はじめに
今、あなたに一刻も早くお伝えしなければならないことがあります。それを知らないと、あなたは確実に時代から取り残されてしまいます。ご存知でしょうか?貿易が自由になり、以前より輸出入がしやすくなっていることを。
2018年3月に11カ国による環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の署名式が行われ、さらに翌年の2019年2月には日本・EUの経済連携協定(EPA)が発効されました。
このように貿易の自由化の流れは、着々と進んでおり、さまざまな障害はあるものの、関税フリーの世界が広がりつつあります。すでに欧州からやってくる輸入品の関税は、引き下げがはじまっているのです。
「それが私に何の関係があるんだ!」あなたはそう思っているかもしれません。でも、もう少しだけ私の話を聞いてください。
日本は今後、人口減少に伴い消費が徐々に減り、経済規模の縮小が予想されます。さらにAIなどの発達により、衰退する産業も出てきました。
経営者の中には「なんとかしなければ事業が継続できない」と危機意識を強めている方もいるでしょう。それでいて、「お金のかかる投資は難しい」と悩んでいる方も多いはずです。
本業は頭打ち、新規事業にお金をかけられない、経費は上昇中……。来年、3年後、5年後を見通せるような事業計画を描けない……そういう企業も多いのではないでしょうか。
そこで、私からの提案です。今すぐ、御社に輸入ビジネス部門をつくってください!「輸入ビジネス?うちには、人もノウハウもないのでムリですよ!」いえいえ。
それが大間違いなのです。
ひとたびリーマンショックのような大きな痛手を受けると、回復まで何年もかかるだけではなく、慢性的な赤字体質に陥ったまま抜け出せずにいるケースもあります。
赤字が連続し、事業の継続そのものが危ぶまれる前に、輸入ビジネスを事業に加えるのです。
100万円からはじめられる私がコンサルティングをしている30代のヨガ教室を開いている女性は、たった1人で輸入ビジネスをはじめ、わずか3年で大手小売チェーンで販売するヒット商品を手がけました。
その女性以外にも、東急ハンズ、ロフトや大手百貨店などに卸している小規模な会社がいくつもあります。1人の担当者または1人の経営者からはじめられるのが、輸入ビジネスの魅力です。本業に影響せず、設備投資も不要。
最初の一歩は、最低100万円あればきちんと踏み出すことができます。しかも、一度キリの商売ではありません。ヒットだけを狙うギャンブル的な商売でもありません。
最初から永続性を備えた仕組みがあるので、事業規模をいたずらに大きくしなくても、ずっと小規模のまましっかり稼ぐこともできますし、もちろん拡大していくこともできます。
「何か、いい新規事業はないか?」と思っても、初期投資であるとか参入の難易度、さらにその後の継続性に不安があって踏み出せないことも多いはずです。
わずか100万円からはじめられる新規事業は、そうそうありません。しかも、これまで輸入や貿易に関わったことのない人でも、はじめることができて、成果を上げています。
□5つの不安を解消しよう
「誰でもできます」「簡単です」「少人数で小規模投資ではじめられます」と言っても、あなたは「何か罠があるだろう」「どこかに落とし穴があるだろう」と思われるでしょう。
こうした不安の理由は、大きく次の5つに含まれるのではありませんか?
- 英語ができないとダメなのでは?
- 運輸、通関、税金、書類などがとんでもなく面倒では?
- 名も知られていない中小企業や個人事業は、海外で相手にされないのでは?
- 巨大資本がないと、はじめられないのでは?
- 輸入した商品は本当に売れるのか?
私のところに相談しにくるほとんどの人は、この5つのどれかを質問してきます。
一方、すでにはじめている人たちは、この5つのどれも不安視していません。輸入ビジネス経験者は、この5項目を、不安とも壁とも感じていないのです。輸入ビジネス未経験者だけが、すべてを不安と感じてしまうのです。
なぜでしょうか?この点については第1章をお読みいただければ、きっと不安どころかチャンスであることをご理解いただけるでしょう。
□メーカーとなって価格決定権を持とう
輸入ビジネスでは、ものをつくって販売する、つまりメーカーの立場となります。とはいっても、何億円規模もの投資などは不要です。また、輸入ビジネスと言うと、「転売」を想像する人も多いでしょう。
海外のショップなどから買ってきたものを、アマゾンに出品してみたり、インターネットを通じて小売りすることが盛んに行われています。
しかし、私はそれを輸入ビジネスとは呼びません。海外の生産者から、直接自らが輸入したものを日本の販売業者を通してあまねく日本中に広めていく。これが私のオススメする王道の輸入ビジネスです。
その利点の第一は、あなたが価格決定権を持てるということです。さらに独占販売権があればなお強力です。
輸入ビジネスは、価格決定権を握り、粗利率50%以上で販売することで、安定した利益を確保できる事業としていくことができるのです。赤字になりがちな本業を、輸入ビジネスで補うことができます。
また、本業に使う資材などを輸入できれば、原価を下げることにもつながるので、本業の収益改善にもなるはずです。本書を手に取ってくださったあなた!実はとっても簡単でしっかり儲けを狙える輸入ビジネスの扉を開けましょう。
大須賀祐
第1章今すぐ輸入ビジネスをはじめるべき8つの理由
150
2小が大に勝てるフェアな世界
3低リスクで参入が可能
4世界的な関税フリーの流れ
5意外に簡単
6永続的な取引関係を構築できるBtoBビジネスモデル
7仕組みを自らが持てる
8社会的・文化的にも価値がある
★輸入ビジネスの実践者たち①
第1章今すぐ輸入ビジネスをはじめるべき8つの理由
150
あなたは、なぜ今、輸入ビジネスなのか、と思っているかもしれません。その最大の魅力は、粗利益率の高さにあります。最低でも50%。通常なら、70%〜80%。多い人で85%〜90%です。
これは机上の空論ではありません。輸入ビジネスの世界では、メーカーからの仕入れ値10円の商品を1980円で数年にわたって販売した人もいるのです。高すぎると驚かれたでしょうか?いいえ。
現在ビジネスをされているあなたならお気づきでしょう。粗利50%以上を確保しなければ、そのビジネスは長く続かないし、生き残れないのです。
しかし、今の日本の仕組みではそれが難しいのです。なぜなら、日本市場が特殊だからです。例をあげましょう。
定価1000円で販売されているAという商品があったとします。それは一般生活消費財です。これをあなたが仕入れるとしましょう。商品は、いくらで仕入れられるでしょうか。600円程度でしょうか。よほど大量に仕入れて500円でしょうか。
いずれにせよ、あなたがお店で売るときには、1000円以下でしか売ることはできません。最大1000円。セールをすれば900円とか800円、最悪の場合半額になってしまいます。
メーカー主導で定価を維持させることは、法律でできないことになっています(書籍など一部を除く)。それでもメーカー希望の価格は現存し、実質的に日本ではメーカー主導、業界主導で販売価格が決まっています。
600円で仕入れ、1000円で販売することができても粗利は40%です。経費率はどのぐらいでしょう。ものによるでしょうし、ビジネスのやり方にもよるでしょう。しかし、ざっと35%〜45%ぐらいの経費がかかっているはずです。定価で売ってもギリギリの利益しか残りません。まして値引きやセールをしたら……。
あなたのビジネスは、あっという間に赤字になってしまいます。このような定価制度は日本の常識ですが、世界ではありえないのです。定価があるために、私たちの粗利益は常に大きく抑えられてしまっています。
今の日本市場では、誰が扱っても、その商品から得られる儲けは価格の50%以下になってしまうことが多いのです。
市場価格は定価以上になることはまずなく、定価以下へ下げる圧力しかありませんので、仕入れ価格を下げない限り、私たちの粗利益は向上しません。研究熱心なあなたのことです。
本来ならば10円で買った商品を1000円で売ることもできるはずです。できるだけ自分の儲けを大きくしたいと考えるのはビジネスの基本中の基本です。10円で仕入れたものを、100円で売れないか、いや1000円で売れないか。
それが本来の商売ではないでしょうか?そして、商売人の能力ではないでしょうか?ですが、それを最初から否定されているのが、定価制度に基づいた日本市場の特殊な現状なのです。
これでは、黒字にしたくても困難で、赤字になってしまうのも当然でしょう。本来、メーカーから仕入れた製品をいくらで売るかは、あなたが自由に決めていいのです。いや、決めるべきです。それが世界の常識なのですから。
輸入ビジネスは、自由な価格設定ができます。値引き合戦につき合う必要もありません。海外メーカーとの直取引によって、私たちが価格決定権を得て、市場に流通させることができるのです。
さきほど、輸入ビジネスの粗利は70%以上も珍しくないと述べましたが、現実に世界の企業の多くが、この程度の粗利を当然のように確保しています。
ギャラリー・ラファイエットをご存知ですか?パリに本店のある百貨店です。そこで3000円で売られている商品があるとします。これをいくらで仕入れているかご存知ですか?なんと900円くらいで仕入れているのです。
粗利70%くらいなければ、商売が成り立たないことを、世界の商売人は常識としてよく知っているのです。
失礼ですが、あなたの会社でも、努力して経費を35%〜38%ぐらいに抑えたとしても、会社には1%か2%しか利益は残らないのではありませんか?世界情勢の変化などで、経営が厳しくなったら、この利益では立ちゆかなくなるでしょう。
うまくいっているようでも、自転車操業に陥り、現状維持が精一杯。とても拡大再生産にはなりません。この状況を突破できるのは、大資本による商品開発によって価格決定権を持つか、独自技術を持つなどして価格決定権を得た企業ぐらいのもので、大多数の日本の中小企業にはできません。
会社規模も大きくなりませんし、新しい事業に投資する余裕もなく、維持するだけでも大変な努力が必要です。でも、今まで日本の企業はそれでやってきたじゃないかと、あなたは思うでしょう。
しかし、その背景には、高度経済成長があったのです。1954年(昭和29年)から1973年(昭和48年)までの19年間、ほぼ毎年10%ぐらいのGDPの成長がありました。1955年のGDP(国内総生産、名目)は8兆3380億円。1990年は437兆220億円ですから、約51倍になったのです。これがどれほどの異常なことか。
たとえるなら、今、年収1000万円の人が、35年働いたら定年時の年収が5億1000万円になる計算です。そのため、当時は粗利が少なくても高回転で資金が回っていき、売上高はどんどん伸びるので、商売を維持できたのです。
しかし、それがピタッと止まってしまいました。1990年以降の成長は毎年、1%とか2%です。マイナスの年も多く、ひどいときは成長がマイナス4%以上にもなっています(2008年)。
こうなると、経営はいっきに苦しくなります。粗利率がそもそも低すぎたので、経費の負担が大きくなり、儲からなくなってしまったのです。コスト削減ばかりが叫ばれ、事業を維持するために人を減らし、給与を上げないようにしてきました。これでは誰も幸せになれません。
今から、この特殊な日本市場で新規事業を興そうとしても、うまくいかない確率が高いことはおわかりになるでしょう。これからは、世界の常識(デファクトスタンダード)で商売をしていきましょう。
粗利50%以上のビジネスをするのです。輸入ビジネスがまさにそれなのです。輸入ビジネスは、なぜ50%以上の粗利を確保できるのでしょうか?それは、自分で粗利を設定できるからです。
定価を決めるのはあなたなのです。海外のメーカーは、日本の商業流通の仕組みとはまったく無関係な立ち位置で仕事をしています。
日本の流通は、『メーカー→商社・問屋→小売』といった段階を経るのが常識になっていますが、その結果、メーカーが決めた小売価格から、商社・問屋も利益を得なければなりません。
ですが、海外のメーカーは、そのほとんどが小売店への販売という形を取ります。問屋という形態はありませんので、中間で利益が取られることもありません。もちろん、市場価格、相場というものがあります。
これは輸入品も同様で、同じような化粧品ならいくら、文具ならいくら、玩具ならいくらという目安はあります。
しかし飛行機というタイムマシンを使って、日本よりも未来、もしくは過去の世界の差別化された商品を発掘し、日本市場に持ち込むことで、理想的なビジネスにしていくことができるのです。
2小が大に勝てるフェアな世界
輸入ビジネスの魅力は粗利だけではありません。あなたの会社の看板で取引条件などが左右されることはありませんし、新規参入でも問題なくフェアに取引ができます。海外メーカーはあなたが何者か、どんな会社かはあまり興味がありません。
海外メーカーにとっての関心事は、あなたが自分たちの製品をどれぐらいの量を、どれぐらいの期間にわたって買ってくれるのか、です。
これ一点だと言っても過言ではありません。彼らは自分たちの商品に誇りを持っています。同時に、買いつけにきてくれた人たちを顧客として平等に扱います。日本で名の知れた企業であるとか、社歴があるとか、実績があるといったことは、あまり評価してくれません。熱意のある人、やる気のある人と取引をしたいと願っているのです。
とくに欧州のメーカーの多くは、日本の「会社」と取引するというよりも、自分たちの商品を売ってくれる「個人」と取引したいと思っています。
組織ではなく、個人が重視されます。日本国内の取引では、肩書きや名声が取引に大きく影響を与えます。企業規模によって取引条件が変わっていくのです。大企業の名刺を出せば有利な取引ができ、中小企業の名刺では、参入することもなかなか苦労してしまうのが現状です。
「これ、いくらですか?」とメーカーに質問しても、個人事業主がするのと大企業の仕入れ担当がするのとでは、返事が違ってきます。こんなやりとりになるのではないでしょうか。
「希望小売価格は120円です」「では仕入れ値は?」「どちら様ですか?」そこで、名刺を渡して、相手はその名刺から信用度や取引規模を瞬時に判断して、価格を変えてくるのです。
大企業の名刺なら「60円です」と言うかもしれませんが、中小企業には「90円です」と言うかもしれません。または「取引できません」と言われる場合もあるでしょう。
交渉のスタートラインがまるで違うのです。海外のメーカーの多くは、出荷価格はすべての人に対して等しく決まっていて、それをズバリ言ってきます。こちらの規模とか看板は関係ありません。
個人事業だろうと大手商社だろうと、スタートラインは同じです。あとは発注量などによって変化していくだけです。これは文化の違いもあります。そもそも海外には定価が存在しないので、メーカーは末端の小売価格には関与しません。
価格は売る側の流通方法、宣伝方法、アフターサービス費用などによって、自由に決めて構わないことになっており、メーカーは口出しができません。
輸入ビジネスの最大の特徴の1つとして、純粋に商売としての知恵、目利き、努力を、価格に反映させられる点があげられるのです。
ある個人事業主は、輸入ビジネスに取り組み、個人であるにもかかわらず海外メーカーと独占販売契約を結び、日本の大手小売チェーンとの取引を成功させています。
大手小売チェーンの東急ハンズやロフトのようなお店は、個人事業主との取引はしていないと思われているかもしれませんが、輸入ビジネスを業にすれば可能です。
輸入ビジネスは、圧倒的な差別的優位性を持った商品を扱います。ですからあなたの会社の規模とは関係なく、その商品を売りたいお店や企業と取引することができます。独占販売権を得ればさらに優位になるのです。
中小企業がこれから輸入ビジネスに取り組むのなら、既存の事業にプラスして売り上げや利益を増やすことができますし、既存の事業で仕入れている製品や部材を輸入することで原価を下げて粗利率を拡大させることも可能です。
売り上げが前年とまったく同じでも、利益が10倍になるとすれば、どうですか?輸入ビジネスなら可能です。今から新規ビジネスを立ち上げるなら、そのような夢のある分野を目指すべきでしょう。
実際に別の事業から参入した企業が、輸入ビジネスを新事業としてはじめて、今ではそれが経営の1つの柱になっている例もあります。
あなたが、もしもある商品の日本での独占販売権を手にしたら、どのような商売ができるのでしょうか?その商品が欲しければ、大企業だろうが大組織だろうが、あなたを通さなければ買えないのです。
そんなポジションに興味はありませんか?私は、世界の先進国と日本の待遇格差を埋めたいと願っています。あなたは長時間、苦労して仕事をしている割には、思ったほどの報酬を得ていないのではないですか?それが日本の構造です。
一方、海外の先進国では残業することなしに、時間は好きに取れ、それでいて私たちよりも豊かな生活ができている。
おかしくないですか?このままでいいわけがないと思いませんか?あなたががこれだけ働いているのなら、もっと報われていいはずです。
私はこの問題を根本から解決したいのです。小が大に勝てるフェアな輸入ビジネスによって、あなたが受け取るべき豊かさを世界的なレベルまで引き上げたいのです。
3低リスクで参入が可能
輸入ビジネスは、低リスクであることも魅力の1つです。「立ち上げに、いくらかかりますか?」と聞かれることが多いのですが、「100万円からはじめられます」とお答えしています。
多くの経営者からは、「ホントですか?100万で新規事業ができるんですか?」と驚かれます。
輸入ビジネスの実務は、海外に渡航し、商品サンプルを入手して、日本の展示会で商品をアピールするという流れになります。
この渡航費用、商品サンプル費用、日本での展示会出展費用をすべて入れて100万円程度から参入できます(商品の管理費や通関の代行業務などの費用は除く)。
これが必要最小限の投資です。人員も最初はあなた自身のみ。1人ではじめられます。渡航費用は格安航空券などのおかげで、やりようによってはかなり節約できます。あなたが持っているマイレージを使うのもいいでしょう。
サンプル費用は商品次第なので、数万から数十万みます。展示会出展費用はだいたい70万円ぐらいです。
これが一番、大きい費用でしょう。設備投資はいりません。今ある机、今ある電話、今あるパソコンやスマホ。そのままで構いません。「展示会の費用はかなり高く感じますね」と言う人がいます。
本当に高いのでしょうか?何と比べて高いのでしょう?一度展示会に出ると、少なくとも100社ぐらいの人と会うことができます。
つまり、1社につき7000円の経費で名刺交換して、商品のアピールができるのです。このコストを本当に高いと思われるのでしょうか?今の時代、企業の代表電話番号に電話をしても、担当者にはなかなかつながりません。
担当者を知っていなければ、電話もメールもできません。アポも取れません。会ってもくれません。
DMを送るとしたら、いくらかかりますか?新聞に広告を打ったらいくらかかりますか?きっと数十万円単位、新聞広告などは数百万円規模でしょう。
仮にそれをやったとしても結果はどうでしょう。100社以上からレスポンスがあるでしょうか?到底そんなに多くの反応はありません。よくて1%程度、1000社にDMを送って、期待できる反応は10社以下です。
それに比べると展示会は魅力的です。実際に、展示会に出展して熱心に活動し、400社以上の責任者や担当者と直接話をして、名刺交換した人もいます。
これなら、1社1750円。こんなに安上がりな方法は他に考えられません。BtoBのビジネスなら、この中から1社でも取引先が見つかれば、ほぼ継続的に顧客となっていただけるチャンスがあります。
つまり、継続性を考えれば、展示会費用など、ほとんどタダのようなものだと言えるのです。
渡航費用も、旅行好きな人なら、ビジネスでなくても毎年ある程度は出費されているでしょうから、もはや経費としてそれほど大きく意識するものでもないでしょう。
一般的に新規事業をスタートさせるときに、あなたはどれぐらいの資金を用意しなければならないとお考えでしょうか。もし都内で飲食店をはじめようとすれば、最低でも1000万円以上の資金が必要になります。
大手コンビニの加盟料だけでも200万~300万円ぐらいはかかるものです。もちろんその他の出店費、運転資金なども含めればあっという間に2倍、3倍に膨れ上がるでしょう。
すでに事業を開始されている企業、個人事業主のあなたが、新たな収益源として取り組むとすれば、100万円程度からはじめられる輸入ビジネスは低リスクの事業と言えます。
多大な借り入れも不要です。設備投資もいりません。今いる人員で、場所で、スタートができます。
もちろん、実際にあなたが商品を見つけてきて、日本での販売に至るまでに半年から9カ月ぐらいはかかりますが、本業の傍らで進めていくことができるのです。
私のセミナーに参加して輸入ビジネスをはじめているのは、企業ばかりではありません。サラリーマンが副業ではじめる例もあります。
29歳、39歳、49歳、59歳といった、次の10年、20年を真剣に考えている人たちは、退職金を念頭に、どの程度のリスクが取れるのかを計算して、ぞくぞくと輸入ビジネスに参入しています。
個人差はありますが、自分の未来への投資と割りきって、ビジネスをはじめている人も多いのです。
4世界的な関税フリーの流れ
日本が、世界的な一大貿易圏の一部となる時代となりました。はじめにでも触れましたが、2018年末に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効され、日本に輸入される商品の関税は、最終的に全廃される予定です。
また2019年2月には日本とEUの経済連携協定(EPA)が発効され、すでに関税の壁がなくなりつつあります。
また日米間でも貿易協定の交渉が進められており、関税撤廃への動きは世界規模で加速しています。相互に市場を解放していきますので、輸出も輸入も、これまで以上に活発になっていくと見られています。これまで日本の主な輸入品として、原油、LNG(液化天然ガス)、衣類、スマホなどの通信機器が知られてきました。
そして何よりも、貿易と言えばこれまでは輸出がメインで、いかに日本の産品を国外に売るかに重点が置かれてきたのです。貿易の本や統計なども、輸出関連がとても目立ちます。
しかしこれからは、海外のメーカーが日本へ輸出しやすくなったので、さまざまな商品が日本市場を目指してくると考えられます。多くの海外のメーカーは、あなたが輸入ビジネスをしている日本人とわかればきっと歓迎してくれるはずです。
すでに各国の大使館などでは、輸入してくれる業者向けに便宜を図ってくれる例もあり、私の周りでも、大使館主催の海外展示会ツアーに招待されたり、要人を紹介されるなど、期待感は増すばかりです。
今こそ、輸入ビジネスをはじめるいいチャンスであることは明らかです。今後、グローバル化の流れは、ますます加速されていくことでしょう。来日する外国人観光者が急増したように、世界中から、モノやサービス、安価な労働力が押し寄せてくるはずです。
このような自由なグローバル社会で求められるのは、「個人や企業が他国民と自発的に経済取引をはじめることができる自由と能力」だと私は考えています。
残念ながら日本の大手企業は、決断に時間がかかるため、この時流に乗ることは難しいでしょう。組織力や看板があまり評価されない海外メーカーとの折衝となったら、熱意あるあなたのほうがずっと優れているのは自明の理なのです。
これから日本でビジネスを立ち上げるのなら、国境を越えて経済活動を行う「能力」が不可欠です。輸入ビジネス的発想は、まさにこうした時代にふさわしいものです。この潮流に乗って前進していきましょう。
5意外に簡単
輸入ビジネスは科学です。科学である以上、やり方を学んできちんと手順を踏めば必ず結果が出ます。定理、法則、公式があります。だからそれを学べば簡単に誰でもでき、1人からでも挑戦できます。
ここでは、「はじめに」で示した輸入ビジネスをはじめようと考えたときにあなたが感じる5つの不安に、お答えしていきましょう。
①英語ができないとダメなのでは?
語学をネックに思う人も多いでしょう。英語ができればそれに越したことはないですが、大切なことは語学より立場です。こちらが買う側であれば、語学はそれほどの問題ではありません。買う立場であることをはっきり示せばいいのです。世界に76億の人がいるのですが、なんと英語がネイティブな人口は約4億〜5億人しかいないのです。つまりほとんどの国の人にとって、英語は第二、第三の言葉です。
欧州では英語が苦手な人もたくさんいるのです。翻訳機、スマホアプリ、Google翻訳などが発達していますので、このようなものを活用して商談している人も増えてきています。語学は二の次、大事なのはビジネスです。
つまりあなたは、海外へ行ったときはお客様なのです。商品を買いに行くわけですから。逆の場合でもそうでしょう。遠くから買いにきたお客様に、多少の言葉の問題があるからといって追い返す人はいないでしょう。
②運輸、通関、税金、書類などがとんでもなく面倒では?
物流をはじめ、輸入関係の手続きはすべてプロに任せることができます。
今から手続きの本を読んで勉強する必要はありません。それよりもビジネスを前に進めることのほうが大事です。試しにネットで「通関代行」でキーワード検索してみてください。
ずらりと代行してくれる会社が出てきます。世の中にはすでに、何十年にもわたって、専門的な業務に携わり高い知識や経験を持つ人たちがいます。すべてを自分で学んでやるよりも、こうしたプロフェッショナルを活用したほうが間違いありません。自分の足りない部分はプロに頼ることをオススメします。
在庫も業者に委託できます。私はあなたに物流に絡まないことをオススメしています。在庫を自分たちで持ってしまったら、物流をしなければならず、これが想像以上の負担になります。すべて外注で対応していきましょう。
少人数ではじめるなら、難しい部分はしっかりとしたビジネスパートナーに任せてしまうという方法が、輸入ビジネスでは選択できるのですから。
私たちがこれからやるべきは、海外にある優れた商品を見つけて、いち早く日本市場に紹介する仕事です。どこに時間を割くべきか、どこにお金を使うべきか、おわかりでしょう。これからすべきことは、大きな総合商社をつくることではなく、小さくても輸入ビジネスをはじめることなのです。
③名も知られていない中小企業や個人事業は、海外で相手にされないのでは?
この点は、すでに私のコンサルティングや私のセミナーなどを受けて事業をはじめた人たちは、軽々と突破しています。細かいことは第4章でお伝えしますが、海外メーカーには、そのような日本的な「看板」への執着はほとんどありません。
また、私たち同様の小規模のメーカーや歴史のあるファミリービジネスなども参加しており、出会いを歓迎されることのほうが多いのです。
例えばイタリアでは、1人、2人で経営しているファミリービジネスがとても多く、私たちが「1人でやっている」と説明しても、それに対して不信感を持つことはありません。
もちろん特殊な展示会などでは、日本の大企業しか相手にしないとするメーカーもありますが、そういうところとは話をする必要はありません。
私たちの輸入ビジネスを理解してくれるメーカーは、他に無数にあるのですから。相手先は信用できるのか、という質問もよく受けます。
「ちっぽけな私たちを相手にしてくれるような、小さな海外のメーカーは大丈夫なのか?」というわけです。相手企業の信用度は、どのような展示会に出展しているかを見て判断できます。有力な展示会には、信用のない企業は出展できません。
展示会を開く主催者側からすれば、買いつけにくる私たちは大事なお客様なのですから、その人たちをあざむき損をさせるような企業を極力排除しようとしています。
ですから、できるだけ権威のある展示会を回ることで、リスクを減らすことができます。もちろん、100%安全とは言えません。私も昔、被害に遭ったことがありますからね。しかし、優良な展示会に行く、それだけでかなり安全性は高まります。
優良な展示会については、日本輸入ビジネス機構(JAIBO)の「展示会カレンダー」(https://jaibo.jp/exhibitioncalendar/)で調べることができます。
④巨大資本がないと、はじめられないのでは?
このことは、すでに、この章でお答えしています。1人ではじめられますし、最低100万円からスタートできます。
⑤輸入した商品は本当に売れるのか?
これも②の不安と同じく「プロと組む」ことで解決します。自分たちで輸入した商品をすべて売りさばくといったビジネスモデルよりも、BtoBで、小売は専門のお店に任せるほうが確実に売れます。
私たちは、専門性を活かし、海外で商品を発掘し日本へ紹介することに専念するのです。取引先の発掘は、日本の展示会で行えばいいのです。では、ここで輸入ビジネスがどれぐらいハードルが低いものなのか、ちょっと例をあげてみましょう。
●塾経営の傍らで輸入ビジネス
Kさんは、地方都市で塾の経営をしていました。
少子化で塾経営が次第に厳しくなっていることから輸入ビジネスに興味を持ち、私と一緒にドイツの展示会へ行って商品を発掘してきました。
国内の展示会で出展を計画したのですが、帰国してから展示会までちょっと期間が空いてしまったので、試験的にその商品を自分の塾のサイトで紹介したのです。
すると、なんと購入の打診があったのです。しかも、海外超有名企業の日本法人から。あまりのことに「これは、詐欺ではないか」と思ったので、相手に前金を振り込んでもらうことにしました。
するとすぐに、100万円が振り込まれたのです。Kさんは、その中から70万円で商品を仕入れました。納品後に残金もきちんと振り込まれ、なんと357万6000円(上代ベース=標準小売価格)を売り上げたのです。
異業種から輸入ビジネスに参入し、7カ月で外資系法人との売買契約締結までこぎつけて、今も順調に輸入ビジネスを継続しています。
●エステティシャンから年商1億目標へSさんは当時30代の主婦。
子供も手を離れたので何か仕事をしたいと資格を取り、エスティシャンになりました。お店は繁盛し、忙しくなったのですが、「これは続かないかも」と不安になってしまいました。
年齢を重ねれば体力も衰えてくるだろうと思ったからです。そこでレバレッジのきく輸入ビジネスに興味を持ち、私のセミナーに参加。さっそく香港の展示会へ行き商品を発掘しました。
これを、日本国内の展示会に出展したところ、あるエステ会社の目に留まり、商談はトントン拍子に進みました。エステ会社に販売しているこの商品の仕入れ価格は定価の約1/10。
つまり驚異の80%の粗利ということになるのです。それから2年、個人事業を法人化し、「現在は、年商1億円に挑戦中」です。しかもこれは、Sさんと娘さんの2人だけで営業しているのです。
いい商品はいい人脈にもつながり、いい取引先からはさまざまなことが学べるので、これを機にSさん自身も自然に企業人として成長していくことになりました。
●副業からのスタートNさんは地方都市のサラリーマンです。
セミナーに参加し、サラリーマンのままドイツの展示会に行き、商品の発掘をしました。それを日本の展示会に出展したのです。なんと3日間の展示会で、1500万円の受注がありました。
おまけに展示会で430社もの見込み客の名刺を得られたのです。この事業は、3年後、年商3000万円規模になりました。このように、まったく未経験でも、自身の得意な分野を活かすなどして輸入ビジネスを軌道に乗せています。
6永続的な取引関係を構築できるBtoBビジネスモデル
輸入ビジネスは3年、5年、10年、20年と続けていくことのできるビジネスです。私も実業家として28年以上携わってきました。普遍性があり、一過性の商売ではなく、そのときどきの世界情勢や市場のニーズに合わせて変化させていくことができます。
例えば、アマゾンで販売する個人輸入がよく紹介されています。しかし、あれは輸入ビジネスとは言えません。そもそも個人輸入したものを販売するのは違法なのです。
私たちは、「アマゾンで売る」のではなく、「アマゾンに売る」ビジネスモデルです。アマゾンがお客様になってくれるようなビジネスモデルなのです。
しびれませんか?この輸入ビジネスは、伝統的な「輸入卸売業」にあたります。BtoCではなく、BtoBの取引になります。
自分たちで直接販売せず、他社の協力を得ることで、小規模、少人数、小資本でも継続的にビジネスを発展させていくことが可能になります。
あなたが見つけてきた商品を販売するのは、優れた販売実績のある全国の問屋、そして小売店や小売チェーンです。ここでは両者を便宜上、販売業者と呼ぶことにします。
その販売業者内では、何万という商品が供給され販売されています。その流れの中に入っていくのです。販売業者は、常にお客様に満足を提供するための商品を揃えておくことが肝となります。商品がなければ立ちゆかないのです。
このため、販売業者は常に商品を探し、確保しようと努めています。彼らも永続的に商売を続けたい。ですから、私たちとパートナーとなることができれば、こちらも永続的に取引をしていくことができるのです。ただし、商品の寿命は永遠ではありません。新陳代謝が激しいと言ってもいいでしょう。
今はタピオカが大人気ですが、5年後はわかりません。そういうものです。
販売業者は売れている商品を確保する努力も必要ですが、一方でその次の商品を常に探し続ける努力も必要で、常にこうした活動に取り組んでいます。信頼関係ができると、取引先とのパイプは永続的につながっていきます。
信頼関係をベースに、販売業者のフィードバックからも発掘のアイデアが湧いてくるのです。さきほどの例で登場したエステティシャンのSさんは、商品を大手のエステ会社をはじめ複数の企業に卸しています。
最終的な価格も、それぞれの卸先によって設定していますし、パッケージなども変化をつけています。現地のメーカーがあり、輸入元であるSさんの会社があり、卸先の会社を通して販売されていく──。
こうしたチャネルは、あなたが思っている以上にしっかりしたもので、一度築かれたチャネルはずっと続いていきます。あなたが逆の立場でもそうでしょう。
いい商品を見つけてきてくれる人がいれば、できるだけつながっておきたいと思うのではないでしょうか?そして他に卸すより前に、こちらに教えて欲しいと思うのではないでしょうか?そうした関係を築くことで、輸入ビジネスは何十年と続いていくのです。
輸入ビジネスをすることによって、いっきに全国へあなたの名が知れ渡ります。国内展示会で定期的に出展すると、知り合いが増えます。その人たちから期待を寄せられ、それが企業の成長につながるのです。
また、「とにかく楽しい」と言う人が、輸入ビジネスをはじめた人たちの中に多いのも特徴でしょう。海外の展示会へ行くのは、定期的に海外旅行へ行くようなものですし、そこで商品を発掘することはワクワクするイベントです。
あなたが行く先々で多くの人たちとの出会いがあり、旅が仕事になり、仕事が旅になっていくのです。なんてロマンチックなことでしょうか。輸入ビジネスはあなたの人生そのものになって発展していくので、いつまでも永く続けることができる事業です。
7仕組みを自らが持てる
輸入ビジネスは、自分自身で利益を構築する仕組みを創造できる点が大きな魅力の1つです。価格決定権を持てなければ、奴隷型ビジネスになってしまいます。
人に決められた価格、相場観の中で必死に生き残ることが求められます。でも、自分たちで見つけた商品を、売りたい価格で売ることができれば、この状況から脱することができます。これはいわばフランチャイザーとして仕組みを持つことなのです。
価格決定権を持つことが、ビジネスにとってどれほど有利なことかは、企業規模に関係なく、誰もがわかっていることです。しかし、それがとてつもなく難しく思えることでしょう。
ですが、実際に日本で現在、利益を大きく上げているビジネスは、自分たちで仕組みを構築できた企業ばかりです。仕組みを自社で持つことで、はじめて大きな利益につながるのです。価格決定権もそこに含まれています。
需要に応じて価格は変動するかもしれませんが、その価格を決めるのが自分たちである限り、常に、最大の利益を得られます。これは仕組みを持っている者だけの強みなのです。
こうした状況を構築するためには、自らメーカーとなって、自身で価格をつけられる立場を手に入れる必要があります。ただしリアルなメーカーとして参入するのは、簡単ではありません。
日本は「ものづくり」の国として長くやってきたので、歴史は長くその規模は巨大になり、世界規模にまでなっています。今から参入するには大資本が必要となります。
しかし、輸入ビジネスなら少ない人員、少ない資金で仕組みをつくることができます。ですから私は輸入ビジネスを「メーカー型ビジネス」と呼んでいます。
ビジネスを立ち上げようとしたときに、「手軽さ」「簡単さ」を中心に考えると、次のようなものが候補にあがるのが常でした。
- 大手のメーカーなどの代理店となって販売をしていく
- フランチャイズビジネスに加盟して、ビジネスをはじめる
①の代理店になるには、メーカーが求める資格が必要となります。規模や人員、専門知識や技能などです。さらに一定の資本も必要です。手軽なようでも、誰もが参入できるわけではありません。
もちろん、そこで販売する商品やサービスはメーカー主導で価格・料金が設定されるので、その中で利益を出すことは簡単ではありません。
②のフランチャイズは、それに比べれば門戸は開かれていますが、数百万円から数千万円といった大きな資金が必要になります。
しかも仕組みを提供するフランチャイザーは確実に儲かりますが、フランチャイジーには価格決定権がないので、本部の決めた利益幅の中で行うしかないのです。必ず儲かるわけではないという厳しい現実があります。
いずれにせよ、手軽、簡単なようでいて、ビジネスとして利益を生み出し、成長を続けていくためには、かなりハードルが高い方法となってしまいます。フランチャイズなら資金さえ用意すればすぐはじめられる。
それは事実ですが、継続していくためには、なかなか簡単なことではないのです。輸入ビジネスは、すぐにはじめられ、過度な投資をすることなく、自身がメーカーの立場を得られ、販売などで他社とアライアンスを組んで事業を進めていきます。いろいろな人の力を借り、人をつないでビジネスをする。事業としての王道であり、リスクも少なくて済みます。
海外メーカーは、私たちの仕入れによって売り上げが立ちます。私たち業者は商品が手に入ります。この商品は他にないものなので、差別的優位性を得られます。
販売店は新商品を投入することで新しい顧客の獲得につながります。消費者は見たこともない商品を手にする喜びと、活用する楽しみが得られます。誰も損をしない構造なのです。
メーカー、私たち、販売店、消費者、四方良しの構造です。ビジネスの多くはゼロサムの世界です。勝つか負けるか。どっちかが勝ち、どっちかが負けていきます。
ですが、それではいつ事業が終わりを告げるかわからないのです。永続性があるとは思えません。四方良しのビジネスは、輸入ビジネスの持つ強みであり、それが永続性につながっているのです。
8社会的・文化的にも価値がある
貿易は、商売の基本です。人類史上もっとも古い商売の1つなのです。「シンドバッドの冒険」をご存知でしょう。千年以上前に書かれたこのお話には、インド航路の交易が描かれています。
貿易を通して大金持ちになることを夢見ていた人たちが大勢いたことをうかがわせます。私はポルトガルに行ったとき、ユーラシア大陸最西端であるロカ岬をたずねました。ここは、インド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマなどが立ち、見知らぬ新世界に思いをはせた場所です。
いにしえの人々は、新たな航路を発見したい、新たな大陸を発見したいというような名誉心ではなく、貴重な香辛料であるコショウを手に入れようと、貿易のために危険を承知で船を出したのです。
まだ地球が丸いとは考えられておらず、どこかに世界の果てがあって、そこに行けば船ごと真っ逆さまに落っこちてしまうと恐れられていた時代にです。
今の私たちよりも知識や情報はずっと少なく、不安は大きかったはずです。それでも多くの人たちが、夢を追って海に出たのです。かつての人たちが、貿易のために船を出す勇気は、今なら月や火星に旅立つくらいのチャレンジだったに違いありません。
輸入ビジネスは、社会的・文化的にも価値のある仕事です。
大航海時代の交易によって東洋と西洋でものや文化の交換が活発になり、西洋では東洋を発見し、東洋では西洋を発見したように、急激に文化交流が起こり、社会が豊かになっていきました。
輸入することは、新しい文化や価値観を取り入れることです。こうして私たちは豊かになってきたのです。今でこそ、イタリア料理と言えばトマトを思い浮かべますが、このトマトは南米が原産です。交易で欧州に渡ってくるまで、存在しなかった食べ物です。
キムチも、唐辛子があってはじめて生まれたおいしい食べ物ですが、唐辛子はもともと東南アジアの原産です。意外に思われるかもしれませんが、交易によって日本から韓国へと渡っていったものなのです。
紅茶やコーヒー、ファッション、ライフスタイルなど、今も見知らぬ国や地域で産まれたものが、私たちに変化をもたらしています。最近ではタピオカなどがその典型でしょう。輸入ビジネスは、社会的、文化的にも価値のあるやりがいのある仕事です。
輸入ビジネスの実践者たち
①ギフトショーで準大賞。
わずか2年で全国から注文が◎株式会社東京フェリストレード代表取締役西村幸子さん(https://tfeliz.com/)
株式会社東京フェリストレード(東京都江東区)の代表取締役・西村幸子さんは、OLをしながら副業的に事業をスタート。2018年に会社を立ち上げると香港の展示会へ。そこで「ゆいクッション」と出会った。
──東京ギフトショーで準大賞を取りましたね実は、2018年9月に出展したときははじめてということもあって、商品をうまくアピールできませんでした。
そこで2019年2月の出展では、真っ先に行って、コンクールのエントリー商品を目立つところに置くなどの工夫をしました。きちんとアピールができたので、商品の良さを評価していただけました。
─1人で事業をやっているのですか?私1人で経営しています。
これまで普通のOLとして、システム開発の仕事や経理・総務の仕事をしていました。自分のビジネスはもちろんはじめてです。
──不安はありませんでしたか?不安は英語でした。
外国の人と話したこともありませんでしたし、一緒に仕事をするなんて……。自分で会社を立ち上げることさえハードルが高いのに……。
──ですが、実行されたわけです確かに言葉の障壁はあると思いましたが、人と人ですので、気持ちは伝わると思いました。
言葉はグーグル翻訳、メールでのやりとりが中心でした。メールも写真でやりとりするとすぐ見てわかるので、思った以上にスムーズでした。
工場も見に行きましたが、そこからいっきに円滑になりました。会ってしまえば、人と人の関係は日本も海外も同じです。
──ご苦労もあるでしょう?商品を輸入したときにバーコードが日本では読み込めないので、貼り替える必要が出てしまい、お金も時間もかかってストレスになりました。
このあたりは日本の流通事情について深く学ぶきっかけにもなりました。今は工場も協力してくれて、ミニマムロットで融通を利かせてくれるようになりました。最低1000個単位のところ、緊急で110個といった発注にも応じていただいています。
──営業活動はいかがですか?展示会をきっかけとして全国の東急ハンズ、ドン・キホーテ、高島屋、京王百貨店でイベントをやらせていただきました。
朝日新聞社のイベント、旅館やパン屋、雑貨屋さんなどでも紹介していただき、おかげさまで全国の小売店から注文をいただいている状態です。東急ハンズでは、最初全国35店舗で販売することが決まりました。売りはじめてすぐです。1カ月ほどで170万円の売り上げが立ちました。
ケーズデンキの40店舗でも置いていただいています。これも展示会からの引き合いでした。
──今後は?商品の点数を増やして、お客様との共存共栄関係を築きたいと願っています。
また展示用に使った商品を、社会貢献に使えないかと、タイガーマスクとしてランドセルを寄付している方からコンタクトがあったので、これをきっかけに今後は児童養護施設に寄付していく予定です。
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