第4章 賞与制度の基碓知識
寅与とは、月例の給与を補填したり、業績に応じて支払わ
れるもので、日本企業では、通常夏・冬、年2 回支払う場合
が多いようです。日本企業の貧与は、年収に占める割合が
30%前後にも及ぷほど大事な貨金項目です。年収における割
合が大きいので、生活給の一部として見るべきだという考え
方もありますし、企業業績に連動して企業の稼ぎを原資とし
たインセンティブであり、従業員の業績評価に連動して、大
きな格差を持たせるべきだという考え方もあります。成果主
義の象徴ともなった寅与制度をしつかり確認してください。
賞与の歴史と意義 1) 宮与とは 官与というものは、月々支給される給与とは異なり、臨時に一時金と して支給されるものです。ポーナスとか一時金、夏期(または夏季)手 当、年末(冬季)手当、期末手当(決算営与)、臨時給与(臨給)など と呼ばれることもあります。日本では、以と冬に支払う会社が多く、ほ とんどの会社で年2 回の伐与が支給されています。会社の業組が良い場 合には、期末決符伐与というものが支払われることもあります。 そもそも‘ft与の沿革は古く、封建時代の商人や職人の世界で、盆窮れ に支給されていた「お仕祐せ」という習間が起源だといわれています が、明治以降では、三菱がl876年(明治9 年)にiVチを支給したのが最 初だといわれています。 月々の給与とは違い、伐与は臨時的な£t味合いを強く持ちます。必ず 支払われるものだというものではありません。しかし、年2 回夏冬の共 与が伯習的に支払われるようになると、従菜員はそれを期待して牛活設 計をするようになりますから、自然と1′.t与が生活給的な窓味合いを持つ ようになります。1’t与があることを前提に生活レペルを上げていくとい うことです。そうなると、伐与がないと生活が非詣に苦しい感じがして きて、これが「‘it与は生活給の一部になっている」という評価につな がっていきます。 日本企業の年収に占めるit与比率は、おおよそ30%前後のところにあ り、かなり高い割合を示しています。図表2-35 (152ベージ)の生計費 の統対によると、4 人阻帯の月々の生計費の最窃額が30万円前後(50歳 強のところがビーク)ですので、少なくとも正社貝については月々の給 与で年齢別の生計孜水準を超えるケースが111 てきます。ですから、元 来、我与が生it1打補填の慈味を持つと考えなくてもいいのですが、生活 水部は自分の収入に合わせて高くなっていきますので、年収に占める割 合の多い‘八..!:}をあてにしてさまざまな支出計両を立てていくようになり ます。それが伐与に、生計筏の一部(つまり生計代の補槙)としての意 味合いを強く感じるようになるJ!ll 由です。 企業側も、従発貝の生計伐への配怠の祝点から、業組が悪くても、あ る一定の‘it与は出そうと考える場合が多いといえます。伐与額が低いと 人材獲得競争に負け、優秀な人材の流出が起こりますので、リテンショ ンの意味を込めて、赤字すれすれの見通しでも、あるいは赤字見通しで も、少ないとはいえ、ある一定の伐与を支給する企菜が日本の場合は多 いようです。 2) 賞与の意義 そもそも、打与は業紐が良ければ出すし、業組が悪ければ出さないと いう性格のものです。就粟規則などで、最低1t与を出すことを定めてい なければ(ほとんどの企業は定めていません)、炊与を出さなくても辿 法というわけではありません。日本企業が月例給与原資を抑えて、代与 原汽を多く持とうとするのは、固定的人件代を少なくし、変動的人件費 を多くしようという考え方です。つまり、棠績が悪いときに人件代を少 なくして最低限の業組を確保するための手段として、1’t与を活JTJできる ということです。そのメリットを、日本企業はしっかり活J:I1 しています。 しかし、中困に進出したn 本企業の人事買任者と議論した際に、中国 でも日本と同様に伐与比率を大きくした結果、いくつかの問題が起こっ ているということでした。その人事の宜任者は、欧米企業でもU 本企菜 でも、国際競争の襄っただ中で生きているので総領人件筏としては、 そんなに迩いがないという評価でしたが、代与比率が日本企業のほうが 窃いので、その粘果、月例給与が少なくなります。伐・与は業組が悪いと もらえない可能性もありますから、U 本企業の処遇のほうが不安定に見えるということで、欧米企業に人気が集まっているとのことでした。年 収はそんなに遜色はないし、扉用の面ではLI 本企業は包当な政策を取り ますので、本当はU 本企業のほうが安定しているはずなのに、どうもそ う見えないようだというのです。なかなか微妙な話です。 年収の30%を伐与が占めるということは、究極の選択ですが、染鉛が 悪いと四与を支払わないことになり、理論上は「年収総額の30%を削減 することができる」ということです。ただ、l:1本企業の人事部は’it与と いうものを生計1’1 の補填的な,味合いでも捉えているので、政策判断と しては‘11:与をなくすということはよほどのことがない限りしません。 例えば、月例給与にして4 カ月分(夏季‘代与2 カ月、冬季伐与2 カ 月)の買与原汽を確保して配分する企棠の場合、棠組が良ければ、5~ 6 カJ1 分に宜与原汽を増やしますし、業績が悪ければ、2 ~3 カ月分に ti•I})原行を削減します。日本企業の均合は、その程度の範棚では菜紹変 動を反映させるものの、2~3 カ)1 分は栗紹が悪くても支払う可能性が あります。これはあくまでも政策判断として、そのような最低支給月数 のH 安が各企栗にあるわけで、その部分が生計伐補填部分だとする見方 もできます。 また、会社の架組に辿動して宜与原沢が変動するということと1彫述し ますが、個人の貸与についても会社業紹だけではなく、本人棠組評価の 結果、礼与額が多くなったり少なくなったりします。それはインセンティ プともいわれますが、汎与に伯伐必罰的な施策の立味合いを持たせてい るのです。この部分がないと代与を支給する意味は半減されます。 こうしたことから、四与には、①生it1t補填的な意味合い、②会社業 絨に連動した人件費総額のコントロール的?釘味合い、③個人業紹評価を 反映したインセンティプ的慈味合いの三つの慈義があるということにな ります。 賞与制度の今日的課題 lii節で、伐与には、①生計骰省I)填的な意味合い、②会社棠組に辿勅し た人件伐総額のコントロール的窯味合い、③個人菜糾評価を反映したイ ンセンテイプ的慈味合いの三つの窓義があると説明しましたが、今現在 の課題としては、その②③の機能を大きくしようということに尽きると 思います。 なぜ、そのような課題滋蹴になるかといえば、成果主義の登勘と深い 関係があります。その課題意識は、成呆屯義というイデオロギーが生ま れたからというよりは、そのイデオロギーを必要とした経済閑境に発生 の原囚があります。それはグローバルな企菜間競争の激化ということで す。企菜活動はドぽ;を越えて、より有利な環税を求めて勁きました。製 品や部品の価格は国際競争の洗礼を受けて比較的似通った価格になりま す。しかし、その製造コストは、主に生窟国の人件骰水準に大きな影評 を受けることとなりました。 要するに、いかに総額人件敗を低く抑えるかが大きな課題となるとい うことですが、無条件に抑えるという百い方ではなく、棠紹に述動し
て ァップダウンが可能であること、菜組向1-.に貢献する個人には大きなイ ンセンテイプを与え、その活動に報いていくことが必要で、そうでない 人にはその分の打与を下げていかなければなりません。そしてその染 合、つまり会社としては全社棠績に連動させなければなりません。 図表4•1 では、「成果主義への転換に伴う‘it与格差の拡大」についての イメージを説明しています。能力主義や成果主義という口葉は、図表 1-3 (23 ベージ)で説明した内容と同じです。いわゆる能力主義の時代 の年IIりの年収格差(つまりは四与格差)は、部長別でもせいぜい150万 円程度、諜長厨でも80万円程度でした。一般職に至っては、50万円以下
の差です。年2 回伐与があるとすると、1 回分の伐与格差はその半分
です。
しかし、成呆主義の時代になると、様相は一変します。部長培の年間
の‘l’i与格差は、400万円くらいには広がりましたし、課長陪でも250万l’ J
に拡大し、管理戟府は3 倍、一般戦でもおおむね2 倍の格差をつけるよ
うな伐与制度に変貌を遂げるようになりました。
このように大きなtt与格差をつけるのは、激しいグローパル競争への
対応という慈味があります。強いインセンテイプを与えて、活動力を強
化しようという発想がありますが、同時に全社の業組が悪い楊合は、全
体を低く抑える仕組みを持とうとしました。
成朱主義人事革新の時代は急に訪れましたが、それは人事評価制度な
どの整備をも必然的に要求するものとなりました。目標管理制皮を軸と
して成呆評価を重視した短期,評価の仕組みを人れ、日標面談、評価事実
把掘の而談、評価結果フィードパック而談などを整備し、丁卑なコミュ
ニケーションを入れながら、激しい評価格差がつく人事処遇の時代に
入っていきました。
こういう金銭によるインセンテイプは、業紹向上のための活動力の強
化にfill迩いなくつながっていきましたが、伯れればあまり効果がなくな
るという指摘もあります。刺激効果がなくなれば、もっと激しい格差を
つける体制に持ち込む必要がありますが、それだときりがありません。
もう少し別のインセンテイプを見つけなければいけないのではないかと
いう声も挙がっています。
このように、本節のU 頭で触れた、②会社業組に辿動した人件代総領
のコントロール的意味合い、③個人業紐評価を反映したインセンテイプ
的双味合いが、ttり制度の今l:I的課題ではありますが、同時に、刺激効
果に憫れてくることに対する対策を講じる必要にも迫られています。金
銭的なインセンティブの方法は、相当に見えてきたと思いますので、今
後は、非金銭l]り報酬や他のインセンティプの方法を検討する必要がある
でしょう。
賞与の支給形態・算定式など
貨与制度は、伐与を決定する計狩式によって成り立っています。さま
ざまなものがありますが、まずは基本的なものから、解説をします。
(1) IB来の基本給運動型賞与嗣震
図表4-2 (こまとめたのが、いわゆる基本給連動型の営与制度です。古
くからある制段ではありますが、現在でも最も多くの企菜で採用されて
いるものだと思います。
この制度は、個人tt’j額を払本給に評価別支給係数を乗じる形で杭出
しようとするものです。図表4-2では、椋準評価Bの場合、碁本給の2 カ
月分をハ与額とするということを示しています。S評価で2.5 ブ]月分、D
評価で1. 5 カ月分が‘ハ与額ということになります。
仮に図表2-42 (176ベージ)で見た場合、4 等級初号倅の人で非本給
が32万円の人がいるとすると、S評価で80万円、B評価で64万円、D評価
で48万円になり、S評価とD評価の格差は32万円になります。
基本給は、昇格や定期昇給などと述動して決まります。このため、高
い等級で評価が良い人ほど基本給が高くなりますので、社内序列を明確
に反映します。そうした碁本給を指様にして、ft与栢を決定するという
厄基本給運動型賞与制度
評価
s A B C D
支給係散2.50
(支給月数)
2.25 2.00 1.75 1.50
※個人賞与額=基本給x 評価別支給係数
のは、非常に理にかなっていると.思われます。その意味で、非常に多く
の企業が、このタイプの代与制度を淋入してきたと考えられます。
先ほどの例で、S評価とD評価の格差が32/j円というのが、少ないと
感じるのであれば、S評価を3.00、A 評価を2.50、B評価を2.00、C評価
を1. 50、D 評価を1. 00 というように変えれば、S評価とD1Äf価格差が2
倍になります。2 カ月分の差ですから、64万円ということです。年llfl伐
与格差としては、その2 (音の128万円ということになります。このよう
な形で格差をつけていきます。図表2•42の場合4 等級は係長相当だと想
定していますので、この差は少しきつめかもしれません。
あまり格差をつけると昇格前の等級の人と比ぺて逆転現象が起きるこ
とがあります。もちろんB評価だけを比ぺれば等級の上の人のほうが大
きくなりますが、一つ上の等級の人がC評価を取った楊合と、一つFの
等級の人がB評価を取った場合とで比べますと、
s-2 等級初号俸32万円の人がC評価の場合、
32万円X 1. 75= 56万円
S-l 等級31 号俸29.8万円の人がB評価の場合、
29.8万円X 2.00 =59.6万円
となり、昇格をしたばかりのときはB評価を取るのも大変だと思います
ので、外格をしないでドの等級にいたほうが有利なのではないかという
印象になっていきます。「これでは外格烈欲を減退させる」と考えるの
であれば、もっと評価格差を少なくする必要が出てきます。そうすると
刺激のない’.i’t与制度ということになり、このあたりのバランスの取り方
が、代与制度設計にとって11シitに難しいところになります。
このような現象が起こるのは、El 本の貨金水準を見た勘合、①部長培
と新入社nlけの給与格差がせいぜい3 ~ 4 倍程疫しかIIIJかないこと、
②基本給テープル—t、ある等級の日殷基本給と、その上の等級の初号俸
値との格染が少ないこと、またはオーバーラップすること―などに原
因があります。
成呆主義になると評価格差を大きく取ろうとしますが、そうなると昇格前後に、先のような関係で評価ごとの宜与額が逆転しがちになりま す.材格を重視するか、評価格差を瓜視するかということで、大きな論 争になる点ですが、以下の成果屯義の流れの中では、評価格器を重視す る方向でこの問題を解決していこうとしています。 (2) マトリックス式賞与配分型賞与制震 先ほどの基本給述動型の’it与の楊合、1f天井型基本給テープルなどが 典型ですが、下の等級では、評価が厳しくないので、基本給が高い人は 伐与額も高くなる傾向が出てきます。それが2&本給連動型買与制度の弱 点になります。 そこで、基本給との辿動を切る収り組みがなされました。こうして生 まれたのが、図表4•3のマトリックス式貸与配分型営与制度といわれる ものです。 等級ごとに括礎j’tl.j額と菜紺t評価別加籾金額を加える形で1-‘t与額を計 ”:していきます。この図表は、いわゆる絶対額の代与·テープルです。3 吟級のB評価の人は、基本給が高くても低くても、「碁礎ft与領30.8万 Pl +業績評価領30.8万l』]=61. 6万円」になります。3 等級のS評価とD 評価の格弟は、61. 6万円ですので、2 カ月分の格差がついていることに 口哀爪マトリックス式賞与配分型賞与制度 資格基礎賞与額 業績評価額 $ A B C D 6 級55.0万円140.8万円105.6万円70.4万円35.2万円0円 5 級41. 8万円123.2万円92.4万円61. 6万円30.8万円0円 4 級33.0万円96.8万円72.6万円砧. 4万円24.2万円0円 3 級30.8万円61.6万円46 2万円30.8万円15.4万円0円 2 級27.5万円484万円36 3万円24.2万円12.1 万円0円 1 級22.0万円39 6万円29.7万円19.8万円9.9万円0円 なります。 このマトリックス式伐与配分方式の場合も、3 等級B評価が61.6ガ円 で、4 等級C評価が57.2ガ円ですから、昇格したらil与が下がるのでは ないかという心配が出てくるタイプといえますが、もう少し評価格差を 縮小すれば、この比較でも4 等級C評価のほうが高くなる点を見つける ことができます。昇格と評価格差との関係で、ft与の格差を昇格煎視で 考えるならば、もっと評価問格差を縮小させたほうがいいでしょう。 この図表4-3 は、1’i与額実額のテープルです。このテープルは買与の 支給月数が多くなったり少なくなったりすれば、当然書き換えることに なりますので、伐与時期ごとにテープルを作って示す必災があります。 甚礎代与額は、評価が脹くてももらえる伐与額です。業級評価額は、 D評価を取ると0 円、つまり「不支給」となります。 基礎貨与額とB評価の菜組評価領を加えた額と基本給額との比率をど うするかということを検討しながら、マトリックス表を作成します。図 表4-2のように基本給額の2 カ月分を支給することを念頭に骰いて、括 礎柑与額+ B評価の粟組評価領をまずは21名に設定して、評価格差のバ ランスを見ながら手を加えていくというやり)Jをしていきます。上の等 級に行くに従って、某礎宜与額の割合を少なくし、業絨評価額の割合を 多くしながら、バランスのいい格差を見つけていきます。 (3) ポイント型賞与嗣震 マトリックス式伐与配分痰償与制度では、マトリックス表に支給する 実領(絶対額)が表示されていました。ポイント型営与制度では、ポイ ントといわれる指数によって表現されています。このタイプの四与制度 は、非常に多くの企業で浮入されました。 これも基本給のレンジを反映させないタイプのもので、咎級と評価に よって伐与術が一律に決まります。その慈味ではマトリックス式伐与配 分刺箕与制度と1nJじとなります。 図表4-4 にその例を示しました。3 等級の人がB評価を取ると、「基礎
伐与ポイント140 ポイント+菜命’t評価ポイント140 ポイント= 280 ポイン
ト」になりますが、このポイントがどういう意味を持つかということに
なります。
図表4-4 にも書き込みましたが、1Ä11人伐与領は、「ポイント札価x 個人
持ちポイント」で決まります。個人持ちポイントは、個人別の「甚礎牧
与ポイント+業績評価ポイント」であり、ポイント単価は「伐与総原賓
+ 2 (個人持ちポイント)」ということになります。
これだと1t与原沢が菜絨に連動して大きくアップダウンをしても、ポ
イント型炊与制度のテープルを問題なく活):11 してfi与栢を狂定すること
ができます。そういう意味では、マトリックス式伐与配分型は箕与1 回
限りの)奇命ですが、ポイント瑚宜与制炭のテープルは汎用性がありま
す。一疫、作れば、等級聞の伐与実額パランスと、評価別格差の実額バ
ランスのチェックをしながらも、特に問題がなければ、このポイント型
fi与制度のポイント表を公開して何年も使うことができます。
一つ下の等級のB 評価の代与領実額と、一つ」この等級のC評価の’ft与
額実徹との関係をどうするかは、今まで説明してきた三つのit与制度の
タイプもすぺて同じ問題を抱えていますので、その点をよく名えて方針
を立てる必要があります。
(4) パジェット型賞与制震
次に、図表4·5 に示したパジェット型営与制度の説明を行います。こ
のタイプのものは、今はあまり多くは活用されていないかもしれません
が、これも一つのタイプですので、’it与制度の理解を促進するために
も、説明をしておきます。
バジェット型のパジェットというのは、予箕という慈味です。
バジェット型伐与制J皮は、部l”l 別に‘政与原惰を決定し、それを評価結
呆に基づいて、各メンパーに直接金術をあたかも予岱(バジェット)配
分を行うようにする方法です。部門践与原府を実額で処理するのではな
く、1 ポイント当たりl ガ円とか1000円ということで、指数化(ポイン
ト化)して、個人りl) に配分するやり方を、ポイントパジェット方式とい
いますが、いずれも、割り振られた打与1原柑を、直接部I”] メンパーに配
分するスタイルといえます。ポイントに置き換える方法は、実領で処理
すると、評価を行う評価者側に刺激が強すぎるとして生まれたものです。
図表4-5 では、部門に1000万円の伐与原惰が割り当てられたというと
ころからスタートしています。A さんは「非1位に菜組を上げた」との評
価で250万円を割り1iて、D さんは「少しもの足りない」との評価で180
万円を割り当てます。このようにして、1000万円分を全部きれいに配分
します。このようにしてfi与領を決定します。
これだと、A さんからE さんまでみんな同じ等級の人であれば、何と
かなりそうな感じがするかもしれませんが、A さんが4 等級、B さんが
3 等級、C さんが4 等級、D さんが2 等級、E さんが3 等級というよう
な楊合、どのように割り振るのかという心配が出てきます。しかし、こ
のバジェット型竹与制度は、その点を制度化していないのがポイント
で、評価者は、被評価者の等級IIIJ格蹂や評価格差の在り)iを暗勾:的に考
えるか、何かの計伐式を考えるか、それなりの理屈をつくって伐与•額を
配分する必要があります。
この制度は、自由度が大き過ぎて、理屈を考えるにしても任され過ぎ
ている而があり、かなり習熟しないと評価者サイドの配分に不安が出て
さます。何しろ100万円くらいの差を、実禅iペースで評価者の判断一つ
で決めることになるからです。
そういう意味では、今まで説明してきたどの代与制度も個人))IJ伐与梢
を決めるのに、実はこのバジェット嬰と同じように評価を行う際の難し
さがあるはずなのですが、テープルなどの仕組みがあるのとないのとで
は、受ける印象が大きく述うというのは記招しておいてください。等級
別の格差の取り方や評価問格差の取り方に基凶gや指針があるのとないの
とでは、安心感に違いがあります.
ここまでが、伐与制度のタイプ別の説明です。これに加えて、最近、
菜紐辿動籾‘伐与という制J文が生まれてきました。次節ではその説明を行
います。
業績連動型賞与
(1) 婁績運動型賞与割度とは何か
前節で、いわゆる伐与制度のいくつかのタイプを見てきました。いず
れも評価に連動して僻人の1’t与領をどのような仕組みで決定していくか
ということについての説明でした。全社業紹に述動して代与原賓を決め
るとか、部門棠績に連動して部門伐与原役を決めるということは説明し
ても、どのように決めていくかは特に触れていませんでした。実際、そ
の決定に当たっては、現在の業績のみならず、将米の業績見通しについ
ての情報も加味した上での総合(lり経営判断によっています。
このように廿与•原内を決定する際には、さまざまな梁紐指椋を見たlご
での経営者の経営判断によることになりますが、経営者の経営判断のプ
ロセスまではなかなか定式化できないものですから、そこまでは触れて
きませんでした。
粟組述動型貸与ということになると、その伐与原質の決定プロセスを
棠紐指揉によって行おうということになります。図表4•6 に「棠組述動
型‘l’i与制度とは何か」を説明するチャートを杏き出しています。菜績連
勁瑚伐'与制度の最大の特徴は、箕与)原惰を総合的な経営判断によって決
めるのではなく、あらかじめ定めた指標によって決定していくというこ
とです。現在の政与制疫の場合は、おおむね業績評価重視で運営されま
すので、‘it与.Jj料打の決定方法に棠績指標を使うことがこの制度の大きな
特徴です。一方、個々人の1’t与額の決定が菜組評価重視で決められない
買与制l父は、業績連動型買与制段とはいえません。
イメージを形成してもらうために、非常に分かりやすい例として1998
年にiり入されたiI二七通の事例(「労政11寺報」第3406号·-99.7.16 労務行
政刊)を説明します。こういう制l文はリニューアルされていくので、現
在同じものが運営されているかどうかは問わないでください。
この事例の代与原惰計-~:)j法は、以下のようになります。
~ •• ––• •• –• ––•• –——-·~ •• –·~ –• ·~– -• • ––0~ •• • ·~ • – •• – ·~“··· ~• ··一一、 : 伐与支給月数=固定分(4 カ)1) +インセンテイプ分(0~2 カ月) :
: ィンセンテイプ分=前年度のit与支払い前‘営棠利益X9.3% :
し―———————————————·
つまりインセンティプ分の対ねに、代・与支払い前の営業利益という指
椋を用いているところがポイントです。
個人配分の方法は、「甚本分(月収X 令員一律の定'f;)+成果分(月収
x 成紹別支給率)」ということですから、これは特に図表4•2のバター
ンとそんなに迩いがあるわけではありません。月収に述動している貨与
制度ということです。
したがって、何といっても伐与原資itl·鉢方法に特徴があります。この
計れ式を労働組合と合意し、これに甚づいて計位をしていけぱ、労使交
渉をする必要がなくなります。宜与原打を決定する際には、経営として
は抑えたくなるし、労働組合側としてはできるだけ多</IJしてほしいと
思うものですので、労使紛争の火種になりやすいものでした。春闘時に
ペースアップ交渉に加えて1t与原沢の在り方についても、同時に団体交
渉を行うことを、かつて通例としていた企栗も少なくありませんでし
た。しかし、この店士通のようなタイプの伐・与原貸計岱方法を収れば、
自動的に原資が決定しますので、このRI符式を労使で合意しておくこと
ができれば、団体交渉の必要はなくなります。
準拠指椋にはいろいろなタイプのものがありますが、こういう窟士通
のような粟組指歴によりながら双与}点質を決定していくタイプのものを
業績連動型嘗与制度と呼びます。
また、棠紹辿動刑践与は、業績評価の結果を大きく伐与額に反映させ
ていくのが特徴です。大きく反映させるといっても、比較論の話ですか
ら、従米と比ぺて大きいというような慈味です。どれくらい大きく反映
させれば菜組述動といえるかということについてのf-1安はありません。
図表4.7 に「従来の牛it伐補填重視のn· 与」と「業績述勁型廿与」の
個人1’t·与決定イメージをまとめました。従米の生計貨瓜視のft与は、固
定的に支払われる代与の比率が大きく、業組評価の結呆で変化する業紹
伐与の割合があまり大きくありません。これが業紹述動型宜与となる
と、固定的に支払われる宜与の比率が小さくなり、かつ煤績評価結果で
変化する棠紹ii•1子の割合が大きくなります。また菜組が良くなれば、決
3):‘i釘与という形で期末にiiりを支払うという仕組みが活用されることも
あります。
図表4-7 を見ると、「従来の生;;・11~補填前視の宜与」と「業績連動剖伐
与」との店さが述います。支給額の違いを表現しようとして、このよう
な図にしました。「棠紹述動型貨与」は、固定貨与の部分が少ない分、
菜組評価で変化する業績iiかの部分が人きくなります。棠績tt与は、業
績評価結果が悪ければもらえませんので、その場合は、「従米の生計骰
補槙頂視の代与」よりももらえる額が少なくなります。しかし架績評価
が良いと、「従来の生計骰補填煎視の伐与」よりもずっと多くtt与がも
らえるようになります。しかも、従米の礼与原汽とまったく変わらない
原沢で尖現できます。
「従来の生計牝補填煎視の伐与」の上のほう(業組貨与の哀んrh) よ
り、「業粕述動型伐与」の業紐伐与の其ん中あたりに破線を引いていま
すが、これは業絨tt与部分の変動の).:.きさを示しています。それに決岱
炊与が付くとさらに業紹連動部分が大きくなります。このように粟領結
果を反映させて個人‘.l1・与を大きく変動させるものが、「粟紹連動型汎・与」
と呼ばれる制朕です。
業紹指標をペースに四与原賓を符/」jし、しかも業禎評価結果で大きく
変動する梨績伐与部分を持つのが、「粟紐連動型’此与」なのですが、こ
れにはもう一つ条件があります。それは、この仕組みそのものを従業貝
に公湖し、約束をしているということです。窮士通の楊合でも、4 カ月
伐与}原惰を基本とし、「前年度の札’与支払い前営業利益X9.3% 」を加え
るということを公I)fl し、約束をしています。つまり、経営者が伐与原資
を決定する隙に、この指標を一つの材料として総合判断していくという
ものではありません。「すべてこの指様で伐与原汽を決める」という意
思の表れであり、それを約束しているというのがポイントです。
(2) メリットとデメリット
業紹速動郡‘且与には、どのようなメリットとデメリットがあるので
しょうか。図表4-8 にまとめました。
業紹述動型ft与は、公耕l された営業利益などの栗組指揉を品に、誰で
も‘ハ与原府が計算できる制度ということです。
メリットは、以下のようになります。
①’il与原佼決定プロセスが透明になり、公正感が出てくる
②架組を少しでも良くすれば‘代与原資が多くなるということから、業組
目標達成に対する執粁心が強化される
③菜紹達成意欲への経営側の信頼感が増すため、権限委誰が進み、より
効果的な慈思決定がタイムリーにできる体制がつくりやすくなる
④一度合立すれば、労働組合との間で鉗年団体交渉をしなくても済む
業紹述勁i紐与は、このメリット感があるために導人されますが、良
いことばかりではありません。
デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
①活用される指椋は営業利益をはじめ比較的短期志向の見方をするの
で、長期的視点からの改革への)関心が弱くなる
②長期的視点からの経営陣の投惰判断に従業貝側の抵抗感が強くなる。
そういう施策を打てぱ、営業利益が減って、伐与原資も減るので、反
対だ、ということ
③全社償与原惰決定だけでなく、部門買与1原ft決定にも棠紹連動型伐与
の仕組みを入り入すれば、梁組の悪い部I”] のメンバーのモチペーション
が下がる
④伐与]J蹟決定についての経営陣の裁最権が綽られるため、経党者にとっ
ては窮屈に感じられる
短期志向の:意識が強くなるとか、経営陣の裁址権が縛られるという気
持ちは、経営者側にとっては心配のタネのようです。例えば「米年は思
い切った設備投惰をしたいので、業組は確かに良かったが、昨年同様の
、政与原沢として内部留保を増やしておきたい」というような発想はでき
なくなります。もちろん、このあたりの経営判断は、従業貝側からする
といつの時代も見えないものなので、「何で棠組がいいのに伐与を多く
出そうとしないのか。棠績の悪いときには貨与を少なくし、菜績の良い
ときは投汽原資が必要だといってi’t与を増やそうとしないのはおかしい
ではないか」という強い不半不満が出てくることになります。業績連動
剖伐与紺lj朕を#入すれば、従業員側のこのような不平不満は出にくくな
りますが、経営陣にとっては手足を綽られた印象を受けると思います。
(3) 婁績指標の選定
1) 準拠指標のジャンル
菜紹連動型伐与は、業紹指標に述動して'此与原資を決定しますので、
どういった業組指標を活用するかというのは大きな問題です。
図表4-9 に、業績連動型ft与制疫の準拠指標の活用状況についてのデー
タが出ています。営菜利益や経常利益という指椋を使っている例が多く
なっていますが、これは従業且にとって身近で分かりやすい指税にした
ほうがいいという気持ちの反映だろうと思います。EVA やROA といっ
た指税を活用するケースもありますが、理解できるまでに相当な努力が
必要なので、そういうものの採用比'和は落ちてくるようです。できるだ
けシンプルで理陪しやすいものを検討してみることをお勧めします。
図表4・10に祁拠指揉のジャンルと採用の利点を取りまとめています。
2) 導入目的と準拠指標
①「売上高•生産高指標活用方式」は分かりやすいですが、コスト而
に対する意識が弱くなるといわれています。②「利益高指標活用方式」
は、元り上げにもコストにも関心を持たせることができ、従業員にもな
じみの指標ですので、好まれる煩向にあります。③「付加価値額指標活
用方式」は、従業員の活用によって生み出された価1iiだという言い方が
できますので、従業目の活動の磁と灯に影評を与えられる指栢です。
④「生産性指標活用方式」は、1 人当たり売上翡とか、1 人当たり付加
価値額、1 人当たり営業利益などを指しますが、一人ひとりの生産性が
上がれば伐与も上がるという意識にアプローチできる指標です。⑤「株
主価値指標活用方式」は、いわゆるROE、EVA 、キャッシュフロー、
ROA などの指椋のことですが、株主の価伯を高める活動を活発にさせ
るための内部マネジメントシステムを持っているということを株主にア
ピールする狙いがあります。それによって株・t.との良好なl関係を目指す
ために利用するということになります。
また、準拠指税の分類説明をしていく中で、気付いたと思いますが、
この業紹述厘屈ば与制度をどういう目的で導入するかということと、指
標が関辿付けられています。その内容を図表4-11 に、それらの定義を
図表4-12 に取りまとめました。
「株主の投竹慈欲の向I’. 」「経営者慈識の隙成」をFl 指して経営幹部層
に架韻連動型ft与·制度を導入するのであれば、ROE、EVA 、キャッシュ
フロー、ROA などがlfil いていると思いますし、「成果主義の撒底」を目
指し、広範囲の社員に業組連動籾·且与を祁入するのであれば、営業利
益、売上窃、契約高、1 人当たり生産領などが向いていると思います。
また、「公正な評価感を形成」するのであれば、もっと身近な菜組デー
タ(新規提案営業件数、新規受注額、新規顧客訪料l 件数など)を活)11 す
る必要がありますが、これらの指標を伐与の原惰計位に結ぴ付けるのは
少し困難ですので、個人別の業績評価を行うときの指標として活用する
ことになります。
このようにさまざまな指椋が利用されており、実際の事例について
は、次節の図表4•17 にまとめています。どのような)i法になるかは、そ
こで事例を見ながら確認してください。この事例は「労政時報」に取り
まとめられたものをペースにしていますが、その当時の事例であり、現
在は追う仕組みを動かしているかもしれません。しかしながら、ここで
は、研究材料·として発表された「労政時報」の当時の記?Itのまま掲載し
ました。
具体的設計例
ここでは、業績辿動塑‘伐与制)Jtをどのような考え方と手馴で設計して
いくかについて、概要を説明します。図表4•13に粟組述動型‘:rt与制度の
荘入手順をまとめました。
且は、「導入目的の明確化」です。何を目指して業紐連動型買与
制度を導人するかということですが、図表4-11 にすでにその方向性を取
りまとめています。成呆主義の撤底を目指すのか、株主向けの投沼立t欲
の向上を日指すのか、まず日(1りを明確にします。多くの企業では、成呆
主義の撤底を目指して菜絨連動型‘バ与制疫を導入しているケースが多い
と思いますが、それならばその目的を経営師で共有化していきます。
国直図lは、「適用部門・適用対象者の決定」です。営菜部門だけに導
入するということもありますし、全従業員に導入するという楊合もあり
ます。また、幹部席だけに導入するのか、ミドル附も含めるのか、一般
職も含めるのかという1bl 俎があります。突紐指標を1いこ、全社の伐与原
賓を一括して決定していこうという流れがありますので、その線に沿っ
て具体化を図るならば、そのように経酋陣で決め込み、ぶれないように
進めていきます。図表4-14 では、母入目的と適用対象者のマッチングを
していますが、投沢家の投ft意欲の向上を目指すのであれば、いわゆる
工グゼクテイプ的をターゲットにしていくのがいいということになりま
す。株主の投汽烈欲の向上という-·点のみでいえば、必ずしも一般職ま
で巻き込んだ棠績述動型‘貨与·である必要はありません。そのようにHOり
を絞れば、業績述動型伐与制度の設計作業も絞られ、設計労力は軽くな
ります。成果主義の徹底をl=I 指すならば、エグゼクティブ府やミドル陪
は最低限適用対象にすべきでしょうし、企業の政策によっては、一般載
も適用対象とすべきだというのも、もっともな意見となります。
且夏因lは、「業絹指標の選定」です。仮に成呆主義の徹底をEl 指して
全従業日を適用対象に進めるということになると、図表4-11 にまとめた
ように、営業利益、売上高、契約高、1 人当たり生骰徹などの指稔が候
補となります。これらは一般駁にも比較的よく知られた指iはです。複雑
で理解に苦労するようなものは、一般職まで巻き込むには不適切です
が、ここで取り上げたような指栢を活用することは十分あり得るため、
指係候袖としていきます。
且は、「全社業紹指標と全社官与総額の相関関係の把握」です。
前に紹介した宮士通の場合は、4 カ月の‘八与原佼に対して、前年度の伐
与支払い前の裳業利益の9.3 %を加えてft与原咬を1i出しています。FI
社なりにこのようなn:式を導くために、営架利益がアップダウンする
際、標準的な伐与原汽をどう把捏するか、どの程度の伐与原沢のアップ
ダウンが望ましいか、異常な数値になることを避けるために、打与原賓
の下限上限を設けるか、といった項H について、10年くらいの菜績指椋
ど配i·J)和の関係をプロットして、その相l関を研究していきます。もち
ろん、現状が業績に連動しないで、代与額が決定しているとしたら、現
実の指標と伐与原汽とは相l関はしないことになります。しかし、今まで
それなりに粟紐に応じて’it与原行をアップダウンさせてきたとすると、
その関係・バランスを見て判断していきます。もともとの巡営が業組指
標と共与原汽との相関がなくても、棠組指椋とどの程度の柑関を持たせ
るぺきかを研究し、デザインをしていくことになります。その頃合いを
探すのは、まさにプロフェッショナル・ジャッジ(政策判断)だといえ
ます。
且ヨ目は、「部門別業績指標と部門営与原資の相関関係の把握」で
す。「全社業組」を対象とした場合と基本的には同じですが、全社の粟
績指栢と原狡の相l関関係と遥う扱いをすべきかどうか、ということにつ
いて結論を出します。部l”] 梁紹述動型炊与制度を導入する際には、全社
レペルで業紹指標と穴与原府の相1月を決め、その上で、部I”] 業組指様に
よる部門評価を行い、全社で決めた伐与原汽を部門別にプラス・マイナ
スをするという形になります。営粟所がたくさんある楊合は、全社の業
績指椋と'れ与J尿fiとの相関をそのまま活用して、営業所別i\与原沢を決
め込んでいくという方法が取れますが、工場や研究所、本社などは、同
じ方法が収れなくなります。全社は営業利益指歴で廿与原1ttを設定し、
工場は1 人当たり生産領等で代与•!泉資を見つけ出し、研究所と本社は全
社'ハ与原惰枠そのものをそのまま使うなどの)i法を取る楊合も多くあり
ます。
国は、「個人業績評価と個人業績寅与の配分ルールの設定」で
す。ここではどのように菜組評価をして、個人のil与額を決定していく
かを考えます。そのあたりは、第3 節の1’1:与の支給形態.i}:定式などの
技術に立ち戻り、その技術を利用すればいいと思います。菜紹評価の方
法については、図表4-15の業紹,評価表のように、個人業紹目標評価や課
題日椋評価などといった日栢管理と連動する業績評価を活用することが
望ましいでしょう。もちろん、コンビテンシー評価や梢双評価が入って
くるとよくないとまでは言いませんが、業組述動伐与ということで、全
社菜組に連勅し、個人けりにも個人菜紹評価の粘呆を反映してアップダウ
ンさせるということが必要ですので、せめて、図表4-15のような形での
評価が一つのひな型になると思います。
また、評価期1:りの在り方も検討が必要になります。業績指標を煎視す
るということになると、業組指椋が把握しやすい期問というものも考え
に入れておかねばなりません。評価期間と業紹指椋の把掘期問との関係
を、図表4-16 にまとめました。成呆ji義の徹底を目指して、売上高や滋
菜利益などの指様を活片l する場合は、半期であっても十分対応が収れま
す。業組述動型伐与制疫になるとそうでなくても短期志向になりそうな
のに、評価期問が半年ならば、もっと短期志向になるのではないかとい
うことも考えなければなりません。ただ、ここでは半年評価は技術的に
可能であるということだけをlれし上げます。株主の投汽慈欲の向上や経
営者意織の隙成という目的のために業紹述動型伐与制度を祁入するので
あれば、年度単位がより分かりやすいし、数値に対する信頼性もr;f,まる
ように思います。そのあたりも勘案して、結論を出すことになります。
且璽国似、「移行措置の必要判断と決定」です。こうして従米の代与
制度を業紹連動型貨与府lll支に骰き換えていくに当たって、どの程l女急激
な変化が起こるかをよくシミュレーションしてみます。必要以上に従業
貝に不安を持たせると前lnJきに受け止めてもらえなくなる可能性もある
ので注なが必要です。そういう場合には、菜紹評価の結果でアップダウ
ンさせるのではなく、制度変更によるアップダウンであれば、弾力的に
運営できるよう移行措骰を取ることもあります。伐与ですから、既得権
の侵害というような深刻な問題は発生しにくいといえますが、ある程度
の配感はあってもよいと思います。しかし、新制度の淋入時期に、導入
El 的が駿味になるような移行措設を取ってはいけません。i:t与の許価格
差が、従米の2 倍になる程度のことは、特に移行措置の対象とはならな
いでしょう。
且蕊国は、「従業員への説明と理解」です。新制度の説明はきちんと
行う必要があります。何のために甜人するのか、何を目指すのかを説明
し、会社のピジョン・中期経営計画の実現のための煎要施策として位骰
付けているとして、PRすべきでしょう。伐与恨JJ文が変わるだけで、被
害者、な識が生まれ、活動力が萎えてしまう一群が生まれる楊令がありま
す。そういう狼団をできるだけ生み出さないよう、オープンに説明し、
前向きに受け止めてもらうよう努力をしていきます。
これが業紐辿動猥政与制度の淋入手順ということになります。菜紐辿
動型伐与制皮の実際の祁入例については、図表4・17 にまとめましたが、
これらはいずれにしても、こういう手順の中で設計されてきているとい
えます。
賃金以外のインセンティブ
(非金銭的報酬)
本掛は、月例給与制疫や伐与制l文などの買金についての解説をしてい
ますので、いわゆる金銭的なインセンティブを常に頭の中に入れて説明
をしています。この金銭的なインセンテイプは、酎難な1J:1iに立ちl行)か
う場合のエネルギーを問迩いなく生み出しますが、次第にインセンティ
プ効果が迎減していく傾向を示します。
つまり、業紐胴価でA評価を収ったので、100万円の伐与額となり、B
評価の人よりも30万円凶与額が多かったとします。そのときは本人も迷
成感があったのですが、次年疫もA 評価になり、その次の年度もA 評価
になっているうちに、当たり前の’J’t与額となってしまいます。A評価と
いう―良い評価"を取っているからLOO万円のt.t’]をもらっているとい
う感じがしなくなり、刺激効呆がなくなってしまうのです。また、この
人がその次の年にB評価になったとすると、70万円しか代与がもらえな
くなりますので、ショックを受けて、「私はもうこの会社では評価され
ない人riil になったのだ」と思ってしまう場合もあるでしょう。
竹金による金銭的インセンテイプは、非常に刺激幼果が大きいのです
が、その湖作lf1も大きく、常に1こがり紐けていないと、逆にモチペー
ションダウンが生じる、ということが起こりかねません。
しかし、貨金を水辿に上げ続けることは不可能ですから、何かit金以
外の別のインセンテイプを用衣しておく必要があります。そこの点につ
いての思索が深い会社が、碁本的にはエクセレントカンバニーかどうか
の判断払準になるものと貸者は考えています。
図表4-18 には、i1金以外のインセンテイプ(一般的には非金銭的報酬
またはフリンジ・ペネフィットなどといわれます)をリストアップして
みました。それほど特別な施策が求められているわけではありません。
(1) ストックオプション類
部長・事業部長・執行役員クラスを中心に、ストックオプション(新
株予約権)を祁入する企業が一時多く見られました。新株予約権付社倍
(ワラント債)というのも利用されました。ストックオプションという
のは、新株予約権を指していますが、一定期間内にあらかじめ定められ
た価格で、勤務している会社の「自社株式を賂人できる権利」のことを
いいます。ワラント債の場合は、社伯ではありますが、社依分のほかに
自社の株式をあらかじめ決められた価格で買い収る権利がついている制
桜です。
いずれにしても、新株予約権というものがここでのキーワードです。
l渇:場している企菜の楊合、自分の頑張りで会社の菜組を1 ..げて、株主価
値を高め、株価が上昇すれば、あらかじめ低価で自社株を買い取る約束
があるわけですから、低価格で自社株を買って、高く元れば、大きなメ
リットがストックオプションの所布者には入ることになります。
木人からしてみれば、ポーナスをもらったようなものです。頑張って
仕市をし、棠紹を上げていけば、ストックオプションを行使すること
で、また大きな収入を得ることができるということです。
しかも自社株の売買によって得られる収入は、市場から得られるとい
うのが特徴です。所屈している会社が原佼を取って文払うわけではあり
ません。ですから、会社側は何も痛みはありません。市楊からインセン
テイプ原汽を調逹できるということで、いいサイクルで回れば非常に良
い施策ということになります。
もともと、部長, r胆業部長・執行役且などは、自社の菜績lf.IJ上に向け
て全力を挙げるべき人材群ですし、そこに当然のごとくに注力をしてい
くわけです。すると、会社の株主価値が刹まり、自社株の値段が上が
り、市場からご坂美をいただく、ということです。
こういうサイクルで回ればいいことづくしですが、この問のデフレ経
済、不況経済の中にあっては、ストックオプションをもらって権利行使
のタイミングになっても、あらかじめ決められた価格よりも低い価格に
なっていたり、高くなっていたとしても、それほどのことでもなかった
り、というような楊合には、ストックオプションの効呆がなくなってし
まいます.収入の可能性を顧っていた分、失望も大きくなるという現象
も起こりました。
しかし、株というのは上がったり下がったりするものですから、それ
なりの期間にはメリットを卒受できる可能性があります。ストックオブ
ションは、そうしたメリットを目指し、仕事に対するモチペーションを
高めるための、貨金以外のインセンテイプ施策として、非‘常に有力な制
屁といえます。
(2) 役員への運転手付き社有車の提供
役貝が運転手付きの社有車を乗り同すというのは、日本国内ではだん
だん少なくなってきているかもしれません。一部の大企業のみになりつ
つあるように思います。これも実は貨金以外のインセンテイプ施策の一
つであったということも記録しておきます。
H 本では、欧米に比ぺて、役日報醐というのは概して低いものです。
しかも税金も点jいので、高額の役貝報阿をもらっても届い税金を納める
だけというような印象もありました。そこで、運転手付き社有車という
ことが利用されてきましたc 貨金以外のインセンテイプという迂戯が強
ければ、不況になったからといって、柑i県になくしてしまうということ
にはならなかったように思いますので、そういうインセンティブという
線を前而に出さず、業務」:..‘必要だということで述転手付き社打車を提供
していたのだろうと思います。
不況になってしまったので、少しでもコストダウンをするために、多
くの企深で廃止の磁き目を見ましたが、もう一疫位金以外のインセンティ
プというスタンスから再検討してみるのも面白いかもしれません。あま
り一般受けはしないかもしれませんが、役且報酬を高くしない分、この
ような便宜を閃って、かつイJ:ボを一生懸命してもらう条件を提供すると
いうスタンスですので、決して悪い話ではありません。
(3) 渾外視察研修
一定年数勤務した人に見聞を広げる機会を設けようということで、海
外視察研修を設けることがあります。あくまでも研修なのですが、日常
の菜務で常に海外に行っている人は対象ではなく、日本国内で粛々と仕
市をしている人に、思いりJって悦野を広げる機会として、行ってもらう
というタイプのものです。
機会を特別につくらないと海外へ行けない人々の場合は、見識を広げ
る大変いい機会になり、また一紹に行く人たちとの1111 の交流も深くなる
ので、貨令以外のインセンテイプとして十分に機能しています。
(4) 住宅貸付金
これは住宅Jf又得支援という性烈のもので、300万~500万円程度の融資
を会社から低利で糾られ、住宅取得のための頭金の一部にしていくとい
うものです。長い間会社に勤務した人が世1月的に見ても、十分に遜色の
ない住宅を確保し、よい生活をしているということは、自社の若手や家
族、親戚、ご近所から見ても大変いいものです。ほのかなプライドが持
て、会社に対するロイヤリティが高まってきます。そういう窓味での、
貨金以外のインセンテイプとしても機能します。
(5) 運動会・忘年会等のイペント
運動会等のイベントは、一時期、だいぶすたれてきたようにもいわれ
ていますが、泣近また注H されてきているようです。会社の中での人間
関係が布薄になって、そのことがまた業務上のチームワークの弱さに
つながっているという悩みを聞くようになり、あらためてイベント等に
意図的に取り組み、社内の人間関係強化、モチペーション強化につなげ
ようと考えるようになってきました。
こういうのが嫌いでモチペーションが下がる人は確かにいますが、や
ればやったで、それなりに楽しいもので、うまく運営すればn金以外の
インセンテイプに十分に活用できるようになります。
(6) その他の各種櫂利厚生施簑
その他にもいろいろな福利l且生面での施策が、i1金以外のインセンティ
プとして機能しています。社員食堂、クラブ活動、涎生日プレゼント、
蛉々です。これらも不況下にあってはすぐにコストだということで削減
の対象になってしまいますが、貨金以外のインセンテイプとして機能す
るかどうか、いったんは検討をしてみる必要があるでしょう。
(7) 希望の職務への任用
貸金以外のインセンテイプとして、予想以上に効果があるのが、職務
に関するインセンティプです。現在のような世知辛い世の中であればあ
るほど、従業U は、自己実現を求めてそのチャンスを獲得しようとして
います。入社したときには、人事の仕事がしたいと思っていても、配属
の都合で工場勤務になったり、営菜所勤務になったりすることがありま
す。その人がそれなりに碩張って仕事をして、良い評価を取るような人
材になっているならば、チャンスを見つけて人事に配屈させるなどの施
策を講じていくことをここではいっています。海外志向の強い人に海外
赴任機会を提供するということも、こういう中に入れて考えます。
要するに楳動命望を実現させるということになりますが、会社の仕事
はすべての人の希望どおりの配iりができるものではありません。ですか
ら、特別に選ばれた人が、選ばれた実感を持てるように、長期的に異動
政策を講じていくことになります。なかなか難しい政策ですが、人事情
報をしっかり持って、人事[fii談をT 寧にやり、情報を把捉して滸実に
行っていくことで、大変大きなインセンテイプ効果が生まれてきます。
もちろん期待を持たせ過ぎたら、実現できないときに逆幼果になって
しまいますので、周到に進めなければなりません。
徐々に帷品度の高い{t.•JJ’.にチャレンジさせ、裁凪の範囲が広がるよう
な仕事の与え方をしていくというのも、インセンテイプ効果が麻い施策
になります。いつまでたっても、作業的な仕事をやり続けさせて、自分
が忘れ去られてしまっているのではないかという不安感を与えるのでは
なく、きちんと見ていて、チャンスがあれば、より高度な4:l:Cドにチャレ
ンジすることができる配慇あるマネジメントが行われているという安心
感を’}えることは、大きなインセンテイプとなります。
本杏の性格lこ、どうしても「貨金」をインセンテイプとつなげて考え
てしまいますが、貨金以外のインセンテイプ施策も非湖に煎要で、効果
的であるということも、この場で強鴻しておきたいと思います。
スキャンロンブランとラッカープラン戸
背の貨金の教科杏には、スキャンロンプランとラッカープランの
解説が必ず入っていました。現在は、この名称を使ってまで説明す
るほどのこともないだろうと、あまり触れられなくなっています
が、栗績連動型炊与·i|ilj皮との関係で、これらの考え方は今でも生き
ています。
スキャンロンプランというのは、アメリカ鉄鋼労慟組合のジョセ
フ・スキャンロンにより提唱された買金総額を決定する方法の一つ
です。過去の売J.:高と労務’ttの実組の研究に基づき、揉準労務伐率
を労使で設定し、竹金総術を就出した上で、炊与額を鉢出しようと
いう考え方です。
貨与支給総留i=(元上高x 税準人fl:1悴率)ー1社):J支払った貨金総徹
これが、スキャンロンプランのハ与支給総領を決定する~tf):式です。
ラッカープランというのは、アメリカの公認会計士アレン・ラッ
カーにより提唱された買金総額を決定する方式の一つです。ラッ
カーは、アメリカの製造菜の統計データを分析して、付)JIl価値額と
貨金総額との間に高い村II関関係があることを見つけました。そし
て、過去の労働分配率の推移から「標準労働分配率」という概念を
創出し、付)Jl1価伯額に乗じて貨金総領を打出しようという考え方を
打ち出しました。ラッカープランの計ね式は以下のとおりです。
fi・・サ支給総領
=(付/JIlfIIifi/i額x 椋準労働分百潤率)一節月支払った買金総額
これらの考え方は、現在の業績連動型fi与の制度設計へと引き維
がれており、本掛でも紹介した多様なスタイルが牛み出されていま
す。また、労使の貨金交渉を指椋に基づいた合理的なものに転換す
るだけではなく、‘it与をたくさんもらうためにも、経営者・従菜貝み
んなの努力で菜絞を良くしていこうという気持ちを引き出していく1:1:
組みとして現在でも機能しています。
コメント