Chooseleadersamongparttimers3-1若者の特徴
アルバイトの特徴と一緒に、アルバイトのメイン世代である20代の特徴について考えたいと思います。相手を理解して、正しいコミュニケーションを考えなくては、非効率な時間となってしまいます。
マイルドヤンキーという言葉をご存知ですか?ベストセラーになっている原田曜平さんの著書『ヤンキー経済消費の主役・新保守層の正体』では、昔の怖いヤンキーとは違い、地元を愛し、仲間と絆を愛する新保守層、特に25歳以下の若者をマイルドヤンキーと呼んでいます。
上京志向がなく、地元で強固な人間関係と生活基盤を構築し、地元から出たがらない若者たちのことで、この層は、地縁を大切にする意識を持っており、非常に保守的。
少し大げさに感じることもあるものの、激しく共感しつつ、笑いながら一気に読んでしまいました。彼らは出世等、社会階層の階段を登ろうという野心にも乏しい。良くも悪くも、現状肯定的で意欲にも乏しい。アルバイトでいうと、正社員になんてならなくていい。
低所得でも家族や仲間を大事にし、万が一解雇されるようなことになっても、温かく受け入れてくれる環境があるのが特徴だそうです。
たしかに、最近の若者、特に20代の若者には欲がないのを強く実感します。内閣府のデータ「国民生活に関する世論調査」(2013年度)でも、現在の生活に対して78・4%の20代が総じて満足していると答えています。
この数字は、昨年を超えて過去最高の満足度。20代から70代の全世代の中で、一番高い数字です。就職難で可哀想だという我々の同情は実は無用で、彼らは現状にあまり不満を持っていないのです。
激安居酒屋として有名な鳥貴族の渋谷文化村店は平日でも連日若者で大賑わい、居酒屋に入るために大勢の若者が店の前で並んでいます。ユニクロを代表するファストファッションブランドはすでに大きなカテゴリーとなって支持を得ています。
100円ショップ、コンビニのプライベートブランド、無料の携帯ゲーム、あまりお金をかけなくても食事、衣料、趣味、遊びが楽しめる時代がこのデフレでしばらく続いているのが、彼らが現状を住みやすいと感じているこの結果に一役買っているのです。
私の会社も、スタッフの8割は学生がメインなので、ここ十年の若者の変化を身近に感じてきました。彼らの仕事観についても同じようなことが言えます。お金の欲求が確実に弱くなっているのです。
前述したように、我々の会社のディレクターと呼ばれるアルバイトリーダーのモチベーションは、以前は「お給料が良いから」という意見が多かったのですが、今は「人と繋がれる」「やりがいを感じるから」「アルバイトではあまり体験できない出張ができるから」とお金以外の理由をあげるスタッフが多いのです。
野心がない。お金に対する欲求もない。これは否定できません。ただ、彼らにやる気がないという意見があれば、それは違います。彼らにやる気がないわけではありません。
やる気になるポイントが明らかに変化しているだけなのです。それに気づいていないだけの話なのです。
Chooseleadersamongparttimers3-2ボランティア世代
例えば、ボランティアの話です。我々の時代と違い、東日本大震災を経験した今、ボランティア活動というのが身近になっている世代です。先日、南三陸に漁師さんのお手伝いに行ってきました。そこで遭遇したのは、とある大学の震災ボランティア部という30名くらいの団体でした。
調べてみたら、他校にも、ボランティア部やサークルというのはたくさん存在することに驚きました。震災後、3年以上経過した今でも、たくさんの若者が継続的にボランティアを続けているのです。私も震災後は自分でボランティアツアーを企画して、定期的に東北へ行っていました。
そのときの呼びかけに、一番反応してくれたのも、やはり20代の若者です。ゆとり世代、欲がない世代、マイルドヤンキーだと揶揄されることも多い世代ですが、私は彼らを「ボランティア世代」と呼んでいます。
自分たちのことには、あまり強い欲求を見せないものの、こと人のためには、人肌脱げる世代なのだと思います。自分たちの衣食住は、あまりお金をかけなくても、SNSに代表されるような繋がりを作るためのネット代にはお金をかける世代なのです。
また、つい最近に発表された内閣府の意識調査の結果では、13歳~29歳の若者で「自国の役に立ちたい」という質問に一番多く回答したのが日本であったことがニュースにもなっていました。
調査対象が日本、韓国、米国、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの7カ国と限定されているものの、一昔前までと比べて明らかに、彼らの意識が変わってきているのは間違いないようです。
もし、彼らのやる気が感じられず、あなたがイライラすることがあるのであれば、彼らのモチベーションの方向をこちらが変えなくてはいけないのです。
彼らが仲間を大切にするのであれば、会社に仲間を大切にする風土や仕組みを作ることで、彼らのやる気がまったく変わっていくのです。
彼らとの会話にも仲間を大切にしなくてはいけない理由や大切さを入れるのです。彼らの大切にすることを一緒に共有するということなのです。彼らの変化に我々が変化しなくては、現状は変わりません。
仲間なんて言葉を聞くと、少し気恥ずかしくなる人もいると思います。でも、彼らは漫画『ワンピース』や『ドラゴンボール』を読んだジャンプ世代。彼らにとっては、なんの違和感も持たない言葉なのです。自分たちの世代とは言葉のイメージや環境が違ってきている事実を受け入れることが大切なのです。
Chooseleadersamongparttimers3-3新しいコミュニケーションの形
そんな彼らとの関係性をつくっていくためには、我々のコミュニケーションを考え直すことが必須ではないかと感じています。最近、友人がLINEに入社しました。
彼の歳は30代後半と私に近い男性です。LINEは企業として現在、日本一元気な会社と言っても過言ではないと思います。中を知らない我々からすると、そのイメージからとっても明るくて、元気な社内を想像していました。
しかし、その現実を聞いて驚きました。
意外なことに、彼らの社内コミュニケーションの主体はLINEかスカイプ。隣同士もPCを通じて会話をしているそうです。ランチのお誘いも一度PCを通すというから驚きです。
私からすると冗談のような話で笑ってしまいました。しかし、これはおかしいと笑って終わる話ではないのです。これは、新しいコミュニケーションの形なのだと強く思います。
おそらくLINEに限らず、たくさんの企業でも起こっていること、または起こりうることなのだと思うのです。つまり、そろそろ私たちが変化を受け入れなくてはいけない時代が来ているということなのです。
電車の中を見渡してください。起きている人のほとんどがスマホをいじっている時代です。スマホや携帯の1日の平均使用時間は、男子高校生4・3時間、女子高生はなんと6・4時間。
さらに6時間以上が4割を超え、12時間以上が1割を超えているのが現実なのです。彼らが変わったのであれば、我々が変わらないといけない時代なのです。そういう時代が到来したのです。
30歳までフリーターだった私の親は、究極の放任主義。「働け」とも厳しく言われたこともなかったため、私は30歳まで実家で好き勝手に生きてきました。
もっと昔の話をすると、高校時代からまともに学校にも通っていません。うちの高校で卒業した中では、最低の出席率だったようです。
高校時代からアルバイトに励み、夜ふかしばかりして、登校するのはいつも午後から。学校には行かない日も多かった。でも、楽しかった塾には真面目に通っていました。当然、その調子なので大学も真面目には通っていません。
一応4年で卒業したものの、あと一単位落としていたら、卒業もできていませんでした。代返を毎回してくれた友人に感謝です。授業は真面目に出ていなくても、楽しかったアルバイトには無欠勤で通っていました。
やりたいことだけやってきて、やりたくないことは、できるだけやらないで過ごした学生時代。こう考えると、私の場合は、時代は違うものの、究極のゆとり教育で育ってきたようです。まさに、ひとりゆとり世代です(笑)。
そんな過去もあるので、私の場合は彼らと世代が違っても、彼らに理解があるほうなのかもしれません。ゆとり世代は……と言われると、そうじゃないんだよな、と反発したくなる気持ちが出てきます。
確かに、うちで働いている若手社員やアルバイトの若者たちと接していると、ゆとり世代の特徴を実感することも多いです。ただ、こちらの対応ひとつで、まったく変わることも多いのです。
というよりも、私からすれば、この世代の良い特徴を活かせれば、私たちよりも優秀だと思うことも本当に多いのです。素直で、集中力も高いこの世代。
その世代を活かすも殺すも上司次第。我々上司の仕事とは、そこを引き出すことなのではないでしょうか。まずは、世代的な特徴を理解しつつ、上手なアルバイトとコミュニケーションを意識しましょう。それでは、具体的な方法をお話しします。
Chooseleadersamongparttimers3-4褒めることだけでは強くなれない
私は現在40歳なので、団塊ジュニアのど真ん中。第二次ベビーブームに生まれて、受験をはじめ、激しい競争が当たり前で成長した世代です。
しかし、大学を卒業する頃には、すでにバブルは崩壊しており、失われた20年と呼ばれる不景気で生きてきました。自分で言うのもなんですが、結構可哀想な世代だと言われます。
「団塊世代」「しらけ世代」「新人類」「バブル世代」「団塊ジュニア」「プレッシャー時代」みなさんの世代も色々な名前で呼ばれてきました。その世代ごとの特徴というのは、必ずあるものです。
今20代は「ゆとり世代」または「さとり世代」と呼ばれており、まだまだメデイアから進行形で聞こえてくる言葉なので、みなさんご存知だと思います。
一応、ゆとり世代とさとり世代の違いを説明しておきますが、諸説あるものの同じと考えていいようです。ゆとり世代と呼ばれたくない若者たちが、自ら作った言葉とも言われています。
この世代の特徴としては、
・打たれ弱い
・欲がない
・指示待ち傾向
で、言われたことしかできないなんだかネガティブな特徴がよく聞こえてくる世代でもあります。もちろん、個人差があるということは置いておいても、私もこの傾向は事実だとは思います。
しかし、うちの会社のアルバイトの様子を見ていると、決して世代がそうだからと一言では片付けられないことも多いのです。例えば打たれ弱いという事実。
叱ると辞めてしまうので、叱れないという話をよく聞きます。本当にそうなのでしょうか。たしかにここ数年は、褒めることに関する本やセミナーがたくさん登場しています。
私も今の若者に仕事を教える場合、一番大切なのは褒めることだと思っています。弊社でも一般社団法人日本ほめる達人協会理事の「ほめ達」こと西村貴好氏さんのもと、ほめ達3級をほとんどのメンバーが取得しています。
若者の特徴として、承認欲求が非常に強い。褒められたい、認められたいという気持ちが非常に強い。これは世代の違いではなく、誰もが通る20代の若者の特徴なのではないでしょうか。
そこで前述したように、弊社の20代のアルバイト100名にアンケートをとってみました。彼ら自身が同じ世代を教える場合は、どんなことに気をつけますかという質問です。
手とり足取り教えるという答え以上に多かった回答が、褒めて伸ばすというものでした。彼ら自身も自分たちは褒めてもらって伸びるというのを自覚しているようです。
決して自分たちに甘い答えということではなく、彼らの得意な自己分析がしっかりできているという内容でした。自他共に認める、褒められることが効果的な世代だということです。
アンケートを見る限り、彼らが打たれ弱いというのも事実のようです。自分たちでも打たれ弱さを感じていると自覚した回答が目立っています。怒られる経験が少なかったというのです。
しかし、そのことと、叱ると辞めてしまうということは、分けて考えなくてはいけないのです。賛否両論あるかもしれませんが、私は叱ることを必要だと考えている人間です。褒めることはとても大切。
しかし、叱ることができる環境で、褒めることができるのが、もっと大切。この2つがセットであることに大きな意味があるのだと思います。
ここ10年間、社員、アルバイトを問わず、色々なアプローチを試みてきました。そこで私が感じたのは、褒めることだけでは強くはなれないということです。褒めることで彼らは間違いなく伸びます。特に、初期段階では叱ることは不要です。
逆効果になることも多いです。褒めて、褒めて、褒め倒していいと思います。ただし、表面的な褒め言葉は意味をなしません。
ほめ達西村さんの言葉をお借りすれば、褒めるとは相手の価値を見つける作業なのです。相手の良いところを探すということです。すると彼らは仕事が楽しくなり、どんどん成長を始めます。
しかし、ある程度成長したところで、必ず失敗や挫折を経験します。これが人を強くすることは周知の通り。失敗や挫折を通ることなく、人が強くなることはありえません。
それと同じく、このタイミングでは、時には叱ることが圧倒的に人を強くすると思うのです。そのためには、このタイミングまでに相手の価値観や興味を理解して、関係性をつくること。関係性をつくるためには相手の目線に立ち、相手の価値観に合わせる。褒めることで間違いなく関係性は強化していきます。
そして、この関係性を強固なものにしていき、叱れる関係性をつくるのです。アルバイトの若者たちに対して、うちの社員はよく叱っています。特にディレクターに対しては遠慮なく叱る姿をよく見かけます。私の経験上、叱ったことで辞めていった人は見たことがありません。
辞めていく場合は、それ以前にこの関係性づくりに失敗し、良好な関係性をつくれなかったから辞めていくのです。日頃から愛情をもって相手と付き合っていく関係性ができていれば、たとえ感情的に叱ったとしてもまったく問題ないものです。
叱るから辞めるのではなく、良い関係性ができてないから辞めていくのです。ここは誤解してはいけません。もちろん、社員に対しても同じです。
ただ一般的には社員よりもアルバイトのほうが、ロイヤリティー(忠誠心)がないので、叱ったことで辞めていく可能性は高いはずです。
しかし、ある程度の関係性が築けていれば、叱ることは大きな問題ではなくなると、頻繁に実感することが多いです。実際に面白い話があります。
うちの会社には、タイプが正反対のマネージャーがいます。A部長は、感情的に怒るタイプ。あまりマネジメントについての勉強もしていない。自己流マネジメントでアメと鞭を使いこなす。
その手法が、あからさますぎて、思わず笑ってしまうのも彼の特徴。スタッフを連れてよく飲みに行くタイプ。B課長は、いたってクール。
もともとコミュニケーションを苦手としていたものの、NLPをきっかけにたくさんのセミナーや書籍で勉強し、今では理論的にコミュケーションを使いこなす。
しかしスタッフと飲みに行ったとは、一度も聞いたことがない。私の勝手なイメージで言えば、A部長が昔の上司、B課長が今どきの上司。特にA部長は厳しく叱るタイプなので、大丈夫なのか心配になることもしばしばでした。
そこで、アルバイトがA部長をどう思っているか探りを入れてみました。飲み会の席でアルバイトから聞こえてきた声は意外なものでした。彼らはA部長に対する不満はなかったのです。
代わりに出てきたのが、B課長への不満でした。A部長については私に対して遠慮して本音を隠しているとも思ったのですが、別の不満を出してきたので、本音で話してくれていると思っていいでしょう。
詳しく話を聞くととても興味深いものでした。彼らの言い分は、A課長は怖いけど、本音でぶつかってきてくれるのが意外とうれしいとのこと。
学校の先生も含めて、あまりまわりにそのようなタイプがいなかったので、はじめは驚いたけど、叱ってくれる裏に愛情を感じたときに、とてもうれしくなったそうです。
飲みにも連れて行ってもらったし、そのときに本音も聞いているし、感謝のほうが大きいんですとのこと。どちらかというと、B課長のほうが、表面的に感じてしまいイライラすることが多いとのことでした。
B課長を弁解するわけではありませんが、B課長は非常に優秀なタイプ。社内表彰でもトップに輝いたことがある実績です。ディレクターではない一般のアルバイトからは非常に慕われているのも事実です。
それを考えると、決してB課長の接し方も間違いではないはずです。ただ、ここで私は2つのことに気づきました。
・関係性の深さによって、接し方を考えなくてはいけないこと
・仲間意識の強い彼らは、強い関係性を築くことができれば、叱リ方はさほど問題にはならない
つまり、関係性をつくる初期段階では、マネジメントのテクニック部分が非常に大切。褒めることもとても大切。叱ったら逆効果になることが多い。
しかし、強い関係性ができた後は、テクニックよりもハートが大切。言い換えればリーダーシップが大切なのです。今の若者にハート?と思うかもしれません。
実は、最近の若者の特徴として、男女ともに涙もろい部分を感じたことはありませんか?悪く言えば、泣き虫。弱い。よく言えば、感受性が豊か。素直。意外に感じるかもしれませんが、今どきの若者は、暑苦しいのは嫌いではありません。
前述したように、彼らはジャンプ世代。「仲間」、「絆」という言葉が好きな世代です。暑苦しいのも決して嫌いではないのです。昔から私の好きな有名人は松岡修造さんです。そんな僕から見ても、彼らの熱さをしっかり感じます。
スポコン世代の僕の熱さ攻撃に、彼らが涙する姿を何度も見てきたので間違いないでしょう。私が見る限り、熱さを表現することは得意ではありませんが、うちに秘めた熱さを持っている若者が多いように感じます。
もちろん、叱る際に気をつけなくてはいけないこともあります。人格は否定してはいけない、事柄を叱ること、などは当然のことです。フォローももちろん大切です。
しかし、もっと大切なのは、仲間を意識させる関係性を築くことです。彼らの特性を意識したチームづくりが、とても重要なのです。
Chooseleadersamongparttimers3-5上手な叱り方
誰と誰が一番良い関係性ができているか?そこを正しく判断しないと、叱ったことが逆効果になってしまいます。何度も言いますが、叱り方よりも、叱ることができる関係性がまずは大切です。
①どう叱るかよりも、まずは誰が叱るか
弊社では、「こんなことがあったから、○○さんに注意しておいて」という会話がよくされています。関係性のある人から叱ってもらうことを徹底するのです。また、誰の言葉が一番響くか?も重要です。
なぜ、叱るのか?
叱ることが目的の人はいないはずです。相手の間違った行動を正し、同じことを繰り返さないでもらうために叱るというのは、みなさん一緒だと思います。そのためにも、より効果的に叱る必要性があります。
その意味で、誰の言葉が一番響くのか?誰の言葉なら素直に受け入れてもらえるのか?この視点で誰が叱るのかを考えなくてはいけません。
また、あえて関係性のできていない人を登場させるという方法もあります。社長、私のような役員、部長など普段直接接することがない上司が出ていくことです。
クライアントや別会社、お客さんを巻き込むというのもあります。ことをわざわざ大げさにするのです。ことの重大さを認識してもらうために、まわりに協力してもらうというのも有効な手段なのです。
特にアルバイトにとって、社長や役員などが登場してくるだけで、ただごとではない雰囲気に感じるはずです。もちろん、ここに登場する人が感情的に叱ることは逆効果になるのは言うまでもありません。弊社の場合、社長や私がアルバイトの前に出て行くときは、重要な話として理解してもらうための演出のようなものです。
②ポイントを絞る
ちょうど最近、私が叱った事例があります。アルバイトではなく社員の話ですが、25歳の社員の話が良い例なのでお話しします。
ちょっと社内の恥ずかしいことをさらけ出すのは気が引けますが、みなさんのためにも正直にお話ししましょう。お恥ずかしい話ですが、先日、うちの若手社員が、会社の預かり金でスタッフと飲みに行ったことが判明しました。
預かり金と言っても、スタッフに渡す交通費で、額はたいしたことないのですが、彼らに渡す交通費を持ったまま飲みに行き、酔った勢いでおごってしまい、そのお金を使ってしまったそうです。
当然、それを知らないスタッフからは、「交通費を受け取ってないのでお願いします」と後日連絡があります。会社としては、預けたはずですから、彼に当然聞きます。
すると、彼は「渡しました」と答えます。では、領収書は?本人たちはもらってないと言っているけど……。その嘘は3分でバレました。バレないはずがないクオリティーの低い嘘でした。
上長から呼ばれた私は、これが我々のお金でなく、人のお金であったときには大きな問題になること、そして、何より仕事としてではなく、人としての間違った行動である部分を説明しなくてはいけませんでした。
ここで彼にやってもらった作業があります。自分で今回反省しなくてはいけない行動をすべて紙に書いてもらいました。なるべくお互いの相違がないように、このような場合は可視化することが大切です。
- 勝手に会社のお金を使ったこと
- スタッフにお金を渡さなかったこと
- 上司に「渡しました」と嘘をついたこと
- スタッフに迷惑をかけたこと
- 会社に迷惑をかけたこと
- 悪いことだと認識していたが、誰にも連絡、相談をしなかったこと
思いつく限り書いてもらいました。ここでもう1つ大切なことは、ポイントを絞ることです。確かにすべて反省すべき点です。でも、どこを反省すべきか、言い換えると、どこを改善するべきかを明確に、そしてシンプルにするのです。すべて改善するのは難しいものです。
例えれば、ゴルフのスイングだと思ってください。初心者は、膝、肘、腰の使い方、バックスイング、フォロースイング、おそらくすべてに改善が必要だと思います。それをすべて同時に直すというのは不可能でしょう。それと一緒です。
まずは、一番修正しなくてはいけないポイントを絞って指導する必要があるのです。そこだけ修正できれば、大きな進歩になること。それを明確にしてあげるのです。
そこで彼に、どれを一番反省しないといけないかを聞くのです。彼はスムーズに「嘘をついたこと」を選びました。それを見て、私は安心しました。私が一番修正して欲しいことと同じものを選んだのです。
もし、自分の価値観、または会社の価値観と違うものを選んだ場合は、しっかりと自分たちの価値観を伝えなくてはいけません。
何を大切にする会社なのか、会社の理念やビジョンがまだ伝わりきれていないのかもしれません。また、別の視点で言えば、この上司は何をすると叱るかという明確な基準を示しておいてあげることも大切なのです。
叱られる側が、「あぁ、叱られてしまう……」と事前にわかることが重要です。どうして、こんなことで叱られるの?と感じてしまっては、叱ることの意味がなくなるからです。
今回の件では、問題ばかりなので、すべて叱られる基準と判断できますが、意外と相手にとって判断が難しいものも多いのです。
③涙のスイッチ
まだ、彼の話は続きます。最後のひと押しです。正直、ここでは私の話がどこまで響いているかはわかりません。ここで私が判断基準にしていることがあります。涙です。恐怖で泣かすわけではありません。相手の胸に響くスイッチを探すのです。
社員もアルバイトもこの本を読むと思うので、本当はこの話はあまり書きたくありませんが……。うちの男性社員、若手女性、コアメンバーのアルバイト、私に叱られることのある、私と関係性が強い人たちは全員、そのスイッチを100%押せる自信があります。
実際、本気で叱ったときには、全員100%泣きました。もちろん、泣かせることが目的でも、泣かせたいわけでもなく、結果としてそうなっているというのが事実です。
何を大切にしているのか?仲間、家族、過去、未来……。彼らが大切にしているものを基準に話をするのです。今回の彼の場合では仲間です。
仲間に良い格好をしたくて、おごってしまった状況です。最近の若者の傾向として強いのが、やはり仲間の話はよく響くということ。個人の目標のためよりも、仲間のためという話は圧倒的に響くことを実感します。
「仲間に格好つけたかった気持ちは痛いほどわかる。でも、せっかく格好つけたのに、スタッフが、この事実を知ったらどう思う?スタッフのことを仲間とかいつも言っているよね。会社の仲間の気持ちはどうなるの?自分を可愛がってくれている上司の気持ちはどうなるの?逆の立場で想像してみて。めちゃくちゃ悲しいよな。お前にとって仲間って何なんだ?仲間を裏切ることになっちゃうよね。仲間を悲しませちゃっているよね。それに気づけたのだから、もうしないで欲しい。できるよね」
簡単に言うとこんな話をします。決して本人のことは話しません。周りの仲間の気持ちの話だけをするのです。自分のことだと、なかなか胸に響かない彼ですが、仲間の話だと涙を流すのです。
あとは、彼を信じるだけです。そんなこと自分のキャラクターではできないよ、という人も多いでしょう。もちろんです。これは、上司のキャラクターで大きく左右されます。なので、決して全員に暑苦しくなれという話ではなりません。
上司が全員暑苦しいなんて、暑苦しいのが嫌いじゃない私でも、さすがに耐えられません……。ただ、重要なのが、スイッチがどこかを探し、把握しておくこと。
つまり、彼らが大切にしているものを上司として理解しておくことなのだと思います。黙って見守る上司でも、いつも怖い上司でも、ここはというときに、彼らの価値観に合わせた話をすることができるかということです。
そして相手のことが理解でき始めると、不思議と相手が好きになるものです。アルバイトのプライベートなんて興味も持ったことがないという人もいるとは思います。
大きな会社によっては、アルバイトの名前すら覚えたことないということも聞いたことがあります。大切なのは、相手に興味を持つこと。
これは、社員でも、アルバイトでも、まったく関係ありません。相手と関係性を築く場合は、人として相手に興味を持つことから始めなくてはいけないのです。
また、叱ることとは関係ありませんが、トラブルから会社の問題を把握して、失敗を活かすことも大切です。
今回で言えば、会社とスタッフのために飲みに行ってくれているのですから、しっかりとしたルールをつくった上で、会社が予算を出す仕組みを提案してあげることも、上司の役目なのだと思います。
それが実現できれば、彼らからの信頼も獲得できるかもしれません。
Chooseleadersamongparttimers3-6叱るときの4つのルール
私は叱るときには、必ずこの4つのルールを意識します。
①理由の説明
なぜ叱るのか、明確な理由をはっきり伝えます。叱る基準をつくるのは前述した通りです。また、論理的に理由を説明しようとすることで、冷静になれることも多いです。私は感情的に叱ることは決して否定しません。
しかし、意識して感情的に叱っているのか、感情的になってしまって、我慢できずに叱っているかは雲泥の差があります。そして、ここで重要なのが、人柄を叱るのではなく、事柄を叱ることです。
感情的になって人柄を叱ってしまってはいけません。そのためにも、具体的な事実に沿った説明をしながら叱ることで、何を叱るべきかを見失うことを防ぐのです。そのためにも、前述したような叱るべき事柄を書き出すことも非常に有効です。
②アドバイス
最近の若者は、悪く言えば、指示待ち傾向で、言われたことしかできないというのは感じたことがある人もいるでしょう。
でも、それは良く言えば、言われたことはしっかりやろうとするという意味なのです。これは素晴らしい特徴だと私は思います。叱るときにも、ここは意識しなくてはいけません。
あなたは相手のことを思い、成長して欲しいという愛情から叱っているはずです。では、その成長するための方法をアドバイスしながら叱るのです。1つのアドバイスで構いません。
彼らにしてみれば、叱られるのはわかったけど、だったらどうすればいいのか教えてくださいというのが彼らの心理です。「自分で考えろ!」はまったく通用しないことを肝に銘じてください。
また、アドバイスという行為から、あなたの愛情を少なからず感じることができます。愛情のない相手にアドバイスなどしないことは、冷静になれば誰でもわかります。そのためにも、1つでいいのでアドバイスを心掛けてみてください。
③フォロー
これは基本ですが、フォローは必ず行ってください。しかも、アフターフォローではなくその場でフォローをするのです。これが意外と難しい。失敗したら、失敗を褒める。しかし話の流れによっては、無理やりな感じが出てしまうこともあるでしょう。私も長らくやり続けていますが、どうしても無理やり感が否めないときはあります。
でも、それでもいいのです。フォローをしようとしていることが相手に伝わることだけでも意味はあるのです。フォローをしようというのは、愛情の裏返しです。
愛情がなければ、絶対にフォローなんてしません。どんなに感情的になっても、フォローをすれば、決して突き放すことにはならないのです。
フォローの一言で、相手の受ける印象がまったく変わるのです。あなたがこのセリフを言うのではなく、言われている姿を時には想像してみてください。
「期待しているから、次は頑張れよ!」逆の立場で考えれば、この一言でどれだけ救われるかが想像できるはずです。
④謝ること
最後に大切なのは謝ることです。どうしても感情的になってしまい、言いすぎたと反省することもあるはずです。私もお恥ずかしながら、たまにやってしまいます。わかっていながら、まだまだ感情的に話をしてしまい、未熟だと反省することも多いです。
そんなときの行動は極めてシンプルです。謝るのです。「言いすぎて、申し訳なかった!」文字にすると非常にシンプルなのですが、これができない上司が本当に多い。
失敗したのに部下を叱っておいて、自分は失敗したのに謝らないってどういうことなのでしょうか?私には意味がわかりません。
そんな姿を見て、部下は何を感じるのでしょうか。我々が彼らを見るように、彼らも私たちを見ていることは忘れてはいけません。
特に今の若者の洞察力は、私たちの比ではありません。観察上手な彼らは、よくあなたのことを見ているのです。プライドなのか、立場なのかはわかりませんが、何を大切にするかはあなた次第です。
でも、謝ることの大切さは、叱ることの中でも大切ですが、もっと大きなシチュエーションでも大切なので、もう少し詳しく話をさせてください。
Chooseleadersamongparttimers3-7謝ること
褒めること、叱ること、この2つに並んで大切なのが謝ることです。私の感覚ですと、褒めること、叱ること、謝ることの重要度は、5:2:3。
叱ること以上に大切なことだと感じています。最近テレビから流れてくる謝罪会見をよく目にします。それを見ると、なんでちゃんと謝れないの?なんで言い訳ばかりなの?まずは、ごめんなさいと素直に言いなさい!と思ってしまいます。
残念なことに、街中で人にぶつかっても謝らない、ごめんなさいと言えない大人が最近多すぎるように感じます。若い世代をどうこう言う前に、自分たちの常識を見直したほうがいいのではと思う人も多いです。
もちろん、私も襟を正さなくてはいけません。うちの会社では、ありがとうという感謝と一緒に、謝ることを大切にしています。年4回、社内イベントのためのアンケートを実施しています。
詳しい内容は後述しますが、その簡単なアンケートの中に、スタッフの様子を見るための項目が存在します。
「現在、業務に関して何か気になっていることはありませんか?または、担当者に話したものの、解決していないことなどありませんか?些細なことでも構わないので、何かありましたら教えてください」このような、本当に簡単なアンケート内容です。
しかし、こんな簡単なアンケートから色々な問題が浮き彫りになることもよくあります。
- 給料明細と一緒に勤務一覧表を郵送してもらえると助かります
- わかる範囲で構わないので、早めにシフトを教えて欲しい
- お客様との距離感がなかなか掴めない。どこまで話してもいいのかがわからず、コミュニケーションがうまくとれない
- キャンペーン初日や最終日の早出や遅終わりで、少しでもいいのでプラスで給料をつけてほしい。
- 会議も同様で、時間をあけて参加しているので、仕事として扱っていただきたいです。
- 交通費以外の給料が出ないなら、強制参加にはしないでほしいです
- ・○○さん、好きなスタッフだけの指導になりやすく見えるので気をつけた方がよろしいかと思います
- ・○○さんいつも本当にありがとうございますすべて過去に出てきたリアルな内容です。
簡単な会社に対する注文から、個人への不満や感謝、色々な内容が書かれています。この内容には、即座に、そして必ず対応しなくてはいけません。
万が一、対応しなかった場合は、この会社は何を言っても無駄だという判断をされてしまい、会社の信用がなくなります。ここで、私が社員に伝えているのが、対応とは3つしかないということです。
①改善する
特に理由もなく、なにかスタッフに不便をかけているのであれば、即座に改善する。そして、改善したことを報告する。
②説明する
会社にも都合があり、理由があって実施しているものに関して、理由や目的が認知されていないのであれば、しっかりとした説明をして納得してもらいます。また、ここがスタッフの利己的なものであれば、指導をしなくてはいけません。
③謝罪する
そして、ここでも謝罪が出てきます。申し訳なかった場合は、きちんと謝ること。そして、日々の仕事の中で謝れる文化をつくることが大切なのです。特に20代のときから、そのような当たり前の教育を身につけてもらうことは大切です。
彼らは素直だというのが、大きな長所です。悪いと思った場合には素直に謝れます。彼らが素直に謝れなくなってきたら危険です。
間違いなく彼らの問題ではなく、会社や上司が謝ることのできない環境をつくっているのです。20代前半の人間形成は、好む好まざるを問わず、一番の影響力を与えるのは両親だと言われます。親の価値観や教えが大きく影響しています。
前作『アルバイトだけでもまわるチームをつくろう』でも書かせていただきましたが、私が面接で一番見ているのは、どのような親に育てられたか?ここが一番知りたい情報です。極論を言えば、どのような親に育てられたかの情報だけあれば、どのような若者なのかの判断はできます。
そして、社会人になって30代になるまでの期間に上司、先輩、同僚、後輩、つまり自分のまわりにいる人たちが、人間形成において、大きな役割を担うのです。
特に上司は親と同じような影響を与えます。社会人になれば、好む好まざるは置いておいても、家族よりも上司と一緒にいる時間のほうが長いのは普通なことです。
本人の意思は無視して、必ずどこかに影響を及ぼします。人は結局、人にしか磨かれません。人は他人と接してはじめて成長する生き物です。
つまり、謝罪だけではありませんが、いい歳をした大人が、なんでこんなことができないのと感じてしまうのは、若いうちからさらに上の大人が教えていないからなのです。謝れない大人の上には、必ずその会社の謝らない文化があります。
政治家のように、謝ることと認めることが命取りになる会社、個々のプライドがぶつかり合う会社、その会社の事情も理解できますが、会社が親の代わりに教えないといけないこともたくさんあるのです。
親代わりというほど彼らと歳が離れていない場合は、自分が良き先輩であることを忘れないで欲しいものです。一般常識も同じです。彼らの素直な特徴を活かして、大切なことは早い時期から身につけさせてあげてください。
Chooseleadersamongparttimers3-8生意気な若者
アルバイト世代の特徴として、素直であることとお話ししました。ちょっと待ってくれ!うちの新入社員もアルバイトも、そんなことない。言ったことをやってくれないよ!という声もあると思います。
よく彼らを語る際に例に出てくる「会社の電話に率先して出ない新入社員」の話をベースに、彼らへの指示の出し方について書かせてもらいます。
会社の電話に出るのは、我々からすると当たり前の仕事です。そこに理由は不要です。しかし、彼らにとっては、なぜ私がやるのか?何のためにやるのか?という気持ちが生まれてくるのでしょう。
そんなの新入社員だから当たり前でしょうが、その考えは残念ですが通用しません。そこで意識してほしいのが、5W1Hの中で、Why(なぜ)と、How(どのように)を提示することです。
5W1Hとは、Why(なぜ)、What(何を)、Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どのように)のことです。
まず大切なのは、なぜその作業をするのか?Why(なぜ)についてです。先ほどの電話に出ない新入社員の場合、電話に出ないといけないのは新入社員だから?それでは理由になっていません。
正直、私も十分な理由であると思うことは多々あります。しかし、彼らにとっては理由として不十分です。おそらく、ここでなぜ?と言ってくる新入社員は、間違いなく生意気なタイプ。
先輩とか、上司とかって何?というタイプだと思われます。アルバイトの場合は、社員とか、アルバイトとか関係ないと思っているタイプです。とにかく、単調な仕事を嫌い、もっと重要な仕事をしたがるタイプです。
下積みや努力が嫌いな勘違いタイプ……間違いなく昔の私はこのタイプでした(苦笑)。基本的に素直で、おとなしい今の若者のタイプとは違う気がするのですが、一番手が焼けるタイプなので、よくたとえで出てくるのだと思います。
やりたいことしかしないで、やりたくないことはしないタイプの中に稀にいて、私の感覚だと昔からいるタイプですが、少し増えてきているのかもしれません。
最近では下積み原理主義的な考えを非難する流れもあります。
下積み原理主義とは、ホリエモンこと堀江貴文氏が若者を語るトークイベントで発言し、そして若者たちの支持を得た言葉で、下積みが絶対的に大切であるという考え方は今の風潮として古臭いと考えるものです。
確かに、堀江氏の若いときのように努力も才能も天才的なタイプであれば、必要のない考えだと思います。しかし実際は、ただ単に努力の嫌いな若者のほうが多いのも事実。
たいした努力もしていないのに、彼らは根拠のない自信を持っています。社会活動としては、その自信を開花させてあげて、社会に影響力を持つ若者を育てることはとても大切です。
根拠のない自信は見方を変えると素晴らしい力です。しかし、企業活動の中では、お給料の対価としてやってもらわなくてはいけないことも事実。そんな彼らには、まずは、その事情の説明、つまり仕事とは何かについて話すことが必要でしょう。
あなたの仕事は何か?その説明において、良い話があります。報酬の話です。仕事の報酬には3つの種類があると言われています。
- 作業フィー:読んで字のごとく行われた作業に対して支払われる対価
- マネージメントフィー:人、モノ、金、情報を管理することで支払われる対価
- 企画フィー:自らのアイデアを提案、実行することで支払われる対価
お金を稼ぐこととは、どんなことなのか?今の自分にできることは何なのか?おそらく、私の経験上、このタイプの若者の場合は、作業フィーではなくて、マネージメントフィーや企画フィーを欲しがる傾向があります。漠然と企画をしてみたい、自分を試してみたい、いきなり役職者のような仕事がしたい……。
そのときには、はっきり伝えましょう。まずは、作業フィーで自分の給料を稼げるようになってからにして欲しいと。やりたいことを希望する前に、義務を果たすこと。おそらく、ほとんどの新入社員は作業フィーにあたる領域で仕事をしているのです。
この事実を具体的に理解できていない人は非常に多いようです。私も上司に教わるまでは、仕事について漠然と考えていましたので。アルバイトスタッフには、彼らのぼんやりした仕事感を明確に説明してあげるのです。ただ、これだけでは足りないでしょう。
もう1つ、必ずやって欲しいことがあります。「君にとって」と「まわりにとって」を必ずセットにして説明をして欲しいのです。
電話の話に戻すと、電話に出ることで君にとって何のメリットがあるのか?ここではシンプルに、電話対応のスキルがつくということ。
そして、もっと重要なのがまわりにとってのメリットを伝えてあげること。つまり、どれだけまわりが助かるかを説明してあげるのです。
電話を取る行動に、意味付けをするのです。正直、そこまでしないといけないの?と思うかもしれません。私もそう思います。
ここまでしないといけないのは、前述したように、かなり手がかかるタイプです。しかし、あなたに人事権がなければ仕方ありません。開き直って、相手に合わせるしかないのです。相手によっては、ここまでしなくても当然構いません。
しかし、相手に合わせて、必要なところまで「なぜ?」を追求するのが必要なのです。また、クライアントやお客様に関わる作業であれば、お客様目線のなぜを伝えることも大切です。
我々の仕事では、クライアントの目的を的確に彼らに伝えないとクレームになってしまう場合があります。例えば、イベントスペースで、サンプルを配る作業をするとします。決してサンプルを配ることが目的ではありません。
なぜ、そこでサンプルを配るのか?そのスペースの入っている商業スペースを賑やかにし、来店してくれているお客様へサービスを行うのか?またはリピーターに対して来店のきっかけをつくるためのイベントなのか?それとも、その商品の告知キャンペーンなのか?まったく目的が違うのです。
そして、重要なのが、目的が違うと行動が変わってくるという事実。具体的に言うと、この場合に明らかに違うのが、コミュニケーションの方法です。リピーター相手なら、なるべく密なコミュニケーションで、接触機会を増やして、会話を増やすことが大切です。
商品の告知であれば、大きな声と身振りで、配っている人以外のたくさんの人に訴求をすることも大切です。目的を理解することで、おおまかな行動するべき方向性を指し示すことができるのです。
ほとんどの場合は、そのお店なのか、商品なのか、サービスなのか、何かを訴求し集客をすることが目的です。「なぜ?」この作業をするのかを知ることで、行動が変わってくるのです。
そして、2つ目に大切なHow(どのように)を明確にしてあげるのです。チラシを配るだけなら、正直、その場に置いておくのも、DMで送付するのも一緒です。
なぜ、そこに人を使っているのか?笑顔で渡すことで、まったく印象が変わってきます。大きな声で告知をして、イベント感を出すことで、チラシを受け取ってくれない人たちに訴求することもできます。
指示出しの基本、5W1Hはとても大切です。しかし、アルバイトや新入社員の彼らが忘れないようにするには、可能な限りシンプルにすることが必要です。
どんなに大切だろうが、素晴らしいことだろうが、実際に使ってもらえなくては意味がないからです。相手の立場を考慮した指示を大切にする場合は、まずはWhyとHowを意識した指示出しから始めてみましょう。
Chooseleadersamongparttimers3-9関係性のつくり方
関係性のつくり方については、方法は1つしかありません。同じ時間を共有することです。当たり前に聞こえますが、これしか方法はないと思います。
これは世代に関係なく、人と人が繋がっていくためには、絶対的かつ唯一の方法です。ただし、この時間を共有する方法については、最近は選択肢が増えてきました。
SNSでの時間の共有とリアルな時間の共有です。SNSで言えば、LINE、フェイスブック、ツイッターあたりがメインでしょう。
最近の若者の傾向として、フェイスブックに代表されるように小さな承認を繰り返し、ゆっくりと人間関係をつくっていくことが特徴だと思います。昔のように、飲みに行って、一気に打ち解けるというのは、大分減っているように感じます。
このSNSは、若者との関係性づくりに大きく役立ちます。おそらく、ここは世代に関係なく有効に感じている方も多いと思います。実際、リアルで会うこと以上にSNSを使うことで、関係性づくりを巧みにやっている人もたくさんいます。
うちの会社でも手探りではあるものの、アルバイトとの関係性づくりのために活用しています。具体的にはフェイスブックとLINEです。
しばらく続けてみた結果、スタッフとのコミュニケーション手段としては、フェイスブックは難しい、LINEは有効と感じています。
フェイスブックを個人的に頻繁に使用している私は、人との関係性づくりのツールとしては大変有効だと思っています。ただし、ことアルバイトとの関係性づくりとなると、オープンな空間であるがゆえ、アルバイトがとにかく発信しない。上司や社員と繋がることを嫌がることも多い。
繋がってしまうと、プライベートな発信も上司の顔色を伺いながらになるので、自然とフェイスブックから離れていくことがよくあります。
近年、若者のフェイスブック離れの原因は親がやっているからだと言われていますが、あれとまったく同じです。私もはじめはお客さんと繋がることに躊躇したのを思い出します。
要は、自分たちの上の人とフェイスブック上で繋がるのは、自由な発信を奪われる感覚に近いのかもしれません。そこでグループをつくって、やってみたのですが、これも盛り上がりません。
彼らはもともとパブリックな場に弱い。良くも悪くも閉鎖的です。それは、SNS上でも一緒です。おそらく、自分の知らない人がいるグループでは、なかなか発信することが苦手な世代なのだと思います。
かといって、フェイスブックの可能性がないとはまだ思っていません。一部のメンバーとは、フェイスブックで良好な関係性を築けていることも実感しています。
彼らのプライベートがある程度見えるため、リアルなコミュニケーションでの素材になりますし、気軽に我々とコミュニケーションが取れるのは、間違いなくリアルな関係での距離を近づけていると感じます。
また、彼らの体調や精神的なアラートに気づくきっかけになることも珍しくはありません。「フェイスブックで見たけど、大丈夫?」こんな会話でも、自分は見てもらっている、自分は心配してくれていると感じられ、関係性が良好になるものです。
また、辞めてしまったアルバイトとの関係性を繋ぐツールとしても有効です。実際、弊社のアルバイトを辞めてから、フェイスブックをきっかけに、数年後に戻って来ることもあります。
また、就職した彼らとビジネスの話で再会するというのも何度もあります。途切れてしまいかけた関係性をどこかで繋ぎとめてくれるツールとしては強力なツールです。
個人差が激しいので、会社の仕組みとして取り入れるのは微妙ですが、一部のメンバーには有効であるので、フェイスブックはやったほうがいいと思います。
ただ、申請はこちらからではなくて、気軽に相手から来るのを待つのが大切かもしれません。しかし、LINEは間違いなく有効です。
弊社でも幾つかのグループをつくって利用しています。全社員共有のトークから、幹部トーク、担当社員とアルバイトのトークも活発に利用されているようです。
最近では、ビジネスにおけるLINEの有効活用が雑誌などに頻繁に出てくるようになりました。LINEを利用する際は、より閉鎖的なものにすることが大切だと思います。
彼らが安心して自由に発信できる環境をつくることが必要です。まずは、業務的な報連相ツールとしてのきっかけで始めるのがベストでしょう。
業務用でありながら、LINEの特性から、その中でスタンプが自然と利用され始めます。使用されない場合は、こちら側から積極的にスタンプを利用していけばいいと思います。
気がつくと、業務以外の些細な話でも、楽しくスタンプを使いながらコミュニケーションが取れるようになるまで、あまり時間はかからないでしょう。
自分のキャラクターとして、スタンプは使えないという方もいるかもしれません。無理にご自身のキャラクターを変更する必要はありません。でも、可能な限り彼らに歩み寄ることが大切なのは前述した通りです。
Chooseleadersamongparttimers3-10話しを聞くことと、聞きにいくこと
リアルな時間の共有については、大切なのでここで考えてみたいと思います。ここについては、私は大きな失敗を何度か繰り返してきました。お恥ずかしながら、最近やってしまった失敗のお話をしましょう。
2年前、とあるフランチャイズ店舗をオープンさせました。店長として抜擢したのは、21歳の新人店長。
経験はないものの、前向きで素晴らしい若者でした。開店当初は私も頻繁に店舗に通っていたものの、一段落して私の訪問回数は少しずつ減っていきました。具体的には2週間に一度のペースくらいだったでしょうか。
フランチャイズ本部とのトラブルが大きな原因で、若干この事業自体に懐疑的な気持ちになり、あまり情熱を傾けられなくなったというのが正直な気持ちです。
ただ、店舗の彼には、そんなことは関係ありません。担当者の私がそんな気持ちなので、当然売上も伸びずに1年後に閉店となりました。失った金額も非常に大きかったですが、それ以上に失った信用が一番大きかった。
売上が上がらなかったことで、彼を責めたことだけは自信を持ってなかったと言い切れます。それでも、彼は店舗の閉店とともに会社を去っていきました。
最後に言われた言葉が印象的でした。「ずっと孤独でした……」彼は決して1人で働いていたわけではありません。社員もアルバイトもいました。
しかし、辛いとき、うまくいかないときに誰も救いの手を差し伸べてくれなかった気持ちが強かったのです。正直、なんでそんなに苦しいのに相談してくれなかったのとも思いました。
そんなところまで、今の若者は指示待ちなのか?申し訳ない気持ちと同時に、どこかで彼を責めている自分もいました。でも、そんな思いをさせて本当に申し訳なかった。
私の立場で言えば、ここに言い訳はできません。この気持ちに嘘はないので、反省と自己分析を試みました。どのような時間の共有をすれば良かったのか?過去の数々の失敗と含めて考えて、そこで気づけたことがあります。
共有する時間を分けて考えること。つまり、共有する時間の「量」と「質」を分けて考えることが大切だということです。そして、話を聞くとは、こちらから聞きに行かなくてはいけないということです。
おそらく、店長のようにアルバイトと一緒の場所で働く人であれば、ある程度の量は確保できると思います。自然と話を聞くことができると思います。
多店舗運営しているような会社の場合でスーパーバイザー、エリアマネージャーという立場の方は、巡回という手段で確保が必要です。
具体的な回数としては、可能であれば3日に1回、少なくても週1回というのが目安かと思います。これは、1対多数の量の時間。ここで大切なのが、質の時間を確保すること。1対1の時間です。
昔であれば、2人でサシ飲みに行くこともありました。話を聞きに行くのです。腹を割って話そうぜと言って、以前であれば飲みに誘うこともよくありました。
しかし、最近の若者は、程よい距離感を大切にする人も多い。さらにお酒すら飲まない人も多い。そんな彼らにとって、飲みが最良の時間になることはありません。
私のまわりは、意外と飲みニケーションが好きな若者が多いのも事実ですが、相手によってプラスにもマイナスにもなるということです。
そもそも忙しいあなたの場合は、飲みに行く時間なんてないかもしれません。ここで大切なのが、「面談」になります。1対1の面談が今の若者との時間の共有には必須であるということなのです。
少し話を戻すと、相談しない彼らを責めるのはナンセンスです。どんなに門戸を開いても、受身な彼らは相談ができないことも多いのです。できないものはできないのです。そこに理由はありません。
それなら、相談できる仕組みをこちらがつくり出すことが唯一の方法なのです。こちらから、情報を取りに行かなくてはいけないのです。これは、社員はもちろん、アルバイトにも絶対有効です。
北海道で100社100事業をつくると公言して、現在50社130億にまでなっているヤマチユナイテッドという会社があります。
公私ともにお世話になっていて、多角経営の我々がベンチマークさせてもらっている会社さんです。こちらの山地社長が言っていたのが、どんなに組織が大きくなっても、どんな組織が増えても、ほとんどの問題は面談を定期的にしていれば見えてくるという言葉でした。
個人と個人の密な時間は絶対に必要なのです。ただ、社長の場合はアルバイトと面談することは不要です。関係性をつくるべき人が、定期的に面談をするのです。
特に今の若者は、パブリックな場所では、なかなか自分の意見が言えない傾向があります。会議の場でも、本音を言えないことが多いものです。以前は、私も発言しろと言っていたこともあります。強制的に発言させることは今でもあります。
でも、強制的な発言から、良いアイデアや本音が出てくることは少ないものです。面談の内容に関しては、色々な会社に聞きましたが、各自バラバラでした。私的な話から、業務の話しかしない会社まで様々です。
クローズドな環境で、相手に合わせたコミュニケーションをとっているのだと理解しました。ただ、月に一度は面談という形で、上司または担当者が1対1のコミュニケーションをすることの重要性は間違いないようです。
定期的なメンテナンスが人には不可欠です。水をやりすぎると腐る、でも水をやらなくても腐る。もし、あなたの会社、あなたの部署では定期的な面談が行われていないのであれば、お勧めします。若者に対するあなたの誤解もなくなるかもしれません。
Chooseleadersamongparttimers3-11おしゃべりな職場づくり
最後に、今どきの若者向けの環境づくりについて考えてみましょう。
コミュニケーションを取るための環境づくりになります。個人もチームも環境に大きく左右されます。そのため、職場環境について考えたいと思います。あなたの仕事場の環境は、どうでしょうか。
会社やお店の環境は、その会社によって大きな違いがあります。おそらく会社の数だけ千差万別の職場環境があることでしょう。どれにも不正解はなく、色々な条件や雰囲気があっていいのだと思います。
ただし、働く人たちの多くが働きやすい、心地が良いと思える職場環境ではなくてはいけません。これができていないと、離職率がどんどん上がるのは目に見えています。離職率が高い会社は、100%職場環境が悪いのは間違いない事実です。
ただ、この環境には、お給料や福利厚生のような物質的な環境と、職場の雰囲気や人間関係のような精神的な環境の2種類があります。
前者の物質的な職場環境には、会社の取り決めが絡んでくるため、みなさんが経営者でない限りなかなか環境を変えていくのは難しい作業になります。
しかし、職場の雰囲気や人間関係のような精神的な職場環境に関しては、間違いなくあなた自身でつくり上げることが可能なのです。会社すべてを変えようなどと考えなくていいのです。あなたのまわりを変えるだけでいいのです。
それではどのような職場づくり、店舗づくりを目指すべきでしょうか。シンプルに考えると、おそらく社員、アルバイトに関わらず、働く人の多くが理想とする職場を目指すのが間違いないと思います。
それには良い話があります。先日、「ディズニーの神様シリーズ」でベストセラーを出した鎌田洋さんの講演を聞かせていただきました。
鎌田さんは、ディズニーランドの教育システムを作った方で、現在全国各地でCS(顧客満足)やES(従業員満足)について講演されています。
私もセミナーに参加させていただいたのをきっかけに、公私ともにお世話になっている大先輩です。その鎌田さんの講演では、必ず会場でこの質問をします。「みなさんはどんな職場で働きたいですか?」この質問に、必ず出てくる3つの答えがあるそうです。「明るくて、楽しくて、言いたいことが言える職場」納得です。ほとんどの人がこんな職場だったら嫌だとは言わないでしょう。
抽象的だと思いますが、おそらく多くの人が目指す理想的な職場です。いやいや、店舗では、お客様の前に立つ仕事なので、緊張感を持ってもらわなくてはいけないというところもあるでしょう。もちろんです。
ここでの職場とは、ワーキングスペースの話だけでなく、休憩スペースも入れたすべてです。お客様の前はステージとして、しっかり役を演じきり、それをサポートするチームすべてを職場と考えるのです。
その職場で明るくて、楽しくて、言いたいことが言える環境を目指すには何が必要なのでしょうか。楽しく働ける仕組みづくりや、それを大切にする理念等、色々と必要なものはあると思います。
ただ、私が経験してきて、簡単に明日にでも始めることができるものがあります。それはおしゃべりです。真面目に言っているのかと、怒られてしまいそうですが、至って真面目です。
職場では積極的なおしゃべりが必要だと思っています。私はフリーター時にたくさんの会社や店舗を見てきましたが、アルバイトも社員も含めて、おしゃべりの少ない会社の離職率は非常に高いのに気づきました。
自分自身が、そのような会社だと「ここにいたくない」と感じることも多かったものです。忙しすぎて話す暇がない会社や、人間関係が微妙で会話が少ない会社はもちろん、会社の風土として、コミュニケーションが少ない会社に明るさや楽しさは感じないのは当然。
どんな形であれ日頃のコミュニケーションがやはり大切なのです。特に今の若者には、反抗期がないと言われています。親子関係は常に明るく、親とも友人のように接するという話を聞いたこともあるはずです。
そんな彼らが、仕事をきっかけに、人によっては家にいるよりも会社にいることが長くなることもある。家庭の中に人間関係のストレスがなかった彼らが、職場の中でストレスフルな環境に長く耐えるのも無理な話です。甘いという意見もあるかもしれません。
しかしながら、私たちの時代とは、スタートが違うだけなのです。あとは仕事の中で、いくらでも強くなっていくものです。私に言わせれば、結果も出ていないのに、状況を変えようとしない上司のほうが、立場に甘えていると言いたくなります。
話す内容は何でも構いません。雑談でもいい、いやむしろ雑談のほうがいいでしょう。積極的な会話が職場を明るく、楽しくし、日頃からの関係性をつくることで、いざというときに言いたいことが言えるのです。
私語ができない職場では、休憩スペースの環境が大切です。しかし、可能であれば、ワーキングスペースでも積極的なおしゃべりを推奨します。特に私が勧めたいのが、店舗での仕事の場合です。
飲食でもアパレルでも、店舗で働いている方々には、非常に意識して欲しいと思います。たくさんのお店でアルバイトをして思うのは、店舗によって、この雰囲気がまったく違うこと。
そして、間違いないのは、その空気感は店長によって大きく左右されているということです。お客様がいる目の前では、もちろんNGですが、仕事の合間や前後になるべく多くのスタッフと会話をすることは、店長の仕事として重要なのです。
積極的に声をかけるのが、必ず店長がやらなくてはいけない仕事といっても過言ではありません。私はこれに気づいてから、積極的に雑談をしました。弊社の場合は、オフィス作業なので、その雑談が社員やパートの邪魔をすることも当然あります。
しかし、空気を読めば、ある程度の邪魔よりも、職場の空気を明るくするほうが何倍も大切なのです。現場でも同じです。イベント会場やサンプリングの現場。お客様がいないときは、とにかく話すことを意識していました。
ディレクターにも、暇なときは、どんどん話しかけるように指示を出していました。現場の空気や気晴らしをしてあげるのもディレクターの仕事だとよく話したものです。ちなみに弊社の離職率は、業界では断トツで低いと言われています。
アルバイトについてのデータはありませんが、社員のES(従業員満足度)については、先に出てきた行動科学にサーベイという従業員満足度を計測するものがあります。
この結果では、中小企業では見たことがないくらい、非常に高いものだったと言っていただきました。我々中小企業では、福利厚生などの物質的な環境整備は容易ではありません。
しかし、ほんの少しの気遣いや努力で、職場環境は間違いなく変えられるのです。ましてや、あなたが店長やリーダーという立場である場合、会社の物質的な環境の変更は難しいかもしれません。
しかし、このくらいの努力なら誰にでもできるのです。そして、予想以上に効果が大きいのです。これは、必ず覚えておいて欲しいのですが、社内の人間関係のイニシアチブ(主導権)は、ほとんどの場合、上司が握っているのです。
特に上下関係がはっきりしやすいアルバイトとの関係は、100%社員であるあなたがイニシアチブを握っています。あなたが不機嫌な顔をして働いていれば、まわりも不機嫌になります。
あなたが笑顔で働いていれば、まわりも明るくなるのは当たり前です。職場を明るくするのも、暗くするのもあなた次第ということです。あなたは、今の職場をどんな職場にしたいですか?あらためて考えてみてください。
Chooseleadersamongparttimers3-12若者が思う、若者の長所と短所
現在の20代、つまりゆとり世代と呼ばれる彼らについての特徴を考えてきましたが、本人たちはどのように感じているのでしょうそんな疑問をもとに、弊社の20代アルバイトスタッフ100名にちょっとしたアンケートを実施してみました。
簡単に長所と短所についてご紹介しましょう。
「自分たちから見て、ゆとり世代の特徴はなんだと思いますか?」
【長所】マイペース・無理をし過ぎない/好きなことは一生懸命取り組む/ゲーム・PCに慣れている・デジタルネイティブ/自由・多くのことに柔軟/塾通いに慣れている/自分から勉強しようとする/協調性がある/何事も時間をかけて、丁寧に行う/穏やか・キレにくい・物腰がやわらかい・優しい・真面目・従順/将来に楽観的・焦りがない・追われていない/自分の個性を大事にする/考えがオープン・発想が豊か/まわりの人たちのことを考えられる人が多い/仲間意識が強い・団結力がある/理由がわかれば頑張る/無難に立ち振る舞うのがうまい
【短所】競争心が足りない/自己主張が苦手・自己主張が極端に強いか弱い/考えて行動する力が欠けている/なぜ注意、指導をされているのかわからない人が多い/マイペースで協調性に欠ける・空気が読めない人が多い/指示待ち・主体的でない・能動的ではない・面倒くさがり・自分から考えない・人任せ/将来に危機感がない/一人でいると静かで、群れると騒がしい/熱心、夢中になれるものが少ない/メンタルが弱い・打たれ弱い・根性がない・耐える力が弱い・あきらめるのが早い/挑戦や冒険をあまりしない・勇敢ではない/段取りが苦手/飽きやすい・物事に集中できる人が少ない・継続が苦手/敬語が苦手・一般常識を知らない人が多い/家族・先輩に甘える人が多い・甘ったれ/学力の低下・非ゆとり世代と教育格差がある・教養が足りない・情報や知識の差を感じる/人から学ぶ時間が少ない/対面コミュニケーションが苦手/長い文章を書くことが苦手(メールやチャットが多いから)/高い目標を掲げない・ある程度のレベルで満足する
かなり簡単に記載させてもらいましたが、思わず納得してしまうものから、苦笑いしてしまうものまで様々な意見をそのまま書いてみました。
私の感想としては、やはり、自己分析が良くできている印象です。良くも悪くも客観的に物事を見ることができているとも思います。特徴としては、長所よりも短所の記載が圧倒的に多かったことが気になりました。
冷静な自己分析が得意な分、自分たち世代に自信がないことを感じて、自己主張や弱さ、メンタルの弱さに繋がっているのではないでしょうか。
我々の役目としては、成功体験と褒めることで自信をつけてあげるということは、やはり大切だと思いました。そんな彼らに、自分たちの世代を自分が教える場合のことを考えてもらいました。
「もし、あなたがみなさんの世代に仕事を教える立場になった場合、どんなことに気をつけて教えますか?また、有効なアイデアがあったら教えてください」
【答え】
・何か作業を教えるときは「やってみせ、言って聞かせ、させてみて」の徹底
・私たちの世代に足りないのは「一を聞いて十を知る」ことなので、できない人がいたのならば、すべてを教えなくとも、できるようになれるようにサポートして導くことが大切
・一を教えて十のことをやってもらうのは無理。
八か九を教えて十できたらラッキー・私のまわりだけかもしれませんが、自分で考えて、どうしようか決めることができない人が多いと思うので、まずは基本的なところはすべて教えます・簡単なことしか教えられてないので、自分の知っている範囲で詳しく教えてあげる・あなたのことが必要ですと、わかりやすく教える・当たり前になんでもわかっているとは絶対に思わないで細かく教える・仕事は見て覚える、盗むという感覚が養えるように意識させる・良い所を見つけ基本を伸ばし、怒るところは怒る・できないことをただ叱るのではなく、なぜできないのか、何がわからないのか聞いた上で、できることがあればアドバイスをする・叱るより賞賛や褒めることを多くする・やんわり教える感じが良いと思う・普通という感覚を捨てて教える・目的と目標を伝える・あまり否定的なことは言わない・褒める→叱る→褒めるのサンドウィッチが良いと思う・現代の子にわかりやすいようにイラストにした一般常識本を読んでもらう・少しのストレスでネガティブな捉えかたになりやすいので、注意よりもアドバイスという視点で伝える・楽しませることが一番の近道・とりあえず内容はどうであれ、相手の言い分に口をはさまず最後まで聞く
・まず、話を聞いてあげること。
どんな環境に置かれていて、なぜここで仕事をしているか?・経緯をくみとってあげること。
そしてその人に合った指導方法を探し、最初のうちはコミュニケーションを大事にし、課題を提示し、考えてもらう時間をつくる。
人によって厳しさの度合いも調整する。愛情や優しさを忘れなければ必ず伝わる・あまり責めない。
個性を大切にしてあげること・怒られることに慣れていないので、叱るときは本人の良い所もあげ話してあげる・定期的な研修等、密なコミュニケーションをとる・相手に合わせてフレシキブルな対応をするざっとこんな感じでしょうか。
ご覧のように、目立つのが「事細かに仕事のやり方を教えて欲しい」「褒めて伸ばす」という2つでした。特に細かく教えてほしいという点は、数年前に別の意図でとったアンケートも同様でした。
当時のアンケートは「あなたにとって、働きづらい現場はどんな現場ですか?」という問いに、一番多かったのが、具体的な指示が少ない現場という回答でした。
我々の感覚だと、細かすぎる指示やマニュアルなどは面倒に感じてしまうのですが、彼らはまったく逆なのです。マニュアル世代・ゲーム世代と揶揄されるだけあって、事細かな指示ややり方を教えてもらうことを欲しているのです。
このことは、現在の若者に対する指示の出し方の基本であり、最も大切なことだという認識を持つのがいいと思います。仕事は見て覚えるものだ。現場の実践で覚えて欲しい。
たしかに私の世代も、そんな風潮があったので気持ちはわかります。しかし、それは昔の話。残念ですが、彼らに我々が合わせていくのが、一番の近道なのです。それが時代の変化に合わせていくことだと、割り切ることが大切なのです。
しかしながら、今のあなたには教える時間はありません。だから、そこは開き直って、できることから始めるのです。完璧な準備をして何かを始めようとするのではなく、今できることから始めることのほうが、ずっと大切なのです。
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