商品撮影で用意したい基本の機材
商品撮影に必要な機材や道具類を紹介します。これらを組み合わせることによって、リビングや会議室でも綺麗に撮影することができます。
まずはそれぞれの名称と、どのように使用するのかを覚えましょう。
商品撮影の基本セッティングを知る
商品撮影と聞くと、プロのカメラマンが大掛かりな機材や専門の道具を使っているというイメージが強く、難しそうに感じるかもしれません。
しかしカメラに詳しくない一般の方でも、安価できれいに商品撮影できる機材が、さまざまなメーカーから販売されています。
これを使えば、スタジオなどで大掛かりなセッティングをしなくても、プロが撮影したような仕上がりの写真を撮ることができます。さらに身近にあるものをつかたり、自分で作ったりすることで、専用の機材を購入せずに撮影することもできます。まずは、どんな機材や道具が必要なのかを確認しましょう。
- デジタル一眼カメラとレンズ
- 三脚と雲台
- ディヒューズボックス
- 上から照射するライトスタンド
- 横から照射するライトスタンド
- ランプホルダー
- 電球型蛍光灯
- ケント紙
- レフ版
基本の機材1 カメラとレンズ
カメラとレンズの基本を知る
カメラとレンズにはさまざまな種類があり、それぞれ性能、機能、大きさ、操作方法、写り具合などが異なります。大きく分けて、レンズ一体型のコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)と、レンズ交換式のデジタル一眼カメラ(一眼レフ、ミラーレス一眼)の2種類があります。
高性能なコンパクトでデジタルカメラもありますが、商品撮影を行う上では、レンズを使い分けることができて、シャッター速度や絞り値などの設定がコントールしやすい、デジタル一眼カメラがおすすめです。
さらに、背面液晶モニターやファイダーで、カメラの傾きを確認できるグリッド(格子線)や、水平垂直を確認できる水準器を表示できる機能のついたカメラを選ぶとなおよいでしょう。レンズは、標準域と呼ばれる50mm(35mm判換算)から、望遠域と呼ばれる100mm程度の長さのものがおすすめです。
カメラ
商品撮影をするうえでは、シャッター速度、絞り値、露出補正、ホワイトバランス(WB)の設定が自在にできる一眼レフ、もしくはミラーレス一眼を用意しましょう。一眼レフ、ミラーレス一眼は価格帯もさまざまですが、入門機でもまったく問題ありません。撮像素子のサイズが大きく画素数が多いほど、解像度が高く、きれいな写真が撮影できます。
撮像素子
一眼レフとミラーレス一眼の違い
一眼レフとミラーレス一眼の違いは、本体にミラーが内蔵されているか、いないかです。一眼レフのレフトは、レフレックスの略で、内蔵されたミラーを介して被写体を映し出す方式のことをさします。一方のミラーレス一眼は、ミラーをなくして、背面液晶モニターに被写体を映し出す方式を採用しています。商品撮影においては、どちらを選んでも問題はありません。
一眼レフ
メリット
本体内にミラーがあり、ファインダーに被写体をそのまま映し出せる。
デメリット
ミラーレス一眼
メリット
本体内にミラーがないぶん小型で軽量。
デメリット
電子ファインダーまたは背面液晶モニターに被写体を映し出すため、被写体の色などが実物と異なる場合がある。
レンズ
商品撮影では、商品の形が歪まないように、100mm(35mm判換算)程度のレンズを使用するのがおすすめです。
使用できるレンズはカメラの規格によって異なるので、購入の際は注意が必要です。
レンズ交換式カメラの場合、レンズを単体で購入する以外に、カメラ本体とレンズがセットになっている、レンズキットという形での購入形態があります。レンズキットのレンズにも、さまざまな種類があるので、選べる場合は100mmをカバーしているレンズを選びましょう。本書で撮影に使用しているレンズは、特定の表記があるもの以外は、28-105mmのズームレンズです。
レンズの種類
レンズが変わると、写る範囲や描写が大きく変化します。基本的に100mm(35mm判換算)程度の長さがあれば、商品撮影には問題ありませんが、商品の大きさや写したいイメージによっては、小さい被写体に近づきクローズアップして写すことができるマクロレンズを使うのも効果的です。
また焦点距離を変更できるズームレンズと、焦点距離が固定されていて変更できない単焦点レンズがあります。
商品撮影においては、ズームレンズの方が使い勝手がよくおすすめです。
標準ズームレンズ:50mm(35mm判換算)前後を中心にズームできるレンズ。人間の視野に近く、スナップ撮影などに向いている。
望遠ズームレンズ:概ね100mm〜120mm(35mm判換算)以上にズームできるレンズ。遠くの被写体を大きく写せる、背景を大きくぼかすこともできる。
単焦点レンズ:ズームレンズと異なり、写る範囲が変わらない。構造上、絞り値(F値)が小さいため、明るいレンズと呼ばれる。
マクロレンズ:被写体に近寄ってピントを合わせることができる、特殊なレンズ。小さな被写体を大きく捉えることができる。
POINT:商品撮影にコンパクトデジタルカメラは使えるのか
一般的なコンパクトデジタルカメラは、一眼レフ、ミラーレス一眼に比べて、内蔵している撮像素子(センサー)が小さいことが多く、画質面でのデメリットがあります。
また外付けストロボが装着できないなど、汎用性は高くありません。しかし、手軽に撮影ができたり、カメラの購入費用を低く抑えることができるというメリットもあります。シャッター速度、絞り値、露出補正、WBの設定を変更できる製品であれば、商品撮影でも使用できます。撮影に慣れて画像や写りに物足りなさが生じたら、一眼レフ、ミラーレス一眼に変更するのもよいでしょう。
脚部(きゃくぶ)
三脚の脚部で確認しておきたいのは、強度、素材、サイズです。強度は価格が高いものほど丈夫になりますが、その分重くなるため携帯性は悪くなります。
また、三脚は、アルミ製かカーボン製かなど、素材によって重量が大きく異なります。素材ごとにぶれにくい、振動が少ないなどの特徴もあるため、よく確認しましょう。
また、製品によって脚の伸縮を固定するロック方式も異なります。自分の使用環境に合わせて、使いやすさと安定感を確認しながら三脚を選びましょう。
センターポール(エレベーターボール):伸縮可能な脚部だけでなく、センターポールでも高さを調整することができます。
センターポールストッパー(エレベーターストッパー):このネジを緩めて、センターポールを上げ下げします。
脚ロックレバー:三脚の高さを固定する方式は、製品によって異なります。メリットとデメリットを考慮して選びましょう。
雲台(うんだい)
雲台にも種類があります。微調整を繰り返す商品撮影では、水平方向、垂直方向、回転方向をそれぞれ個別のハンドルで調整できる3ウェイ雲台がおすすめです。
またクイックシュー(カメラを固定する台)は、カメラの大きさや形によっては相性が合わないこともあります。ぶつかったり浮いたりせず確実に固定することができるかどうか、手持ちのカメラとの相性を購入前に必ず確認しましょう。また水準器つきの雲台であれば水平垂直を簡単に確認できるので便利です。
基本の機材3 ディフューズボックス
プロカメラマンがスタジオで商品を撮影する場合、幅広なトレージングペーパーを数本のスタンドで支えて商品を囲み、撮りたいイメージにあった光をつくります。それと同じような光を手軽につくるための機材がディフューズボックスです。
ディフューズボックスの基本を知る
本書で「ディフューズボックス」と呼ぶ機材は、小型簡易スタジオ、ライティングスタジオ、撮影用ボックス、ドームスタジオなど、各メーカーからさまざまな名称で販売されています。
プロカメラマンがスタジオで撮影する場合、上と横から光を照射し、その光をやわらかくするためにトレージングペーパーやユポと呼ばれる半透明な特殊な紙を使います。その紙を使用して光を透過し、拡散させて撮影するのが基本です。
高価でプロ並みの知識が必要な専門的な機材を使わず、これと同様の光の条件をつくることができるのがディフューズボックスです。
市販のディフューズボックスにはさまざまな形がある
ドーム型(半円)
BOX型(真四角)
BOX型(真四角)
撮影する商品の大きさにあったサイズを選ぶ
基本の機材4 スタンド
基本の機材5 電球・ランプホルダー
商品撮影において、商品を照らすための電球とランプホルダーは必須です。商品撮影専門の特殊なものから、一般的な住宅で使われているものなど、種類が豊富なので、用途に合わせて選びましょう。
電球
商品撮影のライティングでは、室内灯を決してさまざまな角度からライトを照射して、意図した通りの写真に仕上げていきます。
そして準備や撮影をスムーズに行うためには、各ランプの特性を理解しておく必要があります。
本書で解説しているように電球を2灯使用する場合は、明るさに変化をつけるため、メイン光は100w、補助光は60wなどと、光量のワット数を変えて使用するのが基本です。
電球の種類によって、光の広がる方向、光の色、寿命、ランプホルダーに差し込む口金のタイプなどがさまざまです。どれを選ぶかは、仕上げたいイメージに合わせるのがベストですが、ここでは、本書で使用している一般的な電球型蛍光灯をご紹介します。
光量は、100w、60w、40wの3タイプです。熱を持たないので、ケント紙やトレーシングペーパー、ディフューズボックスに近づけることが可能です。光色は、電球色、昼白色、昼光色の3タイプありますが、商品撮影には、色温度が5000kの昼白色タイプが向いています。
光の広がる方向は、全方向、広配光、下方向の3タイプありますが、光の広がる範囲が広い、全方向タイプを選んでおくと便利です。
口金は、標準的なE26と、それよりも小さいE17があります。本書で使用するランプホルダーはE26口金です。手持ちの機材で確認して購入しましょう。
一つ1,000円ぐらいで購入することができます。
電球の種類
本書では、一般的に売られている電球型蛍光灯を使用していますが、仕上げたいイメージによっては、特殊な電球が必要になる場合もあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
集光型の電球型蛍光灯:
タングステンランプ:
白熱電球:
ランプホルダー
本書で扱うランプホルダーとは、電球を差し込んで使用する撮影用のソケット(口金の受け口)のことです。電球と同じサイズの口金のものを選びます。ソケット部のみのもの、ソケット部にクリップ(クランプ)が付いたものなどがあります。
本書では主にソケット部のみのタイプをスタンドやブームに装着して使用しています。また、小型の自由雲台を取り付けて使用する方法もあります。
まずはソケット部のみを用意して、必要に応じてクリップなどの機材を追加していくのもよいでしょう。
ソケット部のみのタイプ
ソケット部にクリップが付いたタイプ
ランプホルダーの種類
基本の機材6 背景紙
基本の機材7 レフ版
あると便利なアクセサリー
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