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第14章 属性の法則

あらゆる属性には、それとは正反対の、優れた属性があるものだ。

第6章(独占の法則)において私たちは、あなたの競合会社が顧客の心の中に植え つけている言葉やポジショニングと同じものを、あなたが植えつけることはできない と指摘した。あなたは独自の言葉を見つけ出して顧客に植えつけなければならない。 何か別の属性を探し出さなくてはならないのである。 一般に会社は、あまりにもナンバーワン企業をまねしすぎるきらいがある。「あの 連中は何が有効か知っているに違いない。だから、それと同じことをしてみよう」と 考える。だが、これはいい考え方ではない。 ナンバーワンと張り合えるような正反対の属性を探してみるほうが、はるかに利日 なやり方だ。ここでのキーワードは「正反対の」である。「同じような」ではだめだ。 コカコーラはオソジナル商品で、年配の人たちが選ぶ商品だった。これに対してペ プシは、ヤングの選ぶ商品としてのポジショニングに成功した。 歯磨きのクレストが「虫歯予防」という言葉を定着させていたので、ほかの歯磨き メーカーは「虫歯」を避けて、「味がいい」、「白くする」、「防臭効果」、それに最近で は「フッ素入り」といった属性に飛びついている。

マーケティングはアイデアの戦いである。だから、もしあなたが成功したいと思う なら、独自のアイデアや属性を用意して自分の努力をそこに傾注しなくてはならない。 それがないのなら、価格を下げるのがいい。徹底的に値下げすることだ。 すべての属性が平等の価値をもっているわけではない、という人もいる。属性によ っては、ほかの属性に比べ、顧客にとってより重要なものもある。あなたは努めて一 番大切な属性を獲得するようにしなければならない。 虫歯予防は、歯磨きにあっては最も重要な属性である。まさに所有する価値のある 属性だ。しかし独占の法則は、いったんある属性が競争相手の手中に収まったら、 一 巻の終わりだという単純な事実を指摘している。あなたは重要度の劣る属性に切り替 え、その商品カテゴリーでとりあえず小さいシェアに安住せざるをえない。この場合、 あなたの仕事は異なる属性を確保し、その属性の価値をきわだたせ、シェアを高めて いくことである。 長年にわたってIBMは、「大型」と「強力」という二つの属性によってコンピュ ータの世界を支配してきた。これと同じ属性をひっさげて市場参入を試みた会社は、ほとんど成功しなかった。RCA、GE、 ユニバツク、バロース、 ハネウエル、NC R、 コントロール・データなどの各社は、大型コンピュータぜ多額の損失を被った。 そうするうちに、ボストンのとある新興会社が「小型」という属性に目をつけ、ミニ コンピュータを開発した。アメリカの企業社会は「大型で、強力な」コンピュータを 求めているとばかり思っていたので、IBMの本拠地、アーモンクの連中はこの新参 会社の動きをせせら笑ったに違いない。今日では「小型」の機種が大幅な成長を遂げ たために、IBMの広大な大型コンピュータ帝国は深刻な苦境に陥っている。 自社の既存の商品と正反対の新しい属性を決して馬鹿にしなかった会社が、世界一 の剃刀刃メーカー、ジレツトぞある。同社の圧倒的優位は、 ハイテク技術で作った剃 刃とカートリッジ式の替え刃システムを柱としている。あるフランスの新興会社が、 この商品カテゴソーに「使い捨て」剃刃という正反対の属性を持ち込んだ時、ジレツ ト社はこれを笑い飛ばしてもよかったのである。アメリカ人はとにかく、ずっしりと 重い、 ハイテクの剃刃を好むからだ。だが、同社はそうはしなかった。 逆に、ジレット社は、「グッドニューズ」という名の独自の使い捨て剃刃を市場に

参入させたのであった。多額の資金投下によって、ジレットは使い捨て剃刃戦争に勝 利を収めることがぞきた。 今日ジレツトのグッドニューズ剃刃は、使い捨て剃刃のカテゴリーを支配し、また 使い捨てそのものが、剃刀刃の市場を支配するまでに成長している。そこで教訓。あ なたは新しい属性を持つ商品がどれほどのシェアを占めることになるか予測すること はできないのだから、決して馬鹿にしてはならない。 バーガーキングはマクドナルドから、「ファースト」という属性を奪おうとして成 功しなかった。バーガーキングはどうするべきだったのだろうか。逆の属性を使えば よかったのだろうか。逆の属性といえば「スロー」ということになるが、「スロー」 ではファーストフードの店としてはやっていけない(もっともバーガーキングの「あ ぶる」というコンセプトの中には、「スロー」の要素もあるが)。 マクドナルドのどこかの店に一度でも足を運べば、 マクドナルドが占有しているも う一つの属性が簡単に見つかるだろう。それは「子供たち」である。 マクドナルドは 実際、子供たちが両親を引っ張っていく店であり、店側でもそのため、お子様用メニ

ューを用意している。このことは、 コーク対ペプシ戦争でまざまざと見せつけられた 絶好のチャンスを提供してくれる。マクドナルドが子供層を占有しているのであれば、 バーガーキングには、年配層の店としてポジショニングできるチャンスがあることに なるのぞある。この層には、子供だと思われたくない子供もすべて含まれる。その結 果はだいたい、 一〇歳以上のすべての人が顧客層ということになるであろう(悪くな い市場ではないか)。 このコンセプトを機能させるためには、バーガーキングは犠牲の法則を発動させて、 子供層はそっくリマクドナルドに譲るという姿勢でなければならない。そうすれば、 いくつかのお子様用メニューを追放しなければならないだろうが、同時にバーガーキ ングは、 マクドナルドに対して「お子様ランド」というレツテルを貼れることにもな る(第9章参照)。 このコンセプトを顧客の心に打ち込むためのキャッチフレーズがバーガーキングに は必要だ。それには「大人の味」がいい。バーガーキングの、あぶり立ての「大人の 味」をどうぞ、というわけだ。バーガーキングの新しいコンセプトは、 マクドナルド

の重役室に恐慌を引き起こすことになるだろう。それはいつの場合も、有効なマーケ ティング計画にとっていい兆候である。 *﹈属・・質(>■■ユσC■o) どのような商品も、色、形、大きさ、重さ、素材、価格など、それぞれ異なる範疇に属して区別、分 類することができる。この質的に区別できる、それぞれの範疇を「属性」という。 例えば、歯磨きの効能。効果の属性としては、「口臭予防」「歯周病予防」「虫歯予防」「美白効果」な どの属性が存在し、この属性・区分にしたがって、持つべき製品特徴やブランド展開が考えられてい る。 歯磨きには、このような効能・効果の属性だけでなく、色、容量、原料、形態、価格などの属性も存 在する。

 

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