第4章解決!「納品、販売」での困った
01納品した衣料品が縫製不良で、顧客から強いクレームが…
02パッケージが汚れ、商品価値が半減してしまった
03「パッケージがお粗末」と返品をくらった
04国内輸送でパッケージがつぶれてしまった
05海外ではヒットしていたのに、日本でサッパリ売れない
06ブームが早く去り、大量在庫を抱える羽目に…
07飛びついた商品はすでに市場で売られていた!
08法律の改正を知らず、商品がそのままでは売れなくなった
09季節商品が売り時を失ってしまった
10強力なライバルと競合してしまった
11総代理店契約を一方的に打ち切られた
12PL法(製造物責任法)対策を講じたいが…
13為替差損をヘッジする賢い方法はないものか?
14通販業者と大型企画がまとまりそうだが、大丈夫か?
15取り込み詐欺に遭ってしまった
おわりに
第4章解決!「納品、販売」での困った
01▼納品した衣料品が縫製不良で、顧客から強いクレームが…
顧客から輸入代行を依頼され、衣料品を500万円程度納品したが、ほとんどが縫製不良だった。
顧客から、「売り物にならない。
メーカーに損害賠償請求をしてほしい」旨の強い要望を再三再四にわたって要求されて困っている……ここで「輸入代行」という言葉が初登場した。
おやっと思われた方もいるだろう。
説明しよう。
輸入ビジネスを行なっている業者は、ほとんどが「輸入卸し型」と呼ばれるスタイルを取っている。
商品の発掘、輸入を自分の判断で行ない、在庫も自分の判断で持つ。
そうすることで、お客様からの注文にいつでも応えられるようにしている。
そういったスタイルのビジネスモデルである。
では、輸入代行というのはどういう輸入ビジネスのスタイルなのか?これは、「お客様からの依頼に応じて、海外メーカーからの輸入業務を代行するスタイル」になる。
輸入をしたいお客様の代わりに海外メーカーと書類ベースのやりとりをし、商品の輸入をするのである。
在庫を持たないですむメリットはあるが、輸入卸し型と比較すると、利益率がかなり低くなるデメリットがある。
輸入代行でも、普通の輸入ビジネスと同じ手順、配慮が必要なことは言うまでもない。
輸入者はサンプルを取り寄せて契約通りの製品かどうかをチェックし、間違いないことを確認してから本オーダーする。
衣料品に関しては今、ほとんどが中国製である。
縫製不良以外に色不良、デザイン違い、色落ちなどが問題になることも少なくない。
契約に違反するような製品であれば、当然、メーカーに損害賠償請求が可能である。
代理人(弁護士)を立てて、訴訟を起こせばいい。
ただし、裁判管轄地が問題になる。
もし中国になっていれば、こちらの思ったような展開にならないことは覚悟しておかなければならない。
【POINT】事前▼相手の工場を訪問して、相手の力量を自分の目で確認するステップを必ず踏むこと。
特に継続的な取引を考える場合は、必ず一度は訪れること。
契約に「商品はサンプル通り」と入れると同時に、裁判管轄地を日本にしておくことも重要だ。
事後▼送られてきた商品が契約通りかどうかが争点になる。
事前にサンプルを入手しているのであれば、それとの整合性で訴求可能である。
02▼パッケージが汚れ、商品価値が半減してしまった
淡い色のパッケージ(ギフトボックス)の商品を輸入したが、そのままコンテナに積み込まれてしまったためにパッケージに汚れがついてしまった。
高額商品だったが、その価値が半減してしまった……日本人の一般的な嗜好として、原色系のパッケージ(ギフトボックス)は敬遠され、パステルカラー調のものが好まれる傾向にある。
このパステルカラー系のパッケージは上品だが、難点がある。
汚れやすいのだ。
輸入ビジネスでは、商品の品質と並び、パッケージに関するトラブルもよく起こる。
日本人と比べて、外国人はあまりパッケージに神経を使わないからである。
日本人は日本の商品を見ている。
それが固定観念になっていて、1個ずつ商品がきれいなギフトボックスに入れられたうえ、きちんとダンボールに梱包されて来るものと信じている。
一方、海外ではギフトボックスを重視しない傾向が非常に強い。
結果、パッケージがお粗末になるのである。
パッケージがこちらの要望通りに作られていても、きちんと外梱包しないと輸送中に汚れるおそれがあるではないか。
しかし、パッケージに関心がない彼らは、信じられないことにきれいなパッケージむき出しのままコンテナに積み込んだ。
結果は、言うまでもなかろう。
せっかくのパッケージを台無しにしてしまったのだ。
商品が淡い色のパッケージの場合、契約書で、汚れがつかないような梱包にして輸送するように指示することを忘れてはいけない。
【POINT】事前▼商品の梱包は、商品価値を損ねずに届くかどうかの大事なポイントだ。
パッケージに限らず、相手から「くどい」とか「細かい」と思われようと、大事なポイントはくどいくらいに指示すべきである。
同時に、余分のギフトボックスを積んでもらうのが現実的な対応である。
事後▼契約書に、こちらが希望する梱包を指示してあるかどうかが争点になる。
指示があれば交換や値引きの交渉も可能だが、指示がない場合はコスト増を覚悟でギフトボックスを取り寄せるしかない。
03▼「パッケージがお粗末」と返品をくらった
「商品のパッケージ(ギフトボックス)がお粗末すぎる」と、お客様から返品された。
手元には、大量のデッドストックだけが残ってしまった……輸入ビジネスでは、パッケージの問題だけで1冊の本が書けてしまう。
たとえば、中国の業者との商談でこんなことがあった。
「これを○○個輸出してほしいのだが」こう言って私は、発注をしたのである。
私たち日本人の感覚からすれば、1個ずつきれいなギフトボックスに入ってくるというイメージがあるであろう。
ところが、到着してビックリした。
とんでもなく汚いダンボールに商品が無造作に詰め込まれていたのだ。
しかもありえないことによれよれのエアパッキン(プチプチとも呼ばれる緩衝材のこと)にくるまれて。
私は思わず、わが目を疑った。
これではとても高額商品にはならないであろう。
さらに気をつけなければならないのは、たとえば10個入りで1セットの外装に入っているような商品だ。
お客様に商品を納める際、私たちは1個の商品それぞれにパッケージがないと困る。
まさか、新聞紙にくるんで顧客に納めるわけにはいかないからだ。
「1個ずつ、別々にパッケージに入れてくださいね」こう念押ししておかないと、10個が1つのダンボールに入った状態で届くことになる。
話を面白くしようとオーバーに言っているわけではない。
事実なのである。
話を、テーマにもどそう。
あなたは、海外の輸出者はまずパッケージにあまり関心を持たないことを認識する。
そう認識したうえで、こうした損害を未然に防止するために、パッケージについてくどいくらい確認しておくことだ。
相手がなかなか首を縦に振らない場合は、“殺し文句”を使う。
「第2章01▼メーカーがパッケージの変更を納得しない」を再読してほしい。
【POINT】事前▼まず、世界的にはパッケージはさほど重要視されていない現実を知るべきである。
日本では、パッケージも商品価値を高める大事な要素であることを十分に説明しておくこと。
できれば日本のパッケージの現物サンプルを送り、納得のいくものを作ってもらうのも一手である。
事後▼最悪の場合、日本で新たにパッケージを作って入れ替えることは可能。
ただし、その分のコストは自己負担になる。
04▼国内輸送でパッケージがつぶれてしまった
商品のパッケージ(ギフトボックス)が輸送中につぶれ、ギフト用の商品にならないと返品されてしまった……商品は売れ筋だ。
商品パッケージもこちらの要望通りにできた。
陸揚げしてチェックしても、パッケージの汚れや破損といった問題はない。
完璧だ。
あなたは自信満々で、商品をお客様のところに届ける。
あなたとしては、お客様からの良い報告を心待ちにしている。
しかし、なぜか返品されて来てしまったのである。
もう落胆どころの話ではないだろう。
一体何が起こったのか?お話ししよう。
商品は人形、お客様は某通販会社であった。
商談もトントン拍子にすすみ、今の話のように自信を持って納品した。
だがすべて返品となってしまったのである。
理由は何と「箱不良!」。
驚いた。
そんなことがあるのかと。
気を取り直して箱をチェックした。
そしてさらに驚いたのである。
返品されたギフトボックスを見ると、ほんのわずか凹んでいただけなのである。
輸入した際にギフトボックスに問題はなかったのは、確認している。
国内輸送中に、何かの拍子に凹んだとしか考えられない。
しかしそれにしてもこんな程度で返してよこすのかと思わずちょっと憤慨してしまった。
幸い、私は、かなり多めに予備のギフトボックスを発注しておいた。
お客様と相談し、新しいギフトボックスに可能なだけの商品を詰め替え、再度出荷することで問題は解決したのだが。
今度は、輸送中のアクシデントを考えて小口の出荷を避け、フルコンテナで運ぶことにした。
小口の混載輸送は何回かの商品の出し入れがあり、傷みやすいのである。
それ以降は、量がコンテナの半分に達した場合は、小口の混載輸送(LCL)を避け、フルコンテナ輸送(FCL)にするようにしたのである。
【POINT】事前▼出荷する場合、傷みが起きやすい小口の混載出荷を避け、コンテナ単位で運ぶようにする。
もう一つは、輸出者に、あらかじめ10%程度の予備のギフトボックスを入れておいてもらう。
国内のお客様に出荷する時、その予備のギフトボックスも一緒に出荷する。
こうしておくと、輸送中に箱のトラブルが発生しても解決する。
事後▼返品後に予備のギフトボックスがあれば、相談後、商品を詰め替えてお客様に送る。
ない場合、新たに作るコストと予定利益をにらんで判断することになる。
05▼海外ではヒットしていたのに、日本でサッパリ売れない
海外でヒットしているある商品を発見した。
日本でも流行ると判断していち早く輸入にこぎつけたが期待に反してまったく売れず、在庫の山を築いてしまった……私の経験である。
イギリスでヒットしているある商品を発見した。
その商品は、ブランデーグラスにブランデーを注ぎローソクで温め、楽しむ「ブランデーウォーマー付きグラスセット」である。
「オブジェとしてもなかなか格好がいいし、これは売れるぞ」そう確信した私は、日本の顧客との商談なしにいきなり買い付けにでた。
しかしである。
私の予想は完全に外れ、まったく売れなかったのである。
イギリスでヒットしていたのに、日本ではなぜヒットしなかったのか?理由は簡単だ。
当時の日本人はまだあまりブランデーを飲まなかったからである。
ブランデーを温めて飲む習慣もなかった。
無理である。
文化的背景がまったく違うということだ。
値段も目が飛び出るほど高価だった。
需要がないうえ、値段が高価では買い手がつくはずはない。
結局私は、やむを得ず、損を覚悟で見切り販売をかけた。
輸入ビジネスでの支払いは前払いが多い。
資金が潤沢であればよいが、売れない商品を長期間にわたって抱えていると、資金の回転が悪くなる。
いつまでも過去にしがみつかず、資金を回転して次のビジネスに取りかかることである。
【POINT】事前▼まず商品を選ぶ場合、その商品がどういう背景で開発されたかを考える必要がある。
現地でいくら売れているとしても、日本の文化に合わないものは人気が出ない。
少量のサンプルを入手して市場調査、もしくは商談をして予約受注をする。
事後▼失敗を認め、損を覚悟でディスカウンターなどに売却しても、早めに現金化を図ることだ。
倉庫に寝かしておいても、置けば置くほど商品状態が悪くなる。
見切り販売をかけたあと、その商品に注文が来ることがないわけではない。
だからといって、「もう少し待っていればよかった」と未練を残さないことだ。
未練を残すと、次に同じような経験をしたとき、いつまでも持ち続けることになって資金回転が悪くなる。
06▼ブームが早く去り、大量在庫を抱える羽目に…
アメリカで流行っているものを二番煎じで大量に輸入した。
思いのほかブームが去るのが早く、輸入したものが二束三文になってしまった……流行りものを扱う際は、資本とスピードが要求される。
基本的に、流行りものは売り逃げ商品だからである。
ドッと仕入れてワッと売って利益を上げたら、サッと手を引く。
一発当たれば数年食えるケースもあるが、反面、売れなければ地獄である。
もう10年くらい前の話である。
アメリカで流行っている「ロックサンタ」と呼ばれる商品を仲間と輸入した。
ご記憶の方もあるだろうが、これは「踊るサンタクロース」として大フィーバーしたのである。
輸入に踏み切ったきっかけは、現在NYヤンキースの松井選手が契約更改するニュースだった。
その時の映像で、ロックサンタが後ろで踊っていた。
その映像を見た同業者が「これは日本にも来るな」と直感して私に話を持ちかけ、私もそれに乗ったのだ。
これを業界用語で「横引き」と言う。
自分だけでは量がさばけないかもしれないといった時、あるいはリスク分散する時、商圏や顧客がバッティングしないという条件が必要だが、この横引きをやるのである。
流行りものの怖さを知っている私たちは、何千個か輸入してテストマーケティングを行なった。
当たりが良かったので、翌年に本格輸入すると案の定大ブレークした。
ロックサンタは季節ものだが、季節もの以外でも、海外でヒットした商品を素早く輸入して成功する例がある。
すると、その成功に便乗しようと、二番煎じで輸入する人もいる。
しかし、だいたいは不良在庫を抱える羽目に陥る。
ブームというものはそう長くは続かない。
逆に言えば、長く続かないからブームと言うのである。
【POINT】事前▼「日本の消費者は世界一新しもの好きで、飽きやすい」と言われる。
流行りものは寿命が短いことをよく認識すると同時に、日本に到着するまでの時間を事前に把握しておく。
目安として、2~3ヵ月ほどのタイムラグが生じることを前提に参入を考える。
事後▼こうしたケースでは、いかに早く換金するかの問題になる。
時間が過ぎれば過ぎるほど、価値が下がることを覚悟すべきである。
07▼飛びついた商品はすでに市場で売られていた!
海外の展示会で、「これは!」と思う商品を発見、舞い上がってその場で契約。
入荷後、お客様と商談したらその商品はすでに市場にあり、しかも自分がつけた値段の半額ほどで販売されていた……輸入ビジネスを始めたばかりの時期に、こうした間違いを犯しやすい。
「これは良いんじゃないか?売れるんじゃないか?」海外の展示会などでこうした商品を発見すると、自分でもよく分からないものでもつい手を出したくなってしまう。
それにはわけがある。
ビジネスにはやる気持ちが、そうした行動を取らせるのだ。
私も、同じような失敗をしたからよくわかる。
アイテムは、イタリアの展示会で見つけた宝石箱だった。
見た目がなかなか良いうえ、しゃれた感じで売れる商品になると直感した。
さっそく商談をまとめて輸入すると、その宝石箱と同じものがすでに国内市場で販売されていたのだ。
あげくのはてにそれは実は中国で作られたものだった。
私が輸入した商品は「MADEINITALY」となっていたが、実は「MADEINCHINA」だった。
中国で作られたものをイタリアの業者が輸入し、「MADEINITALY」と表記して展示会に出展していたのだ。
日本市場に出回っていたものは、そのまま「MADEINCHINA」となっていた。
しかし誰がどこから見ても同じものなのである。
頭がクラクラした。
中国製のため、価格は私のつけた価格の半額程度だった。
生産国表示が違っても同じ商品でもあり、これでは勝負にならない。
損が出ることは承知で、値段を合わせてそっと叩き売ったのである。
今思い出しても、イタリアのその業者はひどい業者だった。
クレームの一つも言わないと気がすまないので電話をかけたが、電話にまったく出ない。
FAXを送り付けても、なしのつぶてだったのである。
こうした業者が展示会に出てくること自体が不思議だが、そうした業者がいることも現実であると認識しなければならない。
【POINT】事前▼魅力的な商品だったとしても、いきなり発注してはいけない。
必ず現物サンプルで、日本のマーケットにあるのかどうかをしっかり調査、確認すること。
事後▼ライバルの価格に合わせ、早めに売り切ることを考える。
08▼法律の改正を知らず、商品がそのままでは売れなくなった
テーブルランプを輸入したが、電気コード部分が「電気用品安全法」に合致せず、販売できないと言われてしまった……法律というものは、永久に不変ではない。
法律が改正されたことに気づかなかったことで、問題が生じることもある。
法律の改正に気づかないと、あるいは通達を知っていてもその内容を忘れると、法律に合致しない商品ということで販売できなくなることがあるのだ。
このケースは、「電気用品安全法」で、輸入品で使われている部品の指定変更が行なわれて以降に生じた。
たとえば、電気コード部分でも、コンセントでも、中間スイッチでも、電球を入れるソケット部分でも、「電気用品安全法」で使わなければならない部品の基準がある。
その基準は非常に厳格なものになっている。
では、どうすれば、こんな失敗をせずにすむか?手っ取り早い方法をお教えしよう。
「日本に輸出したことがあるか?」輸出者にこう尋ねてみる。
日本への輸出経験があれば、それだけ日本市場を理解しているからだ。
「ある」という返事であれば、「最後に輸出したのはいつ?」と質問するのである。
「ほんのつい最近」こういう返答であれば、「それと同じ仕様にしてください」とオファーを出せばよいのだ。
輸出経験が乏しいか、最近は輸出経験がない場合、相手に「日本の法律では、○○の部品のままでは販売できない。
日本の法律に合致する部品に交換のこと」と指示しておけば、この種の問題は防げる。
【POINT】事前▼海外にも、日本の「電気用品安全法」に合致する部品がある。
輸出経験の有無にかかわらず、忘れずに、輸出者に日本の「電気用品安全法」に適応する部品を使ってもらうように指示しておくこと。
事後▼日本の業者に依頼して、部品の交換をしてもらって対応する。
その分、コストがかかることは当然だが、指示していないと輸入者側の負担になる。
09▼季節商品が売り時を失ってしまった
春先の入学シーズンを当て込んで、児童向けの商品を東南アジアのメーカーに発注した。
納期と「リードタイム」を考えずに発注したため、入荷が5月になってしまった……児童向けの入学シーズン商品の例として、学習机とイスのセットがある。
ちょっと高級感が漂うおしゃれなランドセルも、こうしたジャンルの商品に入るだろう。
輸入ビジネスの商材には、プロパー商品として恒常的な生産体制(ライン)に入っているアイテムもある。
しかし、ほとんどは輸入者からのオーダーを受けて生産に取りかかる。
いわゆる受注生産である。
オーダーを受けてから商品が完成するまでには、一定の期間がかかるのだ。
その時間がここにある「リードタイム」である。
リードタイムとは、生産日数のことである。
通常であれば、納期からリードタイム、それに輸送の時間などを逆算してオーダーをする。
日本のメーカーの場合、商品にもよるが発注して比較的短期間で納品が可能である。
しかし東南アジアのメーカーではリードタイムが2ヵ月ほどは必要である。
日本のメーカーと同じような感覚で発注すると、こうした事態が生じるのである。
重要なポイントは、契約の際に表面約款をきちんと一つずつ詰め、リードタイムを勘案して納期を確認しておくことだ。
「できるだけ早く作って、できるだけ早く送ってくれ」極端な場合、こんな口約束だけで納期の指定をしたらどうなるか?相手は「日本のことだから、机は新学期に合わせて販売したいのだろう」などと絶対に考えてくれない。
クレームをつけても、「できるだけ早く作って、できるだけ早く送った」と言うに決まっているであろう。
【POINT】事前▼発注から納品されるまでの全体の日数がどの程度必要なのか?これをあらかじめきちんと知ったうえで、発注業務を行なうべきである。
事後▼商品が時期外れになってしまった以上、今年の販売実績はまず望めない。
とにかく叩き売るか、来期に回せるような商品であればその手はずを整える。
10▼強力なライバルと競合してしまった
日本未発売の商品を発掘、かなりのプロモーションをかけて商品の国内浸透を図った。
ようやくヒットの兆しが見えてきたが、まったく同じ商品を扱う強力なライバルが出現。
あっという間に顧客を奪われてしまった……日本市場で売れる商品の条件とは、どんな条件だろうか?私の結論を言えば、「圧倒的にズバ抜けていること(outstanding)」である。
日本ではもう、「良い(good)」とか「優れた(excellent)」では物足りないのだ。
当たり前だからである。
同時に、「日本未発売」や「日本初上陸」といった条件を備えていればさらに魅力を増す。
お客様心理としては、新しいものを欲しがるからである。
日本初上陸、日本未発売の商品は、それだけで十分に訴求力を持つ。
ただし、違う側面から見れば、商品を浸透させ、認知させるためには時間と資本が必要ということにもなる。
このケースのように、あなたの努力が報われ始めたとたん、大きな資本を持つライバルがあなたの顧客を奪っていくようなケースも多いのだ。
トンビに油揚げである。
ではトンビ対策はあるのか?あるのだ。
それは「独占販売権(総輸入代理権)」を獲得することだ。
日本未発売で、日本市場で有望と思われる商品を発見した時、必ず、独占販売権付きの販売契約を結ぶことを忘れてはいけない。
交渉の努力が実って相手がこう言ったとする。
「OK、あなたを日本での輸入総代理店としよう」そこであなたは有頂天になってはいけない。
必ず、あなたの名前(会社名)と相手の名前を入れ、お互いがサインした契約書面にしておく。
この書面は契約の事実を示すだけでなく、のちのち何かあった時の証拠になるからである。
【POINT】事前▼日本未発売の魅力的な商品を発見したら、「独占販売権(総輸入代理権)」を取る交渉に全力を傾ける。
独占販売権なしで販売に当たるのは、ザルで水をすくうようなものと心得ておく必要がある。
交渉では、「序章07▼独占販売権を獲得する方法は?」に紹介したような説得術が有効である。
事後▼相手が強力な場合、価格の消耗戦に陥ると勝てない。
かけた時間と費用は惜しいが、損切りできるならその商品は処分し、別の商品でのビジネス展開を図るべきだろう。
11▼総代理店契約を一方的に打ち切られた
3年間の総代理店契約ベースで、フランスからワインの輸入販売をしていた。
1年が経過したころ、「目標金額未達」という理由で一方的に契約終了の連絡がきた。
調査すると、総代理店契約を結んでいるにもかかわらず、日本国内の他社にも供給していたことが判明した……総代理店契約ということは、日本での独占販売権を持っていたということである。
当然、あなたが独占販売権を持っている証拠も書面で残っているだろう。
独占販売権は、期限が切ってあるのが通常である。
その期限の間、輸出者はあなたに日本市場を任せるが、他にも良い輸入者がいないかと探していると思ったほうがいい。
思ったような成績が上げられない場合、独占販売権契約は打ち切られる。
ドライな世界なのである。
このケースの場合、契約期間中に一方的に契約終了が通告されている。
契約違反は明らかだが、契約内容を精査しなければならないかもしれない。
契約内容によっては、契約終了の通告が認められるケースもあるからだ。
では、どんな契約内容が問題になるのか?まず、「販売目標数字」が浮上する。
別名「販売目標金額」のことである。
仮に、「1年以内の販売目標として○○万円を保証する。
目標未達の場合、契約不履行で契約を解除する」といった一項があった場合だ。
1年を経過してその売り上げ保証額が達成できなかった場合、これはあなたの契約不履行に当たり、先方の行動も正当化されてしまう。
ただこのケースのように、他社に販売していた場合は先方の契約違反となり、そこに交渉の余地が残る。
そこを明確にしておく必要がある。
【POINT】事前▼契約の際、「販売数字」を絶対に保証してはいけない。
あくまで「努力目標」としておくこと。
目標金額さえ保証していなければ、一方的に契約は打ち切られない。
事後▼販売数字を保証し、「目標未達の場合、契約不履行によって契約を解除する」という条項があった場合、残念ではあるが方法はない。
ただこの場合、総代理店契約を結んでいるにもかかわらず他社に販売していたことは契約違反となり、そこを争点に争えば相身互いということも考えられる。
12▼PL法(製造物責任法)対策を講じたいが…
PL法(製造物責任法)にからむトラブルは起こしたくない。
事故を防ぐために商品の取り扱い方をよく理解してほしいが、どうすればいいのか……日本でも、PL法(製造物責任法)はかなり知られるようになった。
ご存じかもしれないが、「商品の欠陥のせいで、消費者が生命・身体・財産に被害があった場合、その消費者は製造者に対して損害賠償できる」という法律である。
PL法に関して、アメリカに有名な話がある。
常識では考えられないことだが、濡れたネコを乾かそうと、ある主婦が電子レンジに入れた。
そのネコが死んだために、主婦はメーカーを訴えた。
ネコを電子レンジに入れて乾かすことなどメーカーは予想もしていないから、当然、反論する。
しかし結局、「ネコを電子レンジに入れて乾かしてはいけない」と取扱説明書に書かれていなかったため、メーカー側の敗訴に終わった。
巨額の損害賠償金を課せられたメーカーがどうしたかと言えば、「電子レンジにネコなどの動物を入れて乾かさないこと」という一文を取扱説明書に入れるようにしたのだ。
信じられないが事実である。
なんとなくユーモラスではあるが、笑えない話である。
「私は輸入者だ。
輸入品で問題があっても、PL法に引っかかるのは海外のメーカーだろう」もしあなたがこう思っていたとすれば、危ない誤解である。
輸入ビジネスでは、輸入者はメーカーと同等に扱われる。
つまり、あなたが輸入した商品の欠陥のせいで事故やトラブルが起きれば、PL法に問われるのはあなたになるのだ。
そこで、輸入者であるあなたは、PL法対策を講じる必要がある。
輸入者が損害賠償請求を受けた際、海外メーカーに求償できるように事前に契約書に盛り込んでおくちょっとでも安全性に疑問がある商品は輸入しない丁寧な取扱説明書を作る(商品によっては警告ラベルも)海外のメーカーに任せると意味不明の取扱説明書になることもあり、場合によってはこちらで作ることも考える。
特に使用・取扱方法によって事故の起きやすい商品の場合、警告ラベルを作って十分な注意をうながす。
PL保険に加入する輸入前に、相手に対し、日本も対象にしたPL保険に入っているかを確認する。
同時に、損害保険会社、あるいは商工会議所や商工会連合会などが窓口になっている「PL保険」にあなた自身が加入することをお勧めする。
【POINT】事前▼一つの事故が会社の運命を変えてしまうこともある。
輸入品の安全性は慎重にチェックし、丁寧な取扱説明書を作ることである。
13▼為替差損をヘッジする賢い方法はないものか?
契約時に95円だった円が、その後の為替レートの変動でどんどん円安になり、決済時には105円になってしまった。
お客様との販売価格をこれ以上は上げられなかったので、大損してしまった……輸入ビジネスを含め、貿易には為替リスクがつきものである。
説明するまでもないかもしれないが、契約時より円安にふれると、輸入ビジネスにはマイナスである。
いろいろな経費がコストを押し上げ、最終的にあなたの利益を圧迫するのだ。
私の場合、ユーロ高円安で悩まされたことがある。
ユーロが最初に導入された時、1ユーロ=120円程度だった。
一時はドルとの逆転現象を起こして90円台まで円高になったことがあったが、底を打って1ユーロ=160円台まで円安になってしまった。
とうていビジネスにならないので、この時はヨーロッパからの商品輸入は休まざるを得なくなったのである。
円安リスクをヘッジする方法として、大きく4つある。
紹介しておこう。
為替予約をする「為替予約」とは「商品を受け取る際に必要な外貨の為替相場を事前に予約して決めてしまう方法」である。
たとえば、「1ユーロを2ヵ月後に130円で買う」と予約・確定させる。
その時の相場が1ユーロ=140円であろうが、150円であろうが、あなたは1ユーロ=130円で買う(交換する)ことができる。
通貨オプションを利用するこの方法は、の為替予約の応用編になる。
まずのように為替予約をする。
同じように1ユーロ=130円だったとする。
通貨オプションを使うと、期日のレートが1ユーロ=120円の円高になった場合、予約をキャンセルし、安い為替相場で輸入決済ができる。
逆に、さらに円安になった場合、最初の1ユーロ=130円のレートで決済できる。
あなたにとって非常に有利な取引になるが、「オプション料」と呼ばれる手数料がかかる。
通貨オプションを利用する際、販売価格にオプション料も織り込む必要がある。
自社の為替レートを円安気味に設定しておく為替レートが円安にふれても採算が維持できるように、自社の為替レートを円安気味に設定し、国内販売価格をあらかじめ高めにしておく方法である。
個人や中小企業で輸入ビジネスを行なう場合はこの方法が一番現実的で、もっとも多く用いられている。
円建て契約にしておく円安リスクは、外貨を決済する時に発生する。
決済通貨を円建て(円で支払う)にしておけば、あなたの円安リスクは発生しない。
ただし、輸出者は外貨である円で受け取るから、自分に為替リスクが発生する。
欧米や中国はなかなか難しいが、韓国や台湾では円建て契約でやってくれる場合もあるから提案してみるといいだろう。
【POINT】事前▼為替レートの変動に関しては、輸出より輸入のほうが対応しやすい。
基本的に、価格幅がある商品を輸入するため、為替差損があっても、損失を織り込んで価格が付けやすいからだ。
実務的にはを使う業者が多く、私もこの方法を使っている。
事後▼輸入ビジネスにとって、為替の変動は影響が大きい。
ここで掲げたような賢い円安対策を勉強し、実際に役立てることである。
14▼通販業者と大型企画がまとまりそうだが、大丈夫か?
新規顧客の通販業者と、3000万円の売上目標で企画がまとまりそうです。
資金が少ない私にすればかなり大きな負担になりますが、3000万円分の商品を発注したものかどうか決めかねています……ここで挙げた例は私のクライアントのケースである。
私にもほぼ同じ経験があるのでご紹介しておこう。
役に立つはずだ。
通販会社が商品を扱う場合、コスト負担はゼロか、かかったとしても非常に安いというのをご存じだろうか。
通販会社との取引と言うと掲載料がかかると思われるだろうが、意外に違うのである。
TVショッピングに出すときでも、出品料はかからないのだ。
通販雑誌に掲載する時も、無料で掲載してもらえることのほうが多いのである。
しかし、ここからが重要である。
それはこうである。
ハードルの低さはあるものの、売れ行きに関しては一切保証がないのだ。
私の例でお話ししよう。
商談内容はこうであった。
「9月半ばから通販媒体で告知を始めます。
10月1日までに、とりあえず商品を1000個用意してください。
前回の同等商品の売り上げは5000万円でしたから、今回は3000万円ぐらいを見込んでいます。
それくらいは売り上げる企画です」前回のデータも見せられたうえこう言われると、本気にもなるではないか。
希望に胸を膨らませて1000万円分の商品を用意したが、結局、10%程度しか売れなかったのである。
「○○さん、ひどいですよ。
惨憺たる結果じゃないですか」私は、泣きを入れた。
もっと激しく抗議したいところだが、言葉をグッと飲み込んでそう言ったのである。
すると、担当者はどう言ったのか。
こうである。
「まぁまぁ、大須賀さん、そういう後ろ向きの話はしちゃダメだよ。
死んだ子の歳を数えるなって言うでしょ。
明日の前向きな話をしましょうよ。
実は良い企画があるんですよ……」こちらにしてみれば大赤字。
決して後ろ向きの話でも何でもない。
しかし相手も百戦錬磨である。
担当者は違う魅力的な話に持っていこうとするのである。
こうした苦い経験があったので、相談を持ちかけたクライアントにこう言った。
「相手が3000万円と言っても、そのまま受けてはいけない。
まず300~500万円ぐらいで交渉しなさい。
『300万円ぐらいでプレセールをやりましょう』と言って様子を見たほうがいいと思います」しばらくして、彼から連絡が入った。
「300万円のプレセールは断られました。
結局、この話はないことに……」「それはそれでいいじゃないですか。
3000万円分の商品を用意して全然売れなかったらどうなったか?」彼は脱サラして輸入ビジネスを始めたばかりで、潤沢な資金があったわけではない。
3000万円分の商品を用意して売れ行きが不振であれば、どんな事態になるか容易に想像できるだろう。
違う相手とのビジネスで、しっかり利益を出せばいいのだ。
通販業者は、「売れなくてゴメン」などと言ってそれを買い取るわけではないのだから。
【POINT】事前▼これもよくあるパターンだ。
基本的にはありがたいオファーなのだが、現実的には、企画は外れることも多い。
こうした場合、まずプレセールを実施して反応を見、結果を分析する必要がある。
その結果次第で次を考えていくのが定石だ。
リスク覚悟でオーダーを受けるのであれば、別の輸入業者数社にも同じ提案をしておくこと(横引き)も判断のひとつである。
事後▼オーダーを受けて現実に売れなかったとしても、通販会社は賠償してくれない。
売上目標であって、売れ行きを保証したわけではないからだ。
じっくり時間をかけて、他社に販売をかけていくしかないだろう。
15▼取り込み詐欺に遭ってしまった
新規の顧客獲得のために、日本の展示会に出品。
思惑通りに顧客を獲得したが、前金をもらわずに納品。
その後、その業者はプロの詐欺集団と判明し、売掛金の回収が困難に……展示会などで顧客を獲得すると、「これでビジネスが成立した」とつい嬉しくなるだろう。
一部の優良顧客であれば大丈夫だろうが、こうした展示会にはいろいろな人間が、いろいろな思惑で顔を出しているものである。
なかにはそれなりの会社案内も作り、普通の会社を装ったプロの詐欺集団もいることを忘れてはならない。
「私は、そんな詐欺には引っかからない」誰でもそう思っている。
私もそうだった。
しかし、あえて恥をさらすと、私も取り込み詐欺に引っかかった経験があるのだ。
あなたにはそんな詐欺の被害者になって欲しくはない。
プロの詐欺集団の被害に遭わないために、ここで詐欺集団の代表的な手口を紹介しておこう。
出品した展示会が終わった数日後、ある会社からFAXが流されて来た。
文面は、こんな感じである。
「御社の製品に大変に興味を持ちました。
お話ししたかったのでしばらくお待ちしましたが、お客様が途切れず、お声かけするのを遠慮させていただきました。
ついては、カタログを送付していただけませんでしょうか」自尊心をくすぐるこういうオファーが来れば、カタログを送るしかないだろう。
すると、ここがミソなのだが、さっそく少量のオーダーが来るのだ。
少額ではあるが、当然、出荷前にオーダー分の代金請求をかける。
すると、相手はこう言い出した。
「当社の規定として、20日締めの翌々月10日払いになっているのです。
今回はそれでやってもらえないでしょうか?」こちら側として「それは受けられない」と言いたいところである。
しかし売り上げが欲しいことも事実だ。
リスクと利益が頭のなかをぐるぐると駆け巡る。
「たいした金額ではないし、再来月の10日払いならいいか?」こう思うと相手の思うツボなのだ。
出荷すると、翌日すぐに電話がかかってきたのだ。
「お客様に見せると、もっと欲しいと言われました。
今度は20個送ってください。
条件は同じでお願いします」その20個もまた出荷することになる。
その翌日、また電話が入る。
「いやぁ、すごい評判!大人気ですよ。
さすがですね。
お客様は大喜びですよ」ほめられてうれしくない人間はいない。
その時の注文も受けてしまう。
そうこうするうち売掛金が増え、300万円ほどになってくるとさすがに不安になった。
そこで、FAXに記されている住所を頼りに、相手の会社に行ってみたのである。
社長は不在だったが商談室に通され、専務という人間と会った。
「10日払いということだが、売掛金が300万くらいになっている。
いくらでもいいから先に払ってもらえないだろうか?」「今すぐと言われると、10万程度しか払えない。
残金はやはり10日でないと……」仕方がないので、10万円だけでも送金してもらった。
その入金のあと、またオーダーが入る。
こちらとしては、全額回収したいからそのオーダーにも応えてしまった。
ここから先は、お決まりのパターンである。
そして約束の10日の支払日が来た。
当然のごとく銀行で確認すると入金はない。
不安になって電話をかけてももちろんつながらない。
「お客様がおかけになった番号は、現在使われておりません」その時に初めて、取り込み詐欺だったことを知った。
この詐欺集団の被害者は私だけではなかった。
数十社が被害に遭い、ほぼ1ヵ月で被害総額は数億円にのぼったのである。
詐欺集団は形を変え、姿を変え、社名を変えて同じ手口を繰り返しているはずである。
展示会に2000社が出品しているとすれば、1800社程度に同じ内容のFAXを流す。
カタログを送って来た会社を相手に、今紹介したような手口で詐欺を仕かけるのだ。
この体験以後、売り掛けの話が相手から出た時、私は調査機関を使って信用情報を確認することにしている。
さらに、自社で基準を決め一定以上に達しなければ売り掛けはしないようにしているのだ今でも辛い辛い思い出である。
【POINT】事前▼取引の初期にあっては、いかなる理由があろうと前金をもらわずに納品してはいけない。
売り上げがほしい時はこうした詐欺に引っかかりやすく、特に注意が必要だ。
ビジネスに慣れてきたら、自分なりの対処法を考えることも一つの手だろう。
事後▼詐欺事件だから警察に被害届けを出してもよいが、事実上、売掛金回収は困難になることがほとんどだ。
まず、不可能と考えてよい。
経理上は損金処理できることもあるので、専門家に相談してみるとよいだろう。
おわりに
この本では、輸入ビジネスでの日本人であるがゆえに陥りやすいミス、罠について掘り下げました。
私自身の体験も恥を忍んで公開しています。
成功のパターンは、星の数ほどあることでしょう。
しかし失敗の定義は、ひとつです。
それは、あなたが思い描いた結果が得られないこと。
そうです。
失敗のパターンは、すべての人に同じなのです。
私が、28年に及ぶ輸入ビジネスの中で、不幸にも遭遇した経験は、きっとあなたの役にたつ。
そんな思いでこの本を書いたのです。
あなたが輸入ビジネスに関与すると、ここで紹介したような失敗や問題に直面するかもしれません。
しかし、勘違いしないでほしいのです。
本書で紹介したようなトラブルや失敗の数倍、数十倍もの喜びがあるのですから。
これが私の実感です。
私の願いは、本書を読んでいただくことで、問題をうまくクリアーし、事前に失敗を回避する知恵を獲得していただくことなのです。
じっくり読んでいただけば、注意すべき点がクッキリ浮き彫りになることでしょう。
あなたには、回り道をしてほしくないのです。
失敗は、私だけで十分です。
私は御縁をいただいたあなたの輸入ビジネスの成功に寄与したいのです。
できる限り失敗の種をつむことで、あなたは成功するしかなくなるのです。
この本の大きな魅力はここに尽きると信じるものです。
そして輸入ビジネスは国際交渉です。
入口の商談をはじめ、サンプルや商品の仕様、価格、輸送などで輸出者との交渉が必要になります。
交渉ごとで、日本人はくみしやすいと思われていることを知ってほしいのです。
欧米人は、話し合いがあり、議論があり、それを通じて物事が決まると考えています。
当然、結論にはある程度の妥協があるのかもしれません。
しかし、それはお互いの主張をぶつけ合ったうえで、折り合えるポイントを発見しての妥協を探った結果なのです。
欧米では、「ディベート(議論)」が文化としてあります。
自己主張できない人間は一人前の人間として認められないため、小学生のうちから授業でディベートを学ぶのです。
上級学校でのディベートの授業を通して自己主張術を学び、自分の意見を堂々と主張する術を身につけるのです。
我々日本人は「謙譲の美徳」や「相手の気持ち」を大切にします。
それは、日本が世界に誇れる美点でしょう。
反面、自分の意見をきちんと主張する人間を嫌ったり、排斥したりします。
議論は時には相手の人間性の否定まで発展してしまうことがあるのです。
欧米人は「意見と人間性は別物」と考えているのです。
一日中かんかんがくがくと議論した後にこんなしゃれたことを言うのです。
たとえ合意が得られなくても、「お互いの意見がまったく違うことに合意した」と。
そして握手でわかれるのです。
素晴らしいとは思いませんか?輸入ビジネスに限らず人と人との関係は、いかに「WIN―WIN」に持っていくかが重要だと実感しています。
その関係さえ築ければ、ビジネスパートナーとしてお互いに成長できるからです。
そのために、あなたにも、もっと自分の立場を正当に主張してほしいのです。
相手にこいつと組むと得するかもしれないと思われる人であってほしいのです。
自分の意見を持つ人間は尊重されるのです。
あなたの毅然とした態度が結局、「WIN―WIN」の関係を築く基礎になるものだと信じています。
最後になりますが、あなたとの素晴らしい出会いのきっかけを与えてくださった皆様に感謝の言葉を述べさせてください。
「先生の失敗談が聞きたい」って背中を押してくれたインポートプレナーズクラブの会員のみんな!皆様の変わることのないひたむきな応援は私の財産です。
ありがとうございます。
今回お声をかけてくださった現代書林の坂本桂一社長様、失敗談を熱望してくださった鹿野青介常務様、そして私のわがままをやさしく聞いてくださった相根正則副編集長様、皆様の深い理解がなければ、この本がこの世に出ることはなかったでしょう。
ありがとうございます。
心から心から感謝です。
ご自分の事例を惜しげもなく提供してくれたクライアント様、そして仲間たち。
ありがとうございます。
この本は、まさに皆さんとの共著です。
私の実弟である大須賀進。
私の最高のビジネスパートナーとしていつも支えてくれてありがとう!あなたがいなければ、今の私はないでしょう。
ありがとう。
度重なる出張のために留守がちな私に代わって家を守ってくれている妻には、言葉では言い尽くせないほどの感謝を捧げたい。
ありがとう!君がいなければ、私は自由に海外を飛び回ることなどとうてい不可能だったでしょう。
信じてついてきてくれてありがとう。
胸がいっぱいです。
深い愛情をこめて何度でも言うね。
ありがとう!私がいなくても元気に育ってくれた子供たち、ありがとう。
あんまりいい父親じゃなくてごめんね。
あなたたちは私の誇りです。
おふくろさん、どんな時でも信じていてくれてありがとう。
くじけそうなとき明るく励ましてくれてありがとう。
どんなに勇気づけられているか……。
感謝です。
そしてそしてここまで一緒にたどり着いたあなた!ありがとう。
あなたの命でもある貴重な時間を費やして最後まで読んでくださって本当に深く感謝いたします。
私との出会いが、あなたにとってなんらかの価値あるものになるならば、私にとってこのうえないしあわせです。
ありがとう。
もう一度言わせてください。
ありがとう!あなたの輸入ビジネスでの成功を祈りながら……!平成21年7月香港の国際見本市会場にてジェトロ認定貿易アドバイザー大須賀祐
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この作品は現代書林「輸入ビジネス儲けの法則」(2009年9月15日初版第1刷)に基づいて制作されました。
【著者プロフィール】大須賀祐(おおすかゆう)●…1955年9月26日生まれ。
早稲田大学商学部卒。
ジェトロ認定貿易アドバイザーNo.486。
株式会社インポートプレナー最高顧問。
輸入歴28年。
日本貿易学会正会員。
OVTA財団法人海外職業訓練協会国際アドバイザーNo.644。
「輸入ビジネス・インポートプレナー養成講座MIC」主宰。
●…東証一部上場企業入社後、3年目で最優秀営業員賞受賞。
その後、自ら直接輸入を推進。
2004年2月、当時合格率がわずか8.4%であり、現役で日本国内に500名もいない超難関資格「ジェトロ認定貿易アドバイザー」を取得。
現在、独自のビジネスコンセプト「インポートプレナー」(輸入で起業・輸入で新規事業)のコンサルティングに情熱を注いでいる。
●…著書に、輸入ビジネス書としては異例ともいえる2連続販売即日Amazon総合ランキング1位になった「初めてでもよくわかる輸入ビジネスの始め方・儲け方」(日本実業出版社刊)、「おもしろいほどよくわかる貿易ビジネスの基本と常識」(PHP研究所刊)がある。
■この本の内容に関するお問い合わせ先info@importpreneurs.com■著者のホームページhttp://www.importpreneurs.com■著者の輸入ビジネスブログhttp://importpreneur.jugem.jp■著者のメルマガ「インポートプレナーズ通信」http://www.importpreneurs.com/mailmag.html
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