学ぶべきは、コンテンツではなく経験値である「学び」も大きく変わってきています。
ネットにつなげば大抵のことはわかりますし、「コンテンツ」もどんどん古びてしまいます。
したがって、グーグルでは「学ぶべきは、コンテンツではなく経験値である」ということで、研修よりも、社員同士の学びを高めようとしています。
第一、コンテンツを学ぼうと学校や教室に通うことこそ、時間がもったいないのです。
根本を学ぶのは大事でも、学びすぎて時間をムダにしてしまっては元も子もありません。
たとえば、投資について勉強したいときは、まず投資の基本的なことを調べて大事なキーワードを見つけたら、その後は、詳しい人に会って直接知りたいことを聞いたほうが速いでしょう。
そして、ほとんどの場合、それで十分なのです。
にもかかわらず、ファイナンスを一から勉強しなければと思い込み、そのためにわざわざビジネススクールに行こうというのは、専門家を目指すのではない限り、必要ないと思います。
それよりも、相手が持っているノウハウを、今の自分に必要な形で聞いてしまうのです。
そのほうが、よっぽど早く自分の仕事に役立ちますし、そもそもいつ変わるかわからないコンテンツを自分で知っている必要もありません。
一方で、新しく起こっていることや新しい知見を、速いサイクルで学んで仕事に活かしていくことは、すごく大事になっています。
JTの経営企画部長・大瀧裕樹さんは、「オペレーションで成功するためには、自分の枠の中での『達成』が必要だが、新しい価値を生むためには、自分の枠を超えなければならない『成長』が必要」と言っていますが、まさにそのとおりです。
少し神秘的なたとえですが、僕はよくフィボナッチ数列の話もします。
フィボナッチ数列とは、前の2つの数を加えると次の数になるという数列で、1、1、2(=1+1)、3(=1+2)、5(=2+3)、8(=3+5)、13(=5+8)、21(=8+13)、34(=13+21)……と続いていきます。
昨日の自分、一昨日の自分を足すと今の自分になり、先月の自分、先々月の自分を足すと今の自分になるわけですが、今の自分もまた将来の自分の元になっていて、どんどん成長していきます。
そのスピードは、1、2、3、4、5……のように一歩ずつ成長するのではなく、後になるほど加速するわけです。
成功するというのは、今の自分を踏み台にして、どんどん超えていくということです。
「検索時代」の学習の基本わからないことがあれば、まず「ググる」。
これが今の時代の学習の基本です。
ところが、いまだにこれができていない方も、たまに見かけます。
ある会社のシステム担当者に、「うちもこういうシステムを入れたいんだけど、どうしたらいいのかわからないんだよ」と尋ねられたことがあるのですが、そんなことは、ググれば、すぐにわかります。
検索してある程度の知識を得たら、それをもっと詳しい人にぶつけます。
すると、様々な情報がもらえるでしょう。
要は、「検索」→「プロに聞く」というサイクルを回していくわけです。
情報収集を速く行なうというのは、より大事なことになっています。
そのためにも、第4章で紹介したような方法で、プロのネットワークをつくっておくとよいでしょう。
学びにつながる「質問」のルール何かというと社内研修をする会社も多いですが、手っとり早く自分の成長につなげるには、人に聞くことがすごく大事です。
「コレクティブ・インテリジェンス」という言葉があるように、自分の知りたいことの80%は同僚が知っているのです。
様々な人が持っている知識や経験を組み合わせることで、最適な方法が見つかります。
それなのに、外部の研修を受けたり講義を受けたり、ということが多すぎる。
本当は手近な人に聞いてしまえばいいのです。
でも、質問にもルールがあります。
わからないからといって、「すみません、何もわからないんですが、どうしたらいいですか?」と言うだけでは、相手は何を教えていいのかわかりません。
1回だけならそれでもいいかもしれませんが、これが何度も繰り返されると、相手は、「何で自分で勉強しない人に教えなければいけないの?」とイライラしてきます。
質問するときは、自分の仮説を持ち出すことが必要です。
たとえば、まったく担当したことがない仕事をやることになったときも、まずネットで検索して、大体こういうふうに取り組んでいけばよいのではないか、という見当をつけておく。
そのうえで、「この仕事ははじめてなのですが、こんなふうにやればいいのでしょうか?」と、自分の説を出して尋ねます。
自分なりの準備をしてきた人に対しては、誰でも丁寧に答えてくれるでしょう。
慣れてくると、相手の立場を考えながら、「この人はこういう質問のしかたのほうが答えやすい」といったこともわかってきます。
たとえば、現場のエキスパートの方なら詳しい話が聞けるとしても、役員クラスに現場のことを聞いてもしかたがないですし、聞くにしても「以前あなたがこの仕事をやっていたときはどうしましたか?」とか、「○○さんの立場から、今の現場を見てどうですか?」といった聞き方になるでしょう。
質問をするなら、仕事ができる人にどうせ質問をするなら、一流の人に聞くべきです。
まず、人材育成のプロの視点から見れば、成功している人たちは、色々と丁寧に教えてくれることが多いからです。
なぜかというと、誰でも自分の得意分野のことを話すのは楽しいので、「こうしたらいいよ」「こうすると、あなたもこんなふうになれるよ」と親切に教えてくれるのです。
もうひとつの理由は、仕事のできる人は、言語化する能力も高いからです。
だからこそ、自分の分野のことを、違う分野の人たちに説明できます。
一般に「すごい選手は、すごいコーチになれるわけではない」という説がありますが、ビジネスの分野では、僕は必ずしも当てはまらないと思います。
また、できる人は、勢いがあります。
人に興味を持ち、共感して話をしてくれます。
逆に、仕事はがんばっているのだけれど、質問すると嫌そうな顔をする人は、目の前の仕事に追われているだけで、全体への興味が薄かったり、「自分の仕事を言語化できていない=深く考えていない」可能性もあります。
そういう人は、最終的に成功しないと思います。
僕も、何かその分野について聞くならば、コツコツやっているだけの人ではなくて、超成功している人に話を聞きにいきます。
超成功しているわけですから、「今時間がないから」と断られる可能性もなくはないのですが、その場合でも、他に適した人を紹介してくれることがあるのです。
できる人から紹介していただいた人は、大抵筋がよいので、最終的によい情報を提供してくれるのです。
職場で「学ぶ」仕組み同僚や社内でのコミュニケーションがうまくいっていれば、わからないことは、チャットでもメールでも聞くことができます。
さらに、僕がグーグルやモルガン・スタンレーでやっていたのは、違う部署の人に「あなたの仕事が知りたいので、隣に座って見ていていいですか?」とお願いすることです。
「忙しいので30分くらいなら」という制限がつくことがありますが、大抵の場合は、OKをもらえます。
こういうことができない会社もあります。
下手をすると、自分の上司にクレームがきてしまう。
しかし、社内で埋もれている知見には様々なものがありますし、交流を深めることで新たな発見もあるので、もったいないことだと思います。
フィードバックで自分が気づかない情報をもらう仕事が終わった後の「フィードバック」を自分でしている方もいらっしゃるのではないかと思います。
「これがうまくいってる」「これがうまくいってない」と自分なりの説を立て、自己評価しながら振り返ります。
それ自体は意味のあることですが、他人からの評価は、それとはまた違うものです。
たとえば、自分では「ここがあまりうまくいかなかった」と思っていても、他の人に聞いたら、「それはあまり心配することはないと思うけれど、逆に、この分野にもっと力を入れたほうがいい」という意外な指摘を受けることがあります。
僕もよくあるのですが、こうした「自分が気づいてない情報」は、今後のことを考えるにあたって、一番の宝物になると思います。
こうしたフィードバックは、グーグルでは当然のこととして行なわれています。
日本では、聞くのは恥ずかしいという方もいるかもしれませんが、周りにどんどん聞いていく習慣をつくって慣れてしまえば、楽に聞けるようになるはずです。
最初のきっかけが難しいなら、職場の飲み会などでお酒が入ったときに、「あのー、私はこんなことに困っていて、これがまだできないのですが、どう思われますか?」と、さっと上司に聞いてみましょう。
少しでも意見がもらえたら、次の日の朝、「色々ご指摘いただいて、ありがとうございます。
具体的にもっと教えてください」などと言って、より詳細なフィードバックをもらう習慣をつくっていくとよいでしょう。
仕事の前に行なう「フィードフォワード」さて、「フィードバック」は行なっている方が多いと思いますが、「フィードフォワード」はどうでしょうか?この言葉を聞いたこと自体はじめてという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「フィードバック」というのは過去の振り返りです。
「フィードフォワード」というのは、単純にいえば、「私はこれから、どうすればいいのですか?」という話です。
たとえば、何かの仕事をした後に振り返るのではなく、その仕事をする前に、「これを解決するには、どうしたらいいですか?」と、人に聞いてみるのです。
先に情報を仕入れてから動くと、仕事がうまくいく確率は上がります。
聞かれたほうも、頼られていると思えば、喜んでアドバイスをくれるはずです。
また、仕事を依頼されたときに、すぐフィードフォワードをすると、仕事のムダがなくなります。
「この件について次の会議で部長に報告して」などと曖昧な指示が出たとします。
依頼されたほうはあれも必要、これも必要と想像しながら調べて持っていきますが、部長が求める情報が何もなかったら、「貴重な時間を割いたのに、ムダ足だった」と怒られてしまうかもしれません。
しかし先に、「部長はどんなことを知りたいのでしょうか?」「何をこの報告で伝えなければならないのですか?」と一言聞いておきさえすれば、つまらないことに時間を割かなくて済むのです。
そして上司のほうも、ぜひ、「自分で考えろ」で終わらないようにしてほしいものです。
事前にフィードフォワードで、「こうやってみたら、もっとよくなるのではないか」と具体的な行動に落とし込んで伝えてあげるのがよいでしょう。
人材育成部門にいて実感するのは、上司に「私はこうしようと考えているのですが、いかがですか?」と聞ける人は、すごく伸びるということです。
よい情報を聞き出す質問は、「①具体的に、②私はどこで、③何を変えて、④どうすれば、うまくできるようになるのですか?」という4つのポイントが入ったものです。
ぜひ、試していただけたらと思います。
「成功していない人」というのは、「頭の中が整理されていない人」であり、うまくいかないときというのは、「うまく情報をまとめられず、状況を把握できない」ときなのです。
そのためにもよく知る人に話を聞くことは大事です。
もしあなたがリーダーで、メンバーの指導にまわる立場であれば、相談してきた人の頭の中の整理を手伝ってあげることで、相手がスムーズに次の段階まで進めることは多いでしょう。
研修より実践で自信を磨く不得手なことや弱点を克服するなら、日常業務で改善していくのが一番です。
たとえば、僕がやったのは、人の前で話すのは苦手という人に対して、日常の中で少しずつ実践の場を設けるということです。
「次のチームミーティングで、あなたの仕事をみんなに説明してください」と依頼して、それがうまくできたら、「よくがんばってくれましたね。
今度はもう一歩踏み出して、その内容を整理して、スライドにまとめてみましょう」「スライドがすごくよくできたので、もっと大きいミーティングで発表してみましょう」と、一歩ずつ自信を深めていけるように仕向けるのです。
研修で1回学ぶだけでは、それで忘れてしまうこともありますが、現場で実践できれば、そのほうが自信になるし、身につくのも速いのです。
図5-3は、NLP理論で著名なロバート・ディルツ氏の、人が学習したり変化したりする際の階層構造を示したモデルです(ニューロロジカルレベルと呼んでいます)。
6つのレベルがあり、上位のレベルの変化は必ず下位のレベルに影響し、なんらかの変化を起こします。
僕たちは、行動を変えたいと思ったら、習慣から変えなくてはなりません。
大雑把に「あなたはこれができないから直してください」と言われても、相手はどうしてよいのかわからないのです。
そこでこの階層に従って、変化を起こしていくのです。
信念を変え、態度を変え、能力やスキルが変わり、そしてやっと行動が変わります。
結局、深い部分から変わらないと、行動は変わっていかないということなのです。
だからこそ、少しずつ成功体験を積んで自信を持てるようにするのが望ましいのです。
コミュニティで学ぶ「検索」→「プロに聞く」という学びのサイクルについてお話ししましたが、「人」に会うためのコミュニティが、自分の成長や学びのために、大きな価値を持つようになっています。
ここでは、自分の学びのための「コミュニティ」に関する話をしていきます。
グーグルにいたときは、毎週金曜日のTGIFでお酒を飲みながら意見交換したり、あるいは、ランチも毎回できるだけ違う人と一緒に食べて、知らない人たちと話をするのが僕の日課でした。
他部署の人たちに会って、彼らの課題や希望、目的などを聞いておき、仕事上のつながりをつくっておくのも、いざというときのために大切です。
また、仕事ではじめて会った人にも、「あなたのことをもっと知りたいから今度ランチを食べましょう」と誘えば、断られることはまずありません。
モルガン・スタンレー時代は、気軽に話す機会があまりなかったので、自分で飲み会を企画していました。
といっても、そんなに大がかりなものではありません。
近くのバーに毎週金曜日の夜に集まると決めておけば、みんな来てくれるはずと思って始めたら、これが当たりました。
会う人みんなに「金曜日の夜に1杯いかが?7時以降は出入り自由。
キャッシュ・オン・デリバリーだから、自分が飲みたい分だけ払えばOKです」と声をかけて、毎週続けていたら、最初は数人の集まりだったのが、来た人がみんな自分の友達を連れてくるようになって、多いときは50人くらい集まるようになりました。
そうなると、言い出しっぺの僕がいなくても、みなさん勝手に集まって、ワイワイ騒いでいるわけです。
金融業界だけでなく、色々な業種の人が集まってきて、とてもおもしろい会になりました。
こうした集まりは、インフォーマルのものですが、そのほうが情報のやりとりが速く、学ぶスピードも速くなります。
それはそのまま仕事の速度にも影響していきます。
複数のコミュニティに顔を出すまた、モルガン・スタンレー時代に、同僚の誘いで人材育成の勉強会を月に1回、証券会社や投資銀行などの人たちを集めてやっていました。
その同僚はその後、シンガポールに行ってしまったので、会の存続が危ぶまれたのですが、僕が後を引き継いで、モルガン・スタンレーを辞めてグーグルに入った後も続けていました。
僕が別の業界に移った以降は、金融業界の人たちだけではもったいないので、ITやベンチャー業界の人たちも連れていくようになり、今もずっと回っています。
毎月誰かが手を挙げて、次回はうちの会社でやりましょうと申し出てくれています。
こういう社外コミュニティも、人間関係を広げるよい機会になります。
会社にすべて依存してしまうと、もしその会社が危機に陥ったら、自分の依って立つ足場を失います。
自分が生き残るためには、いくつかのコミュニティに属して、複数の足で立つことが重要です。
今の日本では、地域社会のコミュニティがとても希薄になっているので、周りになければ、自分でつくるしかありません。
しかも自分でつくったコミュニティでは、自分がリーダーになるので、影響力を発揮しやすいというメリットもあります。
そして中にいる、影響力のある人がサポートもしてくれるので、物事の進み具合が速くなります。
違うジャンルの人を排除しないなお、コミュニティをつくっていくうえでは、この人は自分とは関係ないという思い込みはやめること。
どこでどんな接点があるか、わからないからです。
僕は前著『0秒リーダーシップ』(すばる舎)の八重洲ブックセンターでの本のサイン会に来てくれた9歳の男の子の朋迦くんのご両親と仲良くなったのですが、お父さんの染谷昌利さんはなんと有名なブロガーで、お母さんの染谷亜記子さんは漫画家でした。
その後、染谷さんの紹介で、シンガーソングライターの阿部敏郎さんと元歌手の惣領智子さんにお会いしました。
二人ともマインドフルネスの研究をしているご縁で、一緒に講演をさせてもらったり、そのまた知り合いで2017年に民間宇宙飛行士として宇宙飛行を行なうことになっている山崎大地さんを紹介してもらいました。
年齢も職業も違う方たちですが、様々な方と出会い、毎日刺激を受けています。
今すぐに何かが得られるわけではなくても、その人とつながっていることで、いつか何か新しいことが始まるかもしれません。
相手がすごいネットワークを持っている人なら、ちょうどいいタイミングで人を紹介してもらえるかもしれない。
だから、勝手に自分には関係ないと決めつけないことが大事です。
僕は人事の仕事をしているので、交流会や勉強会に参加して、人事系の人たちと名刺交換をする機会が多いのですが、その枠から意識的にはみ出していかないと、同業者の輪の中でグルグル回っているだけで、人脈はそれ以上に広がっていきません。
しかも、僕のようにコンサルティングを仕事にしていると、人事担当者と会うよりも、予算を握っている管理職の人たちと会ったほうが話が早いということもあります。
たとえば、医師の交流会に出たことで、「自分の患者さんに、こんな人がいるから今度紹介してあげるよ」とお客さんになる方をご紹介いただいたこともありました。
相手が医師だと競争相手でもないので、相手も「双方のメリットになるなら」と気軽に紹介してくれたのです。
回りまわって、自分の仕事にもつながることだってあるのです。
社内にこもっているより、外に出たほうが何倍もいいのはもちろん、同業者の集まりだけではなく、意識的に自分の枠を外してみると、新しい出会いがあるはずです。
フェイスブックの友達リクエストも、自分の友達の友達で、職業などがわかれば、大抵みなさんOKしてくださいます。
その後、「一度お会いしませんか」とお誘いして、コミュニティを増やしていくこともできます。
SNSを学びに活用する何かを学びたいときも、SNSを活用します。
フェイスブックのコミュニティに参加してもいいですし、最近は「ミートアップ(Meetup)」という、その地域の趣味のコミュニティやイベントに参加できるサービスもあります。
そうした会に参加して、一番うまくできる人、知識がある人をメンターにして、教えてもらいます。
こうした会で教えてもらえば無料ですし、何より速く学べます。
最近よく活用している方法です。
いずれにせよ、エキスパートに素早くアクセスできるような自分なりの仕組みやネットワークをつくっておくのが大事です。
おもしろいことに、得るものが大きいのは、強いつながりよりも、「ウィークタイズ(weakties)」といって、むしろ「弱いつながり」なのです。
同じ業種・同じ年齢の人たちと集まると、内輪向けの話はできても得られるものは少ないです。
ところが、仕事上なんのつながりもない人のほうが、バラエティに富んだ人を紹介してくれますし、自分と同じようなキャラクターも少ないので、チャンスを与えてくれることが多いようです。
一方で、ただ相手からもらうというだけでなく、「こちらからどんな情報を提供すれば、相手は喜んでくれるだろう?」という意識を持つことも大切です。
自分から何を提供すればいいのかわからなくても、たとえば、「交流会をやりますから、あなたも来ませんか?」ということでもいいのです。
交流会を開催するなら、フェイスブックのグループを利用するのもいいでしょう。
つくるのはとても簡単なので、そこでイベントの日程や場所を共有すれば、それほど手間をかけずにイベントを実施することができます。
僕は、いくつものグループを使い分けて、グループによって別々のメッセージを送っています。
仕事でつながっている人には役に立つ情報を流し、ネコ動画でつながっている人には新しいネコ動画をシェアして「いいね!」をもらう。
そうやってグループを分けておけば、今度こういう飲み会をやりたいというときに、特定のグループだけに情報をシェアすればいいいので、とても便利です。
ひとりよりも、巻き込んで動く今、個人が成功するには、大きく2つのやり方があります。
ひとつは、とにかくお金を儲けたいから、お客さんを明確にして戦略的に営業する、というもの。
もうひとつのやり方は、たとえば、自分が情熱を持っていること、世の中をよくしたいとか、こういうミッションで社会貢献したいとか、そういったことを大きな声でSNSなどで訴えていく。
それで集まってきた人たちと活動していくとお金が入ってくるという方法です。
実際、どちらが早く成功するのかというABテストをやってみたのですが、実は後者でした(ABテストはウェブページなどの効果を測定するためによく行なわれています)。
信頼関係ができて、利益につながったのは、まず自分がやりたいことを世界に向けて発信するほうだったのです。
これは僕にとっても大きな気づきとなりました。
自分がゼロからコミュニティをつくって、周りの人たちに何かを提供していくほうが、結局は早道だということです。
営業では信頼関係はそれほど構築できないのですが、こうしたコミュニティの場合、不思議とギブしてギブしてギブして、たくさんあげたら戻ってくるのです。
「for」と「with」会社のミッションとかビジョンには、英語で言うと「forのミッション」と「withのミッション」があります。
forというのは、お客さんのために何かすることです。
たとえば、ダンキンドーナッツでは、「美味しいドーナツとコーヒーを提供する」といったミッションを掲げています。
一方、スターバックスの場合は、「ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティ」という言葉で示されるように、「地域のみなさんとのつながり(居場所)をつくる」というミッションです。
これが「withのミッション」です。
自分たちのサービスや商品をいかに宣伝して、自分たちのブランディングをつくるかという「forのミッション」は、カスタマーが受け身です。
対して、スタバの場合は、いかにお客さんを巻き込むか、そして巻き込みながらフィードバックをもらうかを大事にしているのです。
スタバでサンプリングをしているのはご存知ですか?いかにみんなから情報をもらうかということは、今後の成長のヒントになるのだと思います。
なぜ、学ぶのか今、なぜ学ぶことが大事なのかというと、「選択肢」をたくさん持っていたほうが生き残れる可能性が高くなるからです。
ダーウィンの進化論によると、生き残る生物は、必ずしも一番強い生物ではなくて、一番柔軟性のある生物なのだそうです。
進化論的にも、今の環境に適応した種ほど、環境が変わった瞬間から生き残れなくなってしまう。
ある環境にすごく合っているというのは、環境が変わったときに、対応しきれない可能性があるというわけです。
未来が予想できない今、どのように柔軟性を身につけるかというと、学んで選択肢を増やす、ということになるのではないかと思います。
たとえば、選択肢がひとつしかない人は、たとえ今、成果を出していたとしても、「今のシチュエーションでこれを使える」というだけのことです。
しかし、今後は、今とは違う状況が訪れて、新しい選択をしなければならないこともたくさん出てくるでしょう。
そのときにそれに対応できるかどうか。
そのためには、武器(選択肢)をいっぱい持っておく必要があります。
忍者みたいに、手裏剣やまきびしや水ぐもなど、懐に色々なツールを持っておけば、状況に応じて選んで使うことができます。
変わり続ける学び続ける人は誰でも学べます。
学ぶことで変わるのです。
人は、意識やパーソナリティといった固定したものではなくて、プロセスそのものであると僕は考えています。
ここで終わりというものはなく、生きている限り、変わり続ける存在です。
だから、変わっていくのはよいことです。
そして、すべての失敗は学びになります。
「勝つか」「負けるか」ではなく、「勝つか」「学ぶか」です。
「勝たなかった人」も「そこで学べた」という経験が残ります。
結局どちらもプラスしかないのですから、恐がらずに変わっていくことが何より大事なのだと思います。
ここで「成長思考」(グロース・マインドセット:growthmindset)のお話をしたいと思います。
「成長思考」「学習思考」「回避思考」「証明思考」というものがあります。
それは、その人にどれかひとつが当てはまるというわけではなく、ひとりの人間は様々な思考で成り立っているものだと思ってください。
「成長思考」は、言葉そのままで、成長しようという思考です。
「学習思考」は、学んでいこうという意識。
自分はこういう人だという思い込みにとらわれず、まだまだ学んでいこうという姿勢です。
この2つをグロース・マインドセットと呼びます。
スポーツ心理学では、伸びるスポーツ選手は、勝つためではなく、それが好きだから、伸びるために練習していると言われますが、成長思考・学習思考が強い人も同じで、他人と競争するのではなく、自分のために伸びようとしています。
たとえば、「できなかったら、次はどうしたらいいか」「うまくいったら、なぜうまくいったか」を研究して、常に自分の課題を持ち、いつも、「自分はまだまだだから、学んでいこう。
今はそのプロセスである」と、考えているのです。
一方、「証明思考」は、周りの目が恐いがゆえに、自分ができる人だと見せかけようとすることです。
自己証明をしようという傾向です。
最後の、「回避思考」は、失敗を避けるような考え方です。
この2つを「フィックスト・マインドセット(fixedmindset)」と呼ぶことにします。
「回避思考」と「証明思考」が上がると、パフォーマンスが下がり、失敗しやすくなります。
逆に「学習思考」と「成長思考」が上がったら、成功するチャンスが高くなることがわかっています。
アメリカには多いのですが、うまくいかないときに、「自分はできる」と人に証明しようと、躍起になってしまう人がいます。
でも、それでは成長できません。
誰にでも負けることはありますし、うまくいかないこともあります。
そのときに、失敗を「学び」に変えるか、失敗を「認めないか」という選択で、その後の成長がまったく変わってきてしまうのです。
ハーバード大学のエイミー・エドモンソン教授によると、成功するチームは実は失敗が多いのです。
すぐに試して、素早くプチ失敗を経験し、フィードバックループを高速に回すから成功するのです。
そしてそれには第4章でお話しした職場の「心理的安全性」が不可欠です。
チームとして、「失敗」ができる環境をつくること、個人としてはプチ失敗から学ぶサイクルを速く回せるようにしていくことが大事だと思います。
まとめ□学ぶ=検索+プロ・同僚・人に聞く□フィードバックだけでなくフィードフォワードを活用しよう□気軽に聞けるコミュニティをつくっておく□学び続けて変わり続けていく
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