Chapter4通関のしくみと書類輸出通関
0401輸出業務と輸出通関0402税関への輸出申告輸入通関0403輸入業務と輸入通関0404税関への輸入申告0405適正輸入通関0406関税率のしくみ各種制度0407AEO制度0408その他の通関に関わる制度0409輸出入通関と貿易手続きの電子化
Chapter4通関のしくみと書類輸出通関
0401輸出通関Trading輸出業務と輸出通関輸出業務と輸出通関の流れは次の通りです。
法規制のチェック税関への輸出申告を行う際には、その品目が外為法の輸出貿易管理令(リスト規制とキャッチオール規制)やその他の法令により規制を受けるかどうかを確認し、必要な場合には管轄官庁から輸出許可・承認を取得します。
代金決済手配や各種準備買手との代金接受に必要な書類の入手準備が整っているかどうか、特にL/C決済の場合は入手した信用状の付帯条件と売買契約/船積予定等の整合性などを確認します。
また、船積前検査が必要であれば検査人の手配などを行います。
貨物の準備貨物の性状や仕向地により必要な準備は異なりますが、たとえば以下のような手配を行います。
船積準備に関わる多くの業務は海貨業者に委託されています。
梱包貨物の性質・形状・輸送方法などを考慮して貿易輸送に適切な梱包を行います。
不適切な梱包に起因する貨物の損傷は貨物海上保険の免責事由となるので注意が必要です。
木材梱包の場合は、害虫の侵入阻止のため各国で木材梱包に関する消毒証明書やマークが要求されており、FAO(国連食糧農業機関)が策定した「国際貿易における木製梱包材料の規制ガイドライン」(ISPMNo.15)*1を採用する国が多くなっています。
荷印(ShippingMark)梱包の外面に付する貨物情報で、仕向港、仕向地、梱包番号、原産国名などが記載されます。
「KEEPDRY」や「FRAGILE」などの取扱注意記号(CareMark)も必要に応じて記載されます。
米国向け輸出24時間ルールとテロ対策米国向け輸出の場合は、海上輸送の場合には船積み24時間前までに船会社やNVOCCは米国通関システム(AMS*2)を経由して米国税関に積荷明細を提出する24時間ルールがありますので、時間の余裕を持って船積手配を行います。
航空輸送の場合は、航空機の米国到着4時間前までに、AMS経由で提出します。
その他、米国ではテロ対策として、CSI*3やCTPAT*4の施策が採られています。
CSIは税関職員を相手国の港湾に派遣し危険性の高いコンテナの特定等を協力して行う制度、CTPATはテロ行為防止のために税関と産業界が協力する海上コンテナ安全対策パートナーシップ制度です。
検査・検量貨物の重量や容積の測定、個数の照合などを検査機関に依頼し、証明書(WeightandMeasurementListやTallySheet)の発行を受けます。
証明書は海上運賃算定の基礎資料や第三者に対する証明として使用されます。
仕向国によっては、指定された検査機関(例:SGSやOMICなど)による数量・品質・価格などの船積前検査が要求される場合があります。
貨物搬入以上のような準備を行ったうえで、貨物を船積みのために輸送人に引渡す場所に搬入します。
コンテナ輸送の場合は、米国向きを除き通常は本船入港の24時間前にCY(CFSの場合は48時間前)での荷受が締切られます(CYCUT、CFSCUTと呼ばれます)ので、カット日時に間に合うように貨物準備と税関輸出許可取得を終えておく必要があります。
*1ISPM:InternationalStandardsforPhytosanitaryMeasures*2AMS:AutomatedManifestSystem*3CSI:ContainerSecurityInitiative*4CTPAT:CustomsTradePartnershipAgainstTerrorism
0402輸出通関Trading税関への輸出申告税関への輸出申告の流れは次の通りです。
代理申告税関への輸出申告は輸出者自ら行うこともできますが、一般的には通関業者に申告業務を委託する代理申告が行われています。
通関業者は通関業法に基づいて各営業所に通関士を配置しています。
多くの通関業者は海貨業者も兼務しており、同一業者に船積準備と通関をまとめて依頼することで効率よく輸出業務が行われています。
船積依頼書(S/I*1)輸出者が海貨・通関業者宛に出す業務指示書を船積依頼書と呼び、通関と船積みを的確に行うための情報を伝えます。
船積依頼書には、契約に関する情報(輸出者、輸入者、商品名、数量、重量、価格、取引条件など)、船積みに関する情報(船積予定本船、船積港、船積予定日、貨物の搬入場所など)、書類作成に関する情報(船荷証券上の記載事項、受荷主、NotifyParty、運賃記載がFreightPrepaidかFreightCollectか)などの指示事項を記載します。
輸出者は、船積依頼書とともにインボイス、パッキングリスト、輸出規制品目の場合には関係省庁より承認を取得した輸出承認申請書(E/L)など、輸出通関に必要な書類を海貨・通関業者に送付します。
その他の特別な輸出通関手続き指定地外検査巨大重量物や危険品など保税地域への搬入が不適当と判断される貨物の場合に、税関から「他所蔵置許可場所」の許可を受け、保税地域外に搬入して輸出の通関手続きを行い、必要であれば、「指定地外検査」を申請し、輸出許可を取得する手続きです。
艀中扱い、本船扱い鉄鋼製品やばら貨物などを艀輸送で本船に横付けして海側から直接本船に積込む場合に、艀上あるいは本船上で検査を受け、輸出許可を取得する手続きです。
特定輸出申告貨物を保税地域に搬入することなく輸出申告を行い、許可も下りる制度で、コンプライアンスに優れた輸出者として税関より認定を受けた特定輸出者が利用できる制度です。
保税運送(TransportationinBond)輸出通関済みの貨物をほかの保税地域に回送する際に必要な手続きで、陸路保税運送(OLT*3)、空路保税運送(ACT*4)、海路保税運送(ICT*5)、あるいはその組合せで行われます。
コンテナFCL貨物の扱いについて同節内「保税地域」の関税法改正(2011年3月)により、コンテナ貨物の輸出申告を保税地域搬入前に行う「コンテナ扱い申請書」の提出は不要となりました。
ただし、税関審査により検査区分(区分3)となれば開梱検査が実施されます。
対応策としては、「指定地外検査許可申請書」および「事前検査願い」を提出し、梱包・バンニング前に検査を実施のうえで輸出申告を行い、検査記録を税関審査資料として提供する手段が考えられます。
*1S/I:ShippingInstruction*2NACCS:NipponAutomatedCargoandPortConsolidatedSystem*3OLT:OverlandTransport*4ACT:AircraftTransport*5ICT:IntercoastTransport
保税地域保税地域は、外国貨物の積卸し、運搬、蔵置、加工・製造、展示などを税関の監督のもとで行う場所で、指定保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場、総合保税地域の5種類があります。
輸出においては、従来は税関への輸出申告は保税地域に貨物を搬入した後に行うことが原則とされていましたが、「輸出通関における保税搬入原則の見直し」(改正関税法、2011年3月成立、10月施行)により輸出申告を、適正通関を確保しつつ、保税地域への搬入前に行うことが可能となりました。
ただし、税関の輸出許可は、貨物を保税地域に搬入した後に行われます。
NACCS*2(ナックス)通関業者は、NACCSと呼ばれる税関その他の関係行政機関への手続きや関連業務を処理する統合システムにアクセスして通関手続きを行います。
NACCSは、船舶・航空機の入出港、輸出貨物の運送引受けから船舶・航空機搭載、輸入貨物の到着から国内引取までの行政機関に対する一連の手続きおよび関連する民間業務(銀行や貨物保険業務等)を処理しています。
税関審査と許可税関は輸出申告を以下の3区分に振り分けます。
・区分1簡易審査書類審査や現物検査なしで即時に許可・区分2書類審査関連書類を税関に提出し、審査後許可・区分3現物検査現物を検査後許可いずれの場合でも、船積みは輸出許可取得後の実施となります。
また、輸出許可を得た貨物は外国貨物となりますので、何らかの事情で船積みを中止し国内に戻す場合には輸入手続きが必要となります。
輸出許可後の書類の整備と保存輸出許可を取得し船積みを行った後、輸出者はインボイス、パッキングリスト、船荷証券のコピーなど通関や船積に関する書類を整えておき、税関からの求めがあれば提出します。
関税法において、輸出許可貨物に関わる帳簿(品名、数量、価格、仕向人の名称、輸出許可年月日、許可番号等を記載)の備付けと書類(インボイス等)の保存義務は5年間と規定されています。
また、取引の関係書類を電子メールでやりとりした場合には、そのメールなどを輸出許可日の翌日から5年間保存することが義務付けられています。
▶輸出許可通知書(E/P:ExportPermit)(NACCSのプリントアウトの例)
0403輸入通関Trading輸入業務と輸入通関輸入業務と輸入通関の流れは次の通りです。
法規制のチェック、代金決済と船積書類の入手税関への輸入申告を行う際には、その品目が外為法の輸入貿易管理令やその他の法令の規制を受けるかどうかを確認し、必要な場合には管轄官庁から輸入許可・承認を取得します。
輸入者は代金決済を売買契約の条件通りに行い、輸入手続きに必要な船積書類(インボイス、パッキングリスト、船荷証券、原産地証明書など)を入手します。
船積書類は荷為替手形決済の場合には銀行経由、その他の場合は輸出者から入手します。
輸入コンテナ出港前報告制度(日本版24時間ルール)輸出における米国の24時間ルールと同様に日本でも輸入海上コンテナ貨物を対象に出港前報告制度(AFR)が2014年より導入されました。
この制度では、運送人は本船が外国の船積港を出港する24時間前までに貨物情報(B/L情報やH.S.コードなど)をNACCS経由で日本の税関に報告することが義務付けられています。
貨物荷受の準備と、船荷証券(B/L)の差入れ輸出者は船積みが完了すれば輸入者に船積案内(ShippingAdvise)を連絡してきますので、輸入者は荷受けの準備を行います。
海上輸送の場合には本船の仕向港到着予定に合わせて船会社代理店から船荷証券(B/L)のNotifyParty宛に到着案内(ArrivalNotice)がFAX/MAIL等で通知されます。
輸入者は、船荷証券(B/L)を船会社(または代理店)に差入れD/O(荷渡指図書)を入手します。
輸入者側が運賃を支払う取引条件であれば、船荷証券(B/L)には運賃後払い(FreightCollect)と記載されていますので、この場合はD/Oの発行は運賃を船会社に支払い後となります。
コンテナ貨物の荷受けFCL貨物の場合、受荷主は貨物入りコンテナをCYから引取り自社施設や営業倉庫まで回送し貨物を取出します。
コンテナからの貨物取出しはデバンニング(Devanning)と呼ばれます(コンテナデマレージとディテンションは0314参照)。
LCL貨物の場合は、貨物入りコンテナは船会社によりCYからCFSに回送され、船会社の手配でデバンニングが行われ、各受荷主に貨物が引渡されます。
受荷主はCFSChargeを支払います。
在来船貨物の荷受け在来貨物船の場合の本船からの荷受けには、船会社が貨物を一括して荷揚げして上屋に搬入し、各受荷主に引渡す「総揚げ」と、比較的大口貨物で受荷主が艀やトラックなどで本船から直接引取る「直取り」の荷受形態があります。
総揚げの場合、本船船側から引取りまでの費用(LandingCharge)は受荷主負担となります。
航空貨物の荷受け航空輸送の場合は、仕向空港の航空貨物代理店から航空運送状の受荷主宛にArrivalNoticeとAirWaybill(受荷主用)が送付されます。
通常は荷受人欄にTEL番号の記載があるので、まずは電話連絡があります。
航空貨物は、航空運送状(AirWaybill)の受荷主であることを確認した後、空港の貨物ターミナルやフォワーダーの倉庫で輸入者に引渡されます。
0404輸入通関Trading税関への輸入申告税関への輸入申告の流れは次の通りです。
代理申告外国から到着した貨物は船や航空機から荷揚げされた後、保税地域に搬入されます。
外国貨物を輸入手続き未済のまま国内を運送する場合には税関より保税運送の許可を取得します。
輸入者は自ら税関に輸入申告を行うこともできますが、海貨・通関業者に申告業務を委託する代理申告が一般的に行われています。
海貨・通関業者は、輸入者より受取ったインボイス、船荷証券のコピー、運賃や保険料明細書などより、輸入申告に必要な事項をナックスに入力して税関への輸入申告(ImportDeclaration)を行います。
税関審査と許可税関は輸入申告を3区分に振り分けます。
・区分1簡易審査書類審査や現物検査なしで即時に許可・区分2書類審査関連書類を税関に提出し、審査後許可・区分3現物検査現物を検査後許可輸入通関では、税関への輸入申告と関税や諸税の納税申告の2つの手続きを行いますので、輸入者は税関の輸入許可(I/P*1)を得て、関税や消費税等の諸税を納付した後に貨物を引取ることができます。
その他の特別な輸入通関手続き指定地外検査、艀中扱い、本船扱い輸入申告は貨物を保税地域に搬入後行うことが原則ですが、「他所蔵置許可場所」の許可と「指定地外検査」の申請、および「艀中扱い」や「本船扱い」申請の例外規定が設けられています。
予備審査制度貨物が日本に到着する前に輸入申告書類を税関に提出して、税関の審査・検査要否の事前通知を受けることができる制度で、生鮮貨物やクリスマス商品等、急いで貨物を引取りたい場合に活用されます。
航空貨物で検査の不必要な貨物であれば、貨物到着確認後直ちに輸入許可を受けられる到着即時輸入許可制度もあります。
輸入許可前引取承認制度(BP*2)税関長の承認のもとで輸入許可前に貨物を引取ることのできる制度で、関税額に相当する担保提供が前提条件となります。
この制度の適用が認められるのは、貨物を保税地域に留めておくことが適切でないと認められる危険物や変質のおそれのある商品および荷揚げ後に数量を確定する契約で貨物の到着時点では課税価格が確定していない商品に限られます。
輸入者は3カ月以内に本申告(IBP*3)を行い、関税・消費税等を納付した後、輸入許可が下ります。
特例輸入申告貨物のセキュリティ管理とコンプライアンス(法令遵守)の体制が整備された輸入者を特例輸入者として税関長が認定し、輸入手続きに優遇措置を与える制度です。
特例輸入申告の場合、輸入申告時の申告項目が削減されるほか、貨物の日本到着前に輸入申告し、許可を受けることができます。
また、輸入申告と納税申告は分離されるので、納税は後日まとめて行うことができます。
納期限延長制度税額に相当する担保を税関に提出することを前提条件として、関税や消費税の納付を一定期間猶予する制度で、個々の申告毎に延納する個別延長方式、1カ月間の申告をまとめる包括延長方式、特例輸入者に適用される特例延長方式の3種類の方法があります。
保税運送(TransportationinBond)
輸入未通関の貨物をインランドデポ(内陸蔵置場)などのほかの保税地域に回送する際に必要な手続きです。
▶輸入許可通知書(ImportPermit)(NACCSのプリントアウトの例)
*1I/P:ImportPermit
*2BP:BeforePermit*3IBP:ImportpermitofthegoodsdeliveredBeforePermit
0405輸入通関Trading適正輸入通関適正な輸入通関を行うためには、各種制度の理解と社内における管理体制の徹底が重要になります。
申告納税方式輸入貨物は、申告者が自らの責任で税番を決定し申告価格を算出する申告納税方式が一般的にとられています。
虚偽や間違った申告には、関税法による罰則が法人や場合によっては実行した個人にも科せられますので、正しい申告を行うことが重要です。
なお、入国者の手荷物や20万円以下の郵便物にかかる関税は税関が関税を決める賦課課税方式がとられています。
適正輸入通関とは申告納税方式において適正な輸入通関を行うには、正確な貨物情報の把握と法令の理解のうえ、申告価格を正しく算出することが求められます。
関税の計算は、「課税価格(申告価格)×関税率」で算出されます。
関税がゼロの品目であっても、消費税は課せられますので、申告価格の正確性は常に求められ、たとえば商品サンプルを無償で輸入する場合であっても、有償取引を想定した適正価格で申告を行う必要があります。
関税評価制度課税価格を法律(関税定率法)の規定に従って決定することを関税評価と呼びます。
日本では、課税価格(すなわち申告価格)は、輸入港到着価格(すなわちCIFまたはCIP価格)と定められていますので、インボイス金額に含まれていない運賃や保険料、あるいは別途支払いを行った仲介手数料や無償提供した物品等の費用などがあれば、それらの費用を加算して課税価格を算出します。
なお、多くの国は日本と同様にCIFまたはCIP価格を基準としていますが、アメリカやカナダのようにFOB価格を基準とする国もあります。
評価申告関税評価に際して、インボイス、運賃や保険の明細書などの添付書類で簡潔に説明できない加算・減算要素がある場合には、税関に評価申告書を提出して、その要素と金額を申告します。
たとえば輸入者が無償で提供した材料や別途支払った契約金や手付金などが加算要素としてあげられます。
減算要素には、輸入港到着後の内陸輸送費など日本国内で発生した費用などが考えられます。
評価申告には、輸入申告の都度行う個別申告と、継続的な取引の場合に一定期間適用を受ける包括申告があります。
関税評価の事前教示制度輸入を予定している商品の関税評価の方法に不明なことがあれば、税関の解釈を事前に文書で照会し、回答を得ることができる事前教示制度が設けられています。
輸入者はこの制度を活用することによって、原価計算の精度を上げることができます。
税関による事後調査申告納税制度を補完するために、税関職員が輸入者を訪問し、適正な輸入通関が成されていたかを調査する事後調査の制度が敷かれています。
事後調査では、契約内容、取引実態、輸入申告価格の決定方法などの調査が行われ、関税・消費税などの納税不足に対しては加算税が課されることとなります。
0406輸入通関Trading関税率のしくみ関税率のしくみは次の通りです。
関税率の種類日本の関税率には、国内法で定められた国定税率と条約で定められた協定税率に分類されます。
国定税率には、長期的に適用される基本税率、一時的に適用される暫定税率、開発途上国からの輸入品に適用される特恵税率があります。
協定税率には、WTO協定に基づく税率と経済連携協定(EPAやFTA)に基づく税率があります。
適用される優先順位は原則として、①特恵税率②協定税率③暫定税率④基本税率となっています。
関税率は、税関のHPに掲載されている実行関税率表で閲覧できます。
実行関税率表には、縦軸に商品名と税表番号、横軸に関税の種類が記載されています。
税率の形態税率の算定には、従価税、従量税、混合税の基準が用いられます。
従価税は、輸入品の価格を基準とする一般的な課税形態です。
従量税は、個数、容積、重量などの数量を基準として課税する形態です。
混合税は、従価税と従量税を組合せて課税する形態で、従価・従量選択税(選択税)と従価・従量併用税(複合税)があります。
特殊関税不公正な貿易取引や輸入急増等の事情がある場合に、国内産業を保護する目的で、貨物、輸出者、輸出国等を指定して賦課する特殊関税があります。
特殊関税には、相殺関税、不当廉売関税(ダンピング防止税)、緊急関税(セーフガード)、報復関税があり、WTO協定で発動の要件や手続きが定められています。
特殊関税は国定税率や協定税率に追加して課せられます。
商品分類と税表番号貿易取引で取り扱われる商品は、H.S.コードと呼ばれる世界共通の番号で輸出入の管理が行われています。
H.S.コードは、1988年に結ばれた条約「商品の名称および分類についての統一システム」(HarmonizedCommodityDescriptionandCodingSystem)により策定され、商品を10桁の数字で表記し、最初の6桁の数字を世界共通とし、残る4桁は各国が自由に使用できる構成となっています。
日本の税表番号(税番)も6桁のH.S.コードの後ろに輸出入統計分類用として3桁、NACCS用として1桁を使用しています。
0407各種制度TradingAEO制度AEO制度を活用することで、輸出入業務の効率化を図ることができます。
日本のAEO制度*貨物のセキュリティ管理とコンプライアンス(法令遵守)体制が整備された事業者に対し、税関手続の緩和や簡素化策を提供する制度が世界各国で策定されており、日本においても世界税関機構が採択した国際標準に則ったAEO制度が設けられています。
日本のAEO制度は、2006年に輸出者を対象に導入され、その後輸入者、倉庫業者、通関業者、運送者、製造者に対象が広げられ、特定輸出申告制度、特例輸入申告制度、特定保税承認制度、認定通関業者制度、特定保税運送制度、認定製造者制度の各制度が設けられています。
また、AEO制度を持つ2国間で、AEO事業者を相互に承認し一貫したセキュリティ管理を行う相互承認も米国やEU他の諸国と進められており、AEO事業者の輸出入通関の利便性は高まっています。
AEO事業者認定の手続きAEO事業者の認定は、税関に申請書を提出し審査を受けて取得します。
審査内容は、安全保障貿易や通関に関する社内管理体制、規則や業務手順の整備、貨物の管理状況、帳簿の保管、内部監査体制、通関に関わるコンプライアンス体制や社内教育など多岐の項目にわたります。
*AEO制度:AuthorizedEconomicOperatorProgram
0408各種制度Tradingその他の通関に関わる制度その他の通関に関わる制度には、次のようなものがあります。
ATAカルネATAカルネとは、「物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約」(ATA条約)に基づく通関手帳のことです。
商品見本や展示品を条約加盟国に持込み、業務終了後にその国から持出すとき、ATAカルネを利用することにより、税関でその都度通関書類を作成することなく免税扱いにより輸出入通関手続を迅速に行うことができます。
有効期間は1年以内で、利用者はATAカルネの有効期間内に品物を持出す義務があります。
日本での発給手続きは、日本商事仲裁協会が行っています。
なお、ATAカルネはフランス語で、AdmissionTemporaire(一時輸入)とCarnet(手帳)を組合せた造語です。
国際郵便物の輸入通関手続き外国から送られてきた信書以外の国際郵便物は、課税価格が20万円以下の場合は、税関が関税を決める賦課課税方式がとられます。
税関検査の結果、郵便物に税金がかからない場合は、名宛人に直接郵便物が配達されます。
関税など税金が課せられる場合は税関から送付される「国際郵便物課税通知書」に従って税金を納付し、郵便物を引取ることができます。
課税価格が20万円を超える場合は、一般の貨物と同様に申告納税制度に基づいて輸入(納税)申告を行います。
輸入許可後の書類の整備と保存輸入許可を取得し貨物を引取った後、輸入者はインボイス、パッキングリスト、船荷証券のコピーなど通関に関する帳簿や書類を整備保存し、税関からの求めがあれば提出します。
関税法において、輸入許可貨物に関わる帳簿(品名、数量、価格、仕向人の名称、輸入許可年月日、許可番号等を記載)の備付けは7年、書類の保存義務は5年間と規定されています。
書類には、輸入許可貨物の契約書、運賃明細書、保険料明細書、インボイス、パッキングリストなどが含まれます。
また、関係書類が電子メール化されている場合には、そのメールを輸入許可日の翌日から5年間保存義務があります。
輸出入申告官署の自由化税関への輸出入申告は、貨物が蔵置されている場所を管轄する税関官署に対して行うことを原則としていましたが、この原則を維持しつつ、2017年10月より、AEO事業者(AEO輸出者、AEO輸入者、AEO通関業者を利用した申告)については、いずれの税関官署においても輸出入申告を行うことが可能となりました。
法人番号の導入税関への輸出入申告に使用する輸出入者コードには、税関輸出入者コードとJASTPRO*コードが使用されていましたが、2017年10月より法人番号が追加されました。
法人番号は、国税庁が公表している法人識別番号で13桁のコードですが、これに本支店識別用として4桁を加えた17桁を輸出入者コードとして使用しています。
*JASTPRO:JapanAssociationforSimplificationofInternationalTradeProcedures日本貿易関係手続簡易化協会
0409各種制度Trading輸出入通関と貿易手続きの電子化日本の輸出入通関と貿易許認可取得手続きはナックスによって連携されています。
貿易手続きの情報プラットフォームナックスは税関での輸出入通関手続に加え、各種貿易手続きの申請や情報伝達など各種業務のプラットフォームとして利用されています。
・税関業務:輸出入申告等の受理、許可・承認の通知など・通関業務:輸出入通関のための税関手続きなど・荷主業務:船積指図やインボイスの登録業務など・関係行政機関業務:輸出入関連手続きの受理、許可・承認の通知など貿易管理(経済産業省)輸出証明書等手続き(農林水産省等)食品衛生手続き(厚生労働省)医薬品医療機器等手続(厚生労働省)検疫手続き(厚生労働省)港湾手続き(国土交通省等)動植物検疫手続き(農林水産省)乗員上陸許可手続き(法務省)・保税蔵置場業務:貨物搬出入についての税関手続きなど・船会社と代理店業務:入出港の税関や港湾関係省庁手続きなど・コンテナヤード業務:コンテナの積おろし、搬出入の税関手続きなど・海貨・NVOCC業務:バンニング情報の登録や混載貨物の手続きなど・航空会社業務:入出港の税関、入管、検疫手続きなど・機用品業務:貨物の搬出入についての税関手続きや在庫確認など・混載業務:混載貨物の税関手続き、情報管理など・航空貨物代理店業務:保税蔵置場に対する搬入伝票の作成など・銀行業務:関税等の口座振替による領収・損害保険業務:輸入申告等で使用する包括保険料指数手続きなど・管理統計資料:入力された情報をもとに各種管理統計資料を作成、提供出所:NACCSセンターHPより作成
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