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SDSの作成方法と注意点

SDSって何? 作成の基礎

コンテンツの対象者

化学品のSDSを作成する必要のある事業者

コンテンツの狙い

SDSを作成する目的および前提事項を理解すること

本コンテンツの内容

  1. SDS作成の目的
  2. SDS作成のための前提知識
  3. SDS作成のルール
  4. SDS作成の責任について
目次

1.SDS作成の目的

SDSとは、「安全データシート」のSafety Data Sheetの頭文字をとったもので、事業者が化学物質及び化学物質を含んだ製品を労働環境における使用及び他の事業者に譲渡・提供する際に交付する化学物質の危険有害性情報を記載した文書であり、GHSに基づいて作成されている。

化学物質及び化学物質を含んだ製品に起因する予見可能なリスクをサプライチェーンの全ての関係者に周知し、人の健康及び環境に対する災害・事故を未然に防止することが最大の目的であり、いわば労働者の知る権利を守るためのものである。

2.SDSを作成するための前提知識

GHSに基づく危険有害性に関する基礎知識が必要

→GHSに関する最低限の知識(有害性や絵表示など)を理解している必要がある。また化学品に関する最低限の知識(名称や物性など)も知っていることが望ましい。

必ずしも全ての情報が存在しないことに注意

→化学品の有害性や物性に関するデータが全て存在するわけではない。不足する情報がある場合は自分で補うか、またはデータがないことを明記する必要がある。

最新の情報を得ることが重要

→GHSに基づくSDSの様式は国連GHS文書やJISの改正に伴い変更することがある。SDS作成する際には最新のJISに準拠しているのか継続的な整備と確認が必要。

サプライチェーンの下流に譲渡・流通することに注意

→SDSは基本的に労働者のために作成されるものではあるが、最終的にサプライチェーンを通じて消費者の目に触れる可能性もあることに留意が必要。広い用途を考慮して可能な限りわかりやすく情報を記載するべきである。

3.SDS作成のルール

・SDSの作成の対象について

SDSを作成する対象となる物質については厳密に定義されているわけではないが、一般的にGHS分類基準に基づき、危険有害性があると判断される化学品はSDSを作成し情報伝達をすることが推奨※される。一方で、化学品を特定の形状に加工した成形品については一般的にSDSの作成を求められていない。

ただし、誤った使用方法や事故などを想定して成形品を混合物とみなし、SDSを作成する場合もあるので注意が必要。

※法律で義務付けられている場合を除く

化学品(純物質または混合物(製品))SDS対象:●

成形品(特定の形状が機能を決定する物体)SDS対象:▲

3.SDS作成のルール

・SDSを作るかどうかを決定するための閾値(カットオフ値/濃度限界)

健康及び環境の各危険有害性クラスに対するSDSを作成する濃度

危険有害性クラス SDSを作成する濃度
急性毒性 1.0%以上
皮膚腐食性/刺激性 1.0%以上
眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 1.0%以上
呼吸器感作性又は皮膚感作性 0.1%以上
生殖細胞変異原性:区分1 0.1%以上
生殖細胞変異原性:区分1 1.0%以上
発がん性  0.1%以上
生殖毒性  0.1%以上
標的臓器毒性(単回ばく露) 1.0%以上
標的臓器毒性(反復ばく露) 1.0%以上
誤えん有害性:区分1 10%以上の区分1の物質かつ40℃での動粘性が20.5mm2/s以下
水生環境有害性 1.0%以上

出典:「JIS Z 7253 GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)

危険有害性を持つ成分が基準値以上に含まれるのであれば、SDSを作成する必要がある。

※ただし表に示す濃度より低い場合でも、危険有害性があると判断される場合にはSDSを作成し情報伝達することが推奨される。

前項における目的を達成するためにはSDSの内容を確実に情報伝達する必要がある。そのため、日本では、日本産業規格(JIS)にSDS作成のルールが定められている。

例えば・・・

統一的な記載項目

  • 項目の順番は統一
  • 項目名称は統一
  • 項目数は16個

統一的な文言の使用

  • 危険有害性の表現はJISに準拠
  • 注意書きの文言はJISに準拠

統一的な危険有害性の分類基準

  • 分類基準はJISに準拠
  • 使用される絵表示はJISに準拠

様式を揃えることで正しい情報伝達が実現する

 

4.SDSの作成責任について

・サプライチェーン上のSDSの責任について

SDSについては基本的に化学物質及び製品の製造者が作成するが、その記載内容に関する責任は常に供給・譲渡者にある(SDS作成者に限らない)

そのため、仮にサプライチェーンの中で同じ内容のSDSが譲渡・提供されるとしてもSDSに記載される供給者名称は、サプライチェーンの各段階で変わることに注意が必要。

・SDSへのアクセスについて

SDSは作成すればそれでおしまいというわけではない。すべての関係者が閲覧できる状態に整備し、望ましくは最新の情報で更新し、アクセシビリティを確保する必要がある。

SDSには、、、

  • 関係者の知る権利
  • 関係者に周知する責任

があることを意識するのが重要。

SDSを作成する場合は正しい情報伝達を達成するために、SDS作成のルールを守ることが重要である。日本においてSDSを作成する場合、まずは日本産業規格(JIS)に沿ってSDSを作成することを推奨する。

作成の際には、厚生労働省が公開しているモデルSDSも参考になる。

日本産業規格(JIS)

・JIS Z 7252:2019

GHSに基づく化学品の分類方法

→危険有害性の分類方法に関するJIS

・JIS Z 7253:2019

GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法

→SDSとラベルの作成方法に関するJIS

厚生労働省:GHS対応モデルラベル・モデルSDS情報

・モデルSDS

→約3,000物質のサンプルSDSを掲載

他にも経済産業省から公表されている作成ガイドや、国連GHS文書の附属書にSDSの作成方法についてまとめられているので、こちらも参照のこと。

https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/information/seminar2020/SDS_guidance_2020.pdf

附属書4

安全データシート(SDS)

作成指針

作成日:2021/3/22

参考資料:Z 7252(日本産業規格:GHSに基づく化学品の分類方法)(2019)

Z 7253(日本産業規格:GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法(ラベル・SDS等について))(2019)

Version:1.0.0

SDSとMSDは別物?

同じものです。以前は、MSDS(Material Safety Data Sheet)と言っていました。今は世界的にSDS(Safety Data Sheet)と言う名称に統一されています。SDSは、「MSDS (Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート)」と呼ばれていましたが、現在はGHSで定義されている「SDS」に統一されています。

日本では、GHSに対応した法令や規格が整備された2012年以降、SDSというようになりました。

 

記載内容

1 化学品及び会社情報

化管法SDSの対象となる化学物質及び製品(以下「化学品」という。)の名称と提供者に関する情報を記載する項目です。

【化学品の名称】
<化学物質名> ・・・単一の化学物質の場合
<製品名> ・・・混合製品の場合

【提供者の情報】
<社名、住所、担当部局・担当者と連絡先> ・・・会社の場合
<氏名、住所と連絡先>  ・・・個人事業者の場合

2 危険有害性の要約

化学品の重要危険有害性及び影響(人の健康に対する有害な影響、環境への影響、物理的及び化学的危険性)、並びに特有の危険有害性があればその旨を明確、かつ、簡潔に記載する項目です。

化学品がGHS分類に該当する場合には、化学品のGHS分類及び絵表示等を記載しなければなりません。

3 組成及び成分情報

化学品に含まれる指定化学物質の組成、含有率等を記載する項目です。

GHS分類に基づき、危険有害性があると判断された化学物質については、分類に寄与するすべての不純物及び安定化添加物を含め、化学名又は一般名及び濃度を記載することが望ましいです。混合物の場合は、組成の全部を記載する必要はありません。GHS分類に基づき、危険有害性があると判断され、かつ、GHSにおける濃度限界(カットオフ値)以上含有する成分については、すべての危険有害成分を記載することが望ましいです。
混合製品中の化管法指定物質の含有率については、一定の幅を持たせて記載することは認められていませんが、製造の際、成分にばらつきが出るなど、有効数字2桁の精度では含有率を特定できない場合については、適切な推計式を用いてその推計値を算出し、その結果を有効数字2桁で表示して下さい。この場合、「16 その他の情報」の項目に推計方法の説明を併せて記載して下さい。

4 応急措置

化学品に従業員等がばく露した時などの応急時に取るべき措置の内容を記載する項目です。

<吸入した場合>
<皮膚に付着した場合>
<目に入った場合>
<飲み込んだ場合>

5 火災時の措置

火災が発生した際の対処法、注意すべき点について記載する項目です。

<適切な消火剤>
<使ってはならない消火剤>

6 漏出時の措置

化学品が漏出した際の対処法、注意すべき点について記載する項目です。

<人体に対する注意事項,保護具及び緊急時措置 >
<環境に対する注意事項 >
<封じ込め及び浄化の方法及び機材 回収,中和などの浄化の方法及び機材等>

7 取扱い及び保管上の注意

化学品を取扱う際及び保管する際に注意すべき点について記載する項目です。

<取扱い上の注意事項>

  • 取扱者のばく露防止策
  • 火災、爆発の防止などの適切な技術的対策
  • エアロゾル・ 粉じんの発生防止策

<保管上の注意事項>

  • 混合接触させてはならない化学物質
  • 保管条件(適切な保管条件及び避けるべき保管条件) など

8 ばく露防止及び保護措置

事業所内において労働者が化学物質による被害を受けないようにするため、ばく露防止に関する情報や必要な保護措置について記載する項目です。

<ばく露防止>

  • ばく露限界値
  • 生物学的指標等の許容濃度
  • 可能な限りばく露を軽減するための設備対策
    (設備の密閉、洗浄設備の設置など)

<保護措置>

  • 適切な保護具(マスク、ゴーグル、手袋の着用など)

9 物理的及び化学的性質

化学品の 物理的な性質、化学的な性質について記載する項目です。

<化学品の外観(物理的状態、形状、色など)>
<臭い>
<凝固点、沸点、融点、初留点及び沸騰範囲>
<引火点、自然発火温度>
<燃焼又は爆発範囲の上限、下限>
<蒸気圧、蒸気密度>
<比重(相対密度)>
<溶解度> など

10 安定性及び反応性

化学品の安定性及び特定条件下で生じる危険な反応について記載する項目です。

<避けるべき条件(静電放電、衝撃、振動など)>
<混触危険物質>
<危険有害な分解生成物> など

11 有害性情報

化学品の人に対する各種の有害性について記載する項目です。

<急性毒性>
<皮膚腐食性及び皮膚刺激性>
<眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性>
<呼吸器感作性又は皮膚感作性>
<生殖細胞変異原性>
<発がん性>
<生殖毒性>
<特定標的臓器毒性,単回ばく露>
<特定標的臓器毒性,反復ばく露>
<吸引性呼吸器有害性>

12 環境影響情報

化学品の環境中での影響や挙動に関する情報を記載する項目です。

<生態毒性>
<残留性・分解性>
<生体蓄積性>
<土壌中の移動性>
<オゾン層有害性>  など

13 廃棄上の注意

化学品を廃棄する際に注意すべき点について記載する項目です。

<安全で環境上望ましい廃棄の方法>
<容器・包装の適正な処理方法> など

14 輸送上の注意

化学品を輸送する際に注意すべき点について記載する項目です。

<輸送に関する国際規制によるコード及び分類> など

15 適用法令

化学品が化学物質排出把握管理促進法に基づくSDS提供義務の対象となる旨を記載するとともに、適用される他法令についての情報を記載する項目です。

16 その他の情報

15までの項目以外で必要と考えられる情報を記載する項目です。2で含有率について何か推計式を用いて算出した場合もこちらにその説明を書いてください。

<引用文献>
<作成年月日、改訂情報>
<(必要なら)含有率の説明>
<その他>

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