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第2章価格を制するものが商売を制する

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第2章価格を制するものが商売を制する

1赤字企業から脱却するには輸入をしなさい

私たちが経済成長できない現状から脱出するには、日本型商売の仕組みの悪い部分から抜け出す必要があります。従来の仕組みの中でビジネスをしている限り、中小企業は成長できません。

GDPが1%程度の成長しか望めない現状では、このまま売り上げは増えない、努力しても現状維持。ビジネスを継続させていくことさえ困難が伴い、先が見通せない……。ではどうするか。

輸入ビジネス部門を立ち上げることで、この状態から脱するのです。輸入ビジネス的発想には、2つの考え方があります。

1つは、現在の日本より未来の世界へ行き、未知の商品を仕入れる。

あなたが、はじめて取り組むときには、一番入りやすい考え方です。日本より進んだ国へ行き、今の日本市場にない商品を輸入して販売するのです。この場合、日本の既存の価格体系から外れることができ、あなたは圧倒的に差別的優位性を持つことになります。

2つ目の考え方は、日本より時間の進むのが遅い過去の世界へ行き、既存の商品を今より安く仕入れる。

あなたの今の事業で、仕入れているものがありますね。それが、今より安く入手できたとしましょう。当然、粗利益率は劇的に改善しますね。同じものが見当たらなくても、海外メーカーで同等のオリジナル品をつくってもらうこともできるでしょう。

未来から商品を調達する手法は、現在のあなたのビジネスとはあまり関係性がなくとも実施は可能になります。一方、今やっているビジネスと関連させるなら、仕入れを海外に変えるだけで利益が増えていきます。この話をすると、「そんなことをしていいのか」と言う人がいます。

「原価を下げることができたら、販売価格も下げるべきではないですか?」「原価より何倍も高い売価をつけるのは、ちょっと抵抗があります」そういう声が出るのは、実際に日本企業で大きな利益を出している大企業や優良企業の仕組みをよく知らないからです。

価値あるものには、それにふさわしい価格があります。そして、多くのお客様は、その価値と価格が見合っている限り、価格はあまり問題にならず、商品から得られる効果に満足するのです。

スーパーブランド品を例にとりましょう。

もし、あの有名ブランド品の市場価格が半値になったとしたら、うれしいでしょうか?少し安く手に入ればうれしいかもしれませんが、中古品でもないのにあまり安くなると、ブランド自体の価値が揺らいでしまうのではないですか?「安くなったブランド品を買ったけど、なんだか満たされない」と感じるのではないでしょうか。

日本特有の商習慣や、今あなたがお感じになったような「利益をそんなに乗せていいのか」といった感覚に支配されると、利益があまり出ない厳しい商売をし続けることになってしまいます。

過去に行くことで、同等品で輸入品が安くなる理由は明快です。国によって人件費、生活費が違うからです。日本よりも人件費の安い国なら、同じものが日本より安く製造できます。日本より生活費の安い国では、日常品の価格も、そもそも安く設定されています。

ですから、過去へ行く、つまり日本がかつて辿った道に照らして、ずっと昔の状態にある国へ行けば、同等品をより安く仕入れることができます。

一方、未来へ行く。

つまり日本市場には今存在していない商品を生み出している欧米へ行けば、そもそも日本にない未知の商品ですから、それだけで高い価値を持っています。

ブランド品と同じように、価値に見合った価格にすることに、何の問題もないはずです。過去と未来を自在に扱うことで、あなたのビジネスは適正な利益を生み、汲々とした現状から脱却して発展への道を進みはじめるのです。輸入ビジネスによって、赤字を恐れることはなくなるのです。

2御社の利益を11倍に!「利は元にあり」

「利は元にあり」とはよく言ったものです。

これは大阪の船場で生まれた格言で、「販売は社員に任せてもいいが、仕入れは主人の仕事とするべし。厳しい商売で値切られたとしても利益が出るように、上手に仕入れを行わなければならない」ということを表しています。

このことは今も同じで、あなたの利益は、仕入れ段階で決まってしまうのです。販売段階ではありません。もちろん商売としては販売が第一なので、その活動を重視するのは当然です。

ですが、仕入れを疎かにすれば、いくら販売しても儲かりません。ジュエリーを扱うGさんは、独自に輸入ビジネスをはじめて年商1億円規模になっていました。

「でも、あまり儲からないので悩んでいます」と私に相談してきました。海外から仕入れた商品の原価は年間6000万円で、粗利率40%でした(粗利4000万円)。

とはいえ、こうした商品の販売には人件費や広告費などがかなりたくさん必要で、販売管理費は年間3700万円にも膨れあがっていました。

結果、毎年の営業利益はわずか300万円。なんとか維持できていますが、とても発展性は感じられません。働けど働けど、会社にはあまりお金が残らない状態です。

「黒字であるだけいい」という人もいるかもしれませんが、これから先、ビジネスを継続させていくにはあまりにも厳しい数字です。

Gさんはとても熱意があり、翌年は営業に力を入れて売り上げを1億1000万円に伸ばします。ただ、原価もその分上昇(6600万円)し、力を入れただけ販管費も膨らみ、4000万円に達していました。

「あれだけ必死に営業して売り上げを伸ばしたのに、営業利益は400万円。たった100万円しか増えなかった……」相談された私は、Gさんの仕入れルートをチェックしました。

すると、Gさんがメーカーと思って契約した海外企業は実は小売店にすぎず、メーカーは別にあったのです。ある展示会でそのメーカーを見つけ、Gさんはそこと契約し直します。

たちまち原価は半分に下がりました。6000万円が3000万円に下がったのです。「原価が半分になったから、利益は2倍になるんじゃないか」と期待したGさん。翌年、がんばりすぎるのをやめて、以前のような営業に戻したところ再び年商1億円に減少。しかし、原価が半分になったので、粗利は7000万円になりました。

販管費は変わらず3700万円なので、差し引き、3300万円の営業利益です。「3300万!初年度300万円だった利益が11倍に!」原価を半分にすることで、利益が11倍になったのです。

これはおとぎ話ではありません。現実の話なのです。輸入ビジネスのタイムマシーン性をきちんと使えば、当然の結果だと言えるでしょう。

この例でもおわかりのように、売り上げを10%程度増やしても利益はあまり変わらないのです。売り上げを追えば経費も上昇してしまうからです。むしろ、原価を下げる工夫ができるのか。そこが問題になります。

「利は元にあり」をあなたも実践して、赤字脱却を図ってください。

3原価と売価の間に決まりはない

大企業なら利幅が薄くてもやっていけるかもしれませんが、あなたは違います。原価に利益を乗せて販売するのが商売です。利益をいくら乗せるかは、あなたの考え次第です。

もし利幅を自由にできないのなら、そこから脱しない限り、あなたのビジネスは改善されません。「高価であっても欲しいものなら買う」「必要なものなら価格に関係なく買う」という需要があるのです。

そういう顧客に向けて何ができるか、考えてください。お客様に納得していただけるのなら、原価がいくらであるかは関係ないのです。原価が下がったのは、あなたの努力のたまものなのですから、売価を下げる必要はありません。

例えば宣伝広告費や営業のための費用も利益の中に含まれているのですから、どういう方法で販売しているかによって価格が変わっていくのは当然のことです。

この「どういう方法で販売しているのか」が仕組みそのものなのです。ここを他人がつくった仕組みでやっていると、なかなか好きな売価を設定できなくなってしまいます。

皆さんの中には「暴利はけしからん!」と思っている人もいるでしょう。あたかも「適正な利潤」は、道徳的に決まっている、と思っているのです。でも、それは間違いです。

「儲かっていると思われたくない」「あくどい商売をしていると思われたくない」「安く売るほうが気持ちいい」といった固定観念から脱却しましょう。

確かに、人の無知につけ込むようなあくどい商売をしてはいけませんし、公正な競争を阻害するようなビジネスはそもそも継続できないのは事実です。

しかし、ビジネスにはルールがあるので、倫理に則って、胸を張ってやればいいのです。粗利のパーセントの問題ではありません。

原価に対して何%以上の利益は取れません、といった考えは、競争相手が多数いて、市場価格が決まってしまっているような場合です。

ラーメン屋さんや牛丼屋さん、あるいは自動車メーカーのように、「このぐらいの商品なら相場はこのくらい」という旧態依然とした市場に参入するときは、そのルールでやらざるを得ないでしょう。

でも、それが決まっていない市場なら、まったく自由なのです。定価以上にあなたの利益を圧迫しているのは相場でしょう。ある価格以上に高くなることは滅多になく、むしろ下げる方向に強く作用します。

相場は、みんなでつくり上げた仕組みなので、あなた独自の仕組みではありません。ですから、相場に合わせて価格を設定したら、儲からないのも当然なのです。確かにそれでも儲けている人はいるでしょう。

その人は最初に相場価格をつくり、利益の出る仕組みを確立した人なのです。ですから、あなたは、自信を持って自分の仕組みに基づいて価格を決めていいのです。「どうして相場より高いの?」と聞かれたときに、胸を張って理由を説明できればいいのです。

4値引きをしてはいけない

値決めは経営──。

これは、経営の神様とも言われ、京セラとKDDI(当時・第二電電)の創業者として知られ、無報酬で日本航空の再建にも尽力した稲盛和夫氏がおっしゃった言葉です。

値段をいくらにするかが経営を左右することは、事業をされているあなたもきっと実感されていることでしょう。値決めは経営戦略そのものです。値段をいくらにするかによって、商売は良くもなれば、苦しくもなります。売り上げが良くないからといって値引きすれば、一瞬売り上げが立つかもしれません。

ただ、そもそも需要が落ちているなかでの値引きですから、少し下げただけでは、これまで以上に数が売れるとは限りません。本来、値引きをしたら、これまで以上に数が売れると考えます。

しかし、今の時代、損を覚悟で値引きをしても、それほどには売れないという事態が頻繁に起こります。

ですから、私がとくに強調したいのは、「いつの間にか値引きせざるを得ないような競争に巻き込まれていること」を避けて欲しい、ということです。

ゆでガエルの法則(カエルをいきなり熱湯に入れると慌てて飛び出して逃げるが、水に入れてゆっくり温度を上げていくと、カエルは温度変化に気づかず、ゆであがり死んでしまう)のように、気がつけば経営は引き返すことができないほどの痛手を被っている可能性があるのです。

結果を変えようと思うなら、何かを変えなければなりません。何も変えずに結果だけ変えようと思っていませんか?自分だけはそれができると。そのような奇跡をいつまでも待っているわけにはいかないのです。同じことをしていれば、同じ結果。それは当たり前です。

日本市場では、ただ人口が減っているだけではありません。ものを買う人口自体が減っています。この傾向は、もしかすると今後も長く続き、少しぐらい人口が増えたとしても変わらないかもしれません。

「この時代、高価なものは売れませんよ」と言う人は、どんどん減っていることにお気づきでしょうか?高価なものは売れているのです。それは高価だから売れているのではありません。買う人にとって必要なものだから、欲しいものだから売れるのです。

「安いから買おう」という人が減っていき、「高くても欲しいものは買おう」という人が増えている。この現実を見てください。「えーっ、そうかな?」と思うなら、お近くの家電量販店へ行ってみてください。

炊飯器は1万円台からありますが、別格の8万円以上のものも多数並んでいます。掃除機も同じで1万円台からありますが、売れ筋は5万円以上です。必要なもの、欲しいものであれば、価格は二の次なのです。

価格には、ものの値段とサービスの値段が含まれます。商品が優れていてサービスが良ければ高く売れます。あなたが安く売るしかない状況だとすれば、それは高く売る工夫がないか、自分たちでは工夫できる自由がないことを示しています。

商品の品質を高めていき、サービスをよりよく改善できれば、高く売るだけの価値のあるビジネスになります。おそらく大手スーパーが全国に登場した頃からでしょう、「いいものを安く」が商売において「当たり前」のように言われるようになってしまいました。

ですが、これはあなたとは関係のない誰かがつくった仕組みです。他人の仕組みでは、あなたは利益が出ないのです。すぐにでも、このような幻想から抜け出してください。

いいものは誰にとってもいいのですから、適正な価格で売られるのは当然です。もしオークションにかければ、高値になっていくに違いないのですから。いいものは高く。それが現実です。

安くすればたくさんの人が買える、という発想は今とはまったく違う時代の価値観で、これからの時代には通用しません。極端な言い方をすれば、安くして誰もが買える価格になったとき、その商品の価値は限りなくゼロに近くなってしまうのです。

誰も欲しがらない商品になってしまいます。それが今の時代なのです。私たちは「誰もが安く買える商品」ではなく、「私だけが買える商品」を求めています。そこに高い安いは関係がありません。

毎年、初競りで大間のマグロの価格が話題になります。1本のマグロ価格が通常価格とはかけ離れた高い価格で取引され、ニュースにもなります。マグロだけではなく、カニやスイカやメロンなど、さまざまな物品でこうした話題がニュースになります。

その一因に「私だけが買える」があるのではないでしょうか?初物を高額でセリ落とすことは、合理的ではないかもしれないですが、その人には買えることをしっかりと証明しているのです。

あなたもぜひ、そうした声に応える商品・サービスで、独自のビジネスを展開してみてはいかがでしょう。いいものは安くない。それが現実なのですから。

5「」

「これは」と思う商品を海外の見本市へ出向いて見つけ出し、交渉し、日本で販売してくれる小売店へ卸す──。この仕組みを維持するには、薄利多売を考えてはいけません。しっかりと利益を取らなければ続けられません。そもそも薄利多売で儲ければいい、という時代はすでに終わっています。働き方改革、人件費の高騰などで、多売をすることが難しくなりました。少子高齢化によって購入者の総数が減れば、多売の限界も自ずと見えてきます。

「無料にしても持って行ってくれない」といった声をよく耳にします。薄利多売で生き残ることができる企業はほんの一握りでしょう。

ドン・キホーテやダイソーがあれだけの資本を投じてやっていることを、今から真似るのは危険極まりないのです。また、環境問題についての意識も高まっています。

海外では「52週間(1年間)新しい服を買わない」という運動もはじまっています。地球環境を守るための運動ですが、こうした意識は、じわじわと消費者の中に浸透していくかもしれません。

そうでなくても、一度購入したものを大事に使い続ける人、簡単に捨てない人、取り換えない人は一定数存在します。ものを捨てるのにも廃棄の費用がかかるのですから、使い続けたほうがいいわけです。

リサイクルによって、中古品を安く手に入れて使う傾向も増えています。「新品はいいですよ」と言ったところで、こうしたお客様には響きません。

薄利多売をするには、薄利でも運営できる規模が必要になります。アマゾンのような世界規模なら薄利でもやっていけるでしょうが、もっと小さな商圏ではムリです。

大量仕入れ・大量販売ができ、しかも運営費用を最小にできる企業となると、大資本を投入してネット化、機械化(ロボット化、AI化)できているところでしょう。

小さな商圏、小規模の顧客で薄利多売をやるときは、薄利にする前提として、大量購入してもらわなければなりません。これも今の時代にはあまり支持されていません。必要なものを必要な量だけ、必要なときに欲しいのです。

笑い話のようですが、小売店が苦労して安く売っている商品を仕入れて、ネットで定価で販売している人もいるのです。

価格を下げることは、こうした転売目的の人たちにとって、かっこうの餌食となるだけで、結果的にあなたの気持ちは裏目に出てしまい、ブランドイメージも傷ついてしまいます。

6差別化戦略で価格を変えよう

一般的に、似たような商品でも、差別化戦略によって、他より少しでも優位な点をクローズアップして、それを理由に他より高い価格にすることができます。製麺工場から仕入れた麺で出すおそば屋さんより、手打ち麺のおそば屋さんは、価格を高く設定できます。

もしかしたら味にそれほど変わりはないかもしれませんが、「手打ち」にお客様が価値を見出してくれるなら、高くても満足していただけます。

最新技術が導入された掃除機なら、実は使い勝手はそれほど良くなくても、高い価格を設定できるかもしれません。もっと安くて使いやすい掃除機があったとしても、最新技術の部分で差別化できるのです。

この差別化戦略は、主に2つのパターンがあり、「オンリーワン」であるか「トップランナー」であるかで、それぞれに価値の質が違ってきます。

オンリーワン戦略は、「これと同じものは他にない」と言えること。「トップランナー」は「この分野では当社が最初」と言えることです。あなたがビジネスをするとき、このどちらかを意識していけば、自分の独自の価格を設定できます。

「オンリーワン」は、世界が驚くような画期的な商品ばかりではなく、例えば、ある分野に特化していけば、既存技術でできる商品やサービスでもなれます。山小屋で売るビールは、町中の居酒屋より高く設定できるのと同じです。

「あなたの代わりにここまで運び上げて提供している」という自信の上に、高く設定できます。「トップランナー」も同様で、未知の商品をゼロから発明して開発する必要はありません。

同じような技術でも「ペット向けではうちが最初」とか「高齢者向けには私たちが最初」と言える商品・サービスがあるように、これからもいくらでもトップランナーになれるチャンスはあります。

「うちだって努力しているよ。だけど、売れないんだよ!」と言う人もいます。もし、その商品・サービスが本当に優れていいものなら、努力の方向が間違っています。

日本は長く「ものづくり」でやってきたと自負していますが、つくっただけでは売れません。大事なことは、その商品の価格をしっかり語ることです。

もし類似の商品より高く設定したいのなら、どうして高くなっているのかを説明していきましょう。ブランド品と呼ばれるものは、この語る部分を免除されているように思えます。

しかし、ちょっと調べればどのブランドも本が何冊も書けるほどの豊かなストーリーを持っており、日々、世界中でさまざまな方法によって語られています。

そこまではいかないにしても、「手づくり」とか「手打ち」のように、「他にない技術」や「他にない販売方法」などをあなたがしっかり伝えていけば浸透していくのです。

こうした考えをもってビジネスをしなければ、私たちは日本特有の利益構造の中に埋没して苦しむだけになってしまいます。

輸入ビジネスには、日本の利益構造から脱するチャンスが豊富にありますので、ぜひ自分で仕組みをつくり、価格を自由に設定して適正な利益を上げるものにしてください。

7価格は覚悟。あなたの自信を価格に付与しなさい

トップ企業、市場のリーダーとしての企業は、品質、機能、付加価値、トータルのブランド力とすべてにおいてトップである自信が、価格を決定させています。また、そうでなければ、他の企業も困るでしょう。

トップブランドが意味もなく半額にするようなことがあれば、市場は崩壊してしまいますから。私たちも「いいものをきちんと販売している」という自負があるのなら、それを価格で表現していきましょう。

「これを1000円で売る」と決めたら、その覚悟を持てばいいのです。覚悟は、先ほどの「価格の意味を伝える」ことです。つまり、商品やサービスのブランド化につながっていきます。

「これ、いくらなら売れるかな」といった感覚ではなく、「これは1000円の価値がある」と考えるのです。業界のトップである自信のあるブランド品は、よく似た知らないメーカーの商品よりも、価格を高く設定できますし、そこにプライドが表れています。

「私たちのブランドをつけるからには、この価格」と言いきれるのです。そこには品質やブランディングなどの根拠がありますし、それを支える覚悟があるのです。やみくもに高い値段をつけるということではありません。

何の根拠もなく高いだけの商品はさすがに売れないでしょう。根拠のある自信です。

「自分はこれだけがんばっている、誰にも負けない優れたところがある、だからこの価格だ」と言えればいいのです。似たような商品で、意味なく安い値がついていると「自信がないんだな」とか「何か不具合でもあるんじゃないか」と思う人もいるでしょう。

せっかく安くしても、このように思われるのです。だったら、自信を持って適正な価格をつけていきましょう。日本ではいまだに「儲けること」を「悪」と結びつける人が大勢います。

しかし、ちょっと考えてみてください。利益のないビジネスこそ、悪いビジネスなのです。何も社会に貢献しないのですから。

きちんと利益を生み出すビジネスは、それだけ社会に還元することで貢献できるのです。日本の社会を良くするために、大きな役割を果たしているのが税金です。きちんと稼がないと税金も払えません。高度な医療や福祉を支えているのは税金です。

ライフラインであるとか、高速道路など、私たちの社会を豊かに、より安全にしてくれる設備にも税金が使われています。あなたがきちんと利益を得ること、赤字から脱することは、社会的な意味でもとても重要なことなのです。その一歩として、覚悟を持って価格を決めていきましょう。

8今の会社のしがらみである「仕組み」から抜けだそう

現在すでにビジネスをされているあなたならおわかりでしょうが、業界には業界のしきたりや慣例があります。商売のやり方、ルート構築、利益率など、さまざまな部分が影響を受けているはずです。

もし、あなたが「それは当たり前だ」と思っているのなら、一度、その当たり前がないビジネスを想像してみてください。どうでしょう。

自由を感じませんか?何ものにも左右されずに、自分の思うままにビジネスをやってみたいと思いませんか?

●既成事実にとらわれないビジネスを

輸入ビジネスには、その自由があります。なのに、せっかく自由を手にしても、これまでのあまりにも慣れ親しんだ仕組みが染み込んで、既存の仕組みをあてはめようとしてしまう人もいます。それが商売のやり方だと思い込んでいるからです。

例えば、ソフトバンクがスマホ市場でやったこと。アマゾンをはじめとするGAFAが今やっていること。そういうのを見てどう思いますか?常識破り、型破り、市場破壊などと言われますが、多くの人たちがそれを支持して利用していることを考えると、思い込みや既成事実にとらわれてはいけないことがよくわかります。

楽天の三木谷浩史氏、ユニクロの柳井正氏、ホリエモンこと堀江貴文氏がやってきたこともそうです。旧来のビジネス慣行とは違う次元で進め、自分たちのやり方をスタンダードにしてしまうぐらいの勢いがあります。

これは、成功した企業がデファクト(慣習的標準)になる、というのではありません。最初から自分たちこそがデファクトだ、としてビジネスを展開しているのです。

これまでのやり方の中で新しいものを生み出そうというような考えでは、これからの時代では生き残れません。これまでのやり方は捨てる。または、それとは関係のないところで新たなビジネスをはじめるのです。

●自社ルートでの販売

もちろん、現在のビジネスがある程度順調で、輸入ビジネスをやるとしても、その商品を自社の既存ルートで販売したいと考えている人もいらっしゃるでしょう。

しかし、販売機会の点からは、自社ルートだけで販売するのは、あまり効率的ではありません。新しい商品の寿命は限られていますし、ヒットすればすぐ類似品が登場します。

つまり、高い粗利でしっかり売れる期間は、それなりに限定されるのです。だからこそ、自社ルートにこだわるよりも、短期間にできるだけたくさん売っておくべきです。

そのためには、いくつものルートで販売したほうが宣伝、告知、口コミで大きな効果が得られます。とくに未知の商品の場合、店頭で実物を見ることができて、店員に質問できることは重要です。

そのためには、複数の販売ルートに卸していくほうがムリなく展開できます。もちろん自社ルートですでに多くのお客様を抱えているのなら、そこに限定して販売するやり方もあるでしょう。

もし、これから顧客を開拓するのなら、かなりの費用がかかります。広告、宣伝、知名度の向上、安心して購入していただける仕組みの確保、コールセンター、アフターサービスなどなど、その費用は数えればきりがありません。

自社ルートに加えて、力のある小売店などに卸す道も同時に開拓していきましょう。

●既存のプラットフォームに安易に乗らない

先日、年商1億円以上の通販サイトを運営している人とお会いしました。社員は数人の小規模ながらもがんばっています。ところが、その会社の預金残高はわずか20万円。

渡航費用さえもどうやって出そうか、と頭を抱えてしまうほどでした。しかも、来年、年商が倍になる保証があればいいのですが、今の時代、そんなことはありません。

この通販サイトの悲劇は、既存のプラットフォーム(アマゾンや楽天のようなECサイト)を通して商品を販売していたことと、市場価格が低下しがちな商品を仕入れていたことから起きていました。

その気はなくても、結果的に薄利多売に陥ってしまっていたのです。これでは、資本力が少ない企業は儲けを蓄積できず、夜も寝ないで必死に働いて残高20万円。将来性を感じろというほうがムリです。

従来のやり方ではなく、輸入ビジネスによるBtoBに活路を見出すべきだと私はその人に申し上げました。その人は、さっそくドイツの展示会へ行きBtoBの輸入ビジネスをはじめるための準備に取りかかりました。

他人のプラットフォームで商売をするときは、よくよく注意しなければ利益は残りません。これはECに限りません。どんな商売でも同じです。仕組みは自分でつくる。

それぐらいの気持ちでビジネスに取り組まないと利益は残らないのです。輸入ビジネスなら、その仕組みをあなたがつくることが可能です。

輸入ビジネスの実践者たち②

はじめてすぐに商談成立。

展示会からの営業は効果的◎未来プロダクツ株式会社代表取締役田村和浩さん(https://mproducts.jp/)未来プロダクツ株式会社(静岡県富士市)の代表取締役・田村和浩さんは、2019年に輸入ビジネス海外実践講座に参加し、一緒にドイツの見本市「アンビエンテ」に行きました。

そこで商品を発掘。現在、輸入ビジネスをスタートしています。

──いい出会いがありましたね不思議な魔法の財布、Huntersonマジックウォレットに出会いました。Huntersonはベルギーの財布のブランドです。

日本では当社が独占販売することになりました。

独特な方法でお金をしまうサイフで、マジックウォレットの内側にお札を置いて閉じ、反対側から開くだけで、手品のようにお札が収納されます。

高級本牛革を使用しており、スタイリッシュですし、カードももちろん入ります。RFIDシールドでセキュリティー面も強化されています。

──輸入ビジネスへの不安はありませんでしたか?ハードルが高い事業だと思っていましたが、セミナーを受けてこれなら自分でもできそうだと感じました。

もっとも、海外の展示会で商品を発掘するわけですから、語学に関しての不安は大きかったですね。

──ですが、スムーズにはじめることができましたね展示会を回ってみたところ、日本人を歓迎してくれて、こちらのつたない英語も聞いてくれたので、語学に関するハードルは実はなかったことがわかりました。

思い込みだったのです。

──その後、スタートしてからはいかがしたか?最初は仕入れにスポットをあてていたのですが、その後は営業をしなければなりません。

営業経験がまったくなかったので難しいと感じました。そこで、営業の講座を受講して、一通りのノウハウを身につけました。今後もスキルアップしていけると感じています。

実践しながら、国内展示会での見せ方やトークなどのノウハウ、その後のフォローの仕方、見込み客に対する訪問、やりとりでいかに相手の気持ちを汲んで言葉を的確に返していけるのか。そうした技術を磨いていきたいですね。

──営業はどのように?展示会でアンケートを書いていただいた見込み客に対して、メールをし、コンタクトを取って訪問しています。

またホームページをつくったので、それもメールで紹介して興味を持っていただくようにしています。展示会後に1社から受注をいただきました。

また「話をしたいので、きて欲しい」というお客様もいて、こちらから先方に出向いて商談をしたところ、契約が成立しました。

──順調ですねマジックウォレットは、現在1社を通して3店舗へ納入されていますが、今後も営業活動を広げていこうと考えています。

※Huntersonマジックウォレット(https://hunterson.jp/)

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