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Chapter4 中小企業に適した人事制度はどれか?

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Chapter4 中小企業に適した人事制度はどれか?

大企業と同じやり方は

中小企業には通用しない

中小企業の特徴に合ったアプローチが必要!

中小企業にはどのような人事・賃金制炭が適合するのかを考えるため、

まずは大企業と中小企業の違いについて確認してみましょう。

e 経営者像はかなり異なる

たとえば経営占に関しては、大企業では一般に艮いサラリーマン経験を

粕んだあとに社長に就任するため、バランス感槌に俊れた調整型の人材が

経営者になることが普通です。ある政味では伯屯、己・い換えれば波風を立

てずに、常識の範囲を越えない行動をとるケースが多いです。

逆に中小企業においては、J.,J;本的には自ら創菜したり、創業家の息チと

して’lt業継承をしたりして社長になりますから、よく言えばカリスマ的、

恋<旦えば独裁的で、エネルギッシュでときにぷa表を突くような行動をと

る社長が多いようです。ただし、贔近では事前にMBA などを取得し、経

営スタイルにおいても合議をm 視する経営者もそれなりに見られるように

なっているため、二極化が進んでいるようにも惑じられます。

鉛職場の雰囲気や社員像もまったく違う

職場の雰問気に閲しては、人数も多いため大企業では親争社会で、とき

に派閥問抗争なども起こります。それに対し、巾小企菜では(巾よしクラプ

的で般争意識はあまりないケースが多いでしょう。

働く人については、大企菜では新卒社員を学歴や経歴で厳選しています

が、中小企業ではそこまで大規樅な採用は行えません。社貝教台について

も、当然ながら大企菜のほうがより充実した教育システムを有しています。

こうした違いがあるため、中小企業に大企業と同じ人事・賃金制度をそ

のまま適用しようとしても、うまくいかないことが多いのです。

中小企業こそ人事制度を

改革する効果は大きい

事前の人材開発が十分にされていないため

鉛より元気な企業風土をつくるきっかけになる

中小企業と大企業を比べると、大企業のほうがいろいろな面で有利なの

はある磁味で当然のことでしょう。しかし、そういう中小企業だからこそ、

人市や貨金制度を改革することの効果が、大企菜とは比べものにならない

くらい大きくなるのも'囮lt実です。

特に効果が大きいのは人材開発の分野です。中小企業では、大企業のよ

うに研修や社員教育の制度が用慈されていないため、社且の多くは成功体

験を持っていません。モデルとなる俊秀な先祖社員や上司の数も少ないた

め、中小企業の社負は社員l,J1七での競争を避け、仲よしクラプをつくろう

とする傾向があります。人事制度の改革は、こうした社員に能力開発や業

績向上につながる行動へのインセンテイプを与えるのです。より元気な企

業風土へと変わる、「きっかけ」になる可能性が大きいでしょう。

しかも、上述したように巾小企業においては、人材開発や組織開発など

がほとんど行われていません。そのため、こうした改革が行われると、乾

いた砂に水が染み込むように社員が新しい能力や行動某準を身につけ、組

綿全体が一気によい方向に変化していくケースもよく見られるのです。

大企業の社員では、すでにある程疫の訓練や人材開発が行われている場

合が多いので、人事制度の改革にそこまでの効果が期待できないのです。

¢社長のワンマン経営体制からの脱却にも資する

また中小企文の経営者にとっても、人事制度改革は大きな意味を持ちま

す。人事制度を整備することは、経営者の指導力だけに頼ることなく、シ

ステムによって会社を運営することにほかなりません。社長のワンマン体

制から脱却し、次のステージヘと会社を成長させる助けとなるのです。

成功した人事制度改革は

悪循環を善循環に変える

ワンマン経営態勢は閾場の「悪循環」を導きやすい

C 「ただの制度変更」にも「会社の大改革」にもできる

人事・貨金制度の変更がうまくはまると、会社のさまざまな状況をまと

めて改善できることもあります。

中小企業では、一般的に大企菜に比べて働く人の意識や能力が低いと言

えます。そのため、「自分がなんとかせねば…」という思いで、経営占や

管理名が1 人ですべてを抱え込み、場合によっては、細かいことにまで

口を出したり、自分でやろうとしてしまったりします。

これは、経営占や管理占の責任感から1:l:1る行動なので、一概に責められ

るものではないのですが、こうした状況が慢性化すると自社の社員の教育

や人材開発のチャンスを奪ってしまうため、彼らの意識や能力がますます

低下する「悪循環」に陥ります。

そうした状況で、上手に人市制度の整偏や再設計(=改革)を行うと、

会社のマネジメント(=連営)体制をより高度なものに変えられることが

あるのです。人事制ほが変わると、経営者の思いつきで判断されていた人

事の·Ji柄が、明確な摂準とシステムによって判断されることになります。

同時に社只の能力開発や行動の目様も示されるようになります。

これは社員の政識や能力の向上につながりますし、彼らの生きがいや働

きがいを提供することにもなります。経営側でも、組識のマネジメントレ

ペルが全般的に上がりますから、経営者や密理者が本来の仕事に[‘i念でき

るようになります。また、社員の能力や行動が売上•利益に「E結する方向

へと改善しますから、結果として会社の業紐も向上するでしょう。

人事や貨金制度の変更というと、浪なる会社の制腹整備のひとつと考え

ている人も多いのですが、うまく行えば、会社の「悪循環」をまとめて「善

循環」へと変えることができるのです。

現実的に中小企業に適用

できる制度はふたつだけ

運用の手間がホドホドで人材開発にも役立つ

¢本来の「職能給」制度と「役割行動給」制度

中小企業の特徴を見てきましたが、それでは結局、これからの中小企業

はどの人市制度を羽入すぺきなのでしょうか? ズバリ言うと、改善され

た職能給制度か、役割行動給制度のいずれかを西入すべきだと宜名は考え

ます。役貝クラスに限定して年伽hl などの役剖給を甜入してもいいかもし

れませんが、全社的に適用するならこのいずれかを選ぶべきでしょう。

Fl!由のひとつとして、制度運用の手間があります。いくらよい制疫であっ

ても迎用に手間がかかりすぎるなら、専任の人市部門を持っていない中小

企菜に導人するのは無理があります。

迎用の手間が少ないのは、年功給や従来の職能給、年倅制などの役割給、

役割行動給などですが、このうち役割行動給以外の3 つは、すでに見たよ

うにさまざまなI郡題を抱えています。

欧米型の職務給は一見、迎用の手l廿l が少なそうですが、社員を終集する

前にどの程度の貨金や持遇が適当なのか調ぺる必投があるので、政外に手

間がかかるようです。

G 会社に善循環を起こせるかどうかも重要

もうひとつの視点として、前項で述ぺたような社員の行動変革につなが

るかどうかも重要でしょう。役割行動給ならこの点も大丈夫ですし、職能

給でも、本米求められている「仕事諜l ぺ」(→ P52) を行う改善されたll領

能給なら、社員の行動変化につなげられるでしょう。ただし、こちらは多

少、運用に手間がかかります。

ちなみに、役割給は具休的な行動にもある程度つながるものですから、

今後、特に大企業においては羽入がさらに広がっていくと思います。

経営者と働く人、両方の

視点から制度を評価する

自社の事情に合わせて評価を行う

紀筆者の経験とも合致する

最後に、さまざまな位金制度について、経営側と社員側の両方の視点か

ら比較してみたのが右図です。それぞれの項目について0~3 点の4

階評価をしてあります。

頂名の評価では、役割行動給が35 点、(改善された)職能給が32 点、

年俸制などの役割給が28 点となりました。以下、年功給、歩合給、戦務

給と紐きます。

多少、宜占の主観が入ってしまっているかもしれませんが、上位ふたつ

の役割行動給と職能給の制度が、中小企業にマッチしていることが確かめ

られると思います。

箪占がコンサルティングでこれまで関わってきた多くの企業(社員数

50~300 名程度の中小企業が9 割以上)の11例を思い返してみても、こ

の順番は妥当なものだと感じています。

e 書式を使い、自社独自での評価もできる

なお、右図はあくまで頂者の評価です。もし読者のみなさん自身が、自

社に適した人事・賃金制度がどれか独自に評価を行いたい、というのであ

れば、同じ古式を利用して、ご自身で採点してみてもいいでしょう。自社

の必要に応じて評価項目を増減させたり、配点のウエイトを変えたりして

もかまいません。

そうして点数化してみて、もっとも高い合計点数となった人事・貸金制

度が、みなさんの会社に一番マッチする制度である可能性が高い、という

ことになります。

電通過労死事件のような悲劇は

なぜ起きるのか?

最近、国内最大手の広告代理店で、新人社貝が激務で

うつ状態となり、自殺した痛ましい畢件が起きました。

この手件については労働基準監督署の調査が入ったた

め、事実関係はいすれ判明することでしょう。

築者はここで個別企業の問題点についてあれこれ指摘

するつもりはありません。ここで触れたいのは、さまざ

まな瑣境が整つている一流企業なのに、どうしてこのよ

うな問題が起きてしまうのか、という疑問についてです。

華者は、中小企業と大企業を比較して、大企業は競争

社会であると述ぺました。過労死してしまう人に対して

は、「激務でそんなにつらいなら、辞めてしまえばいい

のに」などと不思議に思われる方もいるかと思います。

しかし、競争社会では上司自身も激しい競争にさらさ

れているため、自分が出世するために、部下にも激務に

耐えてもらわなければ困るのです。また会社としても、

そのように働いてもらわなければ企業閻競争で生き残れ

ないし、優秀な人材を集めることも、高い賃金を社員に

支払うこともできない、などと考えがちなのです。

また本人も、せつかく一流企業に入社したのに、ここ

で辞めてしまっては同レベルの一流企業に転職できる可

能性は少ない、と考えてもおかしくありません。特に新

入社貝では、そうした気持ちが強く出やすいでしょう。

こうした競争的環境が、環境の整った大企業でも過労

死事件が起きてしまう最大の要因だと苗者は思います。

寓践編:

(蹴蕃型)職能給繭麿の

導入法

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