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第3章解決!「通関、関税」での困った

目次

第3章解決!「通関、関税」での困った

01船会社からの貨物到着案内を見過ごしてしまった

02必要な書類がなくて通関できない

03到着が遅れ、普通の通関だと納期に間に合わない

04商品の一部に輸入できないパーツがあった

05商品は、国内法で検査が必要な商品だった

06健康食品を輸入したが、「薬事法」に引っかかった

07税関での見解が異なり、関税が高くなった

08特恵関税の申請に必要な書類を取り寄せ忘れた

09特恵関税の枠がいっぱいで、適用されなくなった

第3章解決!「通関、関税」での困った

01▼船会社からの貨物到着案内を見過ごしてしまった

船会社から送られた「ArrivalNotice(貨物到着案内)」のFAXを見過ごしてしまった。

気がついた時は、貨物保管代金がとんでもない金額に膨れ上がっていた……船会社からの貨物到着案内を「ArrivalNotice」と呼ぶ。

普通の場合、船会社は貨物の到着案内をFAXで通知してくる。

ヨーロッパからの海上輸入だとだいたい1ヵ月、アメリカなら14~20日、中国なら3~5日で日本に到着する。

到着後、本船が入港してから通関まで、無料で貨物を置ける期間が決まっている。

これを「フリータイム」と言う。

フリータイムは10日から11日ぐらいが多い。

このケースのように到着案内を見過ごしたり、案内自体を紛失してしまうと、フリータイムをオーバーすることになる。

そこで費用が発生し、日割り計算の貨物保管代金が日ごとに膨らんでいってしまうのだ。

私もそんな苦い経験がある。

到着案内を見過ごしてしまったのだ。

シンガポールからソファを輸入した時、フリータイムをオーバーして費用が発生してしまった。

さらに、そのことから納期が遅れ、こちらでもペナルティをくらってしまったのである。

どんな時に、こうしたケースが起こり得るのか?まず輸入ビジネスに慣れていない場合だろう。

いろいろなことに忙しくしているうち、到着案内を見過ごしたり、紛失してしまうことになる。

次に、納期が意外にゆるやかな場合が考えられる。

予定の納期よりも早めに商品が到着するような形でオーダーすると、「先の話だからまだまだ大丈夫」とつい油断してしまう。

その「つい」が到着案内でのミスを起こさせてしまうのだ。

注意されたし。

【POINT】事前▼事前に、船会社に本船の入港予定を確認しておく。

その日が近くなったらFAXで到着案内が来ることが多いので、注意を払っておくこと。

事後▼ダメもとで事情を説明し、貨物保管代金の値引き交渉をする。

事情は理解してくれるかもしれないが、値引きに応じてくれる可能性は低いと覚悟しておく。

02▼必要な書類がなくて通関できない

中国から港に商品が到着したが、B/L(船荷証券)が届いていなくて通関できないでいる……「B/L(船荷証券)」とはどんな書類か?輸入ビジネスを行なう以上、B/Lがどういう書類で、この書類がなければどうなるかはしっかり頭に叩き込んでおいてほしい。

B/Lとは、「輸出者があなた(輸入者)の商品を船積みすると、輸出者に対して、船会社が発行する貨物受領書」である。

同時に、重要な性格がある。

それは、「船会社が運送を引き受けた運送契約書」でもあることだ。

船積みが終わった段階では、B/Lはまだ輸出者の手にある。

実はB/Lは、貨物の受領書と運送契約書以外に、「有価証券」の性格も持っている。

そこであなたは、輸出者に裏書をしてもらって、その証券を買い取る必要がある。

ここまではよろしいだろうか。

大事なところである。

その証券の買い取りが「代金支払い」に相当するもので、代金支払いの代表が送金と信用状決済(L/C)である。

あなたが所定の支払いをすると、輸出者はB/Lをあなたに送って来るのだ。

重要なことは、このB/Lを最終的に持っている人だけが、本船到着後の港で貨物の引渡しを船会社に請求できることである。

したがってあなたの商品が港に到着する前に、必ずB/Lを手に入れておかなければならない。

「なかなかB/Lが届かない。

納期もあるし、通関に間に合うのか?」実際に輸入ビジネスに携わっていると、こんなケースをたびたび経験することになる。

ただひたすらB/Lの到着を待っていると、フリータイムを超えたために余分な費用が発生することになってしまう。

L/Cを使った場合は、そうしたリスクがさらに大きくなる。

L/Cを使うと銀行経由でB/Lが回ってくるが、どんなに早くとも1週間とか10日ぐらいかかるからだ。

フリータイム中にB/Lが届いて通関できればいいが、遅れるとフリータイムの枠内に収まりきらなくなる可能性が出てしまうのだ。

しかし、方法はある。

その方法を伝授しよう。

「サレンダー」と言う手法を使うのだ。

サレンダーは、簡単に言うと「B/Lなしでも、輸入者が貨物を入手できる」方法である。

ただしこれは送金ベースに限定されることに要注意だ。

サレンダーでやる時は、決済が送金ベースと決まったときに「B/Lはいいから、サレンダーでお願い」と輸出者に伝えておけばよい。

そうした意味でも、L/Cではなく、送金ベースの決済が増えているのである。

これは法律上の制度ではなく、あくまで輸出者と輸入者が使う便宜上の手法である。

言葉を換えると、「現場の知識」とも言えるだろう。

【POINT】事前▼B/Lがないと、何人たりとも貨物を引き取ることはできない。

事前に、「輸入者がB/Lなしでも貨物を引き取る方法(サレンダー)でお願いする」と輸出者に言っておけば、問題なく引き取り可能である。

ただし、この方法は、送金ベースの場合に限られることに注意が必要である。

事後▼再度、先方にB/L送付の確認をする。

何かの事情で先方の入金確認が遅れていることもある。

銀行印のある送金依頼書を輸出者にFAXすること。

03▼到着が遅れ、普通の通関だと納期に間に合わない

商品の生産が大幅に遅れ、港に到着したのは納期ギリギリ。

普通に通関が終わるのを待っていたら納期に間に合わず、ペナルティを払ったあげく、キャンセルも考えられる……時期ものとかシーズンものの商品の場合、こうしたケースが発生しかねない。

たとえば、ボジョレーヌーボーのように解禁日が決まっているものがある。

こうした商品の場合、輸入者は解禁日ギリギリに港に到着するように手配しておく。

早く輸入すると倉庫代がバカにならないからである。

正月用のカズノコなどもそうだろう。

輸出者が作る契約書に、次のような一項が書かれているケースがある。

「やむを得ない事情があった場合、納期が遅れることもある」これに対し、輸入者が作る契約書ではこう書かれる。

「いかなる理由があろうと、納期は厳守すること。

納期が遅れた場合、1日の遅れについて○○のペナルティ料を支払う」双方がこの姿勢を貫くと、ビジネスはスタートしない。

こうした場合はどうするか?「納期の遅れは絶対に認められない。

『納期が遅れることもある』という契約書の一項目は削除してほしい」こう交渉すれば、「じゃあ、その項目は削除しよう」と、輸出者は削除してくれる。

製造に遅れが生じることも考慮し、輸入者は、ある程度余裕を見た納期に設定するのが普通だ。

しかし、このケースのように、予定より生産が遅れて納期ギリギリの商品到着。

普通の通関では納期遅れのペナルティやキャンセルが生じかねない事態も起こり得る。

こうした場合、どうすればいいのか?答えは「ポイント」を見てほしい。

【POINT】事前▼基本的に海外商品の納期は遅れるものとしたスケジューリングを考えておくべきである。

いろいろなリスクを考えた場合、タイトな日程は組んではいけない。

事後▼輸入申告と同時に「担保提供書(銀行等の保証書を添付)」と「輸入許可前貨物引取り承認申請書」を税関に提出し、許可前に商品を引き取る手続きをすればいいのだ。

必要な書類は税関にすべてそろっているので安心してほしい。

04▼商品の一部に輸入できないパーツがあった

画期的な商品を発掘し、その商品を展示会に出展しようと計画したら、何とその商品の一部に輸入できないパーツが含まれていた……商品には、法律で輸入が禁止、あるいは検査や許可が必要なものがある。

輸入制限品……外為法(外国為替法)によって輸入が制限されているもの輸入禁制品……公安または風俗を害するもので輸入が禁止されているもの。

たとえば麻薬、拳銃、コピー品、偽造紙幣、わいせつ品など輸入規制品……国内法(薬事法、酒税法、食品衛生法、植物防疫法など)によって輸入規制されているものうっかりしたために、私も、「植物防疫法」で苦い経験をしたことがある。

スペインのある展示会で、魅力的なテーブルランプを発見した。

テーブルランプのボディの部分がガラスになっていて、そこにドライフラワーが入っている。

スイッチを入れるとドライフラワーに光が当たり、何ともかわいらしい。

メーカーに聞いてみると、日本との取引はほとんどないという。

胸が高鳴った。

日本未上陸の商品で、消費者にも受け入れられる自信があった。

こうしたケースでは、独占販売権付きの交渉がベストだ。

しかし交渉は難航した。

相手がなかなかイエスと言わないのだ。

私は、販売計画、販売努力目標、日本の市場の可能性などを熱心に伝えた。

「OK、1年間なら独占販売権を認めよう」交渉の結果、私は、期間限定ではあったが独占販売権を得ることに成功した。

私は、この商品を「東京インターナショナルギフトショー」に出展する決意をした。

このショーは、日本では最大級のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市とされている。

これが私の会社の見本市デビューだった。

商品はショーのぎりぎり前に届く手配になった。

しかし、いつまで待っても商品が届かないのである。

「貨物が全量検査されています。

悪いことに、今回の輸入分のうち、輸入できないものが含まれているようです」通関業者に問い合わせると、こんな返事が返ってきた。

業者が税関に輸入申告すると、税額を確定させるために、税関は個々の申告を次のような区分に分ける。

区分1……審査なし区分2……書類審査区分3~5……現品検査このうち、区分3~5になるとやっかいである。

現品検査には「見本検査」「一部指定検査」「全量検査」の3つがあり、私の商品が全量検査に回されてしまったのだ。

商品の一部に「植物防疫法」で輸入できないものに該当する疑いがあったからである。

いまさら見本市への出展取り消しはできず、検査に時間がかかってテーブルランプも見本市に間に合わず大恥をかいたのである。

見本市期間中、私のブースには、サンプル輸入した3つの商品がポツンと並んでいただけであった。

何とも情けない出展だった。

後日、この商品はドライフラワーの部分を取り除いて輸入した。

それでも商品価値はあると判断したからである。

【POINT】事前▼輸入は基本自由である。

しかし、いろいろな事情によって規制がかけられているものがある。

輸出先では問題なく販売されていたとしても、それが必ずしも日本でも販売可能であるとは限らない。

あやしいと感じたものは、必ず事前にサンプルを取り寄せて税関、もしくは関係官庁におうかがいを立ててから輸入すべきである。

検査になった場合、かかる費用はすべてあなたの負担になる。

検査費自体はさほどではないが、コンテナを開ける費用(デバン)や、抜き取り後の積み込み(バン詰め)などが加算されると、驚くような金額になる。

頼んでもいないのに、である。

区分3~5は避けたいのは人情だ。

その“いい方法”を伝授しよう。

「日本貿易関係手続簡易化協会(03―3555―6034)」で行なっている「日本輸出入者標準コード登録」をするのだ。

特に同じ商品を何度も輸入することが考えられる場合、絶対に登録をお勧めする。

私の実務経験から、区分3~5になる確率は飛躍的に少なくなるのである。

事後▼輸入規制に引っかかるパーツを取り除けば、輸入は可能である。

ただ、その部分がなくとも商品価値があれば、の話である。

取り除いた場合に商品価値がなくなるようでは、やむを得ないが廃棄処分にするしかない。

05▼商品は、国内法で検査が必要な商品だった

通関を待って即納することになっていた商品が、検査が必要な商品だった。

通関に手間取ってやっと通関した時は納期が過ぎてキャンセルになってしまった……商品には、前項以外にも検査を義務付けられているものがある。

輸入ビジネスに関わる代表的な法律に「食品衛生法」と、私がテーブルランプで引っかかった「植物防疫法」がある。

食品衛生法は食品だけの検査と思っている人が大多数だろう。

だが意外なことに、グラス類も食品衛生法での検査がある。

食品衛生法上では、グラスは深さ、容積、色ごとに検査を義務付けられているのだ。

なぜこんなことを私が知っているのか?実は、当の私が経験者なのだ。

この時の私のグラスのオーダーは試験的なもので、少量多品目に渡っていた。

1品目5個程度で、50品目ほどになっていたと記憶している。

当時の検査費用は、1品目が1万2000円ほどだった。

1品目何個の輸入であろうと、検査は1品目ごとに行なわれる。

私の場合は50品目のすべてにわたって検査が行なわれ、検査費用の合計は60万にもなってしまった。

植物の場合は複雑で、たとえば額縁の中に植物の種が入っているような飾り物があったとしよう。

種が密封されていれば大丈夫だが、種が取り外せるような場合は、検査が必要になるのだ。

しかも同じ植物でもA国の花はいいが、B国の花は禁止ということもある。

絶対に事前の調査を必要とする所以である。

またその判断は検疫官にゆだねられるため、検疫官によって判断が異なるケースも出てくることも覚えておいたほうがいいだろう。

事前に相談した際は、検疫官の了承サインをもらっておくとよい。

その際注意すべきことがある。

あなたが、通関をする予定の税関に聞くということである。

これは、おさえておいてほしい。

【POINT】事前▼各税関では「事前教示制度」や、音声・FAXによる「税関相談テレフォンサービス」などの輸出入サービスを行なっている。

サンプルを取り寄せる前に、そうしたサービスを利用して輸入可能なものかどうかをチェックしておくことだ。

事後▼失敗をみとめ、安くても売りさばくしかない。

06▼健康食品を輸入したが、「薬事法」に引っかかった

「薬事法」を知らずに、健康食品を輸入してしまった。

通関できず、港の倉庫に眠りっぱなしになってしまった……薬事法がらみの健康食品もよく問題になる。

健康食品の輸入は注意したい商品の1つだ。

このケースでは、輸入者が薬事法に該当するのを知らなかったために起きたものである。

輸入者はなんと輸入した商品を倉庫に搬入したまま、「薬事法」の許可を取る算段を始めた。

そうせざるを得なかったのである。

その過程で、常時、社員として薬剤師を置かなければならないことなどを知り、その算段に行き詰まってしまった。

さらに重要な問題が1つ発生した。

消費期限の問題である。

健康食品のような商品で消費期限があと数ヵ月に迫っている場合、まず流通ルートには乗せられないのである。

問屋に卸し、それから小売店に流れている間に消費期限が切れるか、残り期間がわずかになってしまうからだ。

販売期間が短い商品は、問屋も小売店も扱いたがらない。

当然であろう。

結局、その輸入者は販売をあきらめざるを得なかった。

廃棄処分にしたのである。

しかもである。

あげくのはてに、廃棄処分にしたのは輸入してから1年ほど経過した時のこと。

商品代金、輸送代金、倉庫代金、廃棄処分にかかった費用など、合計で数千万円の損を出したのだ。

実話である。

笑うに笑えない話ではないか。

仮に、通関できるような条件を整えたとしても、日本の薬事法では、許可なしで健康食品の効果効能を謳ってはいけないことになっている。

ネーミングでもそのままではグレーゾーンか、明らかに薬事法違反の商品がある。

具体的には言えないのであるが。

グレーゾーンの商品はストップがかかる可能性があるし、薬事法違反のネーミングの商品は輸入できないのである。

薬事法がらみの商品は、ハイリターンが期待できる。

しかし、それもこれも無事に通関でき、販売ができ、市場に受け入れられての話である。

しかと心得よ。

【POINT】事前▼化粧品、医薬品、健康食品などを輸入販売する時は、薬事法の許可が必要になる。

日本の法規制上で問題ないのか、もしくはどういう条件のもとでなら輸入可能なのかを調べておくこと。

ネーミングにも注意が必要だ。

事後▼この場合は、製造・販売の許可を持っている業者に輸入を代行してもらい、とにかく輸入をしてもらうという手もないわけではない。

しかし国内販売においても規制をうけるため、結局は販売はできない。

廃棄するのが、現実的だろう。

07▼税関での見解が異なり、関税が高くなった

事前に税関で関税率を確認しておいたにもかかわらず、急きょ、確認した税関の管轄外の税関で通関しなければならなくなった。

この税関は見解が異なり、確認していた税率より高い関税が適用されることになってしまった……「税関によって見解が異なることなどあるのか?」こう思われるかもしれないが、前述のように現実に起こり得るケースである。

たとえば、違う地域の仲間と同じ商品を違う港に荷揚げすることがある。

その際、同じ商品であっても、税関の判断により分類が異なると関税率も違ってきてしまうのだ。

つい最近も、税関による見解の相違に私の仲間が遭遇している。

仲間2人が海外の展示会に行ってある商品を共同購入し、本拠地の関係から、別々の税関で通関しようとした。

一方の税関ではスンナリ通関できたが、もう一方の税関では輸入できないと言われてしまったのだ。

こんなことも起こりえるのである。

この商品はマッサージ器のようなもので、この種の商品は分類が非常に微妙になりがちだ。

たとえば「マッサージ効果がある」といった表示があった場合、薬事法に触れるとされるのだ。

販売するためには、厚生労働省に医療用具の承認を受けなければならない。

通関を「NO」とした税関では薬事法に抵触する商品に分類されたため、輸入ができなくなったのである。

一方、「OK」を出した税関では、薬事法に抵触しない商品と判断したのだ。

同じ商品であれば、同じ法ルールのもとで、同じように扱われる。

それが本来の姿だと思うが、行政官の個別の判断によるところも事実としてあるのである。

【POINT】事前▼基本的に、通関予定の税関に尋ねておくことが重要である。

どの商品に分類されるか、通関に問題があるかは、事実上、その担当行政官の判断にゆだねられている。

東京で輸入通関するのであれば、東京港の税関に尋ねる必要がある。

その際、税関の見解を書類にしておくと安心できる。

事後▼このケースのような場合、確認を取った税関の見解を書いた書類を当該税関に示して交渉する。

保証の限りではないが、うまく解決する場合が多い。

08▼特恵関税の申請に必要な書類を取り寄せ忘れた

特恵関税を使って関税が無料になることを想定していたが、所定の書類の取り寄せを忘れていて有税になってしまった……特恵関税については、序章で基本的なことを説明した。

基本的内容については、「序章09▼関税を安くする方法はあるのか?」で確認してほしい。

特恵関税を使って関税を無料にするためには、言うまでもなく、特恵関税が使える国や地域からの輸入でなければならない。

申請に必要な書類もあり、手続きは通関業者に委託するとしても、必要な書類はあなたがそろえなければならない。

特恵関税を受けるためにはまず、「特恵関税用の原産地証明書(CertificateofOrigin)」が必要だ。

この証明書には厳格な要件が必要とされている。

FormA様式であること発行者は商工会議所、輸出国税関、またはしかるべき機関であること輸出前に発行されたものであることインボイス(納品・請求書)の輸入品目が証明書と一致すること日本の税関の登録のスタンプ、およびサインがあること修正された場合は、発給期間の修正印が押してあること

注意すべき点は、原産地証明書は特恵関税用の原産地証明でなければならないことと、原本でなければならないことだ。

つまり、コピーは認められないということである。

「特恵関税用の原産地証明書を作ってくれ」輸出者にこう要求するのが一番である。

もしこう言っておかないと、輸出者は作らない。

あなたが特恵関税を利用しようとしているのかどうか、分からないからだ。

「もしもし、フォームA(原産地証明書のこと)要りますか?」相手が気を利かせて、こう言ってくれることを期待してはいけない。

自分の面倒になることを、わざわざ相手は言わないのだ。

【POINT】事前▼輸出前の相手に、必ず「特恵関税用の原産地証明書」の原本を要求しておく。

事後▼手元に書類がないのだから、有税になっても仕方がない。

打つ手はない。

09▼特恵関税の枠がいっぱいで、適用されなくなった

特恵関税を適用させて関税を無料にするはずだったが、すでに「枠」がいっぱいとかで適用が受けられなかった。

結局、予定外の関税支払いが発生してしまった……特恵関税は、該当する国・地域からの輸入を行なう輸入者にとって大きなメリットがある。

必要な書類は準備した。

これで特恵関税が適用されると思っていると、このケースのように、「枠」の問題で適用されないこともあるのだ。

この枠を「シーリング」と呼び、1年間でのその国からの輸入量、もしくは金額の枠が決められている。

枠を超えた場合は特恵関税の適用が受けられなくなり、関税支払いが発生する。

なぜ、特恵関税には輸入量の制限があるのか?理由は、国内企業・業者の保護のためである。

発展途上国からの輸入を無制限に認めていると、日本の市場が荒らされる。

国内の企業・業者があおりを受けて、業績が圧迫されるからである。

このことを知らなかったばかりに、特恵関税制度の適用が受けられないケースも出てくる。

しかし、確実に適用を受けるための秘策がある。

特恵関税の開始年度の特性を利用するのだ。

特恵関税の年度は4月1日から翌年の3月末である。

新年度が始まった4~6月の輸入であれば、特恵関税の適用で心配な輸入量や金額の制限はまずない。

私の場合、納期の問題や季節的な制約がある商品でなければ、できる限り年度初頭の輸入にしている。

余計な心配をしたくないし、何よりも特恵関税の適用を受けやすくするためである。

【POINT】事前▼4月に持ち越せしても問題がなければ、年度末近い輸入は避けたほうが賢明だ。

4月輸入にすれば、まず問題なく特恵関税の適用が受けられる。

事後▼シーリングによる予定外の関税支払いの発生は仕方ないだろう。

あとはそのコストをどう消化するかの問題で、お客様との話し合いで販売価格に転嫁できればベストだ。

 

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