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Chapter7 賃金制度の基本構造を再確認する

目次

Chapter7 賃金制度の基本構造を再確認する

賃金のふたつの側面を

理解しておく

企業にとってはコスト、社員にとっては所得

鉛会社にとっては「人件費」という費用

すでにChapters と6 の中で、部分的に負金制疫にも触れているため、

ここで負金制皮の基本構造について再確認しておきましょう。

まず、基本中の基本として、只金が持つふたつの側而について即解して

おく必要があります。

ひとつ目の側面は、コスト(経費)としての側面です。

賃金は、突き詰めて考えれば企業にとってはコストです。経営理念を実

現するためには人手が必要ですが、人は無料では働いてくれません。労働

への対価として、ある程度の口金を支払う必要があります。ドライに考え

れば、企業にとっては只金がコストであることは明白なのです。

もちろん、ない袖は触れませんから、経費としての賃金は企業の支払い

能力に制限されるものとなります。

鉛会社の利益が上がり、社員の生産性が上がれば、賃金も上がる

もうひとつの側血は、所得としての側面です。

働く人は、只金によって生活を営んでいかなければなりません。扶設家

族がいれば家族の生活伐も必要です。そうした生計伐を賄うために、企業

に労働を提供し、その対価として所得を得るのが社員にとっての日金です。

所得としての貨金にはこうした性格がありますから、ある程度の生活を

維持できるだけの金額が最低ラインとなります。また、類似企菜の水準を

総識する必要も出てきます。

こうしたふたつの側而を両方考慮すれば、より嵩い賃金を実現するには、

社員1 人あたりの生産性を高め、付加価値を高めることで、会社の利益も

上げるほかには手段がないことがわかるでしょう。

賃金を決定する要因も、

大きく分けてふたつある

社内要因と環境要因によって決定される

鉛、経営方針や賃金制度によって大きく変わる

前項でも多少触れましたが、賃金は大きく社内の要因と、社外の環境要

因によって決定されます。

社内の要因について確認すると、そもそもの会社の支払い能力が上限と

なり、ここに経営方針やどんな賃金制度をとっているかなどが関係して、

最終的な貨金額が決まります。

社員を人材として考え、できるだけ手彫く処遇する方針の会社と、社員

を経伐発生要因として考え、できるだけ安く使おうとする方針の会社では、

・火際の口金は変わってくるでしょう。また、菜紐給を主体として会社の菜

紐に応じて貨金を変り)Jさせるか、あるいはII哉能給や役割行動給を主体に、

ある程度の賃金は保関するかによっても、ii金の柔軟性は変わるのです。

Qィンフレ下では、賃金も上げないと実質価値は目減りする

一方、社外の環税要因には、たとえば物価状況などの生計費の実態があ

ります。インフレで物価が上昇しているときには、貨金もそれに合わせて

上昇させないと、実質的な貨金の価値は目滅りします。逆にデフレで物hlli

がド降しているときには、貿金額は変わらなくても、実質的な貨金の価値

は上昇します。i附年度ではそれほど大きな影愕はなくても、何年も租み重

なれば大きな影孵が出てきます。このように、自社の賃金を決めるに際し

ては、経済全体の動きにも注意を払う必要があるわけです。

また、同規模の同業他社の賃金動向を大きく下回る貨金設定では、人材

の確保に困難が生じます。下手をすると、現有人材の流出まで引き起こす

危険性があります。その時々の扇用市場が買い手有利なのか、売り手有利

なのかの動向も加味しながら、適正な貨金額を決める必要があるのです。

賞与や退職金、各種手当

も賃金の一部

固定費的な部分と変動費的な部分にさらに分かれる

鉛全体的な構造を理解しよう

貨金の基本的な構造も再確認しておきましょう。

右図で示したように、口金は基本給をペースに、そこに役職手当や住宅

手当などの各種手当が付加されて、毎月の給与が形成されています。

さらに、半期に一皮などのペースで支給される賞与(ボーナス)が加わ

り、年間の貨金(社旦から見れば年1Mll祈祖)となります。

また、社員の退職時に支払われる退職金は、一般的には貸金の一部をま

とめて後払いする性格の強いものと考えられていますから、これも貨金の

一部と兄なせます。社員から兄れば、退職金はかなりあとにならないと人っ

てこないお金ですが、会社としては、その資金を粘伽するための掛け金を

柏み立てるなど、経常的に発生してくる経敗である点にも要注はです。

そして、これらの大きな構成要素は、さらに細かい要索によって構成さ

れています。大きく分けて、職務や業績、能力、行動などを反映して変動

する(昇降給する)部分と、最但限の生活を保障する固定的な部分のふた

つで構成されています。

船賃金の変動費化、格差拡大はひとつの潮流

本古の読者の多くは、自社の人事・賃金制度をなんらかの形で変更しよ

うと検討している方だと思います。その視点で見ると、現在の日本の人事

潮流の巾では、賃金制度の変更は職務や業績、能力、行動などを反映して

変動する(昇降給する)部分を大きくし、逆に固定的に昇給される部分は

減らして、最低限に抑えていく傾向が強まっています(再度右図を参照)。

仮に負金に回す総原自の額を変えられないとしても、こうすることで、よ

りメリハリをつけた貨金制度を実現できるからです。

昇給分での各要素の配分

が賃金の性格を決める

実際には多様な要素の組み合わせ型となる

船さまざまな賃金の要素を取り入れる

前項で見たように、は金の中には固定的な部分と変動的な部分の両方が

あります。日本では、完全な年齢給や歩合給などを採用している企業はほ

とんどありませんから、どんな賃金制度であれ、このふたつの部分は混在

してくるのです。しかも、現在ではその大半が変動的部分です。

この変動的な部分を主にどんな基準で昇給させるのかによって、職能給

制度と呼ぶぺきなのか、役割行動給制度と呼ぶべきなのか、あるいは年倅

制などの業紹給と呼ぶべきなのかが決まってきます。能力を晶準にするな

ら職能給制度ですし、役割行動を基郎とするなら役割行動給でしょう。個

人の業紐を基準とするなら業舶給となります。

鉛どの要素でどれだけ昇給させるかのウエイトが重要

変動的部分には職務(仕事)、業績(成果)、能力、行動(努力)があり、

固定的部分には生活(保障)があります。自社での期待に沿って、昇給・

昇格・昇進した社員が、新卒入社から定年退牒までどういう賃金カープを

描くか設定したものを「モデル賃金」と芦います。このモデル者が入社し

てから、40 歳で課長になるまで、どの嬰索(賃金項目)によって昇給し

ていくのかが重要で、それによってその企業における賃金の性格が決まり

(これを「賃金性能」と言います)、企業独自の方針を打ち出せるのです。

たとえば右図の事例⑱では、役職手当、家族手当、習熱昇給、昇格昇給、

年齢給によって昇給するように設計されています。役割行動給の昇格昇給

分は職務で変動部分、年齢給は生活保閃で固定部分となります。このよう

に、40 歳は金までの昇給をどの吸索で昇給させるかで、負金の性格・性

能を決め、会社の考え方を社員に伝える、というわけです。

一部の手当は廃止・減少

させていく方向にある

一気になくすことは難しいが・・

鉛役職手当など職務に直結する手当は、外せない賃金

は金に関して、各種の手当についても少し詳しく見ておきましょう。

たとえば「役職手当」は、責任のあるポストに就いた社員に相応の賃金

を支払う職務1彫l迎手当として、多くの手当の中でもill要な役割を果たして

います。

謀長や部長などの役職に昇進した社員には、役職手当によって賃金を増

額することで、役割や責任の増大に報いるわけです。

また、「営業手当」や「特殊作業手当」など、通営の業務よりも社員の

肉体的・精神的な負担が大きな菜務を行う場合には、特別な手当を設けて

その負担に報いることも、それなりに正当性があることだと思います。

紀、社会の多様化に応じて、時間をかけて修正していきたい

これに対して、「配偶者手当」などの生活関連手当は縮小、あるいは廃

止していく栢向が最近は見られます。社会的に生裾未婚の社員も増えてい

る現状から、既婚の社員だけに手当をつけることに、独身の社員からの納

得感が得られにくくなっているボ伯や、女性の就業を妨げているとの指摘

があることがその背凩にあります。本来、結婚するかどうかは個人の選択

であるとして、配偶者手当を廃止する大企業なども出はじめています。

同じく「住宅手当」なども、居住地をどこにするかは個人の選択だから

と、会社命令で迪隔地に転勤させる場合などを除いて、できるだけなくす

方向にある企文が多いようです。

とはいえ、いったん出し始めた手当を急に廃止することは、社員にとっ

ては賃金の大幅な減額に直結しますからなかなかできません。「晶整手当」

を出しながら、時間をかけて修正していくことが現実的でしょう。

「同一労働・同一賃金」より

「同一労働カ・実質同一賃金」

近年、政府や国会での議論で、「同一労働•同一賃金」

という言葉をよく耳にします。これは本来、欧米型の職

務給を表す言葉なのですが、必すしもそのような意味で

使われているわけではないようです。

日本の賃金制度が今後、欧米型職務給へと完全に変化

する可能性は低い、と思われることは、すでにChapter

3 などでも述べました。2.12ラ虹デ、るF図左側が「同一

労働・同一賃金」なのですが、読者のみなさんは、本当

にこれが望ましい方向性だと思いますか? 年齢を瓜ね

れば、多くの場合に結婚して家族が増え、生活に必要と

なる金額も培えます。日本的な貸金制度では、下図石側

のように年齢や家族構成などを考慮した生活給を補てん

することで、置かれた状況が異なる社員でも、実質的に

同程度の生活水準を維持できるように配慮しています。

実際の賃金額は違いますが、「同一労働カ・実質同一貸金」

になっているわけです。働いている方々にこのうちのど

ちらがよいかを聞くと、ます後者を選びます。この現実

からも、筆者は「同一労働カ・実質同一賃金」のほうが、

まだまだ日本人には合っていると考えています。

 

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