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STEP42か月で「朝5時起き」を習慣にする

目次

たった2か月で、あなたも朝5時起きのショートスリーパーに

体は〝いつもの時間〟を覚えている

ここまでの技術を取り入れることで、あなたは5時間前後でも脳と体が満足する睡眠を手にしている。

ではさっそく、「睡眠時間を5時間にして、朝5時起きを実践しよう!」といきたいところだが、ちょっと待ってほしい。

あなたが最高の睡眠の質を手に入れていたとしても、現状の睡眠時間を急に短くするのは危険だ。

運動前に、ランニングなどで体を慣らすように、睡眠時間の削減も徐々に体を慣らしていく必要がある。なぜなら、体は急な睡眠時間の変化に、すぐに対応できないからだ。

あなたも「明日の朝が早いから」という理由で、いつもより2時間くらい早く床についた経験があるだろう。しかし、眠れない。

これは、生理学的に理由がはっきりしていて、いつも眠るタイミングより2時間くらい前は、まだ体が眠る準備を整えていないからだ。

あなたの体内時計は、いつもの睡眠時間を覚えているのである。あなたのベースとなる睡眠時間を把握しようこのように、睡眠時間の削減にもルールがある。

そこでここでは、正しい睡眠時間の削り方を紹介しよう。まず、本章で削る「睡眠時間」の定義について触れておきたい。

このステップで削る睡眠時間は、「ふとんに入ってから、ふとんを出るまで」の時間とする。

つまり、睡眠に費やしている時間だ。

実際に眠っている時間に加え、ふとんに入ってから眠りにつくまでと、目覚めてからふとんを出るまでの時間を合わせた時間である。

こうする理由は、実際に眠りにつくまでの時間には、日によって多少なりとも差があるからだ。「ふとんに入ってから出るまで」とすれば、あなたも管理しやすいだろう。

そこで、時間を削る事前準備として、現状、自分が毎日どれくらいふとんの中にいるか、平均的な時間を把握してほしい。

毎日決まった時間に床について、決まった時間に起きている人はそのまま実践に移れるが、それがバラバラという人は、平均どれくらいの時間を睡眠に費やしているかを1週間ほど記録して確認するとよい。

平均睡眠時間を把握できたなら、就寝時間を決めてしまう。就寝時間を固定する理由は、先ほども伝えたように、体がいつも眠る時間を覚えているからだ。

毎日同じ時間に床につくことで、スムーズに入眠できる。睡眠時間削減で守るべき、たったひとつのルール平均睡眠時間を知り、就寝時間の設定ができれば、いよいよ実際に睡眠時間を削っていくことになる。

7時間睡眠の人で、寝る時間を0時に固定したなら、7時起床をベースに徐々に時間を縮めていく。

ただし、睡眠時間はやみくもに削ることはできない。睡眠時間を削るにも守るべきルールがある。ルールといっても決して難しいことではない。

大切なことは、たったひとつ。時間を削るペースを守ることだ。睡眠時間を削るというと、急に明日から1時間くらい早く起きようとする人がいる。

でもそれはNGだ。

睡眠時間の削減は、「15分/週」のペースで、1か月に1時間が限度だ。人間の体は、急な変化に対処できない。徐々にその睡眠時間に体を慣らしていく必要がある。

たとえば、設定した起床時間が朝7時なら、最初の1週間は毎日6時45分に起きる。さらに翌週は、毎日6時30分に起きる……。このようにして、週15分単位で短い睡眠時間に徐々に体を慣らしていく。

無理なく、体を慣らしていくには、これくらいのペースで進めるのが限界なのだ。このペースで進めれば、あなたの平均睡眠時間が7時間なら、2か月で朝5時起きのショートスリーパーになれる。

「人生が変わる」ことを考えれば、2か月の投資は、決して長くはない。

無理なく削れているかを「起床チェックシート」でモニタリングする

睡眠不足かどうかは簡単にわかる

実践中は、「目覚めの現状」をモニタリングしよう。どのような「目覚め方」をしているのかを、毎日チェックするのである。チェックといっても、難しいものではない。

次の「起床チェックシート」の合計点を、起きたときに簡単にメモしておくだけで十分だ。

ここから毎日、目覚めの気分を確認する。スッキリ晴れやかな気分で目覚めたのか、それともまだまだ眠っていたいと感じたのか。

実践1日目は、まだ眠っていたいと感じるのは当然だが、それが1週間も続く場合は、もう少し時間をかけて体を慣らしていく必要がある。

とくに、シートの合計点が4点以下の日が多いときは、無理をしていると考えてほしい。

睡眠時間が無理なく削れているかどうかのチェックポイントは、日中にもある。睡眠時間が十分に足りている場合も、午後2〜4時には眠気の波が来る。

これは体内時計にもとづいた自然な現象だ。しかし、日中、このほかの時間帯に眠気が来るようなら、それは睡眠不足のサイン。体がまだ睡眠時間の削減に対応していないのだ。

このように、寝起き、日中ともに、眠気を感じる状況が1週間続くようであれば、いったん睡眠時間を見直そう。

睡眠時間を15分増やして計画を一歩後退させ、5分ずつ小刻みに削っていくように計画を立て直す。

焦らなくていい。体内時計の変化に個人差はあれど、確実にショートスリーパーにはなれる。歩みはゆっくりでもよい。

失敗は週2回までOK!連続失敗はNG

体内時計を狂わせない「週2日の猶予」なお、どうしても実践できない日も出てくるだろう。

「設定していた就寝時間を過ぎて、ふとんに入ってしまった……」「つい、寝坊してしまった……」私たちは機械ではないので、そんな日があるのも当然だ。

しかし、これまでの努力は水の泡にならない。

1週間のうち、1〜2日の「失敗」の猶予はある。だから、失敗した日があっても諦めずに取り組み続けることが重要だ。ただし、2日連続はダメだ。

2日連続で寝坊したり、遅く寝てしまうと体内時計が狂ってしまう。定着するまでは、「失敗は週2回まで、ただし連続の失敗はNG」と心得よう。

この2日間の猶予を使えば、学生や会社勤めの人なら、平日に本書のメソッドを実行し、休日のどちらか一方はのんびり休むという方針でもよい。

ただし休日でも、起床時間を遅らせるのは2時間以内にして、日中の眠気はSTEP3で紹介した仮眠「ホリデー・ナップ」で補うのがベストだ。

また、うまく睡眠時間を削減することができ、短時間睡眠が定着しても、急に睡眠時間をずらすのはやめたほうがよい。

たとえば、「午前2〜7時」の範囲で5時間睡眠が定着している場合、睡眠中に行われる体内の活動も、すべてその時間帯をベースに定着しているということである。

これをいきなりズラして「午前0〜5時」などとすると、体内時計の調整が追いつかない。

体温の高い時間帯にふとんに入ることによって寝つきにくくなったり、体内のホルモン調整がうまくいかず、睡眠の質が極端に下がることもある。

時間をズラすときも、徐々に体を慣れさせることが大切だ。週に15〜20分ずつ、少しずつズラしていこう。

「脳科学」「心理学」の両面から、睡眠削減をマネジメントする

必ず決めたい「睡眠時間を削る目的」

「睡眠時間の削り方もわかったことだし、いよいよ実践だ」と思うところだが、もう少し我慢してほしい。このまま実践に移っても、きっとあなたは挫折することになる。

なぜなら、ショートスリーパーになるということは、あなたの「体質」を変えるということだからだ。体質を変えるには、日々の習慣を変えなければならない。習慣を変えるのは、並大抵のことではない。

何かを始める、やめようと思って挫折した経験は誰しもがあるだろう。

習慣を変えるには、それなりのプログラムが必要だ。何よりまずやってほしいことは、「目的」を定めることだ。

「何のために睡眠時間を短くするのか」を明確に定めることから始める。「睡眠を削って得た時間で、何をしたいのか」を決めるのだ。「短い睡眠時間をキープすること」が目的では続かない。

「明日から5時間睡眠を目指そう」と思い立っただけでは、人間は実行することができないのだ。

それはなぜか。人間には心があるからだ。ロボットのようにプログラムだけでは動かない。いつも7時間眠っていた人が、睡眠時間を5時間に削ろうとすれば、つらくなるのは当然。

つらいからもっと寝ていたい。こんなにつらいのに無理をして起きても、やることはとくにない。起きる義務もない。誰も見ていない――。

すると人間は、「睡眠時間を縮める」という自分との約束を反故にしてしまうのだ。ワクワクしなければ続かないだからこそ、睡眠時間を削る目的を明確にしなければならない。

しかし、それも適当に決めてはいけない。では、どう目的を決めていくか。そのために有効なのは、私が普段、睡眠指導を行う際に取り入れている「睡眠コーチング」の手法だ。

「脳科学」と「心理学」の両面から睡眠を分析し、無理なく効率的に睡眠を短縮するためのガイドとなるノウハウである。

私が指導するうえで口酸っぱく言うのは、「動機づけ」をハッキリさせなさい、ということ。人間は、「動機づけ」がないと動けない。動機づけは「楽しさ」「興味」「満足」という3要素から生まれる。要は、ワクワクするかどうかだ。

あなたは、睡眠時間を2時間削って何をしたいのか。まずはそれを明確にしてほしい。たとえば、映画好きな人なら、映画を観るのはどうだろう。2時間あれば、映画を1本観ることもできる。

毎朝、映画を1本観てから会社に行けば、年間200本以上は映画を観られる。その感想を毎日ブログにアップすれば、毎朝映画を観ているあなたに興味を持つ読者が現れるかもしれない。

そしてそのブログを見て、映画の仕事が舞い込むかもしれない。趣味をきっかけに、夢はどこまでも膨らむ。

もちろん、趣味に使わなければいけないわけでもない。削った睡眠時間の使い方は自由だ。

仕事でのステップアップを見据えて語学や資格の勉強をしてもいいし、いつもより早く出社することで退社時間を早め、夜の時間を家族と過ごすのもいいだろう。

あなたが、ワクワクできればできるほど、早起きが実現する可能性は高まる。

さて、あなたの早起きの目的は何だろうか?

三日坊主を防ぐ寝起きの行動目的が決まれば、あなたは前向きに早起きに取り組むことができる。しかし、前述の通り、睡眠時間は一気に削ることはできない。

一定期間の実践を通して、ある程度の睡眠時間が削減されるまで、あなたは、ただ早起きを繰り返すことになるだろう。

しかしそれでは、いくらワクワクする目的を決めたところで、三日坊主になるのは目に見えている。

そうならないために、起きてすぐにやること(15〜30分早起きをしてやりたいこと)をしっかり設定することが大切だ。

いつもより15〜30分の時間があれば、あなたは何をしたいだろうか。

たとえば、大好きなコーヒーを買っておいて、新聞を読みながら、ゆっくりと優雅にそれを飲む。あるいは、朝食を充実させてゆっくりと食べる――。それだけで、起きる気力がわいてくる。このときも、ワクワクする動機を考えることを忘れてはいけない。あなたがワクワクする寝起きの行動もしっかりと考えておこう。

「早起きゲーム」で、もっと楽しく、確実に睡眠時間を削減!

ゲーム感覚で、課題とご褒美を設定するより確実に削減を進めていくためには、「ゲーム感覚」で睡眠時間を削減していくこともオススメだ。

先ほど述べた動機づけの「楽しさ」という側面からの効果的な方法である。1週目、2週目、3週目……と早起きにつながる課題を設定していく。たとえば、次のようなものがいいだろう。

・1週目「目覚めてすぐにカーテンを開けて、歯を磨く」

・2週目「近くのコンビニに朝食を買いに行く」

・3週目「新聞を買い、朝食時に読む」……

このように週ごとの課題を設定し、それを毎日こなしていく。課題は、自分が朝の時間を使って今後やりたいことに直結するものだと、さらによい。

もちろんゲームなので、課題をクリアした際のご褒美も忘れないようにしたい。

1週目をクリアできれば「大好きなスイーツを食べられる」、2週目をクリアすれば「2000円までの好きなものをひとつ買える」……など、週ごとに達成のご褒美を用意しておくといいだろう。

このとき、カレンダーなどに印をつけて毎日の進捗状況を見える化したり、家族や友人に協力してもらい、進捗度合を報告・管理してもらったりすると、よりモチベーションを上げることができる。

このように楽しみながら睡眠時間を削ってしまえば、2か月後には、あなたは朝の増えた2時間を自由に使えるようになる。そのとき、あなたの一日、そして人生は大きく変わっているはずだ。

おわりに

「一人でも多くの人の睡眠に関する悩みを解決し、幸せな人生を送る手助けをする」これが私のミッションである。

この思いで日々、患者さんに向き合い、日本全国で講演をし、執筆活動にも力を入れている。

日本人は勤勉だ。よく働く。遊びや休息を後回しにしても働く。

冗談めかして「1日が24時間ではとても足りないよ」と言う人は私の周りでも多いが、それは半分以上「冗談」ではないように感じる。

その証拠に、日本人の睡眠時間は年々、短くなってきている。

仕事に猛進するあまり、眠る時間になっても神経が高ぶったままで鎮まらず、「疲れているはずなのになかなか眠れない」という患者さんも増えている。

そのようななかで、本書を執筆するタイミングが訪れた。ふつうの医師の立場ならば、「仕事を減らして、睡眠時間を増やしましょう」と提案するのだろう。

しかし私は、「一人でも多くの人の睡眠に関する悩みを解決し、幸せな人生を送る手助けをする」ことをミッションとする医師である。

「仕事を減らして、睡眠時間を増やす」ことが、必ずしもその人の幸せな人生につながらないのであれば、その提案は意味をなさない。

そこで本書によって、新しい提案をさせていただいた。

「最低限の睡眠時間で、最大限に疲れをとり、余裕のある日々を過ごす」

本書の「5時間快眠法」と「朝5時起き」のメソッドだ。時代の変化とともに、人々が睡眠に求めるものも変わってきている。それに応えるのが医師としての矜持である。本書はこのような思いで執筆してきた。

冒頭にも述べたが、「5時間快眠」が定着し、「朝5時起き」が習慣になれば、あなたの人生に自由な時間が増え、その中身も濃くなる。

本書によって、あなたが幸せな人生を送ることができたら、これ以上の喜びはない。

2016年11月著者●主な参考文献・櫻井武『睡眠の科学――なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか』講談社、2010年・古賀良彦『睡眠と脳の科学』祥伝社、2014年・山田朱織『枕を変えると健康になる!――手づくり枕で頭痛・肩こり・不眠は治る』あさ出版、2014年

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