プロローグ怒られるのが超ストレス……クレームは悲劇?それともチャンス?クレームが嫌で嫌で仕方がないと思っている方へ私、怒りを笑いに変えるクレーム・コンサルタントの谷厚志と申します。
どうぞ、宜しくお願いいたします。
クレーム対応を解説する本がたくさんあるなか、この本を手に取っていただき、誠にありがとうございます!お伝えしたいことはすべて全力で出し尽くします。
ぜひ、最後まで楽しんでお読み下さい。
ところで、「クレーム・コンサルタントって?」「怒りを笑いに変える?ホンマ!?」と思われる読者もいらっしゃるかもしれませんので、少しだけ自己紹介させて下さい。
なぜ、私がクレームのコンサルタントをしているのか、どうしてこの本を書いたのかを先にお伝えしますと、元々は企業のお客様相談室、クレーム対応の専門セクションに在籍し、トータルで2000件以上のクレームに対応してきたからです。
「2000件以上のクレーム対応をやりました!」と言うと簡単に聞こえるかもしれませんが、当初はこのクレーム対応の仕事が嫌で嫌で仕方がありませんでした。
「クレーム対応なんて最悪!」「クレームを言う客は〝悪魔〟だ」と決めつけていたほどです。
夜寝る前に、明日またクレーム対応をしなければいけないと思うと、怖くて怖くて震えながら眠れない夜が何日も続いた経験があります。
また、朝起きて会社に行こうとすると、熱が出たり、クレーム対応のストレスで円形脱毛症になったり、とても辛い思いもしました。
今考えると、とても恥ずかしい数々の失敗もありました。
クレーム対応でお客様をさらに怒らせてしまったことも少なくありません。
でも、その失敗から学んで、「お客様の怒りを笑顔に変える対話術」を確立することができたのです。
現在は有難いことに、この経験とスキルをもとにクレームの専門家として独立し、年間200本以上のクレーム対応に関する講演や研修に登壇するとともに、数多くの企業からコンサルティングの依頼を受けて実践的なアドバイスをさせていただいています。
よく相談を受ける業種や職種は様々です。
販売業やサービス業にとどまらず、建設業や製造業、学校・病院・警察、官公庁、市役所・区役所といった行政機関、また最近では弁護士・社労士と、とても幅広い業種や職種の方々から相談を受けています。
この仕事をやり始めてから痛感したのは、業種や職種を問わず、日本中でクレーム対応
に悩む人や苦しんでいる人が本当に数多くいる現状です。
そうですよね。
毎日一生懸命、仕事をしていても、お客様から褒められることより、怒られることのほうが多いと思います。
「マズい!」「遅い!」「汚い!」「聞いていない!」「思っていたのと違う!」「これくらいやって当たり前!」「上を出せ!」「金返せ!」──。
なぜ、こんなにクレームは増えたのでしょうか?ニュースを見ても暗い事件や企業の不祥事ばかり。
格差社会と言われて久しい昨今、常に世の中に対して不満を持ち続ける人が増えているような気がします。
激化する企業間競争がサービスのスピードをアップさせ、〝待てない日本人〟を増やしました。
便利すぎる世の中の弊害が起きています。
インターネットやSNSの発達で人々は自分のメディアを持ち、気軽にクレームや悪口を発信できるようになりました。
また、高齢化社会になったことによって、元気なシニア層が増え、世直し老人たち(笑)が自分の価値観を企業や店舗に押し付けてくることも少なくありません。
日本には、「我慢できない」「順番が待てない」「黙って人の話を聴けない」「自分だけが良ければそれで良い」と考える人、いつもイライラしている人、すぐに怒る人が増えているのかもしれません。
価値観や評価基準もかつてとは様変わりし、また多様化しているように感じます。
では、日本の未来は暗く、絶望的なクレーム社会が到来したのでしょうか?私はそうは思いません。
実は必要以上にクレームを怖がり、クレームに対して真剣に向き合って対話することができないビジネスパーソンが多くなったというのが現状であり、それが大きな問題であると考えています。
クレームを悲劇や悪夢だと考えて必要以上に怖がったり、クレーム対応が嫌でストレスを感じたりして、クレーム対応に苦手意識を持ち、それから逃げたり、ごまかしたりするのはやめましょう。
そうではなく、今こそ、この本でクレームに対するネガティブなイメージを取り除き、上手なクレーム対応術を身につけてもらいたいのです。
これから、クレームを言うお客様を笑顔にして仲良くなる方法を余すことなく解説しますので、それらを自らのビジネス教養として、また武器として手に入れて下さい。
クレーム対応自体は、決して難しいものではありません。
本当です。
クレーム対応の技法を身につければ、あなたのコミュニケーション能力を格段に高めることができ、それによって、あなたと会社のブランドを向上させるチャンスだと捉えて下さい。
また、クレームを言うのは、変なお客様ばかりではないと考えるようにして下さい。
最
初は手もつけられないほど怒り心頭だったお客様から、「谷さん、私の話をちゃんと聴いてくれてありがとう!あなたは私の良き理解者です」や、「こんなんされたら、ホンマに誰でも笑顔になりますわ!」と笑顔で言われたことが何度もあります。
最初は悪魔のようだと思っていたお客様が天使に変わったと心底思った経験が何度もあります。
お客様を天使に変えることができたとき、あるいは怒りを笑顔に変えることができたときには、クレーム対応なのに心が癒されて、何よりも嬉しい最高の瞬間を私はたくさん経験してきました。
もちろん、天使に変えられずに、本物の悪魔のようなクレーマーに遭遇したケースも経験しています。
「天使か、悪魔か」の見極め方についても、この本の中で説明します。
でも、天使のほうがほとんどだ、ということを忘れずに読み進めて下さい。
「クレーム対応には、どんな心構えが必要なのか?」「どんなスキルが必要なのか?」「どんな言葉を使い、どんな言葉を使ってはいけないのか?」──、お客様の怒りを笑顔に変えるために必要なことのすべてを、全力で公開します!また、私が失敗してきたことも包み隠さずに公開していきますので、過去の私を反面教師にして同じような失敗をしないで下さい。
「お客様全員が上品で知性があり、穏やかな方ばかりだったらよいのに……」「自分たちにとって良いお客様とだけ付き合いたい」などと、皆さんは思っているかもしれません。
しかし、クレーム対応という究極のビジネスコミュニケーションを手に入れることができれば、悪魔だと思っていたクレーマーが天使だったことに気づき、自分たちの強い味方、つまり一番のお得意様にすることができると思います。
このクレーム社会を上機嫌で過ごしてみたいと思いませんか!?この本を読み終えた後、超一流のクレーム対応のメソッドすべてが、あなたのお手元に入っているとお考えいただいて結構です。
それでは、クレーム対応の猛特訓(笑)をスタートします。
ぜひ、楽しんで下さい。
超一流のクレーム対応◎目次プロローグ怒られるのが超ストレス……クレームは悲劇?それともチャンス?
COLUMNクレーム対応は推理小説を読むのと似ている
第1章理不尽なクレーマーは超少ない!?~クレーマーがお得意様になる理由~
理不尽なクレーマーは会社がつくりだす!?
私のところには、様々な企業や店舗の責任者の方から、「ウチの業界はクレームがすごく多い。
クレーム産業です」「最近、理不尽で変なクレームが増えて、ホント困っています」という相談がたくさん寄せられます。
でもそれは、本当でしょうか?クレーム対応の専門家として仕事を続けてきて、いつも疑問に思うのは、「その業界がクレーム産業なのではなく、その会社のクレームが多いだけなのではないか?」「理不尽なクレーマーがいるのではなく、その担当者のクレーム対応がうまくできていないのではないか?」ということです。
クレームに対して過剰な反応をして、「厄介なことが起きた。
早く処理してしまおう!」「ヤバい!面倒なことになった!!」と慌ててしまい、その場限りの不誠実な対応をしたことで、かえってお客様の怒りを大きくしてしまっているのではないでしょうか?むしろ、「ウチは悪くない」「そんなはずはない」という対応者側の思い込みで大切なお客様をクレーマー扱いして、理不尽なクレーマーに仕立て上げているのではないでしょうか?実は、「厄介なことが起きた」と思っているのはお客様のほうです。
面倒なことになって本当に困っているのは、お客様のほうではないでしょうか?「きちんと対応してほしかった」と、お客様は悲しんでいるのではないでしょうか?クレームを言うお客様に対して露骨に嫌な顔をして事務的な対応をしている──、街中でも、そのようなクレーム対応の現場によく遭遇します。
「駅の改札で駅員から面倒くさそうに対応されたら自分でも腹が立つ」「区役所で、対応に出て来た窓口の職員に事務的な対応をされたら、さらにクレームを言いたくなる」──、といったシーンです。
そうなのです。
理不尽なクレームが増えたのではありません。
初期対応で失敗したことによって、最初はそれほど怒っていなかったお客様がどんどん怒りを増幅させている。
対応者の事務的な対応に対して、お客様は「そんなことを言うなら、困らせてやらないと気が済まない」と攻撃的になっているのです。
ほとんどのケースで、理不尽なクレーマーは対応者側がつくり上げていると言っても過言ではないと思っています。
クレーム対応に慣れていない人は、クレームを受けると頭が真っ白になってしまいます。
何と言ってよいのかわからず、お客様から「あなたではダメ!話のわかる人に代わって頂戴!」と言われると、自分が否定されたかのような気持ちになったり、「自分のせいじゃない」「私たちはちゃんとやっているのに……」などと考えて、「何だ!この客は言いがかりをつけてきやがって!」と腹を立てたりするかもしれません。
しかし、自分たち(対応者側)が感情的な態度をとっていては、さらにお客様を怒らせ
理不尽なクレーマーは会社がつくりだす!?私のところには、様々な企業や店舗の責任者の方から、「ウチの業界はクレームがすごく多い。
クレーム産業です」「最近、理不尽で変なクレームが増えて、ホント困っています」という相談がたくさん寄せられます。
でもそれは、本当でしょうか?クレーム対応の専門家として仕事を続けてきて、いつも疑問に思うのは、「その業界がクレーム産業なのではなく、その会社のクレームが多いだけなのではないか?」「理不尽なクレーマーがいるのではなく、その担当者のクレーム対応がうまくできていないのではないか?」ということです。
クレームに対して過剰な反応をして、「厄介なことが起きた。
早く処理してしまおう!」「ヤバい!面倒なことになった!!」と慌ててしまい、その場限りの不誠実な対応をしたことで、かえってお客様の怒りを大きくしてしまっているのではないでしょうか?むしろ、「ウチは悪くない」「そんなはずはない」という対応者側の思い込みで大切なお客様をクレーマー扱いして、理不尽なクレーマーに仕立て上げているのではないでしょうか?実は、「厄介なことが起きた」と思っているのはお客様のほうです。
面倒なことになって本当に困っているのは、お客様のほうではないでしょうか?「きちんと対応してほしかった」と、お客様は悲しんでいるのではないでしょうか?クレームを言うお客様に対して露骨に嫌な顔をして事務的な対応をしている──、街中でも、そのようなクレーム対応の現場によく遭遇します。
「駅の改札で駅員から面倒くさそうに対応されたら自分でも腹が立つ」「区役所で、対応に出て来た窓口の職員に事務的な対応をされたら、さらにクレームを言いたくなる」──、といったシーンです。
そうなのです。
理不尽なクレームが増えたのではありません。
初期対応で失敗したことによって、最初はそれほど怒っていなかったお客様がどんどん怒りを増幅させている。
対応者の事務的な対応に対して、お客様は「そんなことを言うなら、困らせてやらないと気が済まない」と攻撃的になっているのです。
ほとんどのケースで、理不尽なクレーマーは対応者側がつくり上げていると言っても過言ではないと思っています。
クレーム対応に慣れていない人は、クレームを受けると頭が真っ白になってしまいます。
何と言ってよいのかわからず、お客様から「あなたではダメ!話のわかる人に代わって頂戴!」と言われると、自分が否定されたかのような気持ちになったり、「自分のせいじゃない」「私たちはちゃんとやっているのに……」などと考えて、「何だ!この客は言いがかりをつけてきやがって!」と腹を立てたりするかもしれません。
しかし、自分たち(対応者側)が感情的な態度をとっていては、さらにお客様を怒らせ
てしまうだけです。
誰も得することはありません。
お客様の言っていることは間違っている!?
私の講演に参加されたケーキ屋のパティシエさんから聞いた話を紹介します。
そのケーキ屋の一番の人気商品は「特製ロールケーキ」。
このロールケーキは、ファンだと言って遠くからわざわざ買いにくるお客様がたくさんいるそうで、そのパティシエさんの自信作です。
あるとき、何度かロールケーキを購入してくれていた若い女性のお客様からクレームが入り、パティシエさんは次のような対応をしたことがあったようです。
お客様「なんか、この前に食べたロールケーキ、味が今までと少し違いました」パティシエ「お客さん、ウチのロールケーキは長年同じつくり方で私が自信を持ってつくっています。
味覚に関してはお客様の体調で変わることもあるので、ウチとしては何ともできないですね」このパティシエさんは、自慢のロールケーキにケチをつけられたと感情的になってしまい、思わず一方的に先ほどのように伝えてしまったそうです。
このパティシエさんの勢いに押されたのか、若い女性のお客様はそれ以上、何も言わずに、悲しそうな顔をしてお店を出て行かれたそうです。
しかし、その後も数件、ほかのお客様から同じような指摘を受けたため、店側が慌てて材料の仕入れ業者に問い合わせを入れて原因を調べたところ、ロールケーキに使用する卵を仕入れている業者から、次のような驚愕の告白がありました。
「申し訳ございません。
実はお伝えしていなかったのですが、3か月前から卵を取り寄せる鶏卵場を別のところに変えていました……」。
この報告を受けて、そのケーキ屋のスタッフ全員が「あのお客様に何ということをしてしまったのか……」と愕然としたそうです。
悲しそうな顔をしてお店を出て行かれた、あのお客様がもう来店されることはありませんでした。
このケースでの最大の失敗は、お客様からの声に耳を傾けずに、お客様のほうに原因があると、一方的に決めつけてしまったことです。
お客様のクレームを受け止められず、「自分たちが正しい」「言いがかりだ」と考えて、過剰反応してしまうクレーム対応者は少なくありません。
そうなのです。
クレーム対応にしくじって大切なお客様を悲しい気持ちにさせてしまい、これからも長くお付き合いいただけるはずだった大切なお得意様を失ってしまうケースがとても多いのです。
この事例は、「お客様の言っていることは正しい」という前提に立って真摯に受け止めることの大切さを考えさせられるエピソードです。
あなたのお店の商品やサービスが好きで、何度も利用してくれているお客様の笑顔を怒
りに変えないように、肝に銘じていただきたいと思います。
クレーマーは悪魔ではない
私がかつて会社員としてお客様相談室に所属していたのは、全国の温泉旅館やホテルの予約代行サービスを展開している旅行会社でした。
この会社へのクレームのほとんどは、お客様が利用された旅館やホテルに対してのものでした。
具体的には、「泊まった部屋が汚かった!」「露天風呂が写真で見るより小さかった!」「夕食の最後に出されたカニ雑炊に海苔とネギが入っていなかった!」──、このような内容ばかりでした(笑)。
どうでしょうか?このようなクレームの事情を改めて知ると、「やっぱり、クレームは一部の客のわがままだ」と思いませんか?「理不尽なことばかり言ってくるクレーマーは悪魔だ」、そう思いませんか?そのように思った読者の皆さんの気持ちはよくわかります。
正直に言いますと、私もそう思っていた時期がありました。
一部のお客様のわがままを毎日聞かされ続けて、クレームを言ってくるお客様を悪魔のように恐れていました。
クレーム対応という仕事にうんざりしている時期もありました。
ただ現在、クレーム対応の専門家として活動をしているからお伝えするわけではありませんが、「クレーム対応力を身につけたい」と思うあなたには、次のように考えてもらいたいのです。
それは、クレームとは、お客様から「こうだったら、満足したのに……」「こういうふうにしてくれたら、次も利用したのに……」「ちゃんとやってくれていたら、知り合いに紹介してもよかったのに……」と教えてもらっているのと同じだということです。
つまり、クレームをお客様からの「アドバイス」「改善のヒント」と捉えてほしいのです。
「なんやねん!このクレーム。
この客、言い方が腹立つな~」と思うようなクレームは、いっぱいあります。
でも、そのような腹が立つクレームに対しても、一度しっかり聞く耳を持って話を聴いてみると、「このお客さんの言い方は腹が立つけど、確かに、自分が同じことをされたら、同じくらい怒るかもわからんな」と思うケースがよくあるはずです。
もし、「この忙しいときに、そんなことでイチイチ、クレームを言ってこないで下さい!」と言いたくなるようなクレームが起きて困っているのなら、「そうだ!もう同じことで怒られないぞ!!」と前向きに考えてみるのです。
そして、次の日から仕事のやり方を変えたり、商品説明の仕方を変えたり、接客方法を変えたりしてみて下さい。
きっと、ビジネスパーソンとして、あるいは組織として成長と進化が得られるようになります。
ホンマでっか!?「お客様は豚ですか?」で怒り心頭!
これは、取引先のレストランチェーン店で起こったクレームの話です。
ランチで来店された3人の女性のお客様がいました。
それぞれ「焼肉定食」「ハンバーグ定食」「豚の生姜焼き定食」をご注文。
料理がテーブルに運ばれてきたときのやりとりで、注文を受けた男性従業員がどのお客様が何をご注文したのかをしっかり覚えていなかったのがマズかった……。
「焼肉のお客様は?」などと聴きながら順番に料理をテーブルの上に置いていったときに事件は起きました。
店員「え~と、お客様は豚ですか?」お客様「……」店員「お客様は豚ですか?」お客様「豚って何よ?失礼ね!」店員「……。
はっ!大変失礼しました……(冷や汗)」まさにお客様を〝豚呼ばわり〟してしまうという、とんでもない失態を犯してしまったのでした(笑)。
当然ですが、その場の空気は凍りつき、豚呼ばわりされたお客様はずっと怖い顔をしたまま食事を済まされ、テーブルに備え付けられたアンケート用紙に怒涛のごとく、クレームを書いてお店を出られたそうです。
このお店の店長から話を聴いた直後は私も思わず、「ホンマでっか!?」と爆笑してしまいましたが、この事例から学ぶべきこと、つまり業務改善のヒントが明確になりました。
それは、お客様が何を注文されたのかをしっかり覚えること、もし覚えられないならば、「豚の生姜焼き定食をご注文されたお客様は?」というようにメニューを略さない言い方に変えることも考えられます。
そもそも、メニューに豚という言葉を使わずに、「ポークソテー定食」に変更するという選択肢もあるかもしれません。
それでも「お客様はポークですか?」と言ってしまうと、「誰がポークよ!」と、また怒られてしまうでしょうが……(笑)。
このように思わぬクレームを起こさないためにも、普段から自分たちがクレームのなかでお客様から指摘されたことを学びに変えていくことを実践する必要があります。
もっと言えば、クレームを起こさないためにも、自分がお客様の立場でサービスを受けたときに嫌な気持ちになったことがあれば、お客様に同じような気持ちにさせないように、自分のサービス力を磨くことを心がけて下さい。
クレーム対応がうまくできない企業に共通する〝口癖〟
クレーム対応がしっかりできていない企業、クレームを受けた従業員がお客様をさらに怒らせているお店には、共通する口癖があります。
それは、クレームを「処理する」という言い方です。
「クレーム処理」という表現を日常的に使用していると、お客様をさらに怒らせてしまうのです。
クレームは処理するものではなく「対応する」ものだと、私はいつも講演や研修などで強くお伝えしています。
クレームを「処理するもの」と考えた時点で、目の前のお客様を嫌な客だと捉え、その場限りの対処をしてしまうでしょう。
これは間違いなく処理に該当します。
これでは、いつも利用してくれている大切なお客様を、ゴミのように扱っているのと同じだと思います。
私が企業からクレームに関して相談を受けるとき、ご用意いただいた書類のタイトルが「クレーム処理票」と記載されていることがほとんどです。
残念ながら、「クレーム処理」という考えでは、お客様の怒りを笑顔に変えることなどできません。
反対に、クレーム対応がうまくいっている企業や、お客様の怒りを笑顔に変えている組織は、クレームに対して「対応する」ことを心がけています。
つまり、「クレーム処理」ではなく、「クレーム対応」という表現を使っています。
そして、組織全体でクレームを真摯に受け止める、という考え方が浸透しているのです。
確かに、社内での会議の場で、「昨日、現場でクレームがありました」というような報告を聞くと、何かものすごく怒られたとか、言いがかりをつけられたようなイメージを持ってしまい、何となく気持ちも暗くなってしまいます。
「クレーム処理」と言っている組織は、うまく対応ができないだけでなく、クレームの報告を社内で共有して次に活かそう、という気持ちになれないのかもしれません。
私の取引先企業では、社内でクレームがあった際に、「クレーム」という言葉を使わないと決めているところも増えています。
「ご指摘」「お客様の声」「お客様の本音」などと呼んでいます。
社内で情報共有するための報告の場でも、「改善点をご教示いただきました」というような表現を使用している組織も少なくありません。
実際、研修でお邪魔した企業のなかには、クレームの報告時に、「市場からの掘り出し物が見つかった!」と社内に発信している流通業の会社や、「当社がさらに良くなるためのフィードバックがありました!」とか、「当社の〝伸びしろ部分〟をお客様よりご提案いただきました!」などと表現しているIT企業もあります。
まさに、クレームから学ぼうとする企業姿勢が垣間見える表現ばかりです。
昔から「クレームは宝だ!」と言う経営者も少なくありませんが、クレームに関する表現(定義)は、企業など組織のクレームに対する考え方や姿勢が最もよく表れる部分だと思います。
繰り返します。
クレームは処理するものではなく対応するものです。
対応の具体的なやり方は第3章以降でじっくり説明していきますが、クレームをしっかり対応すると、どのような良いことが起きるのでしょうか?それは、怒りまくっていたお客様の表情が笑顔に変わり、そのお客様は何度も何度も利用してくれる「有難いお客様」「お得意様」「ファン」「ロイヤルカスタマー」になってくれるのです。
そうです。
〝クレーム対応の醍醐味〟を味わうことができるのです。
クレームは起きたほうがいい!?
新規で初めて商品やサービスを利用したお客様は、クレームをほとんど言いません。
その理由は、その商品やサービス、会社や店舗などに対してあまり思い入れがないか、それほど期待がなかったからです。
そのようなお客様は、「初めて利用したけれど、この会社の商品やサービスはこんなもんか」などと考えて黙って立ち去っていきます。
では実際に、クレームをよく言われている企業やお店ではどうでしょうか。
やはり、商品やサービスがヒドいから、あるいは嫌われているからクレームが来るのでしょうか?実は、この考え方は間違いです。
クレームがどうして起こるのかというと、それは〝お客様からの大きな期待〟があるからなのです。
売上が増えるとクレームは増える!
「この間まであんなに良かったのに、今回どうしちゃったの。
ちゃんとやってよ!」と、今まで気に入って利用していたリピーター層がクレームを言ってきます。
「また使いたいのに、同じことがあったら困る!」──。
これが、クレームが発生するときに一番多いパターンです。
売上が上がるということはリピーターが増えているということで、そのリピーターがクレームを言うのです。
お客様が増え、売上が伸びると必然的にクレームが増えるのは当たり前だということを覚えておいて下さい。
売上が上がっているのに、クレームがないのはむしろ危ないのです。
その場合、商品やサービスに魅力がなくて、お客様の期待値が下がっている可能性が高いからです。
少し補足すると、特に替えが利かない、市役所や区役所などの行政機関、郵便局や地方銀行などの地域密着型企業は、お客様の期待値が高いのでクレームは大きくなります。
また、テレビ局やラジオ局などの公共媒体も同様にクレームがとても多くなります。
「全然、面白くなかった!」「あのタレントを出演させるな!」という視聴者のクレームに思わず、「嫌なら見るな!」と言いたくなりそうですが、視聴者は、日曜日の夜は家族でみんな楽しみにして決まった番組を見ていたり、朝もいつも同じ番組を見ながら一日のスタートを切っていたり、というように自分の生活習慣に組み込んでいます。
そうした影響力のあるサービスに対しては、大きなクレームに発展する傾向があります。
このようなクレームでは、お客様から理不尽に思うような言い方をされるかもしれませんが、お客様は本気でそう思っていて、本気で怒っているのです。
「ちゃんとやってよ!」「毎回楽しみにしているのに、こんなことでは困る!」というように、お客様から期待されている裏返しなのだと理解して下さい。
私がお客様相談室で働いているときに、会社に届いた「お客様の声」を取りまとめていてわかったことがあります。
それは、サービス業では、お客様からあまり褒められないということです。
褒め言葉より、むしろクレームを言われることのほうが圧倒的に多いのです。
クレームの受け手側は、お客様に一生懸命尽くしているにもかかわらず、それに気づいてもらえず、なかなか感謝もされません。
余談ながら、「お客様の喜ぶ顔が見たい!」と気合十分で入社してくる新入社員が挫折する理由がこれです。
サービス業では、お客様から褒められるより怒られる回数が圧倒的に多いのです。
だからこそ、お客様の怒りを笑顔に変えるクレーム対応を学んでいただきたいのです。
私がクレーム対応の専門家をやっている最大の理由の1つは、クレームを言うお客様をお得意様に変えることができるからです。
それができたときの充実感は、お客様から褒められるときよりも大きく、ものすごく良い気持ちになれます。
それを全国のクレームで悩んでいる方々に気づいてほしいと思い、この仕事を続けています。
お客様の怒りを笑顔に変えてファンにしよう!
神社の神主さんに、「恋愛運が上がると聞いて、何度も通ってお願い事をしたのに、男運が一向に上がらない!」と大声を出して、理不尽なことを言ってくる20代の女性。
銀行のカウンターで、「お前たちのせいで大損した!俺はお前たちに言いたいことがたくさんある。
支店長を出せ!」と暴言を吐き、一方的に怒りをぶちまける50代の会社役員──。
これらは実際に、私がコンサルティングをしているクライアントから相談を受けたクレームの例です。
驚かれた方もいるかもしれませんが、これは悪質クレームではありません。
このようなクレームの対応方法は後ほど紹介しますが、こうした一見、わがままなクレームに思えるような場合でも、お客様の怒りを笑顔に変えて、円満に解決することは可能です。
しかも、そのようなクレームを言ってきたお客様をお得意様やファンに変えることができます。
こんなふうに、クレームを言うお客様をファンに変える方法を、あなたも身につけたいと思いませんか?お客様は良い商品や快適なサービスを提供されると、「次も使おう」と考えてリピーターになってくれます。
そして次に使ったときに、「この前と違った」と思うと、クレームを言ってきます。
でも、そのクレームに対してしっかり対応すると、それがきっかけでお客様をファンにすることができます。
そのファンになったお客様は、もうクレームを言わなくなり、良い口コミをどんどん広げてくれます。
新しいお客様と会社の利益を増やすお手伝いをしてくれるのです。
少し前まで、「クレームはあってはならないもの」と考えられていました。
でも今は、違います。
クレームは必ず起こるものですから、その対策を準備しておくことが大切です。
クレーム対応のやり方を知らないで対応するのは、ラケットを持たずにテニスの試合に出場するのと同じで、お客様とラリー(対話)することができません。
言い換えれば、クレーム対応を学ばない人がクレーム対応を行なうことは、ロープをつけずにバンジージャンプをするのと同じです。
大ケガをするだけです。
出たとこ勝負やケースバイケース、個人のマンパワーの対応力に頼ったりするのはやめて下さい。
まだ信じられない方もいらっしゃるとは思いますが、クレーム対応に満足したお客様は宣伝部長のように、どんどんお客様を紹介してくれるようになります。
まさに、クレーム対応は、一生の顧客をつくることのできる絶好の接客シーンだと考えることが重要なのです。
クレーム対応は失敗してはいけない
クレーム対応は、なぜ失敗してはいけないのか?それは、お客様を2回も残念な気持ちにさせてしまうからです。
クレームが発生した時点で、すでにお客様は嫌な気持ちになっています。
黙って去ってもよいのですが、ひと言言いたい、言わずにいられないと考えてクレームを言ってきたのです。
ところが、このクレームにしっかり対応できなかった場合には、お客様はまた嫌な気持ちになるわけです。
「とても良いサービスだった」と、お褒めのメールを送ってくれたお客様より、むしろクレームを書いてメールを送ってくれたお客様の言葉にこそ、耳を傾けましょう。
そして、次もご利用いただけるように、丁寧な対応をして下さい。
クレームを言ってきたお客様は、「きちんとやってくれたら、次も使ったのに!」と教えてくれているのです。
そう、お客様はあなたの会社のお得意様になりたかったのです。
だから、クレーム対応は失敗してはいけないのです。
お客様を2回も残念な気持ちにさせずに、もう一度使ってもらえるように最大限の努力をして下さい。
特定のお客様だけをえこひいきしてはいけませんが、お褒めの言葉をいただいたお客様と同様に、クレームを言ってきたお客様も大切なお客様として向き合うように心がけて下さい。
クレーム対応で失敗すると、失うのはお客様の信頼だけではありません。
先に紹介したケーキ屋の味が少し違うというクレームが典型的な例ですが、そのお客様から享受できたはずの「未来の利益」も失ってしまうことになるのです。
クレーム対応で失敗しても「一人くらい」と思うか、その先の大きな利益を失ったと考えるかで、天と地ほどの明暗が分かれると言っても過言ではありません。
そのお客様からの10年間の利益を失うだけでなく、ほかのお客様を紹介してもらえる機会も失ってしまうからです。
さらに、ネガティブな口コミが広がってしまうかもしれません。
仕事で失敗して怒られるのは仕方がありません。
でも、そのアフターフォローのクレーム対応で失敗すると、完全に信頼をなくしてしまうので致命的です。
クレーム対応は絶対に失敗できない「究極のビジネスコミュニケーション」だと心得て下さい。
悪質なクレームよりも良質なクレームのほうが圧倒的に多い
テレビや雑誌などのメディアで悪質クレーマーの特集が組まれることが増えてきました。
コンビニの従業員に土下座を強要した悪質クレームについての報道が、連日のように取り上げられたこともありました。
でもこれは、クレームのほんの一部です。
むしろ、良質でまともなクレームのほうが圧倒的に多いのです。
聞く耳を持って受け止めるべきクレームのほうが断然多いということを忘れないようにして下さい。
フジテレビ系列の情報バラエティ番組『ホンマでっか!?TV』で、私は「企業クレーム評論家」という肩書きで出演しています。
番組内で、モンスタークレームについても解説をさせていただきました。
そのときにコメントしたのが、悪質で無理難題を言っているように思えるクレームでも、お客様の話をしっかり聴いてみると、悪質ではないことのほうが多いということです。
このことを世の中に伝えたくて、番組出演のオファーを引き受けたのです。
悪質なクレームに関しての見極め方と対応法は第5章で説明しますが、クレームのほとんどは、会社の利益向上に直結するものと考えていただいて構いません。
クレームがきっかけでカリスマ営業マンが誕生!
私事ですが、先日、自宅の引っ越しをしました。
たまたま友人から、「そのエリアに引っ越しをするなら、知り合いの不動産会社に〝カリスマ営業マン(正しくは営業ウーマン)の平野さん〟がいるから、その人をご紹介しますよ」と言われました。
言われたまま、その会社の窓口に行くと、その平野さんが対応に出て下さいました。
年齢は50歳前後の柔和な笑顔が印象的な女性でした。
カリスマという表現とは少しイメージが違うというのが私の第一印象でした。
平野さんとは物件のご紹介をいただく前にいろいろ「雑談」をしました。
私の家族構成や妻のこと、子供たちが小学校と保育園に通っていること、私が仕事中心の生活になっていて最近は体を動かすことができていないことなど、とりとめのない話をしたことを記憶しています。
そして、このような雑談が終わった後に彼女からおススメの物件をいくつか提案してもらいました。
でも、正直ガッカリしました。
なぜなら、それらの物件は、ほかの不動産屋さんとほとんど同じ物件ばかりだったからです。
「あれっ!どこがカリスマやねん。
たいしたことないな(私の心の声)」とそう思い始めたころ、この平野さんがカリスマ営業マンだという理由がハッキリとわかりました。
平野さんは、そのおススメ物件の1件1件に対して付加価値の付いた情報を、次のようにバンバン教えてくれるのです。
「この物件の近くには最近では珍しいのですが、八百屋さんがあってホントに新鮮で安いですよ。
ここで買ったら、もうスーパーでは買えなくなります。
奥様はとても喜ばれると思います」「こっちの物件でしたら、お子様はこちらの小学校になります。
実は、この小学校の校長先生が教育熱心で、定期的にアスリートや有名人を講演会に呼んで児童に話を聴かせていますよ。
こんな小学校はあまり聞いたことがないですね」「この物件だったら、近くにはスポーツセンターがあります。
早朝のプールは250円。
お仕事の前に運動ができますよ。
谷さんの運動不足も解消されますね」──。
そうなのです。
平野さんは物件自体の情報よりも、この街での楽しみ方、この物件に決めた場合のメリットをたくさん教えてくれるのです。
まさに、お客様一人ひとりに合わせた付加価値となる情報を提供できることがカリスマ営業マンと呼ばれる所以だったのです。
自分の知っていることを一方的に話すのではなく、雑談しながらお客様の個人的な情報をしっかり入手して、そのうえで雑談の延長かのように、私たちが知りたい価値のある情
報や得する情報をたくさん教えてくれたのです。
この平野さんのプロの仕事ぶりに、メチャクチャ感動しました。
もちろん、平野さんに仲介契約をお願いしました。
その契約が無事終了した後に平野さんから教えてもらったのですが、実は平野さん、以前はお客様のご希望の条件に合わせて物件を右から左にという感じで紹介していたそうです。
つまり、事務的に仕事をこなしていた時期があったそうなのです。
でも、ある年輩の女性のお客様から、「どこに行っても、同じ物件の説明しかしないのね。
わざわざ来て損したわ!」と強烈な不満を言われたことがあったそうで、そのときにとても悔しい思いをされたようです。
そこから彼女は勉強に勉強を積み重ねて、お客様が選ぶ物件のメリットや、その物件を選んだ場合の街の楽しみ方などを、どこの不動産会社よりも詳しくお客様に伝えられるようになったのです。
カリスマ営業マンが誕生したのは、1つのクレームがきっかけだったのです。
この事例からわかるように、クレームを真剣に受け止め、次にどう活かすのか、どんな付加価値サービスを追加していくのかを追求している企業やビジネスパーソンだけが生き残れる時代になってきたと思います。
これを実践できる企業と、ビジネスパーソンだけが、クレーム社会で楽しく仕事をすることができるのです。
クレームを利益に変える考え方を持つことが今、必要とされているのです。
COLUMNクレーム対応は推理小説を読むのと似ている
クレーム対応をしていると謎だらけ!クレームを受けると、謎が謎を呼ぶような状況に直面することがあります。
私の講演にご参加いただいたイタリア料理店のシェフから相談を受けた事例ですが、「シェフの気まぐれサラダが、気まぐれすぎる!」という、とても印象深いお客様からのクレームを紹介したいと思います。
思わず、「ホンマでっか!?」と笑ってしまいそうになるクレームですが、お客様は「気まぐれにもほどがある!」と怒り心頭だったそうです。
このクレームは某グルメサイトの口コミ投稿欄に記載されたものでした。
オーナーシェフから、「こんな書き込みがあるのですが、無視しても宜しいでしょうか?」と相談を受けたので、「お客様のご連絡先がわかるのであれば、一度お電話してお話を聴いてみてはどうでしょうか」と提案したところ、後日、そのお客様と電話で話ができたそうです。
謎の「気まぐれ事件」の真相は次のとおりです。
このクレームの主は30代のOLの方でした。
実は、このクレームを書き込む1週間前にお一人で、このイタリア料理店にお越しになっていたようです。
そのときに、パスタとセットで注文をされたのが問題の「シェフの気まぐれサラダ」でした。
価格が安かったわりには実際に運ばれてきたのはとても豪華なサラダでした。
いろいろな野菜がたくさん盛り付けられていてボリュームもあり、色合いも鮮やかでとても瑞々しく美味しかったそうです。
「これは良いお店を見つけた」と思って、そのお客様は帰り際に翌週の女子会の予約をされたそうです。
そして翌週の女子会で、参加メンバーたちに「このお店、パスタも美味しいけれど、シェフの気まぐれサラダも美味しいのよ!」とサラダが出てくる前に大絶賛していたそうです。
しかし、そこで出てきたサラダは、先週頼んだ同じメニューとは思えないほど、見た目が明らかにアウト(残念)なものだったようです。
野菜の種類も前の週より明らかに少なくて質素でボリュームも感じられない、手抜きされたとしか思えないようなサラダだったようです。
そんなアウトなサラダを出された女友達は、ビミョーな顔をして食べていたそうです。
「シェフの気まぐれサラダが、気まぐれすぎる!」という一見、謎のようなクレームには、こんなストーリーがあったのです。
「この店に恥をかかされた!」という感情が、そのお客様がクレームの書き込みをされた原因だったのです。
「このお店を気に入ったから、リピーターになって友達まで連れてきてあげたのに、何
をやってくれるのよ!」、これがお客様が怒った最大のポイントだったのです。
このようにクレームは、お客様から話を聴き進めていくうちに、真実にたどり着き、「だから、こんなミステリーな事件が起きたのか」と謎解きされていきます。
後日談ですが、そのお客様のクレームにしっかり対応したため、そのお客様はお得意様になってくれたようです。
このイタリア料理店のオーナーシェフは元々、パスタにこだわりを持っていて一番力を入れていたものの、気まぐれサラダにはあまりこだわりがなかった、と反省されたようで、この「気まぐれ事件」がきっかけでサラダにもパスタ同様に、こだわりを持つようになったそうです。
その結果、シェフの気まぐれサラダは、「シェフのこだわりサラダ」にメニュー名を変更しました。
パスタと、この「シェフのこだわりサラダ」をセットで注文されるお客様が増えて、顧客単価も上がり、売上がアップした、とシェフは大変喜んでいらっしゃいました。
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