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第6章 退職金・年金制度の基礎知識

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第6章 退職金・年金制度の基礎知識

退職金・年金制度は、なぜか改革の難しさを感じます。し

かし、日本企業は、成果主義的な方向を模索する中で、ポイ

ント制退職金、退職金制度の廃止(前払い制度)、確定拠出

年金、キャッシュ・バランス・プランなどの導入をしてきま

した。特に、企業年金に関わる改革は大きな経営問題になり

ました。それは予定利率を確保できないことによる積み立て

不足という問題を解決したかったからです。このあたりの事

情を含めて、確認してください。

退職金・年金制度の歴史と意義

退職金・年金制度は、従菜員が会社に勤務している間、つまり現役時

代のためではなく、退職後のことを考えてつくられています。今は、60

歳定年が一般的であり、その後も65歳までは定年後再凪用翡IJ)文で働くこ

とが可能となっています。その後は主に公的年金に支えられて生活をす

ることになりますが、企業も退戦金・企業年金などを慾佃することで、

自分の会社で頑張ってくれた人の退戦後の生活を支えるのに一役買って

います。

そもそも退職金制疫の起源は、i:.l戸時代の「三井ののれん分け」にあ

るといわれています。長年の年季奉公への功労報伯という:意味で、退駿

後も同じのれんを使いながら商売ができるようにし、生活が成り立つよ

うに支援をしたということです。

多くの国で定年制皮を持っており、日本でも60歳を定年年齢にしてい

る企業が多いのですが、これも時代とともに変化していきます。事実口

本でも、55歳定年の時代もありましたし、今後65歳定年に向けて社会全

体が変わっていくのではないでしょうか。

しかし、平均寿命が80歳を超えて、65歳で節H を迎えるとしても、15

年以上の生活をどのように支えていくかということは従業貝にとって非

常に前要なI関心事です。もちろん現役時代に貯金をし、老後に備えるこ

とは当然ですが、何らかの支援策を講じようということで、退職金・年

金制度が構築されました。

そもそも、なぜ定年退職制疫があるのでしょうか。定年退職制度が明

確に定められていない企菜も諸外国にはありますが、碁本的には、人材

の新陳代謝の必要性からきています。人は年を取るといろいろな絃味で

哀えがでてきます。その哀えとともに企菜活動が哀えることは避けたい

ということで、できるだけ若年労働力への切り替えをH 指そうとしま

す。多くのR 本企業では、終身屈用をj]lj提として運用していますが、そ

の一方で、定年退耽制度を整備し、人材の新陳代謝を図ろうとしてきま

した。

人には単純に年齢では計れないものがあります。年を取ってもすごく

元気で、しつかり活躍をする人もいますが、中には50歳代になるともう

活力を失ってしまう人もいます。あるいは60歳になっても、65歳になっ

ても、現役社n との差がまったくない人もいます。ですから、最も都合

よく考えれば、年を取っても活力のある人には、70歳になっても80歳に

なっても、現役社貝以上の給料で慟いてもらってもいいはずです。その

一方で、50歳そこそこでも活力を失った人は退数をしてもらえばいいの

です。

し\ヽしかし、その巡営は実際には非常に難しく、恣立的に判断しているの

ではないかという非難が多発し、トラプルのもとになります。そのよう

なことを防ぐため、定年制度を設け、退耽金・年金の制度を整え、勇退

を促しているわけです。確かに、みんなその年齢になれば勇退するとい

うことであれば、受け止める従業貝のほうも、人生の節日としての心の

郎伽と生活の準備ができることになります。

退職金・年金の制疫は、そのような形で発展を遂げてきました。

法制度的にも、1959年に中小企棠退駿金共済制l度がつくられ、1962年

に税制適格退職年金制度(2012年3 月末廃止)が、1966年には印生年金

晶金が制度化されました。また、一時話題となった確定拠出年金法が

2001 年から施行され、確定給付企業年金制度も2002年からスタートしま

した。これにより、いわゆるキャッシュ・バランス・プランというタイ

プのものも、確定給付企業年金や}以生年金基金において実施できるよう

になりました。

もちろんこれらのものは、窃齢者のための国の社会政策的な迂味合い

があり、企粟としてもそれに呼応して対応したという面がありますが、

もっと梢極的に現役11t代の人材マネジメントを活川しようとしています。退職金・年金制度の今日的課題 退職金・年金制度は、企業内部の人材マネジメントに活用する際に、 どういう窓味付けを与えようとしたのでしょうか。 (1)従来の企婁の意昧付け方 退職金には、おおむね三つの意味付け方がありました。それは、①功 労報償、②貨金の後払い、③退職後の生活保障です。 まず第l に、功労報伯という:意味付けの説明をします。 退職金は、企菜の人材マネジメントに活用する以上、人によって格差 をつけようとします。現役時代に貢献度の窃かった人には多く、そうで ない人には少なくしたいと考え、それを従業只に知らしめて、運用しま す。そうなると、必然的に、現役時代の功労報俗という意味付けができ るようになります。みんな頑張ったのだから一緒の金額でいいではない か、というのでは、功労報伯という本来の趣旨からは外れることになる わけです。 第2 に、貨金の後払いという窯味付けは、功労報依というよりはもっ と冷撤に従栗n 側からの主張を反映しており、会社の好意で支払うので はなく、もともと従業貝が現役時代に栢み立てていたものだという窓識 を反映しています。少し強い権利意識の表れと考えてください。人に よって現役時代の某本給は迩いますから、退戯金・年金に格差がつく理 由になりますので、その点では特に経営側にも許容できる意味付け方に もなっています。ただし、多くの企業で懲戒解扉の際に、退職金を支払 わないという懲戒規定を持っているケースがありますが、貨金の後払い だと確定している位金を取り上げる理屈を級密にする必要があります。 功労報佑ならば、退駿時にその功労を評価して金額を確定するというこ とですから、こちら側からの説明は容易です。 第3 に、退職後の生活保障という意味付けは、退職後の生活をこの退 戟金・年金によって維持していくことです。ただ、退職後の生活保阻の ためならば、退朦金・年金領に人によって格差を設ける積極的押由はあ りません。部長だった人も、係長だった人も、同じように生祈をするの ですから、同じ金額だけ支援する、というほうが理屈として通りやすい と思います。 これらの慈味付け方にしても、どれか一つが正しいという話ではな く、こういう性格を拌ったものが退職金・年金であり、実際には、いろ いろな恨9Iiliがある、ということを理解してください。 (2) 新しい時代の退職金・年金割度の意味付け方 企党が退職金・年金制度を人材マネジメントの手段として位置付ける ということを述べましたが、そういう意味からは、次のような衣味付け 方を新たに土張することとなりました。 第1 は、「のれん分け」です。江戸時代の話のようですが、現段陪で 事業の多角化を活発に進める企菜では、自社の事業展開の周辺で新しい 事業の芽が見えたときに、積極的に本体企業から離れて起業するように 進める楊合があります。そういうときに、新しい企業を創設して遥営し ていくための投内的なな味合いを新会社にも、本人にも持たせようとす ることがあります。本人に与えるのは退職金・年金ですが、新しく起業 することをインセンテイプの一つにしようという烈味付けです。ですか ら、もともとの退霰金・年金よりもプラスアルファを支払うということ につながります。 第2 は、「働き力.の再認識を行う機会」にしよう、ということです。 例えば、50歳を過ぎると退職金・年金の上外カープが緩やかになり、55 歳でまったく増えなくなるというように設計をすれば、50歳を過ぎた ら、もっとやりがいのある職楊を見つけて、転身を図るほうがいいので はないか、ということを考える誘い水になります。退職金・年金の支給

額カープをコントロールすることで、そのような前向きな検討が行わ

れ、人材の新陳代謝が起これば、それは十分有益に機能する可能性がで

てきます。

第3 は、「長期にわたる企菜への帰属慈識の維持」です。もともと退

駿金・年金制度とは、そういう趣旨のものですが、今LI 的な窪義がでて

きています。甜外国より緩やかではありますが、企棠に対して帰屈意識

が育たず、すぐに転駿をしてしまう若手人材が結構います。そういう人

に、長く勤務して業組に貢献し絞けることにメリットがあることを訴え

る必要が新たに生じています。ポータビリティのある確定拠出年金を祁

人し、転牒を奨励する企業もありますが、好保気になり事業拡大がなさ

れる局面では、むしろ優秀な人材の確保が経常課題になります。そうい

う意味でもあらためてクローズアップされてきています。

特に、従業員のプロ意識が強く求められる知識産業の場合は、あらた

めてこのような烈;味付け方を持たせて制庶化のエ夫を行おうとしてい

ます。

ある知識産業の会社では、転戟が多い駿種の社員に、若いときは口分

がプロフェッショナルとして活l瓜できる場を積極的に選んで転職をすれ

ばいいと勧め、ポータピリティのある確定拠/_し1 年金に重きを1りいて、退

戟金・年金制朕を設計しました。しかし、ある程度プロフェッショナル

として成熟し、紺戦の管理者になると、組織への保属慈識を強く持って

働いてほしいということを訴えるために、確定給付企業年金のウエート

を大きくするようにしました。そしてさらに、「のれん分け」的な新会

社設立支援制度を設け、55歳以降の退霰金・年金領のカープの上昇を緩

やかにするというようなことも行いました。こういう施策は、古くから

ある会社では難しいのですが、新しく創設する会社では、過去を引きず

らないので十分考えられます。なかなか独創性・創造性が働きにくい領

域ではありますが、退職金・年金の意味付け方を突き詰める中で、出て

きた工夫だろうと思います。

(3) 新しい割雇の登場と退職金・年金の今日的課題

1) 企業年金の登場

今述ぺたように、退職金・年金制度の烈味付けの見方を変えること

で、その制疫を工夫していくこともありますが、退職金・年金の原資確

保が附難なこともあり、各種制疫が創出されてきたということも理解す

る必要があります。

もともとは退職一時金ということでスタートしたものの、その原沼は

企栗内で桁み立てています。内部で和み立てますが、尖際の原惰をすべ

て現金で用意して確保し紐けているということではありません。貸借対

照表の負•9ltの部に退戟給付引当金という項tI で計上されているにすぎま

せん。退職金を実際に支払う段になると、実際の現金が準備できなくな

る可能性もあります。多数の社員が同時に退職すると、現金不足で支払

えなくなる企架は今でも少なからずあるかもしれません。もし企業が倒

廂したら、優先偵権ではあるでしょうが、而倒なことになります。

そこで、「年金」というものを編みIll しました。退職一時金は、一括

して大金を扱いますが、年金は、分割することになります。月々に分割

すれば、1 回に支払う額が少なくなり、貨金繰りに余裕がでてきます。

その際、打金述川によって得られる利子分は金額を増やしてもいいの

で、そのようなメリットも追加しながら年金化を進めようということに

なります。

しかし、退職後何十年も維持する必要があります。企業寿命30年説も

ありますので、倒産などのリスクを避けなければなりません。そこで生

命保険会社や信託銀行などの外部機関に任そうではないかということに

なります。特に年金という形にするのであれば、外部機関に任せなさい

という法律ができます。中小企棠退職金共済制度も、適格退戟年金制}文

もその後の確定給付企業年金も確定拠出年金もすべてそのような建て付

けになっています。これにより、退職金・年金制度は、外部機関によって保汲されながら、運用されることになりました。 2) 退職金・年金原資の積み立て不足問題 初期に淋入された適格退歳年金制度の実行の過程で1Uj俎になったこと があります。それは梢み立て不足という問題で、その後の確定給付企業 年金の場合でも起こり得ます。退職金・年金の原資を外部機関に管理し てもらうという体制はできましたが、支給額は企業の退職金・年金規程 によります。支給領の合計は制度によって確定しますが、その金額は確 実に保証するということが前提で、企業は月々の掛け金を外部機関に払 い込みます。外部機関は、多領の退戦金・年金の掛け金を媒め、それを 国依や株式を購人して述)廿します。迎用で上がると想定する利+を前提 に掛け金を割り引くということをします。 当時よく見られたのは、予定利率5.5 %での述用を見越して掛け金を 少なくしてもらう方法です。従棠員に支払う退駿金・年金は確定してい るというのが、確定給付企業年金の碁本ですが、その原汽を確保するた めに汽金迎用でのプラス年率5.5 %を規約で決めて、それを1iii提に掛け 金を設定し、巡用していました。 世の中のは気がいい時代には実際の巡用利率が8 %くらいになったこ ともあったようですが、特にパプル崩壊以降はそのようなことはなくな りました。実際には運用利率がl %にも述しないということが起こり、 退職金・年金を支払う原府を確保するには、もっと掛け金の稲み立てを 増やさなければならないということが起こってきました。これを放龍し ていたので、栢み立て不足の領が相当に大きくなり、運営できなくなっ た事例も発生してきました。 3) 国際会計基準の導入と確定給付企業年金および確定拠出年金の登場 一方、同際会計基準の祁入が叫ぱれ、その積み立て不足というのは、 企業の退職給付債務(未認識偵務)なので、それを明示すべきだという ))ii則が打ち立てられました。この梢み立てイ<足を財務諸表で明示するこ とになりましたから、株主からも1iil 姐にされるようになりました。栢み 立て不足をいつまでも放置していると、現実的に退戟金・年金制度が維 持できなくなります。 そこで対応を変えることになりました。確定拠出年金が2001年から、 確定給付企業年金も2002年から、スタートしていますが、これらはこの ような問姐にもっとうまく対応していくための法改正だと考えられます。 確定拠出年金は、月々の拠出額を決めて、述m は個人に任せ、遥m 実 紹次第で結果的に退駿金・年金額が決まるという翡lll度です。そこでは、 企業サイドに運用貨任はありません。すべて個人次第です。しかも、退 耽金・年金を確実に自分のものにし、自分のオiとで増やすこともでき、 かつ転戯しても転戦先に持っていけることになり、企業の釈み立て不足 のllf園は起こりません。 確定給付企深年金は、適格退職年金のような仕組みではありますが、 規約により、梢み立て不足を侮年計符して確認し対応を取ることとなり ましたし、キャッシュ・パランス・プラン(CB) というものが可能と なりました。この制疫は、確定給付別と確定拠tLI 型の況合版といわれて いますが、指栢利率という概念を用い、その年の金利状況によって利宇 を変えられます。10年ものの国佑の利回りの過去]年の平均を指標利率 とするというように決めておけば、企業の遥用リスクは大幅に減少させ ることができます。 2000年以降このような形で、新しい退駿金・年金の制度ができたの は、この制度の難しさのなせる栗だろうと思います。特に長年にわたっ て柑金を管理し、しかも運用しながら少しでも有利な状況をつくろうと いうことはなかなか生易しいことではありません。そこには述用リスク が必ずあります。またうまくいかなければ、その部分の1tt務を決鉗丙上 公表しなければならないこともあります。そういう課題を抱えて、苦労 しながら巡営しているのが、退職金・年金の領域で起こっていることです。

退職金・年金制度の種類と

基本的仕組み

退職金や年金は、退職金・年金規程によって運営されますが、その関

係は、以下のようになります。

退職給付引当金によって、退職金屈心を内部梢み立てするスタイルの

ものがあり、これを退職一時金制度ということがあります。また、生命

保険会社や侶託銀行などの外部機l関で和み立てをして運営をするタイプ

の退職一時金もありますが、これは年金を想定した制度です。一方、そ

の両方の性格を持っているタイプもあります。内部枡み立てと外部栢み

立ての両方を分けて持っている混合刺の退職金・年金制度です。複合的

になっているケースもありますが、単純なスタイルで解説を加えます。

退耽金・年金の種類と必本的な仕組みは、図表6-1 、図表6·2、図表

6•3 、図表6•4にまとめました。

(1) 基本給運動型退職金制度

基本給運動型退職金制度は、図表6-1 に示したように、「退駿l峙基本給

x 退職金支給係数x 退職1叫l 係数」といった紅式で表されます。

退職11寺基本給というのは、月々支払われている月例基本給のことで

す。その退戦時の必本給をベースに係数を掛けて計勾します。「退職金

基本給遅動型退職金制度の例

1. 基本給連動型退職金計互式例

退臓時基本給x 退職金支給係数x 退繊串由(系数

2. 第2 基本絵連動型退職金計は式例

退職時第2 甚本給x 退職金支給係数x 退職奉由係数

支給係数表」「退駿事由係数表」を規程上持っていて、それに沿って計

ねをします。

例えば、勤続35年60政で、某本給60万円の人が、定年退駿を迎えたと

すると、60万円x50 (=勤続35年の支給係数) X 1 =3000万円というよ

うに計3tします。支給係数は、勤続が1 年少なくなると2 ずつ減らし、

中間で1. 5ずつ、勤統が短いと1 とか0.5ずつ減らすという具合に見ると

おおよそ感じがつかめます。

退職金支給係数表は、退職金水準についての傑準者昇格モデルを基準

としたポリシーラインをペースに割り出します。退職事由係数は、定年

も含めた「会社都合」で辞めた場合をl とすると、自己祁合で辞めた人

を0.7 くらいで割りり1 くというタイプのものです。自己都合のほうが、

退職金額が少なくなることは一般的です。

例えば、勤統10年までは0.7、同15年までは0.75、20年まで0.8、25年

まで0.85、26年以上は0.9 という具合です。

このタイプのポイントは、月例の碁本条合に連動しているところです。

月例の甚本給がうまく作られていれば、その人の現役時代の貢献度を極

めてうまく反映していくものです。昇格すれば高くなるし、外格しなけ

れば低く抑えられます。それをペースに退職金を計算すると、貢献度が

硲く最上位まで昇格をした人は、退職金が多く得られます。しかし、買

献度が低く、昇格をしなかった人は、退職金の額はあまり多くならない

はずです。そういう烈味では、非常に合理的スタイルなのが基本給連動

型退職金制度です。

しかも基本給は、ft与制度とも連動していることがあります。「基本

給x 評価別支給係数」で計算される'ハ与も、某本給が合理的に作られて

いるとすると、極めて合理的です。それが退職金にも反映することにな

ると、ある意味ではすべての処遇の碁本がこの某本給にあることにな

り、まさにその名前のとおり嗅冴咲がということになります。

しかし、その基本給にもいろいろなタイプのものがあります。等級別

の基本給テープルに上限号俸がないタイプもありました。仮に範圃給であっても、上下の等級liりでのオーバーラップが相当に大きいケースもあ ります。この場合、この1如本給連動剖退駿金制度で退職金を計綽する と、現役時代の真献度(どこまで昇格したかで言い換えられる貢献度) がどうであるかよりも、基本給がいかに応いか、つまり勤続年数がいか に長いかにより大きな影評を受けることになります。これでは「功労報 fB」という意味でも「貨金の後払い」という意味でも何か変だというこ とになります。 それから基本給には、ペースアップという概念があります。ペースアッ プがあると基4浮合が上がりますので、それだけで退職金領が増えること になります。ペースアップは物価上昇への対応という意味もありますか ら、これも合理的なのですが、ベースアップがft与にも、退戟金にも辿 動して、全体の'八与額、退際金額を押し上げるということになると、非 常に人件毀総額の符理に心配が1ll てきます。 そういう問題が、基本給述動型退職金制炭にはあるという指摘がされ るようになりました。 (2) 算2 基本給運動型退職金割震 そこで出てきたのが、第2 基本給運動型退職金制度で、月例の基本給 と退職金の基本給を分離しようという考え方です。退職金用には、第2 必本袷テープルを使おうという発想です。この方法では、月例の基本給 をペースアップで」.げても、退職金の)’..昇には直接は結ぴ付きません。 もちろん、甚本給連動型のit与にすることもやめれば、月例の払本給ヘ の彩愕度のみを考えて検討すればいいことになります。 退職金は、退職金用の第2 甚本給テープルを作り、それをペースに某 本給述勁型の退職金制疫とすることになりました。 そもそもは、月例基本給と述動していたものを、あるときに分離し、 月例碁本給のペースアップを反映させない退職金専用の基本給テープル を作ったということからスタートしました。その後基本給が定額型になっ たり、洗い替え型になったりしても、退職金には彩特しないようにする こともできました。基本給連動型退戦金制度では、定額型基本給テープ ルや洗い替え型焙本給テープルをそのまま適用すると、退駿金割に大き な影評を与え、全体として硲めの退職金水準になってしまいます。です から、月例の基本給と退職金il切を切り離すことが、甚本給の大llH な改 革ができる条件になったといってもいいと思います。 第2 基本給述動型退職金制度は、それ以外の構造は、基本給連動型退 臓金制度とほぽ同じです。 (3) ポイント制退職金制震 基本給述勅型退数金制度が一般に行われていたときに、尖力主義的な 退戟金制段という行板で出てきたのが、ポイント制退職金制度でした。 これは、甚本給が上下の等級でオーパーラップするような状況が仮にあっ たとしても関係なく、等級と述動して退駿金が計悦されることになりま す。しかも上位等級に早く昇格すると1 年当たりのポイントが多くなり ますので、退脇金領も多くなります。最終的に5 等級で定年を迎えて も、5 等級になる年数が早ければ、その分だけ退職金領が多くなります。 図表6•2のポイント退戟金ポイントテープルでf1符すると、1 等級に 6 年、2 等級に8 年、3 等級に8 年、4 等級に8 年、5 等級に8 年の勤 続38年の人の楊合、次のような計灯式になります。 }Ox 6if.:+20x 811こ+ 40x 8il0+75x 8if.:+IOOx 811ー =l9 40ポイント ポイント単価は、l 万2000円ですので、退戦金合計は、1 万2000ILJ x 1940 =23 28万円となります。 このように、ILLねそのものは非’i作に単純ですが、これではIii]じ呼級で 基本給領に差があっても、基本給差は退賊金領に反映されません。等級 と在任期間で退職金を決める制朕がポイント制退駿金ですので、昇格が 早い人のほうが、退駿金額が店くなり、実力主義的な退職金制度という ことで、かつては注目を浴ぴていました。

退職金に貨金の後払いという性格があるとするならば、最初に払って

しまおうというのが、この退職金前払い制度です。蚊終的にもらえる退

駿金の額を試符し、それを月々の給与にプラスして払い、生涯貨金とし

てはパランスさせようという考え方です。したがって、退職金の前払い

(あるいは全領給与払い)制度ともいいますが、退戟金制度そのものの

税止といったほうが分かりやすいと,思います。繰り返しますが、生涯貨

金から退糀金分の2000万円程度のものを単純に少なくするということで

はありません。月々の給与にその分をプラスするという発想です。

もともと退職金の税金計符は、月々の給与や伐与よりも軽いもので

す。しかし月例給与にその分を」こ釆せすると、税金が高くなります。裔

くなる税金分を会社が負担することを想定して、月例給にその分1冴.乗せ

すると、税金増加分だけ人件’l’l総額が上昇するというnl]題も指摘されて

います。

こうした考え方も、この間の成果主義蔚人や、確定給付企業年金を確

定拠出年金に移行させるタイミングで議論されました。

辿常退駿金は、懲戒解扉の場合は支払いませんので、問題を起こさな

いことに対する一.f!R の保険のような機能がありますが、退琺金前払い

(退霰金の廃Jr.) がされると、そういう保険機能はなくなります。

(5) 中小企婁退職金共済割雇

中小企業退職金共済制度は、古くからある制度ですが、中小企業のみ

に適Ifl されます。業種別に、「常}l1 扉用する従業員数」または「資本の

額・出資の総額のいずれか」で参加できるかどうかが決まっています。

卸売業が100 人以下または1 位円以下、サービス菜が1.00人以下または

5000万円以下、小売業が50人以下または5000万円以下、それ以外の業種

が300人以下または3 位円以下となります。事栗主が中,1ヽ企業退戟金共

済機構に決められた掛け金を納付し、機栴が退駿金を支給するという仕

組みです。

支給される退職金は、「基本退職金」と「付加退駿金」の二つがあ

り、培本退戦金は、掛け金月額と執付月数に応じて、固定的に定められ

た予定巡用利回りに基づいて支給額が決まります。付加退駁金は、述用

利回りが予定よりも回ったときに基本退職金にプラスするというもの

です。

中小企業の場合、退職金を支払う財政基盤が弱いこともありますし、

退職金をもらえる時期に財務状態が非詣に悪くなる恐れもあります。こ

の制炭は外部機関に掛け金を枡み立てるとそこから退職金が支給されま

すので、月々の掛け金さえしつかり払うことができれば、安心して退職

金がもらえる仕組みです。

(6) 確定給付企業年金

確定給付企業年金は、給付が確定するという制疫です。退職金梱l}皮と

して、前述した(1) (2) (3) のいずれを採用するにせよ、企業内部の栢

み立てではなく、生命保険会社や信託銀行などへ掛け金を桁み立て、そ

こでの連用を期待して、少しでも退職金原汽を節約していこうという仕

組みと考えればよいと思います。

その際には、予定利率というものがあり、予定利率を前提に掛け金の

プログラムが計舒されます。このあたりは年金数理の難しい計”:が必要

キ-• ・a , .. ‘-.、~ ^. , ~””~・・-、一.. .. .,.. •.

(7)確定拠出年金

確定拠出年金(DC) は、日本版401k ともいわれている制度で、企架

が掛け金を支払う企業邸と個人が支払う個人剃とがあります。ここでは

主に企業型を前提に説明します。この制度では確定紛付企業年金の際に

問題となった栢み立てイサ足は起こりません。運営するのは、従棠貝個人

ですから、個人のオ党に応じて、退職金・年金が多くなることもありま

すし、運Jfl に失敗し心ならずも少なくなってしまうこともあります。

図表6-2の確定拠出年金掛け金表にホしたような月々の掛け金を設計

し、その掛け金を資産管理機関に預けます。運用管理機関を通じて、従

榮員個人が金漁甑品をその惰金で購人して迎片l していきます◇その結

呆、運用成績が良ければたくさんの退駿金・年金が確保され、述用実績

が悪ければ少なくなります。この掛け金については、ほかの退職金制皮

との併用がない場合は、月々5 万1000円が上限になります。国の方針に

 

がよく、株価が上昇する局1l1iであれば、個人の運用実組が上がりますの

で、有利になります。このItlJデフレ経済閃淡が1もかったこともあり、必

ずしもバラ色とはいえなかったようです。

(8) キャッシュ・パランス・ブラン

キャッシュ・パランス・プラン(CB) は、確定給付型の企棠年金の

枠組みでのパリエーションです。同じ予定利率が適用されなければなら

ないという考え方ではなく、指椋利率という概念を川い、市場金利と述

動させたり、長期国依利率と述動させたり、ということができるように

なりました。その結果、すべて5.5 %の運用利率を前提にするのではな

く、年ごとに総括をして、利率を低くしたり、齢くしたりできるように

なります。これによって、企業側の連用リスクが相当に軽減されます。

従業員側から見れば、完全な確定給付企業年金ほどには給付額が確定

していませんし、自己のオ党で運用して給付額を増やライブラリに戻るませ

ん。ポータビリティもありません。しかし、企業年金の制度を守ること

ができます。述用実希`tが上がりやすい哀校にあれば店い利率とし、そう

ではないときには低い利平として設定できれば、栢み立て不足による資

金の投入という')スクは避けられます。そのことにより、退職金・年金

が守られますので、甜入例も多いようです。

今まで見てきたように、退駿金・年金制度には非常に多くの種類が牛

まれています。これらの中からどれを選ぶぺきかは、人材マネジメント

に対する企業の考え方を十分に吟味し、自社の方針を突き詰めて考えて

ほしいと思います。金融商品に関心を持って、いろいろ閾べ、株であれ

国依であれ、述)廿スキルを身に付けることが、自社の事業展l州上、また

営業上必要なことだという企業であれば、確定拠1.11 年金を選ぶことに

ち•うちょ

趾躇はないと思います。しかし、1_1 常的な仕事の中で株式の価格変動な

どを気にしてもらっては困る、地追に本業に徹してほしいというような

企菜の場合は、確定絵付企業年金(キャッシュ・バランス・プラン含む)

を検討したほうがよいと考えます。

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