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第5章任せるために欠かせないミーティングのルール

目次

01なぜ、ミーティングが大事なのか?

ミーティングの実施はスタッフマネジメントを行う上で必須です。ただ、必要だと分かっていても「時間がない」「話すネタがない」などの理由で、できていない場合が多いようです。

また、何度かやってはみたけれど活発な意見が出てこなかった、もしくは、雑談の延長で終わってしまい、時間を無駄にしたので、それ以降はやっていないという方も少なくないでしょう。

実際、私のセミナー参加者の方々に、個別・全体に限らずミーティングを定期的に実施しているのかどうかを尋ねると、実施していると答える方は全体の1割にも満たないというケースが大半です。

しかし、スタッフとしっかりと向き合い、コミュニケーションを取るミーティングをやらずして、スタッフマネジメントを行うことは難しいと私は考えます。

また、特にスタッフのことを理解する機会として、個別ミーティングの実施は不可欠であると言えます。ミーティングを定期的に行い、スタッフ自身の考え、抱えている悩みなどを把握することができれば、やる気アップのツボも自然と分かるようになりますし、仕事を任せることもスムーズに行えるようになるのです。

ミーティングで何を話すのか?

例えば、個別ミーティングの場で「何か話したいことはないか」とスタッフに切り出しても、なかなか自分から話をしないというスタッフもいます。そういうとき、お互いに無言になると場が持たないと思い、経営者、マネージャーの方が一方的にいろいろと話をしてしまい、気がつけば個別独演会になっていた……。

もしかしたら、あなたもそういった経験をされたかもしれません。私自身もアパレル企業に勤めていた頃は、ミーティングとは名ばかりの上司の独演会に付き合わされ、嫌な思いをしたことが何度もあります。

全体ミーティングの席であれば、話を聞いているふりをしながら別の仕事をするなどもできますが、個別ミーティングですと、スタッフの方は逃げ場がないので悲劇ですよね。話を聞くことよりも、とにかく早く終わらないかと時間ばかり気にしてしまいます。これではミーティングをする意味がありません。

ミーティングとは、本来、双方向で行われるものです。そして、その場ではスタッフが発言できる機会をできるだけ多く与えることが大切です。経営者、マネージャーが話す割合を「2」、スタッフが話す割合を「8」と意識してミーティングに臨むとちょうど良いでしょう。

そうすることで、発言が少なかったスタッフも徐々に自分の意見やアイディアを出すようになっていきます。これは、個別・全体問わず、どんなミーティングにも共通して言えることです。コミュニケーションの場では、潜在的に自分の話を聞いてほしいと思っている人が多数派です。

自分の話をしっかりと聞いてもらえることで、自分のことを受け止めてもらえたと感じることができ、その結果、安心し、心が落ち着きます。また、話を聞いてくれた相手とは信頼関係が築かれていくことになります。

信頼している相手から任せられた仕事なら、頑張ってそれをこなそうと思うようになります。ミーティングをうまく行うポイントは、「その場でこちらが何を話すのか」ではなく、「いかに相手の話を聞くのか」にフォーカスすることとなります。

1任せるための個別ミーティング

01効率良く行うための5つのポイント

①静かな場所を確保する

スタッフと腰を据えてじっくりとミーティングを行うためには、話すことに集中できる場所の確保が不可欠です。

事務所で行うのも悪くはありませんが、その場合、ミーティングをしている途中にお得意様が来店されたり、営業マンが訪問してきたりと、第三者の突然の来訪でミーティングが中断されることも少なくありません。

そこでお勧めなのが、近隣にある静かなカフェの利用です。店から離れた場所でミーティングを行えば、第三者に邪魔されることなく、会話に集中することができます。

②携帯電話の電源を切る

ミーティングをしているときに携帯電話が鳴ると、会話が中断されます。私が以前勤務していた会社で、上司とのミーティング中にたびたび携帯電話が鳴り、その都度電話が終わるまで待たされたという経験があります。

そうなると場がしらけ、その後、続けて話をする気持ちは失せてしまいます。話に集中するためには、ミーティングを行う際、お互いの携帯電話の電源を切っておくことが必要です。

③安心できる場だと約束する

何を話してもよいと言われたのに、話した途端に「それは違う!」と怒鳴られた。ここだけの話にしておくと約束したのに、翌日にはスタッフ全員に広まっていた。これでは、安心してミーティングで話をすることはできません。

私がコーチングを行う際は、対象者と必ず守秘義務契約を結び、コーチングの中で話した内容は許可なく誰にも公言しないと約束します。また、その場では、反論、批評、批判、叱責はしないということも併せて約束します。そうすることで、本音で話せる環境が整います。

スタッフとの個別ミーティングでもこれは同じです。ミーティングの場が安心、安全であることを理解すれば、スタッフは構えることなく、自分の考えていることをすべて話してくれるようになります。

④終了時間を決めておく

人が集中して会話できる時間には限りがあります。そのため、1回のミーティングは30分以内と決めて行うのが妥当でしょう。長時間にわたって話をしたからといって、相手の中にある問題がすべて解決できるわけではありません。

個別ミーティングは終了時刻を決めておき、お互いに時間を意識しながら行うことで、短時間で中身の濃いミーティングを行うことが可能となります。

⑤不平、不満、愚痴への対応

ミーティングでは、建設的な意見ばかりが出るわけではありません。時には、日頃抱いている不平、不満、愚痴のオンパレードとなるときもあるでしょう。そういう話ばかりに終始していては、ミーティングがスタッフのストレス発散場所になってしまいます。

そうならないためには、現状への不満を口にするときは、必ず自分なりの代替え案を合わせて伝えなければならないことをルール化しておくことが必要です。マイナスの意見を言っただけでは、何も現状は変わらないということ。また、今の状態をどう変えたいのか。

そのためには、何をどう修正すればいいのかをスタッフに考えさせることで、不平、不満、愚痴が減り、改善、提案ができるスタッフへと育っていくのです。

02実施前に準備する

・「準備シート」を活用する

準備をせずに行き当たりばったりで会話を始めると、とりとめのない世間話や、その場を繕ううわべだけの会話に終始することになりかねません。それでは、わざわざ時間とコストを掛けて個別ミーティングを行う価値はありません。

また、その場で何を話したらいいのかが分からず、沈黙してしまうスタッフも出てきます。そうならないためには、ミーティングを行う数日前から「事前準備シート」を活用して、「何を話したいのか」「何のためにミーティングを行うのか」について考える時間を持つようにします。

事前準備シートでは「前回から今回までの振り返り」「現状報告」「問題点」などを洗い出すことになりますので、自分自身を客観的に見つめることができます。

そうすると、今抱えている課題が浮き彫りになり、ミーティングで扱うテーマがおのずと明確になっていきます。また、当日はシートに沿って進行していくことで、話題がぶれることなく、短時間で集中してミーティングを実施することができます。

・記録ログを残す

スタッフの人数が増えてくると、ミーティングを行った内容の詳細をすべて記憶しておくことは困難になります。そこでお勧めなのが記録ログの活用です。

毎回、事前準備シートの下段の記入欄を使って、話したことを簡単にまとめてログとして残しておき、ミーティング実施前に前回分を見返します。

そうすると、「何を話していたのか」「どんな課題を抱えているのか」の再確認が容易となるので、ミーティングをスムーズに進めていくことができます。

・次回の日程を決める

個別ミーティングは定期的に継続して行うことが必要です。そのため、ミーティングの終了時に次回実施の日程を決めておき、お互いに他の用事を入れないように心掛けます。

「時間ができたらやる」「手が空いたらする」では、いつまで経ってもミーティングを行うことはできません。中身が濃く、充実した個別ミーティングを実施するには、スタッフ自身の準備も必要ですが、われわれ経営者、マネージャー側の準備も大切です。

03信頼される聴き方

個別ミーティングの中でスタッフの話をしっかりと聴くことは、とても大切です。その際のポイントは以下の3つです。

①心から聴く

個別ミーティングでは、スタッフの話を単に「聞く」ではなく、心から「聴く」を意識します。心から聴くために、まずやらなければいけないことは、体全体を「聴くモード」に切り替えていくことです。

例えば、締め切り間近の書類をパソコンで作っているときにスタッフから話し掛けられたら……あなたは、どんな態度で相手の話に受け答えしていますか?この場合、顔や体はパソコンのモニターに向いていて、耳だけを相手に向けているという姿勢を取る方が多いのではないでしょうか。

これでは、話をしている方としては、ちゃんと聴いてもらえたという気持ちにはなりません。個別ミーティングでは、「あなたの話をちゃんと聴きますよ」という意思が、態度、姿勢、表情から伝わるようにすることはとても大切なのです。

②相づちを打つ

聴き上手な人は、相手の話をよく聴き、句読点や話の変わり目を意識して絶妙なタイミングで相づちを打ちます。その際、よく使う相づちは「ふんふん」「そうですね」「なるほど」「それから」の4つです。

特に、「それから」は、「あなたの話に興味があるよ、もっと続きを聴かせて」というニュアンスを持っていますので、とても効果的な相づちだと言えます。

逆に、使う際に注意しなければならないのは、「はい」と「分かる」です。これらは、例えば1回だけ「はい」と使う場合に限ると、とても良い印象を与えるのですが、繰り返して使ったり、「は~い」や「分かる~」というように変に語尾を伸ばしたりすると、軽く受け取られてしまいます。

また、「はい、はい」と2回続けると、言い方によっては、面倒くさそうにも聞こえます。「分かる、分かる!」も連発されると、「本当に分かっているの?」という疑問を持たれてしまう場合もありますので、慎重に使うことが必要です。

そのため、私はこの2つの相づちのことを、「悪魔の相づち」と呼び、使う際には慎重にとお伝えしています。

③相手の話を遮らない

人が話している途中で割り込んできて、そのまま、その場を乗っ取ってしまう人は結構多いようです。人は相手の話を聞きながら、次に自分が話すことを考えているので、話したいという欲求が強くなると、思わず相手の話を遮って、自分のことを切り出してしまいます。

でも、そうなると、話を途中で乗っ取られた方としては未完了感が残り、その後は会話を続けようとは思わなくなります。そのため、個別ミーティングの席では、スタッフがひとしきり話し終わるまでは、聴き役に徹することが大切なのです。

ただ、そうは言っても、途中で自分のアイディアやどうしても話しておきたいことが浮かんでくるときがあります。その際は、ひとまずは近くにあるメモに箇条書きでよいので書き出します。

そうすることで、アウトプットしたいというニーズがいったんは満たされますので、再度話を聞くことに集中することができます。また、メモに書いておけば、思いついたことを忘れずに後で伝えることもできます。

04適切な質問の投げ掛け方

現場で仕事をするスタッフの視野は意外と狭いものです。多くの場合、自分が任せられた仕事をこなしていく際、実際にはより効率の良い方法があったとしても、今までのやり方を唯一の正しい方法だと考え、やり方を変えようとはしないものです。

そういうときに、個別ミーティングで「他にはどんな方法がありますか」といったような視野を広げる質問を投げ掛けることで、新しいやり方が他にもあることに気づけるようになり、さらには普段の行動が大きく変化することにもなります。

質問するときのポイントは以下の3つです。

①答えを用意しない

スタッフへ質問をする際は、相手が答えを考えることが原則です。こちらがあらかじめ質問に対する答えを準備してはいけません。そうなると誘導尋問になってしまい、スタッフの真意を聞き出すことはできなくなります。

また、準備していた答えを押し付けることにもなりかねません。個別ミーティングでの質問は、相手に気づきをもたらすこと、相手の行動を促進させることを目的に行うのが大前提です。

②なぜ?を連発しない

「なぜできないのか?」「なぜやらないのか?」「なぜ間違えたのか?」こう言われると、胸にグサッ!っときませんか?1対1の個別ミーティングの場で「なぜ?」を連発されてしまうと、スタッフは逃げ場を失い、気持ちが萎縮し、モチベーションはダウンしてしまいます。

「なぜ?」を使った質問は、自分では変えることができない過去の出来事にフォーカスすることになるので、そこを突かれてしまうと反論のしようもなく、次の行動も取りづらくなります。

そのため、できるだけ「なぜ」ではなく、英語の疑問詞でいうところの「How」(どうすれば?)を使った質問を投げ掛けるようにしていきましょう。Why(なぜ?)は過去を責める詰問になりやすい疑問詞で、Howは未来を創り出す疑問詞と覚えておくと便利です。

③沈黙を大切にする。

質問をした後、相手が黙ってしまい沈黙の時間がしばらく続くと、質問を投げ掛けた方としては、「質問が悪かったのかな?」とか、「質問を変えた方がよいのでは?」などと考えてしまい、その静けさに耐え切れず他の話を始めてしまいます。

ただ、質問をされた方としては、黙っている時間は質問の答えを探している場合が多く、そこで他の質問をされたり別の話題に移ったりすると、せっかく考えていた答えを言う機会を失ってしまうことになりかねません。沈黙は無駄な時間ではなく、相手が思考を巡らせている貴重な時間と捉えましょう。

2任せるための全体ミーティング

リーダーが現場のスタッフに対してトップダウンで任せる仕事を割り振り、指示命令を出しているだけでは、スタッフはやらされ感を持って言われたことをこなすだけになってしまいます。そうかと言って、何かにつけてスタッフの意見を聞き取り、全員のコンセンサスを取りながら、いわゆるボトムアップ型でマネジメントを行うとなると、前に進むための推進力が弱まります。

そうなると、本来は小回りが利くことがメリットであるはずの小規模組織の良さが生かせません。多くのリーダーは「じゃあ、どうすればいいんだ?」と悩みます。そこでお勧めなのが、スタッフ全員を集めて行う全体会識の場で、意思決定に参加させる機会を持つことです。

全体会議を行う際には、店の方針や決定事項を伝えることも多いかと思いますが、その際に、いきなり最終決定を伝えるのではなく、決定する前の段階で、スタッフ全員の前で自分の考え(草案)を伝え、それについての意見をスタッフに求める場を設けるのです。

ただ、せっかくそういう場を設けたとしても、会議の席で発言をするのは一部のスタッフに限られ、他のスタッフは黙って聞いているだけというケースも多いでしょう。以前勤務していた会社の会議でもそういった光景はよく見掛けましたし、私が講師を務める研修会でも、参加者に意見を求めた場合に大勢の前で発言できる人は、全体の1割もいません。それは、「間違った意見を言うと、皆にばかにされるんじゃないか」とか、「言ったことが否定されるんじゃないか」と思うことにより、発言をすることに対して心のブレーキがかかってしまうことが原因となっているのです。

これでは一部の人の意見しか反映されませんので、新しいアイディアが生まれたり、皆の意見を集めたりすることはできません。そのため、私の研修会では、参加者からの意見を募る場合、一人一人発言させるのではなく、まずは3~5人程度でグループを作ってもらい、そこで話し合う場を設けます。その上で、グループごとに意見を出してもらうようにしています。

1つのグループをあまり多くの人数で構成することになると、各自の当事者意識が薄れるので意見が活発に出てきません。これは私の経験から言えることですが、5人までのグループだと意見が出やすく、活発に識論がなされる場合が多いようです。

全体会議の中でスタッフから意見を募る際も、同様に少人数のグループに分け、そこで出てきた意見を吸い上げるようにしていくことが必要です。ただ、最終結論に関しては、スタッフから出てきた意見を鵜呑みにしてすべてを取り入れる必要はありません。

最終的な決定権は、経営者、マネージャーが持っておくべきなのです。このように、決定前の案件に対して、スタッフの意見を聞き出した後で決定事項を伝えていけば、スタッフがトップダウンで一方的に仕事を押し付けられたと感じることはなくなります。

3任せるための朝・夕・終礼

あなたの職場では、ショートミーティングを毎日実施していますか?ショートミーティングで最もポピュラーなのは朝礼です。朝礼を行うことで、その日1日、各自が何を優先し、任されている仕事にどう取り組んでいくのかを明確にすることができます。

朝礼以外にも、1日の中でごく短い時間を利用してショートミーティングを行い、スタッフとコミュニケーションを綿密に取っていくことで、仕事をしっかりと任せられるようになります。ここでは、ショートミーティング(朝・夕・終礼)を活用してスタッフのやる気を上げる方法についてご紹介していきたいと思います。

・スタッフが一人でも朝礼を行う

朝礼は全員がそろわないとできないわけではありません。私がかつて経営していたセブン‐イレブンのFC店は、年中無休、24時間営業でしたので、1日の中で全スタッフが一堂にそろう機会は皆無でした。そのため、朝礼はスタッフが出勤するタイミングに合わせて1日数回、個別に行っていました。

スタッフの気持ちを仕事モードに切り替えるためにも、たとえスタッフが一人であったとしても朝礼の実施は必須です。朝礼の場では、スタッフが容易に発言できるよう促したり、考える機会を与えたりすることが大切です。そうすることで朝礼の主役がスタッフとなるので、積極的にその場へ参加するようになっていきます。

・「他社の素敵な話」より「自社の現場の話」をする

朝礼の場で何を話したらよいのか分からない、という方が多くいらっしゃいます。中には、書店で見つけた朝礼ネタが書いてある本に載っている話を順番にしたところ、ネタが切れた段階で話すことがなくなり、朝礼をやめてしまった方もいます。

朝礼で気の利いた話や感動話をする必要はありません。それよりも、自社で起こった素敵な話、例えば「Aさんがお客様に褒められていた」「BさんがCさんのことをしっかりサポートできていた」といったような現場で起こったエピソードの方が心には響きます。また、何よりその場で取り上げられたスタッフのやる気が上がります。

・終業2時間前に夕礼を行う

終業時間の2時間ほど前に、その場にいるスタッフを集めて、5分程度でよいので夕礼を行います。その場では、各自にどれくらい残務があるのかを聞き出し、残務が多く残っているスタッフがいた場合は、抱えている仕事の一部を手の空いているスタッフに任せていくなどして、調整を行います。

これにより、無駄な残業をせずとも、全員が閉店後、早い時間に退店することができるようになります。また、夕礼を行う際に、その日の売上予算の達成率を確認して、あとどれくらい頑張る必要があるのかも明確にしていきます。

そうすることで、自分たちに任せられた仕事を達成させるモチベーションを、営業終了の時間まで持続することが可能となります。・終礼はノートを使ってもできるスタッフが退勤する際に、経営者やマネージャーが接客などで手が離せない場合、終礼はおろか、「お疲れ様」などのねぎらいの言葉を掛けることもできないときもあるでしょう。

大阪府三島郡島本町の「癒しサロンせんな」(山川聡さん経営)では、スタッフが退勤する時間に店主の山川さんが施術をしていることが多く、そこでのコミュニケーション不足を補うために「終礼ノート」を活用しています。

終礼ノートには、その日に取り組んだ仕事のこと、それによって収穫できたこと、仕事をしていく中で気づいたことを簡単に記入してもらっています。この終礼ノートを活用するようになってからは、スタッフの仕事の進捗状況や何を考えて仕事に取り組んでいるのかが分かるようになってきたとのことです。

それに加えて、スタッフが自分の仕事についての振り返りをすることができるようになったので、今まで気づけなかったようなことまで、自ら気づくようになってきたともお聞きしています。

こういったノートや報告書を活用する際は、スタッフに書かせっ放しにはせずに、少しでもいいので、リアクションをすることがとても大事です。

書いていることに対して何の反応もなければ、読んでもらえているのかどうかが分からなくなるため、徐々に記入するモチベーションが下がってしまいます。

山川さんの終礼ノートには、「Good!」「いいね!」「すばらしい!」などといった短いコメントが載っています。ショートメッセージでもよいので、リアクションがあれば、スタッフは「ちゃんと読んでくれている」と感じることができるのです。

フェイスブックをやっている人であれば、「いいね!」ボタンが押されるだけでもうれしく、短くてもコメントの書き込みがあれば、とてもうれしい気持ちになったことがあると思います。

こうしたツールを活用したコミュニケーションを行う際、書き手は読み手からのリアクションを望んでいるのです。

地域一番店が行うミーティング~美容室アンドゥドゥ~

不況知らずで、好業績を維持し続ける福岡市博多区の美容室アンドゥドゥ(林宏貴さん経営)では、毎日行われる個別ミーティングと週1回行われる全体ミーティングを、店のすべての業務の中で最優先として位置づけています。

毎朝、特に朝礼後に行われる個別ミーティングでは、スタッフは自分の順番が回って来るのを心待ちにしており、終わった後はやる気がチャージされた状態になり、皆が任されている仕事にイキイキと取り組むようになるそうです。

林さんの店では、今でこそ、ミーティングの重要性を全員が理解し、欠かすことなく日々、継続することができていますが、開業当初はミーティングを行うこともほとんどなく、どちらかと言えばトップダウンの指示命令型マネジメントを行っていたとお聞きしています。

それでも、数年間は業績も好調で、地域では有数の優良店として取引先からも一目置かれる存在になっていました。ただ、その後は徐々に売上の伸び率が鈍化していくことになり、今のままのやり方では成長し続けることに限界を感じ、マネジメントの方法を大きくシフトチェンジすることになったのです。

大きく変えたことは1つ。社長の林さんがスタッフとコミュニケーションを取っていく際の関わり方です。今までは、林さんの考えていることを「伝える」「話す」そして「激励する」ことが中心であったのを、相手の話を「聴く」、相手に「考えさせる」、相手に「決めさせる」というスタンスに切り替えました。

個別ミーティング、全体ミーティング、双方において、このスタンスは徹底されています。一人のスタッフに対して、月2回、30分程度の時間を使って行う個別ミーティングでは、仕事だけの話に終わらずに、プライベートの話もテーマとして取り上げます。

林さんとしては、プライベートと仕事は密接に関係しているので、個人の生活の中での問題を解決することが仕事へのモチベーションアップに効果的だと判断したときには、そちらの解決を優先しています。

また、それぞれのミーティングの場ではすべての問題を解決しなくてもよいと捉えています。すぐに答えが出るような小さなテーマであれば、ミーティングの中で解決できることもあるのでしょうが、そうではない場合は、そもそも30分という限られた時間の中で答えが出てくることの方が稀です。

そのため、林さんはミーティングを「答えを見つけるためのヒントを手に入れる場」「解決する方法を探すきっかけづくりの場」として捉えています。このような個別ミーティングを継続していくことで、結果として、スタッフの仕事への取り組み方も180度変わることになりました。

与えられた仕事をこなすというスタンスから、任せられた仕事をより効率良く、より効果が出るように、自分で考え、自主的に動き、成果が挙がる状態に変えようと努力するようになっていきました。

具体的には、店内のPOPの製作、店頭看板の書き換え、新規キャンペーンの発案や売り方の考案などです。直近でも、若手スタッフからの発案により、今まで取り組んだことのない新規分野へのチャレンジも始まりました。

林さんは、組織のリーダーとしての大きな役割は「スタッフに考える機会を与える」ことと言います。それをミーティングの中で実践していくことで、どんな状況下でも成長できる強い組織をつくり出すことができているのです。

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