1売上は高いが利益は低い商品、売上は低いが利益は高い商品の見分け方「隠れコスト」が見える化され、利益体質になる「5段階利益管理」私は資金なしで創業した。
「失敗したらメシが食えなくなる」といつも震えていた。
売上が上がっても利益が出なければ会社はつぶれる。
本当に儲かっているのか?売上につながらないコストはないか?最初から商品ごとにコストを一つひとつ計測していた。
これを長年続けた結果、「ここを見ればわかる」というポイントを発見した。
そこで始めたのが、独自の管理会計だった。
これを「5段階利益管理」と呼ぶ。
5段階利益管理は、利益を商品・サービスごとに次の5段階で見える化する方法だ。
【利益①】売上総利益(粗利)【利益②】純粗利(造語)【利益③】販売利益(造語)【利益④】ABC利益【利益⑤】商品ごと営業利益どんな業務にも潜む「隠れコスト」をあぶり出し、削減することで、会社を利益体質に変える。
メリットは、対前月での利益の増減要因が一発でわかることだ。
これは当社のようなネット事業を営む会社だけに有効だと思われるかもしれない。
だが、それは違う。
どの業種にも応用可能だ。
事実、セミナーなどで5段階利益管理を知り、実践してみた他業種の人たちからも、「事業部ごとに5段階利益管理をやった結果、うまくいっている事業部と、そうでない事業部が赤裸々にわかった」「これまで全商品の利益とコストをひとまとめに考えていた。
商品別に算出したら黒字商品、赤字商品がはっきりして目からウロコだった」といった感動の声が寄せられている。
コストには、利益に貢献するコストと貢献しないコストがある。
隠れたコストを段階別にあぶり出し、利益に貢献しないコスト・施策をやめることで利益率が高くなる。
利益をきちんと管理しようとする人にはとても使いやすいツールだ。
商品別に利益を確認するまずは、売上からコストを引き、段階的に5つの利益を算出していこう。
図表16を見てほしい。
これは、ある会社の商品①、②、③の1か月の売上と利益をまとめた「5段階利益管理表」である。
合計売上は1億円だ。
商品別に見ると、商品①の売上は6000万円、②は3000万円、③は1000万円だ。
最も売上を上げている商品①は、実際に会社の利益に貢献しているのだろうか。
図表16の利益①〜⑤を、図表17〜22で一つずつ見ながら分析していこう。
【利益①】売上総利益(粗利)一つ目の利益が「売上総利益(粗利)」だ。
売上総利益粗利)=売上-原価売上総利益(粗利)は、売上から原価を引いて求める。
原価とは、商品の仕入れや製造をするときにかかった費用。
原価が利益に与える影響を見る。
図表16では、売上総利益(粗利)の合計は4400万円。
商品別の売上総利益(粗利)は、商品①が2500万円、②が1200万円、③が700万円となる(図表17)。
全商品計売上1億円-原価5600万円=売上総利益(粗利)4400万円*売上総利益(粗利)率44%商品①売上6000万円-原価3500万円=売上総利益(粗利)2500万円*売上総利益(粗利)率42%商品②売上3000万円-原価1800万円=売上総利益(粗利)1200万円*売上総利益(粗利)率40%商品③売上1000万円-原価300万円=売上総利益(粗利)700万円*売上総利益(粗利)率70%【利益②】純粗利(造語)2つ目の利益は「純粗利」である。
「純粗利」は当社の造語だ。
純粗利=売上総利益(粗利)-注文連動費純粗利は、売上総利益(粗利/利益①)から注文連動費を引いて求める。
「注文連動費」も当社の造語だ。
通販の場合、注文ごとに必ず発生するコストがある。
カード決済手数料、送料、梱包資材、商品説明のための同封物、ノベルティ、スプーンなど付属品等の料金だ。
BtoBの会社であっても、ハード商品などは必ず送料がかかったり、取扱商品によっては毎回保険料がかかったり、注文や受注ごとに何らかのコストが発生する。
これらが利益に与える影響を見る。
商品ごとに割り振りにくい場合は、全社合計の注文連動費を商品売上比率で按分する。
たとえば、複数商品を同時に購入した際のカード決済手数料などを注文ごとに商品に振り分けると大変なので、カード決済手数料の総額を各商品の売上比率で配分したりする(図表18)。
全商品計売上総利益(粗利)4400万円-注文連動費500万円=純粗利3900万円*純粗利率39%商品①売上総利益(粗利)2500万円-注文連動費300万円=純粗利2200万円*純粗利率37%商品②売上総利益(粗利)1200万円-注文連動費150万円=純粗利1050万円*純粗利率35%商品③売上総利益(粗利)700万円-注文連動費50万円=純粗利650万円*純粗利率65%全商品の合計を確認したときに、「前月に比べて突然利益が減った」、もしくは「売上がのびているのに利益が増えていない」ことがあったとしよう。
そんなとき、特定の商品の「純粗利率」が、前月に比べて極端に下がっていることがある。
たとえば、販促で特定商品を「送料無料」にすると、送料分は自社負担するので注文連動費が増える。
商品①の純粗利率が下がったのはなぜかと振り返ると、今月、商品①で送料無料キャンペーンをやった。
だから、売上は上がったが、それ以上に送料が多くかかり、純粗利率が下がって利益は増えなかった。
売上ばかりを見ていると、こういった変化に気づけない。
売上は増えたが、それ以上にコストが増えていることは多々ある。
「○○をご注文いただいた際には××をプレゼントします」といったノベルティ配布等も要注意だ。
その他、決済方法や決済手数料によっても変わる。
カード決済手数料が0・1%違うだけでも、純粗利は大きく変わる。
送料などは、梱包サイズによって変わるので、商品サイズが大きいと、「送料」という注文連動費は大きくなる。
原価には含まれないが、注文に応じて発生するコストは見逃しがちなので、常にチェックしよう。
【利益③】販売利益(造語)3つ目の利益は「販売利益」だ。
これも当社の造語である。
販売利益=純粗利-販促費販売利益は、純粗利(利益②)から販促費(販売促進費)を引いて求める。
販促費をかければ当然売上は上がる。
この販売利益が上がっていない場合、実は無駄な販促をしていることが多い。
当社の場合、販促費はおもに広告費だ。
販売利益によって商品ごとに広告が利益に与える影響を見る。
直接注文を取るためのレスポンス広告なら使用時に計上し、認知度やイメージアップのためののテレビCMなどの間接施策は、CM効果の有効期限を設定し、その期間で月ごとに等分で減価償却方式としている(図表19)。
全商品計純粗利3900万円-販促費1990万円=販売利益1910万円*販売利益率19%商品①純粗利2200万円-販促費1600万円=販売利益600万円*販売利益率10%商品②純粗利1050万円-販促費350万円=販売利益700万円*販売利益率23%商品③純粗利650万円-販促費40万円=販売利益610万円*販売利益率61%商品ごとに比較すると、最も売上が多い商品①が最も販売利益額が低くなっていることに気づく。
商品①は、商品②、③に比べ販促費を多くかけているから売上は上がっているが、利益には貢献していない。
売上が大きいから利益が多くなるわけではない典型例だ。
また、前月に比べて全体の販売利益率が下がったとしよう。
さて、何が起きているのだろう?商品ごとに見比べてみると、商品②の販売利益率が前月より極端に下がっているとする。
商品②の販売利益率が下がったのはなぜかと探ると、今月、商品②の広告を大量に打った。
その分売上は上がったが、広告コストがかかって販売利益率が下がり、利益は増えなかった。
先行投資などで一時的に悪化しても、通年で見ると販促施策が利益につながる場合もあるので当月だけでは判断できないが、大切なのは、販促費が最終的に「売上」ではなく「利益」につながっているかだ。
つながっていなければ、即やめるべきだ。
複数店舗の小売業や飲食店の場合は、商品ごとではなく、店舗ごとに5段階利益管理を実施してみるといい(図表20)。
店舗ビジネスなどは立地が売上を左右し、店舗自体が広告の役割を果たすので、店舗家賃を販促費に当てはめてみる。
販売利益に着目すると、「店舗①は売上は高いが、家賃が高いため販売利益が少ない」「店舗②は売上は低いが、家賃が安いため販売利益は多い」とわかる。
売上だけを求めると、立地のいいところに出店したくなるが、その分家賃は高い。
郊外などの家賃が安いところに出店すれば、売上は低くても、販売利益は多くなる可能性もある。
【利益④】ABC利益4つ目の利益は「ABC利益」だ。
ABCとは、アクティビティ・ベースド・コスティング(ActivityBasedCosting)の略。
つまり商品ごとの人件費だ。
ABC利益=販売利益-ABC(商品ごとの人件費)ABC利益は、販売利益(利益③)からABC(商品ごとの人件費)を引いて求める。
商品・サービスの販売にかかる間接コスト(人件費)を使用比率に応じて配分することで、商品・サービスごとの収益を把握できる。
当社の場合、全社員に「商品にかかった時間」「それ以外の時間」の割合を月一回報告してもらう。
たとえば、「商品①に30%、商品②に20%、商品③に10%、それ以外に40%」などと報告してもらい、その社員の人件費をかけ合わせ、商品ごとの人件費を算出する。
受注処理や出荷など「きた仕事をそのまま受け、能動的に商品を選んで行動しない」という職種は、部署人件費を商品ごと売上比率で振り分ける(「それ以外」は後述の「運営費」に振り分ける)。
全商品計販売利益1910万円-ABC190万円=ABC利益1720万円*ABC利益率17%商品①販売利益600万円-ABC50万円=ABC利益550万円*ABC利益率9%商品②販売利益700万円-ABC120万円=ABC利益580万円*ABC利益率19%商品③販売利益610万円-ABC20万円=ABC利益590万円*ABC利益率59%この時点でABC利益のトップはどれだろう(図表21)。
商品②の販売利益は700万円、ABC利益は580万円。
商品③の販売利益は610万円、ABC利益は590万円。
商品③が商品②を逆転した。
売上は高いが、ABC利益率が低いことが稀にある。
それは社内で手間がかかっている商品だ。
特にサービス業ではよくある。
商品①、②、③のABCを比較すると、商品②が120万円で最も高く、商品③が20万円と最も低い。
つまり商品②は社内の手間が最もかかっている。
商品③のようにABCが低い商品は、社内で話題にならない傾向がある。
このように「売上が高く販促費もかかっていないが、社員の手間がかなり取られ、ABCが高いために利益が出ていない商品」や、「売上は低いがほったらかしでも勝手に売れるので、ABCがほとんどかからず、利益が多い商品」がある。
社内の手間がかかる商品や事業は、そのまま人件費のコスト増につながる。
ある大手航空会社が大型機を導入したとしよう。
航空ビジネスの場合、大型機のほうが一回の飛行で多くの乗客を乗せられるから、一回あたりの売上が大きい。
だから、大手航空会社はこぞって大型機を導入する。
だが、ABC利益に注目すると、別の面が見えてくる。
新型機の導入は、新しいメンテナンス方法をマスターしなければならないため、ABCが増える。
大型機導入は、売上は増えるがABCも増えるため、売上が増えたからといって、利益がそのまま大きくなるわけではない。
一方、LCC(格安航空会社)はなるべく少ない機種で回しているので、メンテナンスの手間が少なくABCが低い。
だから、中小型機で一回の売上は低くても、ABC利益が高い。
当社がABCを意識し始めたのは、北海道の特産品から健康食品、化粧品に移行する時期だ。
北海道の特産品は商品数が多く、それぞれキャンペーンも行うため、商品ごとにかかる手間と生み出す利益に差があった。
オリゴ糖の健康食品は定期購入で、同じ商品を同じ人に何回も買っていただくため、かかる人数も手間も少なくてすむ。
そこで商品ごとのABCに注目した。
すると、北海道の特産品より健康食品、化粧品のほうが、圧倒的にABC利益率が高くなった。
そこでABC利益を継続的に管理することになった。
売るために手間がかかっている商品ほど社内で話題になる。
一方、手間がかかっていない商品は話題にすらならない。
手間がかかっている=ABCがかかっている手間がかかっていない=ABCがかかっていない社内で話題になっていない商品は、ABC利益率が高いことがある。
打合せで話題になる商品と利益が出ている商品は違うのだ。
【利益⑤】商品ごと営業利益最後の5つ目の利益が「商品ごと営業利益」だ。
商品ごと営業利益=ABC利益-運営費これは、ABC利益(利益④)から運営費を引いて求める。
運営費は、オフィス家賃や間接業務の人件費などだ。
「販管費」から「注文連動費」「販促費」「ABC」を引いたものになる。
運営費=販管費-注文連動費-販促費-ABC運営費は、正確に商品ごとに割り振るのは難しいので、運営費総額を商品売上比率で按分する。
こうして商品ごとの営業利益がわかる(図表22)。
全商品計ABC利益1720万円-運営費700万円=商品ごと営業利益1020万円*商品ごと営業利益率10%商品①ABC利益550万円-運営費420万円=商品ごと営業利益130万円商品②ABC利益580万円-運営費210万円=商品ごと営業利益370万円商品③ABC利益590万円-運営費70万円=商品ごと営業利益520万円こうして見ると、利益に貢献する商品、そうでない商品が一目瞭然になる。
◎商品①売上6000万円商品ごと営業利益130万円*商品ごと営業利益率2%◎商品②売上3000万円商品ごと営業利益370万円*商品ごと営業利益率12%◎商品③売上1000万円商品ごと営業利益520万円*商品ごと営業利益率52%ここまで挙げた5つの利益のシェア、つまり「①売上総利益(粗利)率」「②純粗利率」「③販売利益率」「④ABC利益率」「⑤商品ごと営業利益率」に着目すると、極端に利益率が低いところがある。
もう一度、図表16を見てほしい。
商品①は、売上は一番高いが、販売利益率が低く、商品ごと営業利益は少ない。
商品②は、最もABC(商品ごとの人件費)がかかっている。
商品③は、売上は一番低いが、売上総利益(粗利)率が高く、販促費は低い。
ABCも低いので社内の手間がかかっていない。
実は利益を最も出している最優良商品である。
このように、利益を「商品ごと」に5段階で見える化することで、「売上は上がっているが、利益は出ていない商品」「売上は低いが、実は利益が出ている商品」などが一目でわかる。
また、月次で比較しながら見ることで、利益額や利益率が下がったとき、「どの商品のどの段階」に問題があるかが一目瞭然なので、どんな手を打てばいいかがすぐわかる。
まさにあなたの会社の弱点が一発でわかるのだ。
また、弱点がわかるだけではなく、「強み」もわかる。
「手間やコストがかかっていないが利益の多い商品」の特徴を分析し、その要因を新商品開発や新規事業開発に活かすのだ。
これにより、今までよりも少ない手間やコストで利益を増やしていけるようになる。
こうやって会社を効率経営に変えていくのだ。
25段階利益管理の導入法利益の分類はどうするか5段階利益管理は、どんな業種でも使える。
導入の大まかな流れは以下のとおりだ。
①利益の分類方法を決める②5段階利益管理の経費項目を決める③経営者が率先して導入し、月次で共有するまず、①利益の分類方法から説明する。
図表16では商品ごとに利益を分析したが、図表20のように、店舗ごとでもいいし、メニューごとでもいい。
もちろん複数の5段階利益管理を行ってもいい。
当社は商品ベースと出店しているネットショッピングモールベースでもやっている。
たとえば、「楽天」「アマゾン」「自社サイト」という分類もできる。
アマゾンは、受注処理から物流までを全部代行してくれる。
するとABC(商品ごとの人件費)があまりかからない。
自社サイトで販売するときよりABC利益率は高くなるだろう。
当社は最近、地元のFMラジオ局を買収した。
経営改善のために、同社の「番組ごと」で5段階利益管理表をつくってみた。
課題は一発で見えた。
「看板番組」「人気番組」が赤字だったのだ。
看板番組や人気番組だからこそ、他の番組よりも製作費(原価)を多額にかけており、ABCも他番組より多くかかっている。
しかし、それに見合うほどのCM広告収入増加が伴っておらず、ABC利益の段階で赤字だった。
つまり、その看板番組をやめるだけで利益が増えるのだ。
ただ、さすがに短絡的にそうはできないので、早急にCM広告収入に応じた製作費やABCを下げるか、営業強化でその番組のCM広告収入を増やす必要がある。
「経営改善」において、「どこから手をつけるか」を一目で把握するのに、5段階利益管理は非常に有効である。
営業系の会社などは、商品ごとはもちろん、クライアントごとの5段階利益管理をするといい。
取引額が大きいクライアントなどは値引き要求も強く、取引額のわりに売上総利益(粗利)が低い場合も多々あるだろう。
また、営業関連の人件費を「販促費」に割り振ることで、「やたら営業マンの手を取られる販売利益が低いクライアント」などがあぶり出される。
取引額の多いクライアントは担当営業マンだけでなく、営業アシスタントの手間、人件費の高い営業部長の表敬訪問など、営業の人件費が多くかかっている場合も多い。
自社の営業関連の社員が多く関わっており、社内でもよく話題に出るクライアントよりも、ほったらかしで、営業マンがほとんど訪問していないクライアントのほうが利益につながっている場合もある。
図表23のクライアント①は、売上は最も多いが実は赤字で、この大口クライアントと取引をやめるほうが利益は増える。
5段階利益管理の経費項目を決める売上からコストを引いて商品ごと営業利益を導くまでに、原価、注文連動費、販促費、ABC、運営費に自社のどの経費を当てはめるか。
どの項目にどの経費を入れるかがポイントになるので、一度やってしっくりこなければ随時見直しを行う。
特に注文連動費、販促費、ABCは業種業態によって入れ方に工夫が必要だろう。
①注文連動費物販を行う会社は必ずかかるが、BtoBの会社はかからないこともある。
その場合は空欄でいい。
当社の場合、注文を受けた瞬間に計上される。
商品に同封する説明書、梱包資材を在庫として持ち、売上が上がったときに原価として計上される。
また、注文が入ったら必ず決済手数料を支払う。
代引手数料、カード決済手数料などだ。
ある会社は、人気アニメのノベルティをつけて売上を上げることに成功した。
しかし、利益は上がらなかった。
注文連動費を見ると、ノベルティのコストが高すぎた。
別の会社では、社長が梱包資材にこだわって、美しすぎる化粧箱を仕上げた。
お客様の評判はよかったが、注文連動費がかさんで利益が上がりにくい。
梱包は商品サイズによって送料が変わる。
ある会社の人気商品を通販で売ってほしいと頼まれたことがあった。
だが、製品サイズが大きく送料が高くなるので、注文連動費が高くなりすぎて断念した。
日本郵便や各宅配便業者には規格があり、製品サイズに応じた送料がかかる。
だから、当社では「幅△センチ以内なら□円、それ以上大きくなると送料が上がる」という規格に合わせて商品サイズを決めている。
送料が高い商品の「純粗利率」は悪くなることに注意しよう。
②販促費販促費は売上獲得にかかる費用と考える。
ネット通販の場合、販促費はおもに広告だ。
BtoBの営業を行っている会社では営業部門の人件費を販促費に、受注後に納品のためにかかる業務部門の人件費をABCに置き換えると実態がつかめる。
販促費をかければ売上は上がる。
ネット通販の場合、広告費をかければ売上は上がり、BtoBの会社の場合、社員総出で時間をかけて営業すれば売上は確実に上がる。
ただし、その分販促費がかかるので利益は少なくなる。
③ABC人海戦術でやっている会社は人件費がかかる。
たとえば、ソフトウェア業界の原価管理のポイントは人件費だ。
一人の社員が複数のソフト開発に関わっている場合もあるため、社員が自分の時間をどの案件に何%費やしていましたと、月一回報告を行う。
その社員の人件費をかかった時間の割合ごとに、各ソフトウェアの原価に入れる。
そうすれば、ソフトウェアが売れても、人件費がかかりすぎていて利益が出ないとわかる。
飲食店でメニューごとの売上があれば、調理にかかる時間からABCを算出できる。
このメニューの売上は高いが、調理に時間と手間がかかるため、利益率が低い場合がある。
注目するのは、自社で盲点となりやすいポイントを意識することが大切だ。
経営者が率先して導入し、月次で共有する5段階利益管理は社員に丸投げしてはいけない。
経営者自らやるべきだ。
中小企業なら社長がやる。
大企業では実務は経理担当者に任せても、社長は月次決算の結果を常に見て、会議で自ら話す。
自社が利益体質になるよう日々改善するのだ。
前月と比較して営業利益がのびていないときに、どこに原因があるのか、前月分と今月分を徹底比較する。
たとえば、営業利益がのびていない原因が、広告費(販促費)がかかりすぎている、送料無料キャンペーンを行っている(注文連動費)などとわかる。
これらの施策が次月以降の利益上昇につながる可能性はある。
しかし、現時点では売上は上がったが、利益は下がっており、まだ喜べる段階ではない、などと考える。
次章からは、施策と利益の関係性を見ながら、会社を利益体質にしていく方法をお伝えしていこう。
これ以降の章の流れは図表24のようになる。
あなたが最も課題と感じるところから読み始めてもらってもいいだろう。
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