食品を汚染して,集団発生する例が多い。
・患者の便だけでなく,汚物にもNVが含まれ,空気感染による集団発生 事例も少なくない。
・近年,衛生管理の強化などによって,細菌食中毒件数は,減少傾向にあ るが,感染力の極めて強いN∨ の割合が増力0している。
(3)症状と予防策 。
原因食を□にしてから,発症までの平均時間は,36時間から48時間である。
・空腸の上皮細胞に感染して絨毛(じゅうもう)の委縮から始まり,剥離, 脱落を起し,下痢となる。
嘔吐,軽度発熱,悪感,腹痛,下痢など消化器症状を起こす。
一般に軟便で腹鳴り,発酵感覚などで,水便状態は少ない。
発症後,2~ 3日で軽快するが,高齢者は,肺炎の併発があり,要注意 である。
ウイルスに汚染した食品の摂取が主たる感染経路であるが,「お腹にくる 風邪」といわれるとおり,人から人への感染割合が高い。
軽快してからもウイルスを長期間排菌する場合や,健康保菌者による汚 染(食品/飲み物)の防止が重要である。
そのためには,調理従事者の体調管理,定期的検便,衛生教育,HACCP /IS022000などの導入が求められる。
トイレの換気扇は,常に回しておくこと。
ウイルス粒子は,環境抵抗性も非常に強く,失活しにくいので,汚物な どは,厳重な殺菌処置が重要である。
嘔吐物,汚物の処置方法は,厚生労働省・指針を参照。
アルコールでは不活性化しないので,二枚貝を扱つた器具類は,熱湯消 毒すること。
飲食物のNV対策殺菌条件は,中心温度/85℃ ,1分間が確実な予防 策である(改訂食品衛生法)。
このような環境下での非加熱食品の扱いと喫食には,交差汚染などの防 止策が最重要課題である。
(注)2017年7月5日,和歌山県で発生したノロウイルス集団感染事 件は,作業者の健康管理と衛生的取り扱いの不備に起因する典型的な 事例である。
7.5 文書化した情報
7.5.1 一般
組織の食品安全マネジメントシステムは,次の事項を含まなければならない。
a)この規格が要求する文書化した情報b)食品安全マネジメントシステムの有効性のために必要であると組織が決 定した,文書化した情報 c)法令/規制機関及び顧客が要求する」文書化した情報及び食品安全要求 事項 注記:食品安全マネジメントシステムのための文書化した情報の程度は,次 の様な理由によつて,それぞれの組織で異なる場合がある。
― 組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサ=ビスの種類 ― プロセス及びその相互作用の複雑さ | 一人々の力量
● 規格のポイント・解説
*箇条7.5項「文書化した情報」は,新規の見出しであるが,1日版の箇条4.2 項「文書化に関する要求事項」に該当し,文書と記録の垣根を統合させ,「文 書化した情報」としている。
また,1日版での「文書化された手順」もすべて包含した文書・記録類に関する 改訂であるが,全体として,大きく変化した要求事項はない。
(注)「記録」は,IS09000:2015「用語及び定義」に規定され,「達成した結果 を記述した,又は実施した活動の証拠を提供する文書」と規定されているので 「記録」という用語は,削除されたわけではない。
本規格でも,適所に使用さ ねている。
7.5,2 作成及び更新
文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にしなけ ればならない。
| a)適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付‐作成者,参照番号) b)適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図表)及び媒体(例えば, 紙,電子媒体) | c)適切性及び妥当性に関する,適切なレビュー及び承認
●規格のポイント・解説
*1日版の箇条4.2.2項に該当するが,新規の要求事項や変更はない。
7.5.3 文書化した情報の管理
ア.5.3.1(文書化した情報の管理の要求事項)
食品安全マネジメントシステム及びこの規格で要求されている文書化した 情報は=次の事項を確実にするために,管理しなければならない。
a)文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用 に適した状態である b)文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適 切な使用及び完全性の喪失からの保護)
ア.5.3.2(文書化した情報の管理の活動)
文書化した情報の管理に当たつて,組織は,該当する場合には,必ず,次 の活動に取り組まなければならない。
a)配布,アクセス,検索及び利用 b)読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存 c)変更の管理(例えば,版の管理) d)保存期間及び廃棄。
食品安全マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定し た外部からの文書化した情報は=必要に応じて識別し,管理しなければならない。
注記:アクセスとは,文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定,文書 化した情報の閲覧および変更の許可及び権限に関する決定を意味し得る。
●規格のポイント・解説
*箇条7.5.2項「作成及び更新」は,文書類の作成と更新に関する要求事項であり,1日版の箇条4.2.2項に該当し,新たな要求事項はない。
*箇条7.5.3項「文書化した情報の管理」は,文書化した文書類の管理を規定し, 旧版の箇条4.2.2項,4.2.3項に該当し,新規の用語としては,「文書化した 情報」と「アクセス」などが挙げられる。
・審査のポイント
*新規格の文書管理は,1日版と比べ実用的な要求事項となつており,「確実に 管理する」との表現が各所に見らねるので,食品安全マネジメントシステム に関するすべての文書化された情報が,適切に管理され運用されているかが, 審査のポイントである。
*「外部文書」という表現はないが,すべて「文書化さねた情報」に含まれ,例 えば,食品衛生法・規制要求事項などが最新版として,管理させている状態 であること。
*「文書の見直し及び改訂」の表現は,すべて「更新」となつているが,しヽつ, どこを,どのように更新したのか,最新版はどれなのかなど明確に識別され ていることが要求されている。
*電子媒体の管理についても同様の手順の確立が要求される。
・審査指摘事例
燿菓子製造プロセスにおいて,「製造レシピ」が製造事務所で保管・管理されて いますが,現在,すでに廃版になつている同表と現在製造に使用されている 同表が,同じ整理箱の中に散見されました。
最新版の管理に改善余地があり ます。
■ A氏は,食品安全チームメンバー兼内部監査員として「チームメンバーリス ト」に登録さねていますが,「力量―覧表」には,その力量が明確になってお らず,またしかるべき権限者による承認も確認できません。
■ 「FSMSマニュアル」に添付されている「マネジメント組織図」には,食品安 全チームリーダーや内部監査員の位置づけがなく,また承認さねたという文 書化された情報になつていません。
■ アウトソースしている配送車の冷凍車庫内の清掃・殺菌状態について,アウ トソース先とのコミュニケーシ∃ン記録,例えば,「清掃・殺菌」済み記録な どを維持することが望まねます。
■ 冷凍食品類製造工程の「HACCPプラン」は,「モニタリング手順書」が作成さ れていますが,FSMS文書としての位置づけなど,文書管理手順が明確にさ れていません。
■ FSMSに関する文書類が更新されていますが,発行前の「承認」が確認できま せん。
例)力量表,社内資格認定者リストなど。
■ 「社内文書体系一覧表」「食品安全記録一覧表」に記載されている,文書名, 記録名については,FSMS関係文書・記録類として,具体的に,例えば,「枝 肉受け入れチェックリスト」など該当プロセスを代表するような,一見して 内容が誰にでも具体的にわかるような文書・記録名の設定が好ましい。
■ 顧客へ提出した「クレーム調査結果」は,関係部署によつては,その保管状態 がまちまちになつています。
食品安全に影響する情報の管理については,そ の重要度などを考慮して,組織の「文書・記録管理規程」に準拠した,統一さ ねた手順によつて管理することが望まれます。
■ ロットNO.の「検証チェック」作業は,「最終検査工程」での,最新の「賞味 期限管理一覧表」に従って実施することが,「作業手順書」に定められていま すが,使用されていた「検証チェック」は,前回改訂の「賞味期限管理一覧表」 が使用されており,文書管理の最新版管理ができていません。
■ 関連親会社から配布さねている,水産練り製品「製品仕様書」の管理状態につ いて,現場にそのコピーの一部が放置されているなど,外部文書として管理 された状態が確認できませんでした。
また,廃止文書を保持する場合の手順も不明確で,品質管理部署(微生物検 査室)においては,改定前の「食品衛生小六法」が使用されていました。
■ 原料の冷凍庫持ち出しまたは搬入については,OPRPとして,「弁当及び惣菜 の衛生規範」に準拠して管理さねていますので,この文書を「社外文書管理台 帳(法令)」に追記することを推奨します。
■ 規格では,食品安全マネジメントシステムで要求さねる文書は,発行前に適 切かどうかの観点から文書を承認することを求めています。
品質管理課で使用されている文書の「各種製品の規格・基準」や「製品検査基
準書」について,その適切性に関する承認プロセスが確認できません。
Mペットボトル洗浄工程をOPRPに規定し,仕上げ工程の圧力を「0.20MPa ± 10%」で連続運転されています。
前回審査以降の「仕上げ圧力管理日報」に |よ「0.20MPa+10%」を超えた数値が散見されました。
仕上げ工程の圧力が 上限を超えるのは食品安全上問題ない,との回答を現場責任者からのインタ ビューで確認しましたが,この根拠の妥当性,文書管理(OPRP設定表)並び に効果的な記録(「仕上げ圧力管理曰報」)の維持などの観点から改善の余地が あります。
食品安全基礎知識
微生物の増殖曲線 ・微生物は,一般に2分裂しながら,増殖スピードが一定ならば,時間と ともに指数的に増加する(対数的増殖期)。
・例えば,30分に1回分裂する1個の細菌は,計算上では,24時間後に 2.8× 1014という数字になる。
・しかし,実際には,下図のような,①誘導期,②対数的増殖期,③定常期, ④死減期などの増殖曲線を描く。
微生物の増殖できるpH限界 。
自然界に生息する微生物には,最適のpHが2~3で,pHl.0でも増殖 できるものもいる。
―般の食品関係の細菌,① Ecoli及び②エンテロバクターなどの腸内細 菌,③ シュードモナス,④バチルスなどでは,増殖の下限pHは4.0~ 5.0であるとされている。
乳酸菌ではpH3.3~ 4.0,カビ・酵母では,pH l.6~ 3.2である。
一方,アルカリ性pHで生殖する微生物もいるが,ピータンなどの食品 以外に一般食品との接点は少ない。
サルモネラが増殖する最低pHは,塩酸,クエン酸などで4.0,酢酸で 5.4とされているが,それ以下で生殖している報告もある。
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