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Chooseleadersamongparttimers2優秀なバイトリーダーを見極めよう!

目次

Chooseleadersamongparttimers2-1私が重視している2つの能力

仕事を任せるためには、任せられる人を育てることが大切です。しかし、人の成長速度がまったく違うのも事実。より効率的に育てるためには、優秀な人材を見極めることが大切です。

それには、面接から優秀な人材を見極めることを始めて欲しいのですが、あなたが面接を担当するとは限りません。面接は本社実施で、採用された人材が店舗に送られてくるというお店も多いと聞きます。

そのため、今回は今いる人材から優秀な人を見極める方法を考えます。あなたのお店に5人の東大生が働いてくれていると考えてください。

学歴を重視する人にとっても、これなら最高の人材が集まっている状況です。その5人の中で、リーダーを1人選ばなくてはいけないと想像してください。

あなたは何を基準にして、リーダーを選ぶのか?この基準をはっきりさせるということです。まず、人材の能力を測る場合に、学歴を考える人も多いでしょう。

実際に東大生が5人いるということもありえないので、学歴と仕事について、まずは考えてみましょう。学歴と仕事においての優秀さについては、賛否が分かれることでしょう。

調べてみると、ある調査では、7割の企業が関係あると答えていたり、別の調査では7割が関係ないと答えたり、意外と答えが分かれることに驚きました。

弊社では一橋大学院卒業の社員から高卒社員まで、幅広い学歴の人材が働いています。アルバイトの学歴に関して言えば、もっと幅が広くなります。そんな彼らを見てきた私の感想としては、基礎能力と学歴は大いに関係あると思っています。

知識はもちろん、集中力、記憶力、実行力、計画力、理解力、作業処理能力などの面では高学歴のほうが優秀な人材が多いことを実感します。勉強するという努力をして、結果を残してきたというのは、客観的に見て大きな証明だと思います。

ただし、それは基礎能力に限っての話です。その先で学ぶことを怠ると、その人の成長はありません。特に、勉学のスキルと仕事のスキルは違います。

社会人となって必要になる能力は、コミュニケーション能力、人間関係の構築力、主体性、人間力、発想力、問題解決力などがどんどん追加されていきます。

仕事内容によっては、この能力だけあれば十分なこともあります。言い換えれば、これは学歴がなくても、たくさんの人が持っている能力です。先天的な能力とも言えるでしょう。

しかし、私の知る限り、社会で優秀な人たちは、この先天的な能力さえも、学ぶことで磨いています。中卒でも高卒でも、優秀な経営者やビジネスパーソンはたくさんいます。

彼らの共通点は必ず大人になってから、貪欲に学びを大切にしているということです。高学歴で優秀な人たちは、更なる学びを真摯に続けている人たちなのです。

会社の中で学ぶのか、外で学ぶのかは人それぞれですが、100%学ぼうという姿勢を持っていることは間違いのない事実です。この真摯な姿勢を私は「素質」と考えています。成長をする可能性が「素質」だということです。人は必ず成長します。

しかし、育つ人材となかなか育たない人材がいるのも事実です。この違いは「素質」で大きく変わるのだと思います。その素質に経験が追加されて、人は成長していきます。

優秀経営者やマネージャーに共通するのが、良くも悪くも圧倒的な経験がその人を大きくしているということです。特にたくさんの失敗をしている人が多いのです。

今回は、経験のない人たちからの人選です。言い換えれば、これから経験する数々の体験を、より活かせる人を選ぶことです。よって、何をもって優秀とするか、優秀の定義を決めないといけないでしょう。そこで今回は、アルバイトリーダーとしての素質を持つことを優秀とすることにします。具体的には次の4つです。

◇性格的素質(人物評価)・素直さ・責任感

◇能力的素質(能力評価)・コミュニケーション能力・段取り力

本書の目指す優秀なアルバイトとは、あなたの代わりに、マネジメントまでこなしてくれる人材を目標とします。特にアルバイトマネジメントでは、作業能力は難しいことを求めないのが、社員をマネジメントすることとの違いです。

ただし、リーダーとして、人より早い成長を求めるためには、能力も必要です。人を見極める基準には、人物評価と能力評価の2つがあります。

人物評価とは、その人の持つ性格や資質に対する評価。能力評価とは、その人の持つ職務能力に対する評価です。通常のアルバイトの採用では、一部の特殊能力を必要とする仕事以外は、人物評価だけで採用を決定します。

そこが社員採用と大きく違うところです。その中で、重視しなくてはいけないのが、「素直さ」と「責任感」。これだけ持っていれば、アルバイトスタッフとして十分であり、この2つの素質が高い人ほど、成長は早いのです。プレーヤーとしての能力を見極めるよりも、内面性を見極めることが大切なのです。

しかし、今回はその中でも、リーダーとして成長が早い人を見つけなくてはいけません。そのために、私がリーダーとして重要視している2つの能力をあげてみます。

欲を言えば他にも見たい能力はありますが、まずは「コミュニケーション能力」と「段取り力」、この2つの能力が欲しいところです。プレーヤーとしても、マネージャーとしても共通して必要な能力です。それでは具体的な話をしていきましょう。

Chooseleadersamongparttimers2-2会話から見えてくるもの

では、東大生5人からリーダーを見つけてみましょう。シチュエーションとしては、この5人はあなたのお店に来たばかり。まだ会話もしていないので、人となりは全く不明のメンバーです。おそらく、この5人と話をすることからあなたは始めるのではないでしょうか。

コミュニケーション能力を知るには、自分が話してみることが一番です。ただし、会話の中で何を見るかが重要です。まず、私が見るのがノンバーバル・コミュニケーションです。

コミュニケーションには、文字や言葉による「バーバル・コミュニケーション」と、言葉を使用しない非言語の「ノンバーバル・コミュニケーション」の2つがあります。

ノンバーバル・コミュニケーションとは、見た目や身だしなみ、表情や視線、声のトーンや大きさ、テンポのことを言い、相手の印象を大きく決定づける要素です。

お客様との接客がメインとなる仕事の場合、話すスキルであるバーバル・コミュニケーションを重要視しがちですが、お客様への印象を考えると、実はより必要なのは相手の印象を決定づけるノンバーバル・コミュニケーションのほうなのです。

そのうち、私が今回重要視するのが、「聞くスキル」と「身だしなみ」の2つです。アルバイトリーダーとなった場合、明確な指示を出すために話す技術を求めたくなりますが、今回は違います。

本来、社員面接のような長期的な人選をする場合であれば、印象よりも論理的な思考能力や、それを言葉にできるコミュニケーション能力を見ることの方が大切でしょう。

しかし、今回のように、アルバイトリーダーを見つける場合は、難しいことを考えるよりも、はじめから好印象があり、華のあるタイプを見つけるほうが、本人とまわりの短期的な成長を考えるといいと思います。

リーダーを見つけていく作業において、少々暗くて慎重な性格の人も、長期的には堅い仕事ができる良い人材であることも多いのですが、今回は短期的な人材の育成を急務と考えているので、まわりに安心感を与えられるわかりやすいタイプを選んだほうがよいという判断です。

まわりに良い影響を無意識に与えられるタイプとも言います。そのために必要なのが、まずは聞くスキルになります。

  • 相手の目をしっかり見ているか
  • 話の内容に合わせて表情をつくれるか
  • ほどよく(10秒に1回程度)目線をずらしているか
  • ほどよく相槌を打っているか。

毎回の軽い相槌は逆効果・声と頭の両方を使って相槌ができているか・メモを取っているか・復唱をしているか。

相手の認識のずれを確認できるか・自分に求められていることと、その他不明な点を質問できているか以上のチェック項目の確認をしながら、相手と会話をするのです。

そして、重要なのが、すでにこのスキルを身につけているかということ。まだ関係性ができていない現段階では、相手は必死に相槌を打ち、話を聞いていることを、一生懸命表現しようとするはずです。

この時点でそれができないというのは、少々時間のかかるタイプだと思ってよいでしょう。ノンバーバル・コミュニケーションも意識をすることで改善はできるものです。しかし、現段階で意識して、それが表現できていないということは、不器用なタイプと言わざるを得ません。残念ですが、今回の選考からは落選です。

身だしなみも同様です。良くも悪くも若いうちは、内面よりも外見に意識を使うものです。若い人材のチームをつくる場合、やはり相手のファッションや身だしなみを見ることは間違いありません。そこには、かっこいい、かわいいという共感が関係性をつくる大きな要素の1つです。

0からのチームづくりである今回は、最低限の身だしなみで好印象を相手に与える人材を選んだほうがいいでしょう。無意識に相手に印象を与えるということは、大きな武器になるのです。

Chooseleadersamongparttimers2-3合コンの席で見えるもの

もう少し、彼らの会話を聞きながら、コミュニケーション能力を見てみましょう。コミュニケーション能力とは、話す力と聞く力の複合的能力です。

相手の話す力は、おそらくあなたが話した印象でシンプルに評価していいと思います。わかりやすいか?感じが良いか?あなたが受けた印象を、そのまま評価にしてください。

もう1つ、グループで話をしているときに、必ず見て欲しいのは、その場の空気をつくれることと、その場の空気を読めること。このバランスを見てください。

具体的に言うと、話の内容ではなく、話す時間と聞く時間のバランス、そしてその会話のきっかけをつくる頻度を見るのです。

合コンで例えてみましょう。自分の話をしてその場を盛り上げることができる人は多いでしょう。このタイプがその場の空気をつくれる人です。

リーダーとしてチームを引っ張るためには必要な能力だと思います。ただし、このタイプが組織のリーダーに向いているかというと、それだけでは足りません。

話をしながら、同時にまわりの空気を読めることが一番大切なのです。自分の話ばかりして、女性または男性が飽きてきていることにも気がつかず、話を長々と続ける人は間違いなく場の空気を読めるタイプではありません。

空気が読める人は、まわりの様子から空気を感じて、すぐに相手に話を振れる人です。この空気が読めないタイプは、我々年配者に多い傾向があります。

このタイプを飲み会の場で分析してみたところ、小さな会社の社長さんや、組織を持たないお偉いさんなどリーダーではあるものの、人の話を聞くことがあまりないタイプに多いようです。

プレーヤーとして優秀で、組織をつくるのにあまり興味がないタイプとも言えるかもしれません。逆にある程度組織を動かしている人は、相手に話を振るのが本当にうまい。

話す時間と聞く時間のバランスがとれていて、空気を読み、まわりに上手にパスを出します。わかりやすくするために、合コンに例えてみましたが、集団で話すときには見えてくるものもあるのです。

これは意識していないと見えてこないものです。言い換えれば、アンテナを立て始めると、今まで見えてこなかったものが見えてくるのです。是非、自分なりのアンテナを立ててみてください。

Chooseleadersamongparttimers2-4素直さを見極める

素直さを見極めるのは、非常に難しい作業です。正直に言うと、しばらく付き合うことが必要だとは思います。とは言え、私がここで目安にしていることもあるのでお教えします。

それは、その人と親との関係です。最近の若者は、素直だとも言われています。反抗期のなかった若者も多いのです。やはり、親との関係を聞くことで、ある程度の予測はできると思います。20歳までの人間形成は、親の影響が大きいことは間違いありません。

実際に、私の面接では、どんな親御さんのもとで育ってきたのかを探ります。ただし、面接では親の職業などの質問は厚生労働省によって禁止されているので、過去にフォーカスした質問などで探るのです。過去の思い出などを聞き、相手から親の職業や家庭の話が出てくるようにします。

今回の場合は、面接ではないので、反抗期があったか?親とは仲が良いのか?それは昔からかと聞いてみるのもありでしょう。また、独自の質問を探してみるのもお勧めします。私の場合、最近では「才能心理学」という心理学的な質問を使っています。

この才能心理学とは、北端康良さんが実践する、相手の才能が生まれる心理メカニズムを体系化した心理学です。その卓越した理論に感動して、私もファシリテーターとして学びに行かせていただいたことがあります。才能心理学では、3つの質問で人の本質を見抜きます。

  • 20歳までのあなたの人生に何があり、何がなかったのか?
  • 何に好奇心、問題意識を持っているか?
  • どんな人が気になるか?

このメソッドの説明は、ここではさすがにできないので、興味がある方は北端さんの書籍をお勧めしますが、この設問でわかるとおり、過去と現在を探る質問になっています。

つまり、現在の人となりや強みを見極めるには、やはり過去を探る必要があるのです。ここを意識して、自分なりの方法を考えてみてはいかがでしょうか。

Chooseleadersamongparttimers2-5責任感がよくわかる2つの質問

次に、責任感を見極める質問は2つです。私は必ずこの質問をアルバイトスタッフにしています。

①「今までの仕事で一番失敗したことを教えてください」

もし、仕事の経験がない場合は、部活やサークル活動の中での失敗で問題ありません。

コミュニティーの中で自分の失敗が誰かに迷惑がかかる環境であったことが大切です。具体的な聞き方として、はじめに今までの一番の成功体験を聞きます。失敗体験を聞くための前段階のような役割です。

もちろん、ここから見えてくるものもあります。この成功で何を学んだか?そして、まわりに感謝ができているか?必ずその成功には、誰かの協力があります。

親なのか、仲間なのか、先輩後輩なのか?そこに気づき、感謝ができる人のほうが、素質があると言って間違いないでしょう。ただ、先ほど伝えたように、この質問は次の質問をスムーズに進めるためのステップです。

成功体験よりも失敗体験のほうが人を成長させます。そして、一番の失敗を聞くのです。アルバイトの経験が豊富な若者であれば、たくさんの失敗があるはずです。

アルバイト初心者であっても失敗がないことなど考えにくいのです。ここで一番残念なのは、「失敗はありません」と胸を張って言ってしまう人です。

これは失敗に気づけない人か、自分の失敗を人のせいにしている可能性が高い人でしょう。残念ですが、リーダーとしては失格です。

反対に良い例としては、

  • 失敗を人のせいにせず、自分の責任として認識している人
  • その失敗は誰に迷惑をかけたのかということが、客観的に理解できている人
  • その失敗をどのように解決し、そしてどのように活かしたか

が語れる人ここまで、自ら語ることができれば完璧でしょう。

成功よりも失敗のほうが圧倒的に重要です。失敗を繰り返し、その度に何を学び、何を活かすかで人は成長するのです。私も再度、肝に命じたいと思います。

②あなたの人生は今までツイていましたか?

この質問も、私が面接時に必ずする質問ですが、今回のパターンにも非常に有効でしょう。この質問でも、その人の責任感が垣間見えてくるのです。答えは大きく分けて2つです。

・「ツイていたと思います」

おそらく、この答えが一番多く、普通と言ってもいいでしょう。年齢に関係なく、ツイていないと思うような不運なことは誰にでもあるものです。仕事に関わらずプライベートなことを考えれば、大小合わせてたくさんあったと思います。それでも、その1つひとつを乗り越えて、前向きに過ごしているのが普通なのです。私の感覚では、8割の人がツイていたと答えているように思います。

「どちらでもないと思います」「正直わかりません」。

この回答も1割くらいあります。現在、大きな悩みや苦しみを抱えていることが考えられます。自分の中で葛藤している最中なのでしょう。苦しみながら、前向きに進もうとしているのが見受けられるので、温かく見守ってあげていいでしょう。

・「ツイていなかったと思います」問題なのはこの回答です。

残りの1割の答えです。正直に言うと、面接の場合は、私はこう答える人は採用しません。リーダーとしてという意味ではなく、スタッフとしても採用はしません。自分のことをツイていなかったと答えてしまう人は、必ず過去に大きな辛いことがあったのは間違いないでしょう。

もしかして、現在進行中で苦しんでいるのかもしれません。その苦しさは、どれだけのものかは、私にはわかりませんが、非常に苦しい経験なのだと思います。それを否定するつもりはまったくありません。ただ、残念なことに、その辛い出来事を運というもののせいにしてしまっていることが問題なのです。

ここに責任転嫁があるからです。責任転嫁は責任感の欠如なのです。おそらく、このタイプの人は、何か起きたときに、運だけでなく人のせいにしてしまう傾向があるのです。特にリーダーとしては、絶対にしてはいけない行動です。

実は私も若いときは、このタイプでした。恥ずかしい話をしますが、中学高校と家庭内暴力をやっていたのです。中学では母親、高校では父親に対して、大きな喧嘩がある度に手をあげてしまった自分がいたのです。

そのときの心理状態は今でも覚えています。親に手をあげる子供の気持ちは、とても複雑です。単純な怒り以上に、毎回切なさや悲しさで苦しくなるのです。自分の人生が嫌になってしまうときも何度もありました。

正直、今思い出すだけでも辛くなります。しかし、そのときの私は、この辛さをすべて親のせいにしていたのです。もちろん、うちの親にも問題がなかったとは言いません。

しかし、それと自分の行動を一緒にするのは、やはり違ったのです。どんなに辛くても、そんなことをしていない人は世の中にはたくさんいるのです。結局、自分の行動の正当化のために、親のせいにしていた自分がいただけのことなのです。

ただ、今では本当に仲がいいので、思い出話にすることができました。私の場合は、まわりの友人の助けや、なにより当人である両親が大きく変わる姿を見せてくれて、自らを変えることができました。

今では、本当にこの両親に生まれてよかったと心から言えます。人は変われることを教えてくれた両親を尊敬しています。やりきれないほどの悲しいこともあるでしょう。辛いこともあるでしょう。

それでも、人や何かのせいにせず、その悲しさを乗り越えて人は成長していくのです。人は必ず変われます。しかし、何かや誰かのせいにしている間は、残念ですが何も変わらないのです。

そこに気づけていない人は、いつかは変われるとは信じていますが、企業活動の中で教育していくには、時間と労力がかかりすぎてしまうのです。

ただ、1つだけ例外があるので注意してください。それは病気が原因の場合です。病気は誰のせいでもなく、運を恨みたくなる気持ちも当然でしょう。病気が理由の場合は当てはまらないので気をつけてください。

Chooseleadersamongparttimers2-6段取り力テスト

段取り八分という言葉があります。

仕事を進める上で、事前の準備がいかに重要かを表した言葉で、段取りをしっかりしていれば、その仕事は完了したのも同然であるという言葉です。

この言葉からもわかるように、段取り力というのは、仕事において非常に大きな力になります。段取り力に必要なものは、先を読み、ゴールをイメージして逆算してシナリオを描いていくことです。

具体的に言うと、

  • 必要な物と人をリストアップ
  • 業務内容をリストアップ
  • スケジューリングする

簡単に言うとこんな感じでしょうか。この3つを見てわかるように、すべて見える化するとやりやすい作業なのです。「書き出し」「書き出し」「時系列に並べていく」作業という感じです。

段取り力を高めるためには書き出すこと、と言われる理由です。言い換えると、書き出さずに頭の中で綺麗に段取りを描ける人は非常に優秀なのです。よって、段取り力を見極める場合は、頭の中を見せてもらいましょう。

具体的には、

  • A4用紙縦の白紙に、左詰めで①~⑩までの番号を書いた紙を用意する
  • ルーティンでお願いしている作業があれば、その段取りを時系列に書いてもらう

もし、ルーティンでお願いしている作業がなければ、仕事以外で作業が想像できる内容を書いてもらってもかまいません。

例えば、飲み会を企画して当日までの流れを書いてもらうのでもいいでしょう。参加候補のメンバーは10名で決定済みという想定でいいと思います。

設問によっても回答の数が変わってきますので、必ず同じ設問と同じ説明の仕方を意識してください。やってみるとわかりますが、時間が短く、順序の書き直しがNGという制約の中では、でき上がりに大きな差が出てきます。

その条件下で完成された複数の回答を比べてみると、書き出し項目の数と質に大きな差が出てくるはずです。内容もしっかり目を通してください。仕事のできる人は、時間を意識した正しいスケジュールが組めています。

これが段取り力の差になるのです。頭の中で、必要な作業を洗い出し、それをパズルのように順序立てて記入していく作業なのです。普段からこの作業をしているかで、結果は大きく変わります。やはり、この短時間でも、非常に細かな業務分解ができる人はいるのです。

頭の中でこの作業ができない人は、時間をかけて書き出せばいいだけなのですが、やはり段取り力の高い人は日頃から自らの行動をイメージしたシナリオを描いています。そして、実は仕事のほとんどは、この書き出されたものを実行するだけなのです。

本音を言うと、日々の作業を観察し、相手の段取り力を見るのが一番良いのですが、もし、その時間がないときには、参考にしてみてください。メンバーから意外な結果が見えて面白いかもしれません。

Chooseleadersamongparttimers2-7ガリガリ分析から素質を見極める

日常のやりとりの中で、相手の素質が垣間見えることも多々あります。三鷹光器という会社をご存じでしょうか。天体観測の望遠鏡から医療分野における顕微鏡まで、世界的に評価されている精密機械の会社です。この会社の入社試験はユニークで有名です。

その中に「焼き魚を食べてもらう」というものがあります。不器用で魚を綺麗に食べられない人には精密機械を扱うことは向いていないため、焼き魚を食べるときのはしの持ち方や、使い方を見るそうです。

非常に理にかなった観察ではないでしょうか。このように、アンテナを張ると、実はどんな仕事にでも、相手の能力が日常のやりとりや行動から見えてくることがあるのです。

例えば、夏の暑い日にアルバイトにアイスを頼んだとしましょう。その日のあなたの気分は、ガリガリ君のソーダ味でした。

「ガリガリ君のソーダ味買ってきてくれる?」まずは、この会話の後に優秀な人材は、必ずこう聞いてきます。「わかりました。もし、なかった場合はどうしますか?」まず、いきなりこの質問ができる人は期待できます。常に先のリスクや段取りができる人材です。

「その場合は、任せるよ」と言って買い物に行ってもらいましょう。おそらくほとんどの人は、特に何も聞かずに「わかりました」と言って買い物に行くでしょう。

あなたから、買い物を頼まれてコンビニに行ったアルバイト君。しかし、残念なことにガリガリ君のソーダ味は売り切れでした。そのとき、彼らがどのような行動に出るか?ここから色々なものが見えてきます。

①電話をしてくるか?

目的のものがなかった場合、まずは電話をしてくる人のほうがいいでしょう。電話をしてくるから優秀というわけではありませんが、電話をしてこない人には注意が必要です。アルバイトに仕事を任せる上で、重要なことに、報連相があります。

はじめは細かすぎる位の報連相をくれるほうが、間違いなく事故は防げます。

一番困ってしまうのは、勝手な判断で、勝手な行動をしてしまうことです。弊社でもアルバイトスタッフには、勝手な判断だけはしないで欲しいと、口を酸っぱくして言っています。

いい意味で無責任になって欲しいのです。弊社でよくあるのは、現場に向かう途中に電車が止まってしまった場合です。公共機関の事情とはいえ、現場によっては絶対に遅刻が許されない場合があります。

遅刻が理由で取引が停止になってしまう場合もあります。この判断は、事情を知っている担当者にしかできません。その勤務先が弊社の本社や店舗で、他の人のフォローができる現場であれば、ちょっと様子を見ようかで済む話です。

しかし、その人が行かないことには、お店が開かない、イベントが始まらない、または遅刻が続いて、次は取引停止と言われてしまっている状況の場合は、そんな悠長なことを言っていられません。

我々も必死に迂回ルートやタクシーなどの別の交通手段を探して、必ず時間内に間に合わせようとします。また、その状況を早いタイミングでクライアントに相談できることも重要です。

それならこちらでフォローしておきますという一言で終わることもありますし、それならしょうがないと理解をしてもらえる場合もあります。

最悪なのは、勝手な判断で様子を見た結果、間に合わなかったということを、直前や事後に言われることです。遅刻の話に関わらず、仕事においてはこのようなことで大きな事故に繋がることが多くあります。

仕事を任せる際に、適切なタイミングで報連相がないことで命取りになることは多々あるのです。ですから、弊社では、何かが起こる可能性が少しでも出てきたタイミング、つまり可能な限り早いタイミングで連絡が欲しいと伝えます。

結果、何も起きなかったというのは、大歓迎です。いい意味で無責任になって、報連相だけはして欲しいと伝えているのです。

このようなことは、伝えることで改善していきますが、何度言ってもできない人もいます。このタイプに大きな仕事を頼むことは大きなリスクになるのです。

アイスの件と重要な仕事を一緒にするのは、少し可哀想ですが、日頃から細かな連絡ができる人かという1つの判断になることは間違いありません。

②気が利く人材であるか?

重要なのは、ここからです。ガリガリ君がなくて、あなたに電話をしたけど繋がらなかった場合です。選択肢はいくつもあります。1つひとつ考えていきましょう。

他のお店に行くか?そのお店で別の物を買うか?買わないで帰るか?まずは、他のお店に買いに行く選択。これは、すぐ近くに別のコンビニがあるかどうかで、評価が分かれます。近くにある場合は、あなたも「わざわざありがとう」という気持ちになることでしょう。

しかし、その距離が遠い場合は、「わざわざありがとう(でも、そこまでしなくて良かったのに……)」と内心で思うかもしれません。

片道10分、往復で20分もかかって買ってきたガリガリ君ですが、時給を考えた場合、いくらのガリガリ君になってしまうのでしょうか。

厳しいことを言えば、自分自身の時間やコスト管理ができないとも言える人材です。近くにコンビニがあったとして、そこにもガリガリ君はありませんでした。さてどうするか?もう一件探すというのは、やり過ぎでしょう。

頼んだ上司が、無類のガリガリ君好きで、それしか食べないという事前情報がある場合は別ですが、そこまでやったのですから、代替の物を買っていくのが、ここでは正解だと思われます。

代替を買っていくにも、人によって行動は変わります。ガリガリ君のソーダ味に極力近いものを探すかどうか?氷系かクリーム系か?相手の好みを考えながら商品のチョイスをするのが重要です。

ここでクリーム系を選んで来る人の場合は、細かいことには気を遣えるタイプではなさそうです。今回、一番残念なパターンは、買ってこないという判断です。

「すみません、売り切れだったので、買ってきませんでした……」と言われたあなたの心情を想像しましょう。(別にガリガリ君じゃなくてもいいから、暑いのでアイスが食べたかった……)とがっかりしますよね。

おそらく、しばらくの間は、細かな指示を出し続けるしかありません。間違いなく時間がかかるタイプでしょう。そして、一番素晴らしいパターン。

「すみません、ファミマで売り切れだったので、セブンも行ったのですが、こちらも売り切れでした。なので、これとこれを買ってきたんですが、どちらがいいですか?1つは僕が食べるので、気にせずどちらでも選んでください」なんて言われたらどうでしょう。

「わざわざ、ありがとう、気が利くね!」と思わず言ってしまうと思います。私だったら、格好つけて、両方のアイスのお金を払ってしまうかもしれません。ピンチを感謝に変えるパターンです。

すべてを見て、お気づきかも知れませんが、この判断に重要なのは、気が利くかということなのです。相手の心情や状況を想像して、自分だったらどうして欲しいかと考えて行動ができる人なのです。

身銭を切ってリスクをとっている姿も素晴らしい。たかが100円と言うかもしれませんが、誰かのために身を削れることは素晴らしいと思います。

気が利くというのは、仕事では大きな武器になります。それだけでノウハウ本が出てしまうくらいの技術です。この延長におもてなしのような高度なサービスがあるのだと思います。店舗スタッフであれば、なおさら必要な能力です。

ホスピタリティーに直結するスキルになるのです。この気が利くという能力は、後天的にも身につけることが可能な技術だと思います。

おそらく、あなたもこれくらいの気遣いであれば、普通に実践していることでしょう。ただ、それは経験を積んできたあなただからできるのです。気が利く技術というのは、複合的な判断が必要な技術です。

細かな成功や失敗を繰り返して、何をどう判断すれば人は喜ぶのかという経験が身につくのではないでしょうか。年配者に気が利く人が多いのは、経験があるからで、「若いのに気が利くね!」と言われる人は、先天的にこの能力を身につけている貴重なタイプなのです。

また、こちらからの指示の仕方についても、考えなくてはいけません。「こちらからの指示に、なかった場合はどうしますか?」というアラームが鳴らせる若者は少ないものです。

そこを教育していくためには、こちらから先を予想した指示をしてあげなくてはいけません。「もし、それがなかったら、こうしてね」。この繰り返しが、お互いのスタンダードに変わっていくのです。

たかが、ガリガリ君を買ってきて欲しいというお願いから、色々なものが見えてきます。言い換えれば、日々の交流から、相手の素質を見極められることはたくさんあるのです。相手に興味を持ち、観察して分析することは、マネージャーとしての仕事だと思ってください。

Chooseleadersamongparttimers2-8給料がいらない人ってどんな人

先ほどのタイプで、自腹を切れることが素晴らしいと話しました。私のような経営者側の人間がこの話をすると、批判を受けるかもしれませんが、正直な気持ちを書かせてもらいます。

私の経験では、どんな仕事でも身銭を切れる人、リスクをとる人は、仕事ができる人が多いと感じています。特にリーダーとして必要な能力であるとも感じています。

要は自己犠牲の気持ちがある人です。これは、年齢や立場に関係なく、性格のようなものではないでしょうか。究極が、給料をいらないと平気で言える人。

サービス残業を促すと批判があるかもしれませんが、サービス残業をさせられている人ではなく、自らする人というのでしょうか。アルバイトでも、仕事が終わってからも、平気で手伝ってくれる人がたくさんいます。

手伝いますと気持良く言ってくれる若者たちです。自分もアルバイトのときにサービス残業はかなりしたほうだと思います。時間で働くアルバイトにとっては、かなりのサービスだという認識もありました。

そのときの自分の心情は色々ありますが、共通するのが、「このお店が好きだから」「この店長が好きだから」「この担当者が好きだから」。

この気持ちがないと、1分たりともサービス残業なんてありえませんでした。それこそ、お金をもらっても残業するのも考えてしまいます。

そして、共通するのが、そのお店なり、店長たちは、その言葉に甘えるだけの人たちではなかったということです。アルバイトであっても社員であっても、サービス残業は法律で禁止されている行為です。

ただ、法律的な問題以上に大きな問題なのは、その行為に甘えている会社や担当者だと思うのです。人の好意にそのまま甘えて、何も対応しないことが問題になると思うのです。

私の立場で言えば、「残業代いらないですよ」と言ってもらい、現場に残ってくれたアルバイトに感謝の気持ちと一緒に、あとで残業代を払ったり、その仕事で払えなければ別の仕事で払ったり、それこそ、個人的に食事に連れて行ったりと、何かしらの感謝の形で返すことが大切なのではないでしょうか。

持ちつ持たれつの関係というやつです。人の好意を当たり前にしてしまってはいけないのです。なぜ、ここでこんな話をするかというと、実はこのタイプの人たちは、意識的か無意識的かは置いておいて、どこかでこの好意の中で、相手を試している気がするのです。

私も以前は、気持ちでやっていたことですが、その大きな効果を実感してからは、意識的にやっているのが正直なところです。そこで、ただただ甘えるだけの人なのか?情に厚い人なのか?付き合う人を見極めている自分がいるのです。

打算的になってしまったのでしょう。ただ、その原因を紐解くと、私の過去には、こちらが与えたもの以上のものを返してくれる人が多かったのだと実感します。

それにお互いが感謝して、長く深い人付き合いができる気がします。与えすぎるくらいが丁度いいというのが、私の師匠の言葉です。

話を戻しますが、若いとき、特にアルバイトで「残業代はいらない」などと言える人は、間違いなく優秀であると思います。優秀になる素質というほうが正しいかもしれません。

こんなことが自然に言える若者は、任せた仕事を最後までまっとうしようと努力するのは間違いないと思います。かなりの責任感があるタイプなのでしょう。

仕事を任せるリーダーには、必要な心意気でもあると思います。ただ注意が必要なのが、自分もやっているから、お前もやれという考えです。

リーダーに大切なのは、自分がやっていくから、君は帰っていいよという気持ちです。彼らの好意に甘えないようにしなくてはいけないのです。

Chooseleadersamongparttimers2-9権限移譲の具体的な方法

ここまでは見極めることの話をしてきましたが、少しここで違った視点での話をさせてください。これは、アルバイトだけの話ではありませんが、先ほど報連相の大切さをお伝えしたと思います。

勝手な判断をされては困るという話でした。アルバイトに仕事を任せるなかで、情報がすぐに上がってこないことは、防がなくてはいけません。

これは後述しますが、報告の仕組みをつくることである程度は解決できることだと思います。ただ、仕組みでは解決できないのが、イレギュラーな問題が起きたときではないでしょうか。

例えば、お客さまからのクレームです。お店をやっていれば、細かいクレームは必ず起きるものです。しかし、それでもクレームはゼロに限りなく近づける努力が大切です。

また、いい意味で開き直り、起きうるクレームを想定しておくことも必要でしょう。これは、どんな仕事でも一緒です。問題の起きない仕事はありません。問題を解決するのが仕事なのです。

日々の努力で、ある程度のクレームはなくなるものですが、それでも予想を超えた問題が必ず起きてきます。あなたが対応できる状況であればいいのですが、仕事を任せると自分のいないところで問題が起きることのほうが圧倒的に増えるものです。

そのときに必要なのが報連相です。すぐに報連相をもらうようにしておくことが大切です。「問題が起きたときには、すぐに電話をください」。これを口が酸っぱくなるほど言い続けます。

しかし、さらに問題になるのは、電話をくれたのに、あなたと連絡が取れない場合。あなたとの連絡が365日24時間取れるとは限らないのは当然です。

ちょっとここで考えてみましょう。なぜ、あなたには問題が解決できるのに、アルバイトには解決できないのでしょう。

・スキル問題を解決するための能力。

具体的には、お客様との交渉力、問題の解決のための知識や、システムトラブルなどを解決する技術力・判断力何が問題なのか?何をすれば問題が解決に向かうのか?を判断する力この2つがあなたとの大きな違いではないでしょうか。

アルバイトがあなたに電話をしてくる理由は、あなたのスキルが必要なので助けて欲しいと電話をしてくるか、あなたの判断力を求めて電話をしてくるのです。

「スキル」に関しては、仕事においての技術力となるので、実際にあなたが現場にいない場合、トラブルの解決は難しいはずです。

迅速な対応が求められ、あなたが現場に向かえない場合は、電話による遠隔の指示か、アドバイスでの対応しかありません。

根本的な解決のためには、仕事の技術をアルバイトにつけてもらわなくてはいけないので、少し時間がかかる問題でしょう。

しかし、「判断力」に関しては技術力と違い、もっと簡単に手に入れることが可能です。それに必要なのは経験だけです。何度か同じ経験をすることで、それならこう対応すればいいのだと判断できるようになるのです。

そこに技術力が必要なければ、その場で解決も可能です。そのために、アルバイトに権限移譲を始めるのです。仕事を任せるための大きな方法の1つです。

具体的には、まず、先ほどのように困ったときにはすぐに報連相を入れてもらう。その内容によって、解決できることであれば、その内容であれば次は確認しないで解決してしまってよいと権限を広げていくのです。

これを繰り返していくと、間違いなく現場での解決能力は上がっていきます。電話の話で言えば、電話がかかってこなくなります。ただし、それと同時に、権限を逸脱するようなことが必ず出てきます。

勝手な判断というものです。わかりやすい例で言うと、お金のかかってしまうことを勝手に判断してしまうようなことです。これを防ぐためには、明確なルールが必要となります。

お金がかかる解決策であれば、連絡をして許可をとって欲しいなど、この場合にはこうして欲しいというルールです。有名なものに、リッツ・カールトンのサービスで、エンパワーメントという権限移譲の仕組みがあります。

念のためにリッツ・カールトンを説明しておくと、世界各地で展開する高級ホテルグループで、サービス力の高さが有名で、ホスピタリティーのお手本としてよく話に出てきます。

リッツ・カールトンでは、1人2000ドルまでの決済権を持たせて、その中でお客様に独自のサービスが許されています。

「私には判断できないので、少々お待ちください」と言うのでなく、その場で本人が判断して、その場で付加サービスを決定できるのです。

プラスのサービスの意味だけでなく、当然クレームになりそうなことや、すでにクレームになってしまったことでも、その予算内であれば、リカバリーをその場で判断できるのです。

「大変申し訳ありません。少々お待ちください。確認して参ります」ではなく、「大変申し訳ありません。こちらと交換させていただきます」。これは大きな違いです。

当然、あなたの職場で、2000ドルの決済権を持たせることは難しいとは思いますが、金銭的な決済権は預けられなくても、ここまでの決定はいいという判断権は預けられるのではないでしょうか。

明確なルールをつくることが、アルバイトが自由に動ける範囲を広げてあげることになるのです。ただし、ここを明確にしておいても、私の経験ですと、それでも権限の逸脱は必ず出てくると思います。

権限移譲と権限の逸脱は、相反するものなので、片方に力を入れると、もう片方がおろそかになる関係だからです。任せることで、どんどん報連相から離れていってしまう傾向があるのです。権限の逸脱について、もう少し次でお話ししようと思います。

Chooseleadersamongparttimers2-10権限の逸脱についての具体的な方法

権限の逸脱に対する判断には、経験が大切です。その都度、明確に判断し、必要であれば、厳しい指導が必要でしょう。これは非常に難しい問題なので、具体的な例で考えてみましょう。

例えば、あなたのお店がアパレルの場合、お客様の購入した洋服の縫製にミスがあったと電話が入りました。その洋服は明日の友人の結婚式で着ようと楽しみにしていたものです。しかし、今日はお客様の仕事の都合でご来店いただけない状況です。しかも、電話でのお客様の話だけなので、実際に縫製のミスがあったのか、事実確認も取れていない。

さて、どうしましょう?

①心からお詫び申し上げ、返品か返金の対応をするお約束でご納得いただく

②誰かがお客様のご自宅か職場に持っていく

①はお客様の立場で考えると、納得いかないものの、ご来店いただけないのでは、仕方がないとも感じます。また、②はお客様目線で考えたら、素晴らしい対応であるものの、お店の立場で考えたら、やり過ぎではないかという気もします。

この対応は、お店の考え方次第で、どちらも正解で、非常に難しい選択であると思います。そして、この話をさらに困らせるのが、明日には使用しなくてはいけないという差し迫った期限があることです。判断を急がなくてはいけません。

対応したアルバイトは、店長のあなたに連絡をしてみたものの、大切な会議中であるために連絡がつきませんでした。そして、②を選択する場合のタイムリミットは、すぐ来てしまったのです。

焦ったアルバイトは、お客様のご自宅がお店から往復1時間で行けることと、その日はもう1人のアルバイトがお店にいることを考慮し、自分が届けるという選択肢を選んだのでした。

そして、お客様に商品を届け、無事店舗へ戻ってくることができました。さて、この状況で、あなたはこのアルバイトに何を言うでしょうか?褒めるのか?注意をするのか?少し考えてみてください。

連絡もしてあり、状況も考慮した上での判断であったため、一見アルバイトの好判断だったように感じます。しかし、実はこの話には、もう1つだけ確認しなくてはいけないことがあるのです。まだ見えてこないことがあります。

それは、他の社員に確認をしたのか?または、そもそも他の社員がいる組織なのか?ということです。ここは普通に考えて、他の社員がいるとしましょう。すると、もう1つ確認しなくてはいけないことというのは、明確になります。

他の社員にも連絡を試みたかということです。ここでもし、他の社員にも連絡を試みて、繋がらなかったのであれば、結果を見ても好判断だったのかもしれません。かもしれませんと言うのは、このアルバイトの不在時のお店の状況が見えていないからです。

とりあえず、こちらも問題なかったとすれば、私なら「連絡取れなくて申し訳なかった……。だけど、完璧に対応してくれてありがとう!助かった!」と、アルバイトを褒めると思います。

ただ、この対応自体が、お店の方針に合っていれば、それでOKですが、実はそこまではやり過ぎで、お店の方針とは違っていた場合は、「ただ、実は伝えてなかったこちらの責任なんだけど……」という前提のもと、次回に取って欲しい行動を伝えます。

1つひとつ正しい判断を伝えていくことが大切です。また、このアルバイトは焦ってしまい、あなたに連絡はしたものの、他の社員に連絡することを忘れていたという場合は問題です。

状況がこうなると、大きく印象が変わってきます。この場合が、権限の逸脱となってしまうのです。これには厳しい注意が必要です。しかし、ここにも大きな注意が必要です。

このアルバイトの立場で言えば、結果はクレームのお客様が喜んでくれたのに、なんで怒られないといけないの?と必ず感じるからです。

ここでは、他の社員への報連相がなかったことに対する注意と一緒に、もしかして起きてしまったかもしれないリスクの話が必要です。

重要なのは結果ではないのです。この話で言えば、お店を1人にしてしまったこと。本来2名体制であれば、何か理由があるはずです。最低でも2名は必要な来客数のお店なのか、または防犯上の理由かはわかりません。

理由はどちらにせよ、1名になってしまったことで起きるリスクを話してあげることで、はじめて納得できるようになるのです。

そして、最後の気遣いです。このアルバイトの判断は、決して利己的な理由であったものではないことは明白です。お客様のためであったことは間違いありません。

その場合は、「勝手な行動になってしまったことは、反省してほしい。ただし、お客様のことを考えたこと自体は、サービスに携わる人として大切にしていいからね」このバランスを考えて指導することは、上司の技量の見せ所なのかもしれません。

そしてなぜ、この権限の話を、バイトリーダーを見極めるこの章で話をしたのかというと、実はこのお客様目線での権限の逸脱をするタイプは、リーダーとしての素質が高いからです。

報連相をする習慣を身につけることが大前提ではありますが、このタイプは自己のためではなく、人のためのリスクを取れるタイプだからです。

「自分が責任取るからやりましょう」と良くも悪くも言ってしまうタイプです。結局責任は取れないのですが、その心意気があるタイプなのです。

人のためにリスクのある行動をとるということは、多々問題があるものの、大切にしてあげなくてはいけないのだと思います。失敗には良い失敗と悪い失敗があるのです。

それが人のために起こした失敗であれば、十分褒める部分のある良い失敗だということなのです。この視点で相手の失敗を見ることができれば、自ずとリーダーの向き不向きも見えてくるのです。

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