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第3章お怒りが激しいときのクレーム対応

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第3章お怒りが激しいときのクレーム対応

13規則上、できないことでクレームを受けたら●事例●書類不備のため登録をお断りしたらクレームにお仕事の紹介希望でいらっしゃったお客さまに1時間ほどお話をうかがったあとで、登録用におもちいただいた書類に不備があることがわかりました。

そのため、いますぐのご登録とお仕事の紹介はむずかしい旨をお伝えすると急に激昂され、苦情を申し立ててこられました〈人材派遣業〉。

「」自社のルールは、当方にとっては正当な理由があっても、それがお客さまの事情にそぐわないこともあります。

規則を盾に取って「決まりなので、いたし方ございません」と強弁することはつつしむべきです。

自分がクレームを申し立てた場面を考えてみてください。

1時間もかけて話した相手に「ルールなのでダメです」と言われたらどう感じるでしょう。

「おまえたちの会社が決めた勝手なルールではないか」と思うはずです。

自分は尊重されていないと感じたら、お客さまの不信感は一気に募り、大きなクレームに発展してしまう可能性があります。

まず、お客さまの貴重な時間を費やした事実についてお詫びをしましょう。

何らかの対応ができないかを考える対応できないと即座に決めつけないことも大切です。

規則で決まっているとはいえ、はじめから「ムリです」という態度は考えものです。

「いろいろ対策を考えたいので、ご事情をお聞かせください」と伝え、プロとしての業務知識を総動員し、ベストな回答を探りましょう。

また、その場で電話して他部門と交渉したりするなど、お客さまに努力の姿勢を見せることも大切です。

がんばるという姿勢が見えないと、クレームは大きくなってしまうものです。

お客さまと一緒に解決策を考えることができれば成功です。

残念ながら、いくら方法を考えても、お客さまのご要望にお応えできないこともあります。

そんなときには、お客さまに「要望は満たされなかったが、一生懸命、自分のために考えてくれた」「悪いのは規則。

応対者は悪くない」と感じていただくことが、スムーズな

解決につながります。

これはベテランの「必殺技」ですが、必要なのは、「テクニック」ではなく、「姿勢」です。

また「できない」と判断した経緯については、お客さまに対し丁寧に説明し、納得していただく必要があります。

「規則ですからできません」「前例がございませんので」などと答えるのではなく、たとえば、事例のケースでは「人材を希望されるクライアントの企業さまに提出するデータ作成が必要ですので」など、お客さまご自身が「無理である」と判断できるような情報を提供し説明します。

14一方的に激しい口調で怒られたら●事例●お客さまが感情的で話し合いができないケース当社で管理しているマンションの住人の方から、「自室の上階から毎晩遅い時間にドンドンと足音がして眠れない」とお電話がありました。

ご自分がどれだけ迷惑しているかを一方的に激しく言い立てられ、そのうち当社が派遣している管理人の態度がいかに悪いかにも話が飛び、話し合うことができません〈マンション管理会社〉。

3分間、相手の話を真剣に聞くお怒りやご不満が大きい場合、一方的に激しい口調でお怒りの言葉を吐き出される方がいます。

こういう場合、お客さまは興奮して感情的になっている状態ですので、お客さまの心の内にあるものをすべて出し切っていただきます。

ひたすら話を聞くといっても、お怒りの言葉は普通、3分と続きません。

3分間は言葉をはさむのをぐっとこらえてください。

途中でお客さまの言葉をさえぎると、気分を害されてさらにお怒りが激しくなり、余計に長く話を聞くことになります。

お客さまのお話を聞いている間は、決して否定的な態度を取らず、話の合間に相づちを打って共感を示し、必要に応じて復唱したり、メモを取るなど、「話を聞いている」「理解している」という気持ちを示しましょう。

お客さまに落ち着いてもらうのが先決お客さまが言いたいことを言い終えたら、「何が起きたのか」「そのことでお客さまがどんなお気持ちになったのか」を十分理解したことを伝え、あらためて心情理解の言葉をかけます。

「どうしてくれるんだ!」「なんでこうなったんだ!」と、お客さまが感情的になっている状態では、どんな説明も提案も受け入れてはもらえません。

言い訳に聞こえて、お客さまがさらにお怒りを深めるだけです。

クレームの解決に向けて話を進めるのは、お客さまが冷静になり、応対者とお客さまとの間にそれなりの人間関係(信頼関係)ができたあとです。

話の間に少しずつ主張を入れていく3分間、お客さまの話を聞いたら、少しずつ「ジャブ」を打っていくのも、上手な応対方法の一つです。

「ジャブ」とは、事実やこちら側の主張を少しずつ伝えることです。

それでお客さまはまた怒り出すかもしれませんが、それにめげず、何度も「ジャブ」を繰り出します。

そうこうするうちに、お客さまの頭の中に、事実やこちらの主張が入っていきます。

それがお客さまの納得を生んで、解決策の話し合いに入りやすくなるのです。

お電話での応対で、それでもお怒りがおさまらない場合には、お客さまと冷静に話をするために、後日、直接お会いして話をうかがいます。

15「下っ端じゃ話にならない」と言われたら●事例●応対者が相手にしてもらえないケース書類上の手続きミスがあった場合などに、窓口で住民の方から激しく苦情を言われることや、苦情のお電話を頂戴することがあります。

私が応対するなり、「職員が女じゃ話にならない。

男を呼べ」「下っ端じゃダメだ。

上司に代われ」と言われて、まったく話をしていただけないときもあります。

こうした場合には、「仕事は責任をもってやっております」「上司より私のほうが実務にかかわっておりますので、くわしいお話ができると思います」などとお答えし、相手に安心して話をしていただけるように努めていますが、それでもダメなことがしばしばあります〈自治体〉。

「」「」性別や年齢に関係なく、自分が責任をもって仕事をしていることを伝えることは大切です。

ただ、言葉で伝えるだけでは十分ではありません。

態度、表情、口調などを総動員して、仕事に対する熱意やプロ感が前面に出る対応を心がけましょう。

今回の事例では、この点が十分なのかが気になります。

鏡を見ながら話してみる、応対を録音して自分の声を聞いてみるなど、自分の応対方法をもう一度客観的に確認しましょう。

目線が泳いでいたり、オドオドした表情をしていては、頼りない印象を与えます。

仕事に対する「熱意」「プロ感」が出ているかを把握すべきです。

上位者に代わることも考え、メモを取る明らかにこちらがミスをし、お客さまが強硬に上司に代わることを要求されるなど、やむを得ない場合は上位者に対応してもらいます。

電話でのクレームの場合には、折り返し、上司から電話をさせる旨を伝えた上で、お客さまにクレームとなった事柄をお聞かせいただくように求めましょう。

また、この際には、「言った、言わない」の水かけ論にならないためにも、相手の話を復唱しながら、しっかりとメモを取ってください。

上司には、そのメモを見せながら事情を説明し、折り返しお客さまに電話してもらいます。

対面応対でメモを取る場合には、お客さまに対して、最初に、「メモを取りながら、お話をおうかがいしてもよろしいでしょうか」

と許可を取りましょう。

いきなりメモを取り始めると、失礼に感じる方もいらっしゃいます。

そして、あとから読んでわかるように丁寧にメモを取り、お客さまに対して「きちんと話を聞いている」という姿勢を見せましょう。

こうした姿勢にお客さまは、「この人はきちんと自分の話を聞いてくれている」と感じますので、それだけで怒りをおさめてくださる場合もあります。

また、クレームの核心部分については、メモの文章をご覧いただき、お客さまと問題を共有しましょう。

16正当性の主張が激しい方からクレームを受けたら●事例●特許情報の開示を要求されたケースお客さまから、自社開発商品の特許情報についてお問い合わせがありました。

その情報は外部に開示できるものではないため、丁重にお詫びをしてお断りしました。

しかし、「コールセンターはお客からの問い合わせに答えるのが仕事だろ。

特許の分にもお金を払っているんだから、聞く権利がある」と主張し続けていらっしゃいます〈メーカーのコールセンター〉。

「」「クレーマー」や「モンスタークレーマー」という言葉を耳にすることがよくあります。

しかし、激しくクレームを申し立てている方を、これらの言葉でひとくくりにして身構えてしまうと、お客さまのご事情・ご要望が踏まえられず、お客さまに納得していただける対応が取れなくなります。

こちらが「不当な要求」だと思えるものでも、本当に不当かどうかはお客さまにくわしく話をお聞きするまでわかりません。

クレームに対しては、あくまで冷静に手順通りに対応していきます。

3枚のフィルターをかけて判断非常に激しいクレームを申し立てられる方は、正当性の主張がきわめて強いのが特徴です。

対応の基本は、お客さまの要求・ご要望の正当性をどう見分けていくかがポイントになります。

実際のクレーム対応では、3枚のフィルターをかけて考えていきます。

そのフィルターとは、クレームをおっしゃっている方の話の内容が、●1枚目…法にかなっているか●2枚目…理にかなっているか●3枚目…情にかなっているかです。

3枚のすべてのフィルターから漏れてしまうものは、対応のしようがありません。

「いたしかねます」という対応になります。

「」ただし、クレーム対応は、3枚目のフィルター「情にかなっているか」から行います。

自分が「人」として、相手の主張がわかるかどうかのフィルターにかけるのです。

とくに、法律にもとづいて仕事をする自治体職員の方などに多いのが、クレームに対して、すぐに「理」や「法」で返してしまうこと。

「その理屈はおかしい」「法律に照らし合わせて、間違っている」などです。

しかし、「情」に対していきなり「理」や「法」で返すと、話がこじれてしまいがちです。

「情」に対しては「情」で応えるほうが、状況が好転するケースが多いといえます。

「情」の部分で対応したら、お客さまの話の内容が、「理」にかなっているか、最終的には、「法」にかなっているかで対応します。

17「訴えてやる」「法的手段に出る」と言われたら●事例●名誉毀損で訴えると言われたケース市役所に戸籍謄本を受け取りに来た50代くらいの男性がいらっしゃいました。

しかし、ご本人でなかったため、「代理人の方に戸籍謄本を発行する際は、委任状が必要です。

ご本人との関係がわからないため、お出しできません」と窓口でお伝えしたところ、「俺のことを怪しい人間だと思っているのか。

名誉毀損で訴えてやる!!」とお怒りになられました〈自治体〉。

まずはお客さまの言い分と事情を聞くこのケースでは、お客さまが事前に電話でお問い合わせをした上で足を運ばれたにもかかわらず、戸籍謄本を受け取ることができなかったという経緯があり、激しいクレームとなりました。

「訴えてやる」ということの真意は、「すごく怒っている」という意味です。

よって、冷静になってお客さまの言い分をよく聞きましよう。

お客さまの事情・心情理解に力を尽くします。

応対者のスタンスは、うろたえないこと、話をよく聞くことです。

冷静に、かつ真剣に話を聞きましょう。

「」、もっとも、「悪意のクレーム」であれば、対応はまったく異なります。

悪意のクレームとは、常習であったり、難癖をつけたり、暴力をともなったりする場合などです。

そういったケースでは、原理原則で回答するのが適切です。

誠意を尽くした上で、妥協せず対応する必要があります。

その場しのぎの対応をしてはいけません。

また、どうしても無理なことや受け入れられないことは、お客さまの気持ちに配慮しながらも、きっぱりと断る勇気が必要です。

18「社長を出せ!」一点張りのクレームを受けたら●事例●配達の遅れから大クレームにお客さまから、「料理の配達が遅い。

宴会の時間に間に合わない!」とのクレームの電話が入りました。

お客さまからのお電話が雑音まじりで聞き取りにくく、何度もお客さまの名前の確認をしたことが、怒りの炎に油を注いでしまいました。

お客さまに何度も謝罪し、お届け先をお聞きしましたが、「おまえではダメだ。

社長に代われ。

社長に直接文句を言いたい」の一点張りです。

「もう2回も名前は言った。

聞き取れないおまえが悪い」とお名前も教えていただけません。

その後、なんとかお名前を聞き出すことができ、料理を配達しましたが、「こんなに遅れたのだからタダにしろ」とおっしゃり、代金はいただけませんでした〈ケータリング業〉。

通常時以上に落ち着いて事実確認をこのような場合には、通常時以上に落ち着いて事実確認をします。

叱られても、叱られても、ボクシングでジャブを打つように、いろいろな角度から尋ねましょう。

「大変申し訳ございません。

お客さまと同じお名前の方がたくさんいらっしゃいますもので」「ご住所だけでも教えていただけませんか」「弊社の営業担当は誰でしょうか」など、いろいろな聞き方をしてみます。

どんなにお客さまがお怒りのケースであっても、事実確認は通常業務の方法、ルールにのっとってじっくり行います。

クレーム対応の事実確認のポイントは、①誰が(Who)②いつ(When)③どこで(Where)④何があったのか(What’shappened)⑤何をしてほしいのか(Whatdoyouwanttodo)の5つです。

一定時間対応したら上位者にバトンタッチ「社長を出せ」的な発言があるときは、一定時間(10~30分)、一人の担当者が対応した

ら、上司や別の担当者に交代していきます。

その際は、お客さまに同じことを何度もうかがわないよう、メモをきちんと取って内容を引き継ぎ、次の担当者に渡すようにします。

その過程で、お客さまに「上司にまで対応してもらった」と、一種の達成感を味わっていただきます。

担当者から係長、係長から課長と連携していくと、だいたい課長ぐらいのところで、ご納得いただけるものです。

また、最初の担当者との間で発生した感情のもつれもあわせて解決します。

このようにしながら、お客さまにだんだん冷静さを取り戻していただきましょう。

19要求がころころ変わるクレームを受けたら●事例●「してほしい」「するな」と要求が変わったケース当社では年に1度、工場近辺の草刈りをしていて、地域住民参加型の恒例行事となっています。

ところが、「私の家の前だけ草が刈られていない。

お宅の会社は住民を差別しているのか!」とのお電話がありました。

上司と相談し、あらためて草刈りをする旨をお伝えすると、「もう一度草刈りをしろなどとわがままなことは言っていない!別の日に草刈りをさせたことがご近所にばれて、関係が悪くなったらどうしてくれる!」と、こちらの非常識さを延々非難されます。

そのため草刈りは実施しませんでしたが、再び草刈りをしてほしいとのご要望があり、草刈りに出向くと、「そんなことは言っていない!帰れ」と怒られました〈製造業〉。

電話や訪問でも話が進まない場合、書面での対応を考えるこのケースは、対応する側にとっては、非常に苦しいケースです。

たび重なると、日常業務にも差し障ります。

まず、当方としては誠意を尽くしていることを、きちんとお伝えします。

今回のように、相手のクレームが二転三転するような場合は、書面での対応も有効です。

具体的には、以下の要素が入った文面を作成します。

①お礼②お詫び③電話での経緯(お客さまのご要望、当方の対応策)④対応策としての次回訪問予定日時・訪問人数・作業時間など文書でのクレーム対応は誤解されることが多く、その書面を盾に取って抗議を受けることもあるので、普通のケースでは、おすすめできません。

しかし、このようなケースでは、「口頭で対応したあとの確認」という書面対応は有効です。

コラム3自社の管轄外のことでクレームを受けたら、こう対応するほかの会社や部署など、管轄外のクレームを受けた場合であっても、お客さまが納得されるまで、話をさえぎらずに苦情の内容を聞くことが望ましい対応です。

お客さまは何らかの不都合を感じて苦情をおっしゃっているのですから、まずお客さまのご事情に共感を示します。

ただ、管轄外のクレームであるため、お客さまからの要求に対してすぐに応じることはできません。

そうであっても、「自組織のことではない」とはせず、即座に対応する姿勢を示すことで、お客さまによい印象をもっていただけます。

【管轄外のクレームへの対応のポイント】①当方に責任がなくても、お客さまが納得するまで話を聞く②管轄外だからといってお客さまの話をさえぎらず、共感を示す③関係会社・関係部署に連絡し、協力して対応する④迅速な対応を心がける規則を盾にせず、お客さまの事情を汲むお客さまの申し立てには、必ず何らかのご事情がある。

「ご事情をお聞かせください」とまずうかがい、そのご事情を踏まえた対応をする。

穏やかに、神妙な声で話す怒っているお客さまを前に、黙ってしまったり逆になれなれしい態度を取ったりしないようにしよう。

あくまで穏やかに、神妙に話す。

大声を出す人を別室対応するときは?×「周りのお客さまにご迷惑ですから……」○「くわしくお話をおうかがいいたしますので、こちらへどうぞ」あなたの話をしっかり聞きたいからこちらへどうぞ、というニュアンスを伝える。

「態度が気に入らない」と言われたら「お気を悪くされたのであれば、誠に申し訳ございません。

今後あらためますので、ご指導ください」と冷静に対応しよう。

感情的にならないようにする。

メモを取るときの注意点(その1)①小さなことでも正確に記録する②日時・原因を必ず聞く③お客さまへの質問は簡潔に(お客さまが答えやすいようにする)メモを取るときの注意点(その2)①その場で感じたことも記録する②お客さまの「生の言葉」も記録する③メモを取ったらなるべく早く、お聞きした内容を整理しておく事業への非難・指摘を受けたら主観的な内容についてはまずお気持ちを受け止めたことを伝える。

過度に反応せずお客さまに対抗することを避ける。

座り方のテクニック正面に座るより、横に座ったり斜め横に座るぐらいがお客さまとの関係を築きやすくなる。

ただ、いきなり横に座ると、失礼と感じる方もいるので、ケースバイケースで。

してはいけない「目つき」険しい目つきや眉間のしわは印象が悪い。

キョトキョト・オドオドした視線は「上司を出せ」につながりやすい。

お客さまと要所要所で視線を合わせよう(ただし、10秒以上のアイコンタクトはしない)。

イスをおすすめするときは?○「どうぞおかけください」×「どうぞお座りください」「お座りください」と言うと笑い話ではなく、「俺は犬じゃない」とお怒りになる方も。

適度な「間」を取ろう冷静に話を聞いてほしいときや理解してほしいというときは大事な話の「前後」に「間」を取る。

会話の区切りなどでも効果的に「間」を取るとよい。

クレームには組織で応える①責任感をもって仕事をするのは当然②ただし、お客さまからのご要望には「組織」としてきちんと応えるべき③自分で応えられなければ上司に相談④どんな場合でも必ず回答は見つかる

 

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