Chapter6優秀なスタッフを育てるコミュニケーション術
コミュニケーションツールの使い方
これまでの章で、ディズニーランドのように物理的に素晴らしい環境がなくても、アルバイトスタッフにとって精神的に素晴らしい環境は、少しのコツと気遣いでつくることができることをお話ししました。
こうした環境があるだけで彼らの成長スピードが大きく変わっていくのは間違いありません。その環境とは、これをやれば良いとか、こんな制度があれば良いというものではありません。ましてやお給料が高ければ良いという話でもありません。
細かな気遣いの積み重ねをしていくことで、はじめて「この会社は働きやすい。頑張ろう」と感じてもらえる環境をつくることができます。だからこそ、誰にでもできるし、お金もかからない。必要なのはアルバイトスタッフに対する日頃の感謝の気持ちだけです。
アルバイトスタッフにまで、そんな感情移入はなかなかできないという人もいると思います。特に日頃から彼らと接する機会が少ない立場の人は当然です。そこで再度思い出してほしいのが、何のための環境づくりなのかということです。
会社のための環境づくりだということを忘れないでほしいのです。アルバイトスタッフに感情移入しやすい私は、何のための環境づくりなのかを頻繁に思い出すようにしています。
彼らに肩入れした過保護な仕組みを考えてしまうことがあるからです。やりすぎではないかという疑問が出てきたときは、あくまでも会社のためになっていなければならないと考えることで、スムーズに答えが出てきます。
もしあなたが彼らに感情移入できなければ、しなくて結構です。しかし、会社のためであると考えればその必要性の大きさを感じることでしょう。
◆電話術
さてここからは、アルバイトスタッフとのコミュニケーションを円滑にするための各コミュニケーションツールと、その活用方法について述べていきます。お金も時間もかからないことなので、ぜひ実践してみてください。
イベント業の仕事は、アルバイトスタッフに様々な現場に直接行ってもらうので、彼らと頻繁に顔を合わせることができません。
そんな彼らとコミュニケーションをとる方法で一番便利なのは「電話」と「メール」によるものです。電話については、私の会社では細かなルールが社内で取り決められています。
「はい、グッドウェーブプロモーション鈴木です」「お疲れさまです。スタッフの〇〇ですけども、お電話いただいたみたいなのですが……」「電話ありがとう!電話代かかっちゃうから、すぐかけ直すね」私の会社ではよくある会話です。
ここには2つのルールがあるのです。
1つ目のルールは、こちらの要件で折り返し電話をもらった場合、必ずこちらから電話をかけ直すこと。理由は電話代がかかるからです。細かいですね。
しかし、この細かさが大事なのです。お金がないアルバイトスタッフにとって、電話代は意外と気になるものです。
無神経にこちらの要件だけを一方的に話していたら、次に会社から着信があってもすぐには折り返しの電話をしたくなくなるのも理解できます。
細かな気遣いですが、アルバイトスタッフの目線に立つことが大切なのです。もう1つのルールが、「電話代がかかるので」と、折り返し電話する理由を伝えること。
「やさしさは、相手に気づいてもらえなければ意味がない」。私がよく社員に使う言葉です。いやらしいかもしれませんが、例えば、「電話ありがとう!すぐに折り返し電話するね」と言って電話を折り返したとします。
相手は間違いなく、こちらが今忙しいので折り返し電話をしたのだと思うでしょう。これではこちらの意図する気遣いに気づいてもらえないので、まったく意味がありません。
細かな気遣いは、相手に気づいてもらうことではじめて喜んでもらえる気遣いとなります。
昔のCMでも見たことがあると思いますが、引っ越し業でお客様のご自宅に上がるときに、靴下を新しいものに履き替えることを徹底している会社があります。
その会社では、脱いだ靴下を必ず靴の上に置くようにします。お客様に気づいてもらうためです。せっかくキメの細かいサービスを実践しているのに、お客様に気づいてもらえなければ意味がありません。
わざわざCMで紹介しているのも、気づいてもらうアピールです。気遣いをアピールすることは、非常に重要なことなのです。
◆SNSの活用
最近のコミュニケーションツールを語るのに、フェイスブックやツイッターに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は外せません。アルバイトスタッフとのコミュニケーションの手段として使用しています。
以前から、私の会社の肝であるアルバイトリーダーの管理は新入社員に担当させています。年齢的にも若いので、SNSを使いこなしてきたメンバーも多く、実に上手にSNSを使ったコミュニケーションを図っています。
特に利用されることが多いのがLINEです。報連相などの連絡事項は多くのメンバーがLINEを使っていて、現場に関する質問も他のアルバイトスタッフと共有しながら解決することが可能です。
現場の写真をあげて、どこが良い悪いと言い合うのも簡単です。しかし、LINEだと他の情報に埋まってしまうことやプライベートと混同してしまうので避けたいということもありえます。
そんな場合は、無料ならCHATWORK、有料ならLINEワークスやWOWTALKなど、社内向けSNSを利用するのも良いかもしれません。
様々なものが今はあるので、使い勝手の良いものを選んで、コミュニケーションの円滑化を図ることをお勧めします。また、SNSを利用している人はよくおわかりだと思いますが、実際に会っていなくても親密になっていくスピードは加速します。
新しいアルバイトスタッフとも一緒にSNSで情報共有することで、人間関係を構築していくことができるのです。最近、当社の新しい取り組みとして、SNSセミナーを開催してみました。講師はSNSだけで、自社ブランドを2億円以上販売してきた「短パン社長」です。
メディアにも度々登場しているのでご存知の方も多いと思いますが、実は年商20億円を超えるアパレル企業の経営者です。汗だくになりながら熱く語る姿は、当社の若いスタッフたちに大いに刺激を与えてくれました。
自社の店舗をみんなで宣伝するという目的も無いわけではありませんが、それ以上に期待しているのが人間関係の構築です。短パン社長のように全国に多くのファンをつくることはできないかもしれませんが、社内間やお客様との距離を縮め、身近なファンをつくることは必ずできるはずです。
それを短パン社長のように楽しみながらできたら最高です。アルバイトにもSNSを自由にさせるなんて、コンビニや飲食店での炎上事件を忘れたのかと思われることでしょう。
当然、リスクが大きいことも理解をしていますし、私も講演活動でアルバイトの炎上問題の対策方法を何度も話してきました。
しかし、そろそろSNSの危険性よりも、もっと大きなメリットにチャレンジしていくことのほうが、組織を育てていくには大切だと感じたのです。
車の運転と同じで、危険だから乗るな!ではなく、危険性はあるけど上手に運転をすればとても楽しいものであれば、ちゃんとした乗り方を教えよう、それが教育ではないかと思ったのです。
楽しく乗りこなしている人たちは、世の中に沢山いますからね。もちろん、今回の取り組みはまずは社員がほとんどで、アルバイトスタッフはまだ少数です。
自社ブランドで他社に迷惑がかからないものだけにも限定はしております。
しかしながら、仕事の本当の価値を理解した、信頼できるアルバイトスタッフを育てることで、SNSの発信をも任せられるメンバーが増えることは、会社にとって圧倒的な価値になるとは間違いありません。
そんな信頼できるスタッフを増やしていくことが、我々自身の成長だと信じています。話を戻しますが、アルバイトスタッフとのコミュニケーションの基本は、相手に合わせることです。
もしSNSをやっていない方は、ぜひこの機会にチャレンジしてみることをお勧めします。彼らとの距離を近づけるためには、私たちが変化をしないといけない時代だということなのです。
「今日の仕事どうだった?」
仕事をしながら優秀なアルバイトスタッフを見極めるのに有効な質問があります。「今日の仕事どうだった?」という質問です。
この質問に対して、たいていのアルバイトスタッフの回答はこうです。「楽しかったです!」「大変でした……」必ず自分を中心とした感想を答えます。
しかし優秀なアルバイトスタッフは違います。「この仕事は、実施場所が屋外だったせいか……」「たくさんのお客さんが来てくれて、一番喜んでくれたのが……」「クライアントの◯◯さんが現場に来られまして……」感想だけではなく、必ず仕事の状況を説明するのです。
やはり、気持ちのベクトルが仕事に向いているので、仕事を中心とした発言になるのです。自分に意識が向いていることがNGだというわけではありませんが、サービスやチームプレーでは奉仕の精神が必要になります。
時には自分を犠牲にしてでも他者を優先することが必要です。はじめから仕事を中心にものを語れる若者は、少し教えるだけでお客様やクライアントなどの他者の目線で物事を考えられるようになるため、相手に喜んでもらえるサービスを提供できるのです。この視点でアルバイトスタッフに教育を行えると、非常に効果的です。
◆「今日の仕事を自己評価してみてください」
もう1つ、優秀なアルバイトスタッフを見極めるのに有効な質問があります。若い世代と接してきて感じるのが、ゆとり世代と呼ばれる若者たちは、総じて自己評価が甘いということです。
競争を避けてきている分、自分への評価も甘くなるのだと思います。また、景気低迷が続くなかで成長してきたせいか、少し自分に自信がない人も多いように感じます。
そこで次のような質問を投げかけてみます。「今日の仕事を自己評価してみてください」この質問に対して、どこかに反省点を交えた答えが増えてきたのが、最近の特徴です。
自己反省ができることは良い傾向だと思います。優秀なアルバイトスタッフは、反省点以上に「できるようになったこと」や「克服できるようになったこと」を答えます。
厳しいことを言うようですが、反省することは誰にでもできます。その反省を活かし、できなかったことを克服することで人は成長します。
そのためには、反省点を課題に置き換えて、それを改善する習慣が必要です。自分の弱点の把握と克服を意識して実行している若者は、非常に高いポテンシャルをもっています。
これは社員やアルバイトに関係なく、非常に高度な習慣を身につけていると言えるのです。成功者の共通点とも言えるこの習慣をもつ若者に、ハズレはないと言っても過言ではありません。
◆成功体験を語らせる
自己評価と一緒に実行してもらいたことがあります。反省までは誰でもできると言いましたが、それでも反省できたことは素晴らしいことです。
その反省を課題に置き換えて克服する手伝いをしてあげなくては、本人にとっても会社にとっても非常にもったいないことになってしまいます。
習慣化されていないのであれば、習慣化するように手伝ってあげてください。そのためには、コミュニケーションの中で成功体験を語ってもらうように習慣づけしましょう。
前述したように、最近の若者は自信を喪失している人が多く見受けられるからです。特に意識して実行していないと、自分が克服できたことにも気づかないことがよくあります。成長を他者の目でしっかり見てあげることで、アルバイトスタッフに仕事への自信をつけてもらいましょう。
「自分のおかげ」と「他人のせい」を使い分ける
◆自分の気遣いをしっかり印象づける
アルバイトスタッフには、社員である自分が彼らに気遣いをしているということをしっかり印象づけるようにしましょう。アルバイトスタッフのお給料が上がるときのことを例にとってみます。
昇級は彼らにとってうれしい瞬間の1つですが、彼らにとって良い話をするときは、教育担当社員の手柄として話してほしいのです。
お給料を上げるときには、おそらく担当社員から上司や会社に申し入れがあるはずです。その担当社員の評価と行動が、お給料アップに繋がったことをきちんと伝えることが大事です。
先ほどの、やさしさは気づいてもらえなければ意味がないというのと同様です。その手柄を担当社員は自分の手柄として話して良いのです。
正直な人は「〇〇さんが許してくれたから」と、上司や決裁権者を立てようとします。そんなことは必要ありません。決裁権も担当社員である自分にあるように見せるべきです。自分がお給料を上げておいたよ、という表現で十分です。
必要なのは、アルバイトスタッフとその担当社員の関係構築です。手柄はすべて担当社員のものにして、そのサポートを会社全体でしてあげることで良い関係をつくるのです。
◆不都合なことは、会社または上司のせいにする
また、反対にアルバイトスタッフにとって不都合なことを伝えなければいけないこともあります。この場合は、担当者はなるべく上司、または会社のせいにすることを勧めます。
人のせいにするなんてと言われてしまうかもしれませんが、何より優先したいのが、同じく担当社員とアルバイトスタッフの人間関係の構築なのです。
そのためには、会社の責任か、役員である私の責任にして話すようにと社内でも言っています。なぜ、ここまでその人間関係にこだわるかというと、アルバイトスタッフの会社へのロイヤリティー(忠誠心)が、この人間関係ですべて決まるからです。大企業の場合であれば、企業ロイヤリティーに影響するような魅力的な環境は色々あるかもしれません。
しかし中小企業の場合は、直に接する機会が多い担当社員の影響が8割です。会社によって違いがあるとは思いますが、店長だったり、担当社員だったり、時には社長の場合もあるでしょう。
その人たちがアルバイトスタッフにとって良い人か悪い人かで、会社の印象や彼らのモチベーションは大きく変わります。みなさんもアルバイトをしていたときのことを思い出してみてください。
仕事はハードでも、一緒に働く店長や社員がとても良い人だったときは、「この人に頼まれたら、しょうがないけど頑張ろう」と思ったことでしょう。
そのとき、会社に対する感情が良くても悪くても、あまり関係なかったのではないでしょうか。そのときに接する担当者との関係が、自分の行動を決めていたのだと思います。
アルバイトスタッフにも会社への忠誠心をつくることは可能です。忠誠心をもたせれば、あのお店には負けない!あの会社には負けない!という思いで働いてくれます。
理念や創業者の想いを浸透させるには時間がかかります。そのため、会社に対する忠誠心をつくるには、担当社員との人間関係を構築してあげることが近道なのです。
その担当社員が会社の理念を大事にしたり、仕事に対する熱い想いをもっていたりすると、その気持ちはアルバイトスタッフにも間違いなく伝わります。
アルバイトスタッフ同士の関係を把握する
担当社員とアルバイトスタッフの人間関係とあわせて大事にしなくてはいけないことが、アルバイトスタッフ同士の人間関係です。彼らは良く言えば純粋、悪く言えば経験も少なく無知である分、まわりに影響されやすいものです。
そのため、良いことも悪いこともあっという間に広がります。それならば、良いことがどんどん広がるようにすればいいのです。私はアルバイトスタッフの向こう側にいるアルバイトスタッフを意識して、印象の良い情報や考えを積極的に流すようにしています。
自分が話したことを、話した人とは別のアルバイトスタッフから聞くことが多くあります。自分自身が思っている以上に、自分の考えをまわりは伝えてくれていることに驚かされます。
反対に悪い噂も簡単に広がりますので、自分の発言や行動も慎重にしなくてはいけません。これは、自律になるので良いことです。
まわりの社員にもアルバイトスタッフにもこの事実を伝えて、自律に役立てるのは良いと思います。若い男女がいるアルバイトの世界では、男女関係の問題が時々出てきます。これを抑えつけることは不可能です。こちらでルールづけするのもあまり意味がありません。
私の場合はそのような情報を把握し、ある程度オープンにすることで、遊びの付き合いのような男女関係が起こりにくい環境をつくっています。
仕事に悪い影響があるような男女関係は絶対に許さない、または恋愛関係に至った場合は、こちらに情報が入ってくるようにして、問題になりそうな男女関係のほとんどは防げるようになっています。
また、アルバイト同士の関係で知っておきたいのが、アルバイト同士の上下関係です。当社では、優秀な現場のリーダーが、アルバイトスタッフであるということに大きな意味があります。
同じことを社員から言われるのと、同じアルバイトスタッフのリーダーから言われるのとでは意味が大きく変わります。
社員から言われることは、会社の意見として上から言われているようでなかなか納得しにくいことも、同じ立場の人間から言われるだけで納得しやすくなるということも多いのです。
もちろん逆もしかり。社員から伝えた方が良いこともあります。そこをうまく使い分ける必要があるのです。そのためにも、まずはアルバイトスタッフ同士の人間関係を把握することが重要です。
360度評価を取り入れる
私の会社では、アルバイトスタッフの評価に「360度評価」を採用しています。360度評価とは、一般的な上司の評価だけでなく、同僚、部下など仕事において関わりのあるまわりの人が評価に参加する方法です。
上司、同僚、部下だけでなくクライアントも含む人たちの評価を参考にしています。評価に慣れていない人が評価に関わることや好き嫌いが影響するということで、360度評価に反対する人もいます。
しかし、私はこの評価方法ほど公平な評価方法は他にないと思っています。特にアルバイトスタッフのような若者を評価するには最適な評価方法です。
360度評価は、難しくも面倒でもありません。まずは参考程度で良いので、簡単な社内アンケートをとるだけで十分です。このアンケートは本当におもしろい結果が見られます。
自分が予想していた通りの結果から、見えていなかったと反省することまで、現状をリアルに把握することができます。評価の基準は曖昧で構いません。いえ、曖昧が良いのです。
ここで社員評価のような細かな基準を設けると時間も手間もかかります。そして何より、アルバイトを結果や数字で評価するよりも、曖昧な「頑張り」で評価してあげた方が、最終的な結果は必ず良くなるからです。
彼らに任せている内容であれば、どんなに責任感が必要な仕事でも一生懸命に働くことが結果に繋がります。管理職には結果を重視し、若手には過程を重視した社員評価の基準を設けている会社も多いと思いますが、それと一緒です。
アルバイトの評価には結果ではなく過程を重視してあげることが大切なのです。若い世代は営業であろうと接客であろうと、ずば抜けた素質を持っている人以外は、スキルや経験に大きな差は少なく、とにかく一生懸命に仕事量をこなす人の方が結果を出しているはずです。
そして、そのような人のほうが圧倒的に成長も早いのです。そのため、ここでは「頑張り」という曖昧な基準を使って評価するのです。最近私の会社で行ったアンケート内容をご紹介しますので、参考にしてみてください。
◆アンケート内容
スタッフの皆様、お疲れ様です。
今週末は各地でキャンペーンや大イベントが実施されている週でもあります。
気合いを入れて頑張っていきましょう!みんながあなたの努力を見ていることを意識して、仲間と共に、より自分の可能性を広げてくださいね~
さて、恒例のアンケートを配信いたします。
「どのスタッフ、ディレクターが特に頑張っていたか」という視点で、お仕事に取り組んでみてください。
たくさんのお客様の笑顔を作ってくださいね1、スタッフについて○月中に一緒に仕事をしていただいたメンバーの中で、お客様対応がとても良かった、とても楽しそうに(明るく)仕事をしていた、一生懸命動いていたなど、印象に残っているスタッフを1名以上教えてください(複数回答可)。また、選出した理由も教えてください。
●名前
●理由
2、ディレクターについて○月中、スタッフに対しての指示出し、説明、現場の雰囲気など一緒にお仕事をして安心できたディレクターを1名以上教えてください。こちらも、選出した理由もあわせて教えてください(複数回答可)。
●名前
●理由
3、グッドウェーブプロモーション社員について○クライアント対応や、スタッフのみなさんに対しての指示出し、説明などが『参考になる、勉強になる』社員はいますか?または、現場での対応、電話対応など、スタッフのみなさんがお仕事するにあたり安心できる社員はいますか。1名以上教えてください(複数回答可)。
●名前
●理由4、その他○現在、業務に関して何か気になっていることはありますか?または、担当者に話をしたものの解決していないことなどはありますか?ささいなことでも構いませんので、何かありましたら教えてください。
→以上、ご協力お願いいたします。
なお、返信メールに関しては担当○○のみが参照いたします。
他の社員が参照することはありませんので安心してくださいね。
◯月◯日(○)○時までにご返信下さい。
質問4のみ、解決できることであれば各担当に伝える場合がありますが(名前を出してほしくないなど希望があれば、もちろん個人名を出さずに解決する方法を考えます!)、それ以外の質問に関しては、社員には口外しませんので、アンケート実施にご協力をお願いします。
では、まだまだ忙しい季節ですが頑張りましょう!紙でもメールでも構いませんが、私の会社ではメールで配信集計を行っています。人数が多いためにメールにしているだけなので、少人数の場合は紙の方がアンケートらしくて良いかもしれませんね。
またアンケートに限らず、アルバイトスタッフからフィードバックを得る際に気をつけなければならないことが2点あります。
◆ネガティブなことをこちらから聞かない
わざわざネガティブなことを聞くと、無理矢理負の要素を探してしまうので、あまり参考にならないものになってしまいます。経験上、こちらからわざわざ聞かなくても、対応が求められるレベルの問題は必ず自然と出てきます。
また、問題点があらわになった場合には必ず対応を行わなくてはなりません。もし、アルバイトスタッフが勘違いしていたり、間違った考えをもっていたりしたら、すぐに指摘します。
絶対にしてはいけないのは、提示された問題点を無視することです。ここの会社は、何を言っても無駄だと思われてしまうと、何の情報も集まらなくなるからです。
リスクや環境の悪化を未然に防ぐためには、情報が何にも増して大事です。ですから情報が入らない状況は絶対に防がなくてはいけません。
そしてより正確なフィードバックをもらうためには、対応のスピードが肝心です。アルバイトスタッフの立場で考えると、せっかく勇気をもって話した改善案に対して、会社がすぐに対応してくれたらどうでしょう。
また何か問題があったときには忠告してあげようと思うのではないでしょうか。
対応しないのはもってのほかですが、レスポンスが遅くても、問題を提示したときの感情が薄れているため、対応が実施されたときに受ける印象は半減してしまうのです。
私の会社では人に関わることは絶対に後回しにはしません。対応のスピードを意識することで、アルバイトスタッフに対するロイヤリティー向上の効果を最大限にできるのです。
実際に対応できなくても、対応できない理由を伝えるだけで構いません。それだけでも、アルバイトスタッフの協力度は大きく変わります。絶対に、無視や後回しにだけはしないでください。
話を戻しますが、こちらからネガティブなことをわざわざ聞き出す必要はありません。それらすべてに対応することになると本当に大変な作業になってしまうからです。
こちらから聞かなくても、改善しなくてはならないような問題は必ず現れてきますので。また、アンケートの書き方や伝え方でシグナルを出している場合もあります。
少し意味深な書き方をしている場合も、しっかり反応を示してあげてください。
対応する側の早とちりであっても、そんなところも見てくれているのだとうれしくなるものです。打てば響く会社であることをしっかりアピールすることが大事です。
◆特定の人を評価しない
360度評価の本来のありかたは、ある特定の人を全員で評価するものだと思います。しかし、アルバイトスタッフ一人一人を360度評価することは、手間も時間もかかるのでお勧めできません。
あくまでも優秀な人材を見極めるツールとして参考にするということでよいのです。評価することでモチベーションの向上は期待できますが、優秀なアルバイトスタッフを見極め、自分たちの仕事を任せることが第一の目的と思ってください。
そのため私の会社のアンケートの結果は、選挙のように○○さんが何票という形式で集計されます。まわりから評判の良いアルバイトスタッフが順番に並ぶのです。人数が少なくても同じです。
私の会社の少ない部署のグループだと6名程度のグループもあります。もっと少ない場合は、アルバイトスタッフと社員を一緒にしてしまっても良いと思います。
必ずおもしろい結果が出てきます。例えば、クライアントからの評価が良いものの、アルバイトスタッフからの票が入っていないという場合は、あきらかに本人にマネジメント能力が不足しています。協調性もないことが考えられます。
逆にアルバイトスタッフからの評価は良いがディレクター(アルバイトリーダー)からの評価が悪いという場合は、扱いにくいスタッフであり、まわりを巻き込んで悪い空気をつくってしまうのではという心配が出てきます。
アルバイトスタッフからの評価が良くてもクライアントからの評価が低い場合は、コミュニケーション能力が低いとも言えます。
総じて言えるのが、やはり本当に優秀なスタッフは、上司、同僚、部下、360度全方向の立場の人から高い評価を受けています。
どこかからの評価が高くて、どこかからの評価は低い、という場合は、弱点が明確に見えていることになります。その後の指導に役立ててください。
また、このアンケートには、実はもう1つ大きな役割があります。まわりが見ているという管理の役割です。アルバイトスタッフだけでなく、人間は誰にも見られていないとサボりたくなるものです。
私も同じです。しかし、一緒に働く人たちに「見られている」と考えてみてください。緊張感が生まれるはずです。サボりにくい環境になるのです。
優秀なアルバイトスタッフの場合は、評価者が常にまわりにいることで一層頑張るようになります。悪い話は必ず噂として聞こえてきます。
アンケートで見えてくる場合もあります。そのためにも風通しが良く情報が入りやすい環境をつくり、不正が起こりにくい環境づくりが必要になります。
アンケート集計に関しては、少し手間がかかる作業になりますが、現状把握と環境づくりには抜群の効果があるのでぜひやってみてください。
表彰式を開催する
ディズニーランドでは、年に一度「サンクスデー」というものがあるそうです。ディズニーランドにアルバイトスタッフを招いて、日頃の感謝を込めて社員がおもてなしをするそうです。素敵なイベントで非常にうらやましくも思います。
一般的な会社ではそこまではできませんが、当社でもアルバイトスタッフに感謝の意を示す場になればと思い、7年前から「G1グランプリ」という社内表彰式を始めています。
社員も含めた表彰式で、パーティー形式で年1回実施しています。始めた当初よりアルバイトスタッフからの反応は予想以上で、たくさんのうれし涙や笑顔が見られ、我々が思っていたよりも感動してくれたのです。
私も経験があるのでよくわかりますが、フリーターの社会的地位は低いです。どんなに頑張っていても、世の中から評価してもらえることが少ないのです。ここが正社員とは大きく違うところです。
一緒に働く社員と同じように彼らを評価してあげてもいいのではないでしょうか。その評価が良いものであれば、表彰してあげてもいいのではないでしょうか。
当社の場合は、人数が多いのでパーティーという形式ですが、決して豪勢にやる必要はありません。ちょっとした飲み会の場で、社長や担当社員から表彰してあげるだけでいいのです。
表彰状でなくても構いません。手紙を書いてあげることでも喜ぶでしょう。たまにはアルバイトスタッフにも感謝を表現しましょうということです。
株式会社エックスビズの社長の奥田さんより聞いた素敵な言葉があります。奥田さんは私の会社の社員にマネジメントを教えてくれているコンサルタントの方です。
「人を褒めるには評価が必要だから、できないこともあるかもしれない。でも、感謝することに評価は必要ない」深く納得できました。
確かに、自分の仕事を代行してもらい、期待通りの結果が上がらなければ、褒めることはできないかもしれません。しかし、自分の代わりに働いてくれたという事実には感謝しなくてはいけないのです。
それを聞いてから、まわりに感謝の気持ちを持てるようになりました。それでも、私は感謝の気持ちを表現することは下手なようです。厳しいことを言ってしまうことの方が多く、その度に反省しています。
アルバイトスタッフにそこまでの感情移入はできないと思う方もいるかもしれません。だからこそ、年に一度や二度くらいは、感謝を表現する場があってもいいのではないかと思うのです。
母の日や父の日と一緒です。日頃から当たり前になって、感謝を忘れてしまっていることはあっても、感謝する機会があると思い出すこともできます。
もちろん、常日頃から感謝を表現できればそれに越したことはありません。しかし、表彰という場をわざわざ設けることにも大きな意味があります。
一生懸命に働くことで正当に評価をしてくれる会社であることを、アルバイトスタッフ全体に示すこと。そして、表彰されていない人たちに、大きな刺激を与えることです。
360度評価がここでも効いてきます。自分たちが評価した人が表彰されていれば、まわりも一緒に喜んでくれるのは当たり前です。
当然、彼らが選んだのですから、文句が出るはずもありません。表彰されたアルバイトスタッフにも、まわりで見ていたアルバイトスタッフにも、大きくモチベーションを上げる契機となります。
いつかはあの場所に立ってやろうという具体的な目標ができるのです。アルバイトスタッフの人数が少ないところなどでは不要と思われるかもしれませんが、人数は関係ありません。彼らの表情が大きく変わることを期待しましょう。
「アルバイト」「フリーター」と呼ばない
みなさんの会社では、アルバイトスタッフを何と呼んでいますか?「アルバイト」「バイト君」「バイト」「パートさん」「パート」、色々な呼び方があると思います。
これまでさんざん「アルバイトスタッフ」という言葉を使ってきて申し訳ないのですが、当社ではアルバイトスタッフのことをそうは呼んでいません。
アルバイトスタッフのことは、「スタッフ」または「ディレクター」、当社が運営するミットネスというフィットネスクラブでは、社員は「トレーナー」、アルバイトスタッフは「インストラクター」と呼んでいます。
これはイベントにおける立場を表す言葉です。そのため、社員が現場に入るときも、社員は「スタッフ」にも「ディレクター」にもなることがあります。
ディズニーランドでは「キャスト」、マクドナルドでは「クルー」、スターバックスは「パートナー」とアルバイトスタッフを呼ぶことは有名です。
つまり、アルバイトスタッフにスタッフとしての役割、またはキャストとしての役割で活躍してほしいのであれば、アルバイトスタッフという呼び方はふさわしくありません。
もちろん、アルバイトスタッフと呼んでいる会社が悪いということではありません。差別しているつもりもないでしょう。しかし、フリーター時代の私はアルバイトと呼ばれることに抵抗がありました。
ディレクターとして真剣に働いていたため、感覚としてフリーのディレクターという意識でいたからです。まわりでは実際に自分自身のことをフリーディレクターと名乗って働いている人もいました。
社会人からしてみれば、何を言っているんだと笑われてしまうかもしれません。それでも私は、プロ意識をもってアルバイトをしている人間ならば、この感覚を持っていると思いますし、持っていてほしいとも思います。
我々の立場からすると、フリーターという意識から、フリーランスという意識に変えてあげることが重要なのです。この意識改革ができれば、圧倒的に仕事が変わります。そのためにも、「アルバイト」と呼ぶことにメリットはないと思います。こちらがアルバイトと呼ぶ度に、せっかく芽生えたプロ意識がなくなってしまうからです。
また、「フリーター」という言葉についても考えてみましょう。フリーターとは「15~34歳の男性または未婚の女性(学生を除く)で、パート・アルバイトとして働く者、またはこれを希望する者」と厚生労働省に定義されています。
人によって職業、生き方、雇用形態と定義が分かれて非常に曖昧なのです。私にしてみれば、「働く人」と「働くことを希望している人」を同じにしている時点で、このフリーターという言葉に意味などないと思っています。
では、フリーランスというのは何でしょう。
「自由契約者であり、一定の会社や団体などに所属せず、仕事に応じて自由に契約するジャーナリストやライターなどの個人事業主である」と、こちらははっきり定義されています。
我々イベント業界では、音響・照明・MCやアナウンサー、舞台監督などたくさんのフリーランスの人たちが活躍しているのでわかるのですが、彼らは自分の実力と人脈を活かしてビジネスをしているため、収入も仕事量も千差万別です。
シビアな人気商売なのです。フリーターも社会から求められなければ仕事がなくなるという意味では人気商売です。仕事がほしいのであれば、自分を磨き、会社から選んでもらえるように努力をしなくてはなりません。
実際にあなたの会社のアルバイトスタッフの人数が多いのであれば、優秀な人間から優先して仕事をお願いすると思います。この事実を理解させることで、彼らの意識は大きく変わります。
そして、優秀なアルバイトスタッフをリーダーにするなど、立場的な競争環境をつくることで、彼らにも危機感や競争意識が生まれるのです。そのためにも、働いていない人をフリーターと呼ぶような理解のできない定義は無視していいのです。
「アルバイト」や「フリーター」が持つ言葉の意味を考えると、呼び名ひとつにこだわる重要性をご理解いただけると思います。彼らにもプロ意識をつけるために、まずは呼び名から変えてみるのは有効です。
コメント