第2章解決!「契約、代金、保険」での困った
01メーカーがパッケージの変更を納得しない
02担当者が長期バカンスで連絡が取れない
03届いた見積額が展示会の時の話と違う
04全額前払いに応じたら商品が届かない
05商品は欲しいが、取引相手に不安がある
06契約条件だった信用状(L/C)の開設を銀行から断られた
07送金したのに、入金が確認できないと言われた
08契約した個数と、実際に届いた個数が違った
09アメリカの会社とFOB契約をしたが、商品が届かない
10運賃が重量ではなく、容積換算で高くなってしまった
11相手の勝手な判断で、輸送コストがアップしてしまった
12輸送途中で商品が消えてしまった
13商品が破損したが、海上保険をかけ忘れていた
14契約違反の裁判を起こそうとしたが…
第2章解決!「契約、代金、保険」での困った
01▼メーカーがパッケージの変更を納得しない
高価格の商品なのに、パッケージが極めてお粗末。
商談で「日本ではパッケージも商品のうちである」と説明するが、「捨てる物に、何でそんなに金をかけるんだ」と言わんばかりで態度を変えない……日本の場合、パッケージ(ギフトボックス)も商品の一部である。
しかし、海外では外装というのは捨てるものという感覚があり、あまり神経を使わない傾向が強い。
パッケージがらみでは、とにかくいろいろなことが起こるものだ。
たとえば、ヨーロッパからソファを2個輸入した時、一つのダンボールに互い違いに入れられて送られて来た。
引越しなどの時、イスの運搬でよく使うあの状態だ。
「我々のお客様は1個ずつを顧客に売るのです。
日本での配達を考えると、別にダンボールを探して入れ直さないといけない。
なぜ、1個ずつ別に梱包しないのか?」「コンテナに入れる時、このほうがスペースがうまく使える。
あなたも運賃のセーブになり、得だろう」「コンテナの運賃より、これでは日本での入れ替え作業のほうにコストがかかってしまうではないか」「日本人は細かいことを言う割りには、発注量が小さい。
アメリカを見ろ。
そんな細かいことは言わずにド~ンと買ってくれる」時には、こんな不届きな発言をする輸出者もいる。
中国や東南アジアの業者ばかりではなく、ヨーロッパの業者にもいるのだ。
そうしたヨーロッパの輸出者は、なぜこんなことを言うのか?ヨーロッパ各国の輸出者は、だいたいアメリカ市場をターゲットにしているからだ。
アメリカ人の民族性として、エコロジーとか安全性の問題意識レベルはかなり高いが、パッケージにはあまりこだわらない傾向が強い。
アメリカでは、日本の問屋に相当する中間業者があまりいない。
小売業者が直接メーカーから買い、簡単なパッケージのまま消費者に売る。
日本とは流通形態が違うのだ。
パッケージをあまり気にしないアメリカ人の民族性に秘密があるのである。
そうしたアメリカ市場を向いているヨーロッパの輸出者は、「日本向けだから……」と考えはしない。
日本市場の特殊性も知らないから、いつものアメリカ向け商品と同じ梱包で出荷してしまうことになるのである。
結論を言うと、「アメリカを見ろ」と言い張るメーカーとは付き合わないほうがいい。
アメリカへの出荷と同じつもりでいい加減な梱包で商品が送られてきたり、納期もアバウトで、顧客との板ばさみになってこちらが困ることになるからである。
そこで、高価格の商品にふさわしいパッケージにしたいあなたに、絶好のフレーズ、殺し文句を教えよう。
「これは私が言っているんじゃない。
あなたの気持ちも分かるけど、日本のマーケットが言っていると思ってほしい。
あなたは日本のマーケットと付き合いたいですか?これからも日本と付き合いたければ、その勉強をしていると思ってほしい」日本市場は、非常に魅力的な市場である。
今のフレーズを使えばやる気があり、日本市場での売り上げを伸ばしたいメーカーなら納得してくれる。
なんと言っても日本は世界第2位の経済大国なのだから。
【POINT】事前▼日本では、パッケージも商品の一部である。
商談相手がそのことをよく認識して、それに対応できるのかどうかを実際のパッケージで確認したうえ、取引を始めること。
よく言われることだが、日本の常識は世界の非常識。
世界の常識は日本の非常識である。
02▼担当者が長期バカンスで連絡が取れない
担当者がバカンスで2ヵ月も休暇を取っているとのこと。
顧客との納期も迫っているので、「担当者に連絡を取って折り返し連絡がほしい」旨のお願いをしたが、「バカンス中なので」の一点張りでラチが明かない……これは、実際にスペインの業者と取引した時の私の体験である。
9月に日本で展示会があり、私は出展を決めていた。
その展示会に出展する商品を依頼するため、7月にいつもの業者と連絡を取ったのである。
「セニョリータ○○はいらっしゃいますか?」「セニョール大須賀。
今、彼女はバカンスを取っている。
9月まで戻ってこないよ」9月出社では、展示会にはとうてい間に合わない。
「9月では間に合わないのです。
何とか連絡が取れないか?」「いま、彼女はバカンス中だと言ったでしょ」「バカンスは分かったけど、連絡くらい取れるでしょ?」「そんなことできないよ。
バカンス中の人間に、仕事の連絡なんかとれないよ」日本では、「○○は休暇中ですが、私が聞いて連絡を取ります」といった按配になるのにである。
ビジネスファーストの我々は日曜日でも連絡が取れるが、そうした日本的感覚はまったく通用しないのだ。
バカンスは長期休暇だが、休日も国によって異なる。
たとえば、日本人はゴールデン・ウィークは当たり前と思っているが、もちろん海外諸国にゴールデン・ウィークはない。
また、中国は2月に旧正月があり、その間はいっさい動かないと思わなければならない。
この期間に一生懸命に電話をかけても、メールを送っても、返事は来ないのだ。
休日は、各国によってさまざまである。
取引相手国の休日を知りたければ、どうするか?簡単な方法がある。
取引する相手国のカレンダーを入手すればよい。
そうすれば、相手の国の何月何日が休日になっているかは一目瞭然である。
【POINT】事前▼取引の前に、相手国の文化を理解することが重要である。
特にその国のバカンス休暇や休日のパターンは必ずチェックしておき、余裕を持ったスケジューリングをしておくことだ。
03▼届いた見積額が展示会の時の話と違う
海外の展示会に行って商談をしたが、その時に聞いた価格より高い見積書が届いた。
あわてて連絡すると、「そんな価格の話はしていない」と突っぱねられた……輸入ビジネス参入時によくあるパターンである。
「しっかり商談すれば大丈夫だろう」と安心してメモを取らないことが多いからだ。
こうした問題では、まず誰と価格の商談をしたかが争点になる。
展示会で交わした価格の話を証明するためには、証拠が必要であろう。
そのために自分が話したこと、相手が話したことをきちんとメモを取っておくことが大事なのである。
もう一つ、輸入ビジネスに慣れてきたころも危険である。
多少は実務経験を積んだことから油断が生じ、この種の問題が起きやすくなるのだ。
いまはE―MAILの普及により、展示会での商談も簡単になってきている。
「メールで、写真付きの見積書を送ります」「分かりました、それでお願いします」自分で書くという作業が面倒くさいのか、ややもするとこうした交渉になりがちである。
メールで到着した見積書を見ると、展示会で聞いた時の価格と違う。
あわてて連絡すると、「そんな話はしていない」と言うのだ。
しかし、展示会での商談内容をメモに取っておかなかったので、話はそれ以上進展しないのだ。
だってそうであろう。
証拠がないのだから。
こうした問題が起こる背景として、いくつかのことが考えられる。
ひとつめに、相手がこちらを品定めして、適当な値段を言っている場合がある。
輸出用のプライスリストを用意しておらず、気分で適当な値段を言うことがあるのだ。
信じられないかもしれないが、そんな経験が何度もある。
ふたつめとして、展示会で話をした相手と、実際に見積もりをする人間が異なる場合もある。
言い間違いもあれば、こちらの聞き間違いということもあり得るだろう。
私の場合、展示会には必ずノートを持参する。
自分の話したこと、相手の話した内容を書き、担当者のサインをもらうのだ。
当然、価格の話が出た時はノートに価格を記入したうえで相手に確認してもらい、忘れずに相手のサインをもらう。
輸出者が高い見積書を送って来た場合、担当者のサインがある部分を写真などに撮り、相手にメールを送る。
「ここに○○さんのサインがある。
今回は商談をした時の見積もりでやってください」こう主張すれば、相手はその価格でやらざるを得なくなる。
「安い見積書が届いたらどうすればいいのか?」こんな声も聞こえてきそうだが、その場合は「サービスだな」と考え、安い見積もりでいけばいいではないか。
めったにないことなのだから……。
【POINT】事前▼商談の際は必ずメモを取り、商談の最後にメモを確認してもらい、サインをもらっておく。
こうしておけば、この種の問題は起こりようがない。
事後▼事実なら、再度交渉すべきである。
証拠がないために水かけ論になる恐れがあるが、堂々と主張して交渉すべきだ。
国際的には、交渉はすることが常識である。
こうしたケースで、交渉慣れしていない日本人は泣き寝入りすることが多く、日本人はくみしやすいと思われている。
つまり、言葉は悪いが、なめられてしまうということだ。
04▼全額前払いに応じたら商品が届かない
初めての取引相手だったが、全額前払いの条件だった。
相手の会社の信頼性を確認せずに取引に応じたら、商品が届かなかった……まず重要なポイントは、初めての取引相手とは全額前払いの条件に応じないことだ。
絶対にやってはいけない。
私の例だが、4月に行われる展示会で陶器のオブジェに関心を持ち、少量のサンプルオーダーをしたのである。
すると、相手はこう切り出して来た。
「少量でも、サンプルは有料です。
料金は3万円になります。
送料も別にかかります」サンプルではサンプル料金と送料でいろいろなケース(「序章08▼サンプルを無料にできないか?」参照)があるが、この場合は合計3万5000円程度だった。
日本に戻ってから送金すると5000円程度の送金手数料がかかるので、振込料のセーブと思ってその場で支払って帰国したのである。
しかしなかなかサンプルが届かない。
連絡を取っても、一向に返事が来ない。
さらにまずいことに、私はその時の領収書を紛失してしまっていた。
料金を支払った証拠がなくなってしまっていたのである。
毎年4月と10月、私はその展示会を訪れていた。
10月に再びその展示会を訪れた時、料金を取っておきながらサンプルを送って来ない件のブースを訪れた。
「私のことを覚えているでしょう?4月の展示会にサンプルの料金を払ったのに、なぜ送ってくれないのですか?」すると信じられないことが起きたのである。
「えっ、なんの話でしょうか?記憶にありませんが」思わずムカッと来たが、私は領収書を紛失している。
これ以上いくら言っても、水かけ論に終始する。
これは想像だが、この業者の常套手段かもしれない。
領収書を提示すれば「ああ、あの時の」とか、「こちらの書類がどこかに行ってしまって」とかの対応をするのだろう。
私の場合は小額だったのでまだいいが、30万円ほど全額前払いしたのに商品が届かなかった悲劇の友人がいる。
なかには、全額前払いしたのに石ころが届いたという話もある。
では、実際に商品が届かなかったり、石ころなど届いたらどうすればいいのか?裁判にするという方法もないわけではない。
裁判の場合、準拠法と契約書が争点になる。
準拠法とは、どこの法律に基づいて裁かれるのかということである。
契約については先に少し触れたように、契約書は輸出者が作るものと、輸入者が作るものがある。
それぞれ自分にとって有利なように作成されているのだ。
日本の輸入者が作る契約書には「裁判は東京で行なう」と記載するが、輸出者が作る契約書には「裁判は自国で行なう」となっているのが普通である。
どちらで裁判を行なう際でも、たとえ勝訴しても、確実に取れるかどうかは保証の限りではない。
「毎月5000円ずつ10年払い」といった提案が出たとしても、とうてい現実的な解決策とは言えないであろう。
また、中国で訴訟を起こした場合、まず勝てる見込みはないと思っておくべきである。
【POINT】事前▼今の時代、全額前払いというのは相当強硬な条件で、いったん様子を見たほうがよい。
だいたい30%前金で、残り70%は船積み後に決済する条件が常識になっている。
何があっても、初めての取引相手に全額を前払いするようなことをしてはならない。
それを「自分の哲学」にしておく必要がある。
事後▼裁判に訴える手もあるが、事実上、経費倒れする場合も多い。
金額に応じて訴求するかどうかの判断をすべきである。
05▼商品は欲しいが、取引相手に不安がある
相手の商品は欲しいが、全額前払いの支払条件を出された。
心配な面もあるが、こうした場合の対処法はあるのか……前項でも述べたように、初めての取引相手には全額前払いに応じないことである。
しかし、その商品が非常に魅力的で、なおかつ日本市場で有望と思われる場合もある。
その場合、どうすればいいか?悩ましいポイントではある。
私は、次の2つのポイントを判断の手がかりにすることをお勧めする。
相手の対応を見て、信頼できるかどうか?人間の観察力が要求されるため、すべての輸入者にお勧めできる方法ではない。
しかし、やましいことを考えている人間は、どこかにおかしな素振りが出るものだ。
少しでも「おかしいな」と感じたら、とりあえず取引しない方向性にする。
自分が、その商品をどの程度まで欲しいのか?全額前払いのリスクと、その商品が欲しいあなたの気持ちとのバランスの問題だ。
リスクを犯してまでも輸入したいか、リスクを考えて輸入をやめるかだ。
問題は、その中間である。
相手の対応にはちょっと心配な点があったものの、なかなかその商品があきらめられないケースだ。
あなたはどうすればいいのか?目をつぶって全額前払いの条件に応じるのか?私の場合であれば、相手の会社の信用状況を調べる。
国際的な興信所を使えば、相手の会社の信用状況は簡単に調べられるのだ。
たとえば「ダンレポート」という有名な会社があり、東京にも支社があるのだ。
また最近、「帝国データバンク」もそうしたサービスを開始している。
データベースに資料があれば、1万円程度で情報を入手することができるのである。
資料がなければ、とを天秤にかけて判断する。
【POINT】事前▼初めての取引相手とは全額前払いの取引はしない。
これが大前提だが、商品が非常に魅力的で、しかも日本市場でも有望な場合、取引相手の信用状況を調べてトータルで判断をする。
06▼契約条件だった信用状(L/C)の開設を銀行から断られた
初回取引は信用状(L/C)が条件になっていたが、銀行でL/Cの開設を断られてしまった。
取引をあきらめるしかないのか……初回取引が必ずL/Cというわけではない。
今は現金のほうを喜ぶメーカーが多いのだ。
しかし少数だが、L/Cを求めるメーカーもある。
L/C決済の流れを思い出してほしい。
L/Cを開設するためには、輸入者と銀行との間に信用関係が必要なのだ。
初めての取引では、輸出者は「商品代金をきちんと支払ってくれるのか」という不安がある。
初回取引に輸出者がL/Cを求める理由は、輸入者の信頼度を見るためである。
さらに、輸出者の事業実績として、L/C取引が輸出者銀行の情報として伝わる。
その事業実績が輸出者にとって融資の審査対象になることも考えられるし、L/Cをもらった瞬間に、銀行からそれと同額の融資を受けられるメリットもある。
取引条件だったL/C開設を銀行に断られた場合、輸入者はどうすればいいのか?取引をあきらめるしかないのか。
実はそうとばかりは限らない。
本当にその商品を輸入したいのであれば、もう一度、銀行とL/Cの開設を交渉するのである。
その場合、L/Cと同額の現金を担保として提供すれば、だいたい開設を認めてくれるはずである。
銀行によっては条件をつけるケースも考えられ、銀行の担当者とよく相談することが求められるが。
再度の交渉でも、銀行にL/Cの開設を断られたらどうするか?万事休すなのか?いや、それでもまだ手はある。
どうしてもその商品を輸入したければ、あとは情熱を見せる一手である。
相手にその商品への熱い思いを語り、送金ベースでの輸入を再度依頼してみるのだ。
あなたの情熱が伝われば、「YES」は出るのだ。
【POINT】事後▼銀行にL/C分と同額の現金を担保として提供し、再度開設を依頼する。
それでも銀行が開設を拒否した場合は、輸出者に正直にその旨を伝えて送金ベースにしてもらう。
送金ベースがNOであれば、その取引は断念するしかない。
07▼送金したのに、入金が確認できないと言われた
中国に送金する際、日本国内での送金と同じように、振り込んだその日に着金するものと考えていた。
貨物の到着を待ったが一向に届かず、メーカーに問い合わせると入金が確認できないとのこと……私たち日本人はまず、とてつもなく便利な国に住んでいることを自覚しなければならない。
銀行送金をすれば、その日のうちに相手の口座に着金する。
それが当たり前の感覚になっていると、失敗することがあるのだ。
たとえば、欧米では振り込めば1~2日のうちにだいたい着金するが、中国では1週間、時には10日もかかることがある。
そうした事情を知っていないと、こうしたケースが起こるのである。
輸出者が、着金を確認してから商品を出荷したいと思うのは当然である。
商品を出荷したはいいが回収不可能では困ったことになるからだ。
そうした事態を避けるためにはどうすればいいのか?簡単でありながら、良い方法がある。
銀行送金が済んだ段階で、銀行印が押してある送金依頼書を輸出者にFAXしておくのだ。
銀行印がある依頼書が届いた段階で、だいたいの輸出者は出荷してくれるはずである。
日本の銀行は世界でも信用があるのだ。
最近は日本の銀行も破綻したり、信用不安に陥ることもある。
しかし他国の銀行と比べた場合はまだいいほうなのだ。
ただ自国の銀行を見ている輸出者は、銀行そのものを信用していないケースもある。
こうした輸出者は、着金を確認しないと商品の出荷をしない場合もある。
余談になるが、中国に輸出する日本メーカーは、輸出先の中国企業がなかなか製品代金を支払ってくれない悩みや、不払いの悩みを訴えるケースが多いのである。
中国の会社で、どんな経理マンが優秀、有能と言われるかご存知だろうか。
驚いてはいけない。
「金を払わない経理マンこそ優秀、有能な経理マン」なのである。
支払いを催促すると、だいたいこんなやり取りになる。
「あの商品の支払代金がまだ未入なのですが……」「今、一生懸命にやっています」「いつごろの入金になるのか?」「ハッキリとは分からない」「きちんと支払ってくれるんでしょうね?」「もちろんだ、支払います」「いつごろの入金になるか、具体的にならないのでしょうか?」「入金を急ぎますか?急ぐならそこで相談だが、支払方法を分割に変更させてくれないか?」実話である。
日本のメーカーとしては、商品代金が不払いになると困る。
支払方法の変更にしぶしぶ同意して分割払いになるが、それでも確実に支払われる保証はない。
私たち輸入ビジネスに携わる者とは真逆の話だが、中国の一つの顔を知っていただきたいのだ。
【POINT】事前▼銀行送金が済んだ段階で、輸出者に送金した旨を証明する「送金依頼書(銀行印が押されたもの)」をFAXしておく。
だいたいの輸出者は、その時点で出荷してくれるはずである。
事後▼大至急、「送金依頼書」をFAXする。
同時に、大至急での出荷を要請する。
08▼契約した個数と、実際に届いた個数が違った
スペインの会社に100個の注文をしたのに、届いたのは104個だった。
商品は100個でいいのだが、返品できるのか……商品の個数については、増減があるものと心得ておく必要がある。
商品は、船便の場合通常コンテナに入れて輸送する。
コンテナには20フィートと40フィートの2種類がある。
輸出者は、依頼された商品が、一つのコンテナに積める個数を割り出すことができる。
その量によってそのどちらのコンテナにするのかが決まる。
しかし契約の際に、輸入者の要望でカートンの形を変えたり、ギフトボックスの形を変更することがある。
その場合、商品1個あたりの大きさが変わってくるのは理解できよう。
これを「measurement(メジャーメント)」と呼ぶが、一カートンのメジャーメント(容積)が小さくなるケースがある。
その場合、発注量だけではコンテナを満載にできず、結果として輸送途中に荷崩れの可能性が出てくるのである。
そうしたリスクが想定される場合、輸出者からこんな要望が来ることがある。
「発注されたカートンで積むと、満載にならず荷崩れを起こす可能性がある。
注文数は100個ですが、106個にしてもらえませんか?」――荷崩れを起こして破損でもすると、そちらのほうが被害が大きくなる。
輸入者は多少個数が増えても安全なほうがいい。
「OK、106個にしてください」――こう返事することになるが、もちろん増えた分の品代は払わなければならない。
このように納得づくの場合は、問題はないのであるが、輸出者から連絡がなく突然、発注量より多い受注書が届くことがあるのだ。
輸入ビジネスを行なっている人間には常識だが、初めての人はビックリするだろう。
契約書の条項に10%の増減を認める旨の一言がある場合が多いからである。
逆に、パッケージ仕様を変更したために、コンテナに積める個数が減ることもある。
たとえば100個の発注でも96個しか届かない。
この場合は当然、料金は96個分でよいのは言うまでもない。
【POINT】事前▼契約書には、「10%ぐらいの個数の増減はあり得る」という一項が入っていることが多く、改めて説明しない場合もある。
契約書を確認しておくこと。
事後▼契約書に「増減があり得る」の項目があって個数が増えた場合、増えた個数分の料金は支払わなければならない。
個数が減った場合、減った個数分の料金は差し引いてもらう。
09▼アメリカの会社とFOB契約をしたが、商品が届かない
アメリカの会社と、FOB(本船渡し契約)で契約した。
輸出者から出荷済みの連絡があったが、待てど暮らせど到着の案内がない。
納期が迫ってきたので再度輸出者に確認を入れたところ、間違いなく出荷済みとのこと。
よくよく調べてみると、商品はシカゴの貨物用倉庫に放置されたままだった……FOBとはどういう貿易条件だったか、覚えておいでだろうか?もう一度、「序章18▼貿易条件がよく分からないが…」を思い出してほしい。
通常、FOBとは、「輸出者が本船に商品を乗せてくれる契約」だ。
契約で指定された港で、輸入者が手配した本船に、輸出者が商品を積み込んで引き渡す。
船に積むまでのリスクと運賃などの費用は、輸出者の負担になる。
それ以降のリスクや運賃、保険料は輸入者が負担する。
このFOBは、国際商工会議所が取り決めた「インコタームズ(貿易条件の解釈原則として規定されたもの)」の国際ルールになっているが、アメリカの場合は多少ニュアンスが異なっている。
実は、アメリカでFOBと言った場合、国内法で6つのFOBの形式が存在するのだ。
厄介なことに、その中にはEXWORKS(工場渡し条件)を始め、商品を本船に積み込まない契約も含まれている。
さらに、アメリカ国内の輸送費や船積み費用が輸入者負担になることも多いのである。
もし、そうしたFOB契約であればどうなるか?あなたが本船を手配していても、商品は船積みされない。
いくら首を長くして到着を待っていても、このケースのように倉庫に放置されたままの事態が起きてしまうのである。
【POINT】事前▼アメリカのFOBの定義を知らなければ、こうしたケースは起き得る。
アメリカとのFOB契約では、契約内容の確認を怠らないことである。
事後▼そのままでは納期に間に合わないだろう。
顧客と相談して納期を延ばしてもらうとか、キャンセルされても輸入して販路を発見するなど、最善と思われる処置を講じることである。
10▼運賃が重量ではなく、容積換算で高くなってしまった
中国から5個口(約75キロ、480個)ほど、見積書を取らずに某大手国際配送会社を使って航空輸送で輸入した。
480ドルのFOB金額に対し、運賃が重量ではなく、箱の容積に換算されて21万円になってしまった……輸入ビジネスに慣れないうちは、輸送費の決まり方は非常に理解しづらい一面があると思われたのではなかろうか。
通常、海上運賃の建値(運賃計算の基準となる単位)は次のようになっている。
容積建て運賃(measurement)……通常、1立方メートルを1トンとする「容積トン」で決められる。
重量建て運賃(weight)……重い貨物に適用される。
原則的に1トンは1メトリックトン(metallicton)、つまり1000キログラムを「1重量トン」と決めている。
従価建て運賃(advalue)……商品が高価な場合、インボイス(納品・請求書、仕入れ書)上のFOB価格に一定率をかけて算出される運賃。
ボックス・レート(boxrate)……コンテナ単位で表示される運賃。
「コンテナ1本でいくら」という運賃設定である。
以上が海上運賃の基本的計算法である。
容積建てか、重量建てかの選択は、船会社が選ぶのである。
当然、船会社は自分が有利なほうを選ぶ。
たとえば重いものは「重量トン」で、かさばるものは「容積トン」でかけるのである。
このケースのように、航空輸送の場合はどうなるのか?航空輸送の場合、基本的には、容積と重量のどちらか大きいほうで決められる。
容積は6000立方センチメートルを1キログラムに換算する(ただし、7000立方センチメートルを1キログラムとする一部の国もある)。
航空運賃は、ミニマム運賃、45キログラム未満、45キログラム以上、100キログラム以上、300キログラム以上、500キログラム以上、1000キログラム以上に分けられている。
それぞれの場合に応じてキログラム当たりの運賃が設定され、重くなるほどキログラム当たりの運賃が安くなる。
これを「重量逓減制」と言う。
普通の場合、国際貨物運送会社に商品の種類を話して、運賃の見積もりを取る。
このケースのそもそもの過ちは、見積もりを取らずに輸入してしまったことにある。
私も、似たようなケースを経験した。
展示会に間に合わせようと、オランダから3点セットのソファを2組輸入することにした時のことだ。
時間が切迫していたので見積もりも取らず、とにかく輸出してくれと相手に依頼した。
後日運賃の請求書を見ると、何と50万円になっていた。
目玉が飛び出た。
通常、運賃は、貨物が積まれる国の通貨建てで決められる。
ドル圏であればドル、ユーロ圏ならユーロ、イギリスならポンドになる。
一方、私たち日本の輸入者にすれば、円をその通貨に換算して支払わなければならない。
見積もりを取れば、運賃のだいたいのところは把握できる。
しかし、そこに為替レートの変動という厄介なものが入っているため、実際に輸送しないと分からないことになるのだ。
【POINT】事前▼基本的に、輸送は運賃の見積書を取ってから依頼すべきである。
見積もりを精査し、納得したうえで依頼すべきであろう。
事後▼ダメもとで交渉してみる。
実際、このケースでは交渉がうまく行き、21万円の送料が12万円まで下がった。
ただし、交渉すれば必ず送料が値下げされるとは限らない。
11▼相手の勝手な判断で、輸送コストがアップしてしまった
事前に全体の量を確認していなかったため、商品量が多すぎて一つのコンテナに積みきれなかった。
2つのコンテナに分かれてきたため、思った以上にコストがかかってしまった……このケースは、ヨーロッパの輸出者との取引の時の話である。
「20フィートのコンテナで船積みしたいので、そのコンテナにジャストフィットする商品数にしてほしい」輸出者のほうから、こう依頼された。
私のほうはそれほどの量は不必要だったが、相手の言い分を飲み、その量の輸入を承諾した。
2ヶ月後、輸出者から連絡が入った。
「1つのコンテナに積みきれなかった。
30個残ったから、その分のコンテナを別にしました。
書類が2通行くから処理してほしい」「ちょっと待ってくれ。
最初からそんな量は要らないんだ。
余った30個は積まなくていいんだ」「ミスター大須賀、もう積んでしまったよ」商品が船積みされてしまった以上、動きは取れない。
しかも、積めなかった分は「LCL(LessthanContainerLoad=混載)」になっていた。
前にも触れたが、混載というのは1つのコンテナにいろいろな輸入者の商品が詰め込まれる輸送形式である。
この時の契約はFOB契約で、商品を船に載せるまでが輸出者の責任で、船積み以後のコストは輸入者の負担になる。
わずか30個の商品のために、しかも本来は欲しくもない商品のために、混載分のコンテナ代をはじめ、輸送費も通関費用も新たなコストが発生することになってしまったのだ。
ヨーロッパのメーカーであり、キャリアもあったから大丈夫と信頼してしまったが、実はこの輸出者は輸出ビジネスを始めたばかりだった。
輸出実務に不慣れだったために、20フィートコンテナに積める量を把握していなかったのだ。
幸い、この商談はL/Cではなく、商品到着後に半金を支払うという契約を結んでいた。
商品が着いたあと先方と連絡し、交渉することにしたのである。
「思い出してほしい。
『20フィートコンテナにしたいので、その量にしてほしい』と言ったのはそちらですよね?」「確かに、そうです」「30個残ることが分かった時に、『積めなかった分はどうする』と聞いてくれれば、30個はキャンセルした。
あなたが私の立場ならそうは思いませんか?」「私もキャンセルしてくれと言ったと思います」「それなら、LCL分のコンテナ代を全部とは言わないから、半分負担してほしい」相手もさすがに非を認め、LCL分のコンテナ代の半分を負担してくれたのである。
【POINT】事前▼いったいどの程度の商品が1回で輸送可能なのかを確認したうえで、発注すべきである。
積み残しの連絡があった場合、どうしても必要な場合を除いて、積み残し分はキャンセルをお願いする。
相手が把握している数字が正確かどうかは、相手の輸出キャリアを聞けばだいたい予想がつくものである。
事後▼事態が分かった時点で、次の取引で余計にかかった費用を差し引くように依頼する。
輸出者にも、話せば分かる人間と、話しても分からない人間がいる。
国によっては、後者が圧倒的に多いところもあるので注意してほしい。
12▼輸送途中で商品が消えてしまった
B/L(船積書類)も届いて商品を待っていると、コンテナに積まれているはずの自分の商品がないという。
どこで商品が消えたのかも分からない……「輸送途中で、商品が消えることなどあるのか?」こう思われる方があるかもしれない。
だが、輸入ビジネスでは実際に起こりうるケースである。
幸いにも1度だけだが、私も商品が行方不明になった経験がある。
ある日、国際貨物運送業者(フォワーダー)から電話がかかってきた。
「大須賀さん、コンテナを開けて荷主別に貨物を仕分けしていたんですが、積まれているはずの大須賀さんの貨物がありません。
B/L(船積書類)には、間違いなくこのコンテナに積まれたことが示されていますが、貨物がないのです」一瞬相手が何を言っているのかわからなかった。
普通なら考えられないことだが、こうした不思議なことも起こる。
では、なぜ輸送の途中で商品が消えたのか?この時の輸送は、LCL(混載)だった。
LCLでは、「コンソリデーター」という職業の人間が、いろいろなメーカーから輸出商品を集め、コンテナに乗せて輸出するのだ。
商品が消えるのは、そのコンソリデーターがくすねたか、そこに出入りしている人間が持ち去ったかした場合しか考えられない。
ただいかんせん全くもって物証がないのである。
こうした場合、現地まで出かけて商品を探すことなど事実上不可能である。
いったいどこで、どの段階で商品が消えたのか分からないため、探しようもない。
できることは、外交貨物海上保険でカバーすることだけである。
外交貨物海上保険に入っていれば、紛失・破損を始めとするいろいろなトラブルの損害がカバーできるのだ。
しかし保証される額は、CIF(運賃・保険料込価格)の110%しか保証されない。
販売すれば得られたであろう利益は、たった10%しか見てもらえないのだ。
こんなに苦労して10%では、わりに合わないと感じたものである。
それでももらえないよりは、いいのだが。
【POINT】事前▼輸送時のリスクヘッジのため、外交貨物海上保険をかけておく。
支払う保険料はそう高くはない。
料率は扱う商材によって異なる。
大切なのは、必ず保険をかけるということだ。
事後▼事実上、消えた商品の捜索は不可能だ。
商品はあきらめて、外交貨物海上保険でカバーするしかないだろう。
13▼商品が破損したが、海上保険をかけ忘れていた
到着した商品の一部が破損していた。
海上保険をかけ忘れていたため、破損した貨物は廃棄せざるを得なくなった。
かけ忘れに備えた保険のかけ方はないのか?……外交貨物海上保険は、輸送開始前に申し込む必要がある。
しかし現実的には、その時点では保険申し込みに必要な内容(船名、船積港、出港日など)は分からない。
契約を結んだら出来る限り早く「予定保険」を申し込み、輸出者から出荷案内(ShippingAdvice)が届いたら、確定保険に変更するのだ。
とはいえ、取引のつど外交貨物海上保険をかけるのは面倒なものである。
実は、外交貨物海上保険には2種類用意されている。
個別予定保険▼文字通り、個々の輸入のたびに申し込む保険包括予定保険▼継続的な輸入がある場合、保険会社と事前に結ぶ保険包括予定保険を利用すると、1回ごとに予定保険を結ぶ手間が省けるうえ、保険のかけ忘れによるリスクが防げる。
さらに、確定保険の申し込みだけですむので便利である。
前項のポイントで、「外交貨物海上保険の保険料は、扱う商材によって異なる」と述べた。
輸入ビジネスで扱う商材は色とりどりで、破損しやすいものもあれば、まず破損を心配する必要がないものもある。
包括予定保険でも、事前に扱う商材すべてにわたって支払う保険料を決められない。
輸入する商品は、随時変わっていくものでもあるからである。
そこで、比較的扱いが多い商材を申告し、事前に、ある程度の保険料(保険金額×保険料率)を決める。
商品が変わっても、ここで取り決めた保険料率が適用されるケースが多い。
ちょっとした裏ワザである。
【POINT】事前▼かけ忘れを防ぐ意味で、一定期間、1回1回かけなくても包括的にすべてに保険が自動的にかかる包括保険の仕組みを利用する。
事後▼保険のかけ忘れは自己責任。
廃棄処分にせざるを得なくなったとしても、損害を補填してくれるところはない。
保険のかけ忘れで失敗したら、必ず保険をかけることを教訓として生かしてほしい。
14▼契約違反の裁判を起こそうとしたが…
相手から送られてきた契約書をよく見ずにサインしてしまった。
契約違反があったために裁判を起こそうとしたら、管轄裁判所が海外の裁判所になっていた……契約は、輸入ビジネスでもっとも大切なポイントの1つである。
輸入ビジネスを行なう以上、日本と海外とでは、契約に関する考え方がまったく違うことを認識しなければならない。
「これは形式です。
なにかあったら私が責任を持って対応しますから」日本では契約書を出すほうも、もらうほうも、こんなことを言うことが多い。
あなたもご経験がおありだろう。
トラブルが起きた場合でも、交わした契約書にしたがって処理されることもない。
日本では契約書の一番下に、「トラブルが起きたときは、お互いに誠意を持って話し合いで解決する」といった一項が入っているのに気づかれたことはないであろうか。
非常に日本的な文言である。
しかし、海外では、こんなことは絶対にあり得ない。
「もしトラブルがあったら、お互いに誠意を持って話し合って解決しましょう」あなたがこう言ったとすると、必ずこう反論されるはずである。
「誠意を持って話し合いで解決するなら、最初から契約は不必要じゃないか」特に欧米では、契約書に玉虫色の部分がないのだ。
起きそうなことはほとんど想定されているので、契約書類はまるで本のような分厚いものになる。
その代わり、彼らは、契約書に書かれていることはきちんとやる。
ビジネスを通じてプライベートでいくら仲良くなったとしても、それでも「これは契約書にないけど、お願いしたい」は通用しない。
「それは契約外だから」とサラリと言われるのだ。
実際の輸入ビジネスでは、輸出者・輸入者がそれぞれ自分に有利な契約書を作り、その契約書を相手に送って相手がサインするのを待つことは前述した。
訴訟に関しては、訴訟は「自国法と自国で行なう」と書くのが普通である。
もちろんその方が、やりやすいからである。
輸入ビジネスでベストの契約方法は、あなたが作った契約書を送り、相手に「イエス」と言わせる方法だ。
しかし輸出者も、自分が有利な契約内容で契約したい。
このままお互いに自分の立場を貫けば、永遠に取引にはならないだろう。
実際の現場では、どちらが切迫度が高いかで決まるのだ。
「どちらがシビレを切らすか」と言ってもよい。
相手が先にシビレを切らすまで、双方とも相手が作った契約書にサインせず、自分が送った契約書がサインされてもどって来るのを待つ。
これを「書式の戦い」と呼ぶ。
その間、お互いに具体的には何も言わず、微妙なやり取りが行なわれる。
「そういえば、この間の話はどうなった?まだ契約書をもらっていないね……」「今、検討中です。
そちらこそどうしたんですか?契約書を送ったんですけど……」「こっちも検討中ですよ」こうしたやり取りの1~2週間後、再び同じようなやり取りが交わされる。
「書式の戦い」の意義は、相手に、自分の姿勢を相手に見せることにあるのだ。
相手の契約書に不服も言わずにサインすると、「この相手はくみしやすい」と思われかねない。
しかし、「書式の戦い」の姿勢を見せると、「中途半端なことはできない」、「手ごわい相手だ、いつもより丁寧に仕事を運ばないと……」と思わせることができるのである。
しかし、いつまでも「書式の戦い」を続けていてはビジネスが始まらない。
そんな時はどうすればいいのか?「じゃあ、表面約款で行きましょう」こう提案すればいいのだ。
「表面約款」と言うのは「商品の到着日時、代金支払いの方法」など、どちらも合意できる内容だけを表面に書いたものである。
その他、裏面に書かれた合意できない一般条項(細かい条件)についてはサインしないのである。
表面約款だけで取引をスタートさせると、それぞれの手元に、自分だけがサインしたあなたが作った契約書と、相手だけがサインした相手の都合で作成された契約書の2通りが残されることになる。
訴訟になった場合、どこで裁判を行なうかの合意はあらためてしないのである。
では、表面約款で取引を始めて、何かトラブルが発生した場合はどうなるのか?お互いに契約書にサインしていないので、トラブル解決のための話し合いを持つことになる。
相手が作成した契約書でビジネスを進めなければならない時でも、自分に不服な部分があれば変更を主張し、出来る限り自分に有利な条件にしておくことである。
【POINT】事前▼契約書は必ず自分サイドで作成し、「裁判の場合は自国法と自国で行なう」ことを相手に認めさせておくことがベスト。
認めない場合でも、相手の契約書にサインせずに「表面約款」で取引をスタートさせることもできる。
事後▼管轄裁判所が海外の裁判所の場合、事実上、あきらめたほうが費用対効果は高いのが現状である。
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