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Chapter3優秀なアルバイトを見極める、7つの理論と2つの質問

目次

Chapter3優秀なアルバイトを見極める、7つの理論と2つの質問

お勧めは「加点方式」と「人物評価」

この章では、優秀な人材を見極める面接をするためにはどうすればよいのか、それについてお話しします。

まずは面接での評価方法です。評価には大きく2つの方法があります。

評価基準と照らし合わせ、プラス要素があった場合に点数を加えていく「加点方式」と、マイナス要素があった場合に点数を減らしていく「減点方式」です。

実際には「加点方式」と「減点方式」を組み合わせて評価を行っている会社が多いのではないかと思いますが、すべての面接は原則「加点方式」で行うことをお勧めします。

減点方式で相手と接すると、粗探しのような面接になってしまいます。相手も面接官に良い印象をもたない場合は、お互いにとって良い面接になることはないでしょう。

相手の良いところを見つけようと好感をもって面接することで、相手も本音で話してみようという気になるのではないでしょうか。

また面接において評価すべきポイントに、人物評価能力評価の2点があります。

人物評価とは、その人のもつ性格や資質に対する評価。

能力評価とは、その人のもつ職務能力に対する評価です。

おそらくほとんどの企業のアルバイト面接では、人物評価のみで採用判断をしていると思われます。難しいスキルを求めることがないアルバイト面接の特徴です。

人物評価のみでアルバイトを評価することは、私も賛成です。アルバイトに最低限必要なものは、素直な性格と責任感です。この2つさえあれば、教える側が愛情をもって教育することで、大きく変わることができるからです。

間違った人を採らない面接

私の会社では、年間1000人以上のアルバイト採用の面接を行います。そして、たくさんのアルバイトスタッフを雇用し、その中から、ディレクターと呼ばれる現場責任者(優秀なアルバイトスタッフ)を見極め、選抜して教育していきます。

その課程の中で、優秀なアルバイトスタッフには何か共通点がないかとデータをとり、分析し始めたのが、「見極める面接」を始めたきっかけです。

現在働いている、または過去に働いていたアルバイトスタッフから、評価が高かった人の共通点を探るのが重要です。履歴書には書かれていない事実を見極めるのです。それが面接の役割です。

そのため、まずはあなたがアルバイトスタッフに興味をもち、観察しなければなりません。データをとり始めると意外な共通点が必ず出てきます。おそらく、業種、職種によって大きく傾向が分かれることでしょう。

ここからは、イベント会社である私の会社で採用している理論を紹介していきます。どの業種にも必ず優秀なアルバイトスタッフの傾向があるので、しっかり検証してみてください。

そして、そのデータを採用の見極めに使ってください。実際、私の会社のようにたくさんの採用をして、その分析結果を選考に使う場合は稀だと思います。

みなさんの会社でも、面接採用の参考データとして分析してみると、多くの応募者の中から、将来優秀な人材を見極めることができることでしょう。

❶名前理論

採用の際にまず注目していただきたいのが、どのような家庭環境で育ってきたか、ということです。特にアルバイトスタッフに多い10代、20代の若者が、それまで育ててきてくれた両親に大きな影響を受けていることは間違いありません。

子どもは親の背中を見て育つものです。面接ではその両親がどのような人物なのかに着目することが、素質のある人材を見極める指標の1つとなります。しかし直接両親について質問することはNGです。

人事担当の方であればご存知かと思いますが、面接で本人に責任のないことを質問することは厚生労働省によって禁止されています(正確には禁止ではなく、配慮すべきという表現ですが、法令違反になる可能性が高いので避けるのが無難です)。

したがって、親の職業はもちろん、家族構成なども本来聞いてはいけない質問なのです。とはいえ、どのような親元で育ってきたかということは、多くの面接官が知りたい情報です。

私にとっては何よりも知りたい情報です。「駄目だとはわかっているけれども、あえて聞かせてもらうよ」と聞いている面接官も多いのが現実です。

親の職業や家庭環境についての偏見で不合格にするようなことは絶対にしてはいけませんが、どのような親に育てられてきたのかは人間形成における基本事項です。

そこを判断するのに非常に有効な方法の1つが「名前理論」です。面接希望者の名前を見てください。その名前が、あなたの感覚でおかしな名前、いわゆる当て字の名前の場合は要注意です。

ここで見ているのは、親の愛です。当て字の名前だからダメだという訳ではありません。深い親の想いがあってつけられている名前であれば良いと思います。

しかし、わざわざまわりの人が読めない漢字を使う名前をつける親の心理とはどのようなものでしょうか。ありふれた名前でなく、人とは違った個性的な名前をつけてあげたいという気持ちはわかります。

しかし、いじめに遭ってしまうのではと、こちらが心配になるような変わった名前は論外です。

おそらくみなさんがそうであったように、お子さんに名前をつけるときには、普段は気にもしないような画数を気にしてみたりと、子供の将来を想像して想いのこもった名前を授けたことでしょう。それは子供のための名前だったと思います。

しかし、一部の名前には親のための名前、つまり親がかわいいと思うからというような親の自己満足としか思えないものがあります。そのような場合はこんな質問をします。

「あなたのお名前の由来をご存知ですか?」と。これに答えられれば、当て字は気にしなくて良いでしょう。ちなみにこの質問は、当て字の人に限らず有効な質問です。

自分の名前の由来を知っている若者の方が素直な傾向があります。名前の由来をしっかりと説明している親からは深い親の愛情を感じます。

再度断っておきますが、知らないから駄目ということではないのでご注意ください。話を戻しますが、自分の名前の由来を知らない若者は意外と多くいます。

当社の面接では原則「加点方式」を採用しているものの、当て字の名前、かつ名前の由来を知らない若者は減点対象としています。

私の会社の優秀なアルバイトスタッフの中に、当て字の名前のスタッフがいたことはありません。

❷誕プレ理論

先ほどの名前理論は親の愛情を見るものでしたが、反対に親への愛情を見る質問があります。「親の誕生日に毎年何かをしていますか?」という質問です。

「毎年」というのが肝になります。生意気盛りの若者で、親の誕生日に毎年プレゼントや親孝行をしている若者は非常に少ないです。これが素直にできている若者は、仕事に対しても本当に真面目で素直です。

採用試験で親の誕生日を書かせている会社も多いようです。嘘がつけない、具体的な聞き方をお教えします。履歴書の住所を見て、一人暮らしか実家かを聞きます。

その返答を聞いて、親と一緒の場合は、「実家は楽だよね。僕もずっと実家にいたことあるからわかるよ」、一人暮らしの場合は、「それは寂しいね。親とも会いたくなるでしょ」と返答し、どちらもここで「親とは仲いいの?」と切り返します。

ここで仲がいいと答える人には「ほんと、それはいいね!でも、僕もそうだったけど、若いときって恥ずかしくてプレゼントとかってしづらくない?親の誕生日とかは何もしてないでしょ?」と聞き出します。

自然な感じで、何もしていない方が普通だという空気をつくるのです。それでも親にプレゼントをしている人は、楽しそうにエピソードを話し始めます。

そこで「毎年?」と聞くのです。この質問の良いところはもう1つあり、親孝行を楽しそうに話す姿を見て、非常に親近感を覚えることができる点です。

仲が悪い場合は簡単です。「そうだよね、僕もそうだった。じゃあ、親の誕生日には今は何もしてないよね」としていない前提で聞くだけです。

また、最近では必ず「反抗期」があったのかを聞くようにしています。あったから良い悪いということはありませんが、そこから親との関係性が垣間見れることが多いからです。

時には身の上話のようになることもありますが、それは本音で話してくれている証拠なのでとても良い兆候です。真剣に話を聞いてあげましょう。

そして大切なのが、今はどのような関係性に変わっているかを知ることで、相手の人間的成長を見極めることなのです。

私の場合、30歳までフリーターだったように、親不孝を絵に描いたような人間でしたのでよくわかるのですが、「親への感謝」という当たり前のことができない間は、仕事に対する姿勢も考えも間違いなく未熟でした。

20代の若いとき、感謝していると親に素直に言うことはまったくできませんでした。何かをきっかけに親の愛情や苦労に気づき、素直に親への感謝が芽生えていく。

それが人の成長なのでしょう。その人の成長過程で、どの段階に現在いるのかを見極めることは、仕事においての成長とリンクするものだと思います。

10代から身についている場合もあれば、私のように30代になってやっと気づいたという人もいます。

親への感謝は、遅かれ早かれ必ず全員が気づくことですが、早期に気づき、親孝行をしているという若者の親は素晴らしい教育を子どもにしてきたのだと思います。

そのような親に育てられた若者は、仕事に関しても真面目に取り組むものです。

❸親の職業理論

親の職業については、顕著なデータがあります。親が小さな商売をやっている家庭の子どもは、優秀なアルバイトスタッフになることが非常に多いです。その商売は小さければ小さいほど良く、自宅でお店や工場、事業をやっている場合などです。

おそらく、小さな頃から近くで両親の働く姿を見ていたため、労働の本質がいつのまにか身についているのでしょう。

父親がサラリーマンの私には経験がありませんが、父親の働く姿を子どもに見せることができる環境は、大変な苦労もあると思いますが、非常に素晴らしい教育の場になります。親の苦労を見て学ぶものは非常に多いです。

しかし、前述したように、親のことを聞くのは面接ではNGです。そこで有効な質問があります。過去の思い出にフォーカスをした質問をするのです。

例えば、「今まででうれしかった小学校の思い出は何ですか?」「お父さん、お母さんとの思い出を教えてください」といった質問です。

過去の思い出にフォーカスした質問を始めると、頻繁に親との思い出が出てきます。自発的に親の話をしてもらうわけです。

「うちは両親が共働きで……」「うちは家が〇〇屋をやっておりまして……」など、相手から家庭の話が出てきたら、それを皮切りにして知りたいことを聞いてしまいます。

面接相手が家庭の商売の話を楽しそうにしてくれたなら、その人には可能性があると加点してあげることになります。

❹一人暮らし理論

親からどのような教育を受けてきたのかを、ある程度理解できたところで、もう1つ重要なことがあります。現在も親の影響力が大きいかどうか、現在も実家住まいなのか、それとも一人暮らしなのかです。

実家で親と暮らしているのであれば、良くも悪くも少なからず親の影響力は現在も強いと言っていいでしょう。親の影響力が悪いと言っているわけではありません。

親から良い影響を受けているように見えれば、実家暮らしは加点要素になるのです。先ほどのように、一人暮らしかを直接聞くのは問題ありません。

履歴書の住所からある程度推測することも可能です。住所がマンションやアパートではなく、一戸建てであれば実家暮らしの可能性は高いです。

また、最近では地方の出身者が良い傾向があります。正確な分析を行っていないので参考程度にしてほしいのですが、出身地で分析するとおもしろい結果が出ると思います。地方出身で一人暮らしの若者の方が苦労している分、おもしろい結果が出てきそうです。

❺ビジュアル系理論

当社の面接では必ず好きな音楽について聞きます。手探りで始めた質問内容でしたが、このデータをまとめたときにおもしろい結果が出てきました。

我々の業界では、ビジュアル系バンドが好きな若者に優秀なスタッフが多いというものでした。もちろん、面接にビジュアル系の服装で来たらきつく注意しますが……。

ビジュアル系のような一見まわりから後ろ指をさされるかもしれない特異な服装をするところまで何かに没頭できるというのは、とても素直な資質の表れではないかと思います。

もちろん、その興味を仕事に向けるというのが前提ですが、あそこまで何かに没頭できるという若者は、その気持ちのベクトルが仕事に向いたときに大きな力を発揮するというのも納得がいく話です。

ぜひ、好きな音楽に限らず、好きな映画、好きな本など若者の文化に興味をもって、分析を行ってみてください。意外な傾向が表れるかもしれません。面接をする我々が、若者文化を知っておくことも重要です。

彼らが好きな話題を広げて、そこから人となりを探るというのはとても有効です。若者文化は理解ができないと拒絶するのではなく、時には彼らの目線に合わせることで見えてくるものも多いのです。

❻メアド理論

面接の際に履歴書で必ず見てもらいたいことがあります。それはメールアドレスです。市販の履歴書フォーマットには記入する部分がないものが多いので、記入欄がない場合は必ず履歴書の空いている箇所に書いてもらいます。

PCアドレス、携帯アドレスの両方記入してもらうのが理想的ですが、特に知りたいのが携帯アドレスです。この携帯アドレスに彼氏彼女の名前が入っている若者が意外と多いのですが、そのような人は要注意です。非常に高い確率で無責任に辞めていく傾向があります。

これは依存の問題です。自分の知り合いが周知する携帯アドレスに彼氏彼女の名前を入れるのは、一見すると仲睦まじく思えますが、そこまですることに、交際相手に対する強い依存を感じざるをえません。

実際、交際が良好にいっている時はとても良い働きをしていたにもかかわらず、プライベートが荒れてくると、人が変わったように仕事に対して無責任になってプライベートを優先し、最終的には信じられないような無責任な辞め方をするのがこのタイプです。

特に女性に多い傾向があります。ペットの名前や子どもの名前が入っている場合がありますが、これは似て非なるものなので、こちらはまったく問題ありません。

むしろ、こちらは良い傾向が強いです。愛する対象をメールアドレスに入れるという意味では似ているのですが、責任の度合いや覚悟というところに雲泥の差があります。

ちなみに、当社のアルバイトは若者がメインなので、奥さんや旦那さんの名前を入れた人は見たことがありません。

優秀なアルバイトスタッフの傾向を把握するために、ぜひメールアドレスを見てください。番号をそのままメールに使っている人や自分の名前を入れている人など、おもしろい傾向が見えてくるかもしれません。

❼趣味・特技理論

本章冒頭で、一般的に面接で見るべきポイントは「人物」と「能力」で、アルバイト面接においては人物評価のみをすればよいと言いました。

しかしながら、私の会社では一点だけ加点評価として能力評価をすることがあります。私の会社では、趣味がダンスの場合やダンス部に所属していた若者は非常に良い仕事をしてくれる傾向があります。

体と表情を使っての表現には、イベント会場やキャンペーン会場でのスタッフの動きに通じるものがあるからです。大きな身振りと大きな声でお客様に何かを伝えることは、まさしくダンスと呼べるのです。

ボーカリストや演劇経験者も同じ理由で良い傾向があります。また、その活動をどれだけ本気でやってきたかも重要です。

毎日3時間は練習していますという人や、野球をやっていて甲子園に出場しましたなど、過去に結果を残している人は大きく加点です。

そこに大きな努力が見えるからです。

必ずどの業種にも、ぴったりとハマる趣味や特技があるはずです。

例えばレジ打ちならピアノやパソコンの経験者の上達が早いなど、意外な組み合わせがあるかもしれません。特技とは少し異なりますが、以前ある経営者がテレビでおもしろい話をしていました。

新入社員を食事に連れていって観察するのが魚の食べ方だそうです。優秀なエンジニアは魚を見事なくらいに綺麗に食べるようです。細かな作業が普段から身にしみているのでしょう。

魚の食べ方を面接試験にすることは難しいですが、今までのアルバイトの趣味や特技を分析してみてください。そこにあなたの会社の仕事内容に合った傾向が見えてきます。

◆質問1「あなたの人生は今までツイていましたか?」これは、アルバイト面接だけでなく社員面接にも非常に有効な質問です。

面接の最後、そろそろ終了という雰囲気で打ち解けたところで、何気なく軽い感じで聞きます。

「ちょっと聞いていい?今までのあなたの人生、ツイてたと思う?」必ず答えは3つに分かれます。

●「ツイていたと思います」

こう即答できる人は、非常にポイントが高いです。本当にツイていた人もいるとは思いますが、多かれ少なかれ人生においてツイていないと、肩を落とすことは誰にでもあることです。社会経験の少ない若者でも同じです。

親のことや恋愛のこと、様々な悩みを抱えています。しかし、今の自分はツイていると言えることは、その悩みを自分の中で解決し、前向きに進んでいる証拠です。

自分はツイていると言えるポジティブさは、仕事においても大きな武器になるものです。

●「どちらとも言えません」

この手の返答をする人は、おそらく現在、もしくは過去に大きな悩みを抱えていたと思います。しかし、現在進行形でその悩みと葛藤している最中の方が多いようです。自分の中では完全に消化できていなくとも、前向きに進もうとしている最中なので、加点も減点もしなくて良いと思います。今は温かく見守ってあげることが最善です。

●「ツイていなかったと思います」

3つの答えの中で一番注意してもらいたいのがこの答えです。この質問に関しては、加点方式で面接をする当社でも大きく減点を加えています。正直に話すと、私はこの答えの若者は採用しません。この質問では責任感を見ています。

今の自分をツイていないと思ってしまう心理はどのようなものでしょうか。おそらく、この人は大きな壁に突き当たったことがあるのでしょう。現在進行形で苦しんでいるのかもしれません。どちらにせよ、その現実を今も解決できずに、悩み苦しんでいるのは間違いなさそうです。

ここから読み取れるのが、その原因を運のせいにしていることです。起きた事実を運に責任転嫁してしまっていることに大きな問題があるのです。仕事をしていく中で必ず失敗はあります。

できる人とできない人の大きな違いは、その失敗という事実を自分の責任として受け入れ、他の誰かや何かのせいにしないことです。

確かに、自分ではどうにもならない大きな問題もあるかもしれません。やりきれないほど悲しいことも起こるかもしれません。それでも、他の何かのせいにするのではなく、必ず自責の気持ちで事実を受け入れることが大切です。

苦しさや悲しさを乗り越えて人は成長するものです。人は必ず伸びるものなので、このような考えの人も先々は大きく成長するとは思います。

しかし、企業活動の中でこのタイプの人を育成するのには時間がかかりすぎてしまうのです。したがって、私はこのタイプの人を採用しないようにしています。

 

◆質問2「今までの仕事での一番の失敗を教えてください」

先ほど、優秀なアルバイトスタッフに必要なことは、責任感と素直さだと話しました。特に潜在的な責任感を見極めることは必須事項になります。

先ほどの運のせいにしないということの補足になりますが、もう少し責任感を見極める場合は、過去の失敗について聞くことをお勧めします。

「今までの仕事での一番の失敗を教えてください」と。

経験が豊富なアルバイトであれば、たくさんの失敗を重ねていると思います。あまりアルバイト経験がない人でも1つくらいの失敗はあるものです。

アルバイトがはじめてという人の場合は、部活や学校での失敗談でもOKです。重要なのは、その失敗を他の誰かや何かのせいにすることなく、自責の気持ちで事実を受け入れているかということです。

先ほどの運と同じようですが、こちらの質問の場合はもう1つ重要なことがあります。その失敗をどのように解決し、乗り越えたかという答えを持っていることが理想的です。成功体験よりも失敗体験の方が圧倒的に重要です。

失敗を繰り返し、その度に何を学び、何を活かすかで人は成長するのです。

もし「失敗の経験はありません」と言われた場合は、失敗に気づけていないか、何も活かせていない人ということになります。

面接でのチェック項目

ここで私が面接のときにチェックしている項目をまとめます。

参考にしてみてください。

来社時間

□早すぎるのもNG。遅刻も当然NGですが、事前の連絡やその後の対応次第。

□面接会場までの行き方を調べているか。行き方がわからなくて、電話をしてくる場合は、近くまで来ていることが最低条件。

挨拶

□言葉での挨拶と目での挨拶。特に相手の目を見て挨拶できることが重要。

□服装や髪型の身だしなみをはじめ、身振り、姿勢、表情、視線、声のトーンなどノンバーバルコミュニケーション力をチェック(詳しくは後述)。シンプルに第一印象が良いか悪いかを重要視。

履歴書

□名前が当て字ではないか。当て字で由来を知らない場合は減点。

□携帯アドレスをチェック。記載欄がない場合は、記入してもらう。彼氏彼女の名前がアドレスになっていないかをチェック。変わったアドレスの場合は由来を聞いてみる。

□履歴書をコピーしていないか。最近はデータの印刷も多いですが、データ印刷の履歴書はOK。

□住所を事前チェック。一人暮らしか自宅同居か、団地やアパートか。

質問

□趣味・特技を見る。唯一の能力評価。当社の場合はダンス、ボーカル、演劇が加点。どのくらい本気でやっていたかを聞く。また受賞歴などの結果も聞く。

□好きな音楽。

当社の場合はビジュアル系などコアな音楽が加点。右2つの質問は、アイスブレイクの役割もあり。気軽に相手の好きなことを楽しげに話してもらうように心がける。

□当て字の名前でなくても名前の由来を聞く。知っていて親の愛情を感じる答えの場合は加点。

□親の誕生日に何かしているかを聞く。親の誕生日を書いてもらうのもOK。親への感謝の気持ちを直接聞くのもOK。

□親の職業は聞けないので、過去にフォーカスした質問をする。お父さん、お母さんとの思い出や、小さいときによくしていたお手伝いなど。

□一人暮らしか実家住まいかを聞く。良い印象の場合の自宅は加点。あわせて兄弟姉妹がいるか。自分の部屋はあったか。

□あなたの人生は今までツイていたと思いますか。何気なく軽い感じで質問。ツイていないと発言した場合のみ減点。私の場合は、よっぽどな場合以外不採用。

□責任感を見極める質問。今までで一番の失敗談を聞く。その失敗をどのように解決し、どう次に活かしているかが重要。

面接も差別化を図ること

面接と聞くと企業がアルバイトを選んでいるイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし、当然のことですが、アルバイトにせよ社員にせよ、企業も相手から選ばれていることは忘れてはいけません。

面接の最後に、私の場合は必ずこのことを相手に伝えます。

「この面接は僕たちだけが選んでいるわけじゃないですからね。〇〇さんもしっかり考えて、ウチの会社の選ぶかを考えてくれていいんですからね?このおっさんと働きたくないなと思ったら正直に教えてくださいね。

傷つくけど、打たれ強いんで大丈夫!もし気持ちが決まっているなら教えて欲しいんですけど、今の気持ちを正直に言うと、うちの会社でまだ働きたい気持ちはありますか?」この質問で頻繁に言ってもらえることがあります。

「ここに来る前以上に御社で働きたいと思いました」「こんな面接はじめてです。ぜひ、お願いします」個人的にもうれしくなるこの言葉を言ってもらうために、面接を行っていると言っても過言ではありません。

社員面接はもちろんのこと、アルバイト面接でも競合数社と同時進行で面接を行っていることは珍しくありません。その競争に勝つためには、意図的に一般的な会社の面接とは違う雰囲気をつくり、必死に自分自身のアピールと会社のアピールを行っているのです。

個人的な魅力も会社の魅力も千差万別なので、そこは各自にお任せしますが、私が意識していることは3つです。

1つ目は、可能な限りフランクな面接を意識することです。

誤解を恐れずに言うと私の場合はふざけた面接という表現の方が正しいかもしれません。相手の緊張感を解くために、冗談も言うことも多いです。いえ、冗談しか言ってないかもしれません。そのくらい、面接の堅い雰囲気を壊すように心がけてます。

次に本音で話すこと。

これもキャラクターがあるとは思いますが、面接では意図的に感情をのせて、自分の想いやスタッフの話をします。前述したように、場合によっては身の上話のようになることも珍しくないですが、そんな場合こそ表面的な話ではなく、自分の過去をさらけ出して、本音で話すように心がけています。そのアドバイスが温かいものでも、厳しいものでも、この本音のやり取りで伝わることや感じるものが多いのです。

最後の3つ目は、しっかりと自社のアピールタイムをつくることです。

一通り説明が終わったタイミングで、あなたにウチの会社を選んでもらいたいのでと一言を必ず添えて、アピールタイムをもらいます。話の流れにのって自社のアピールができれば理想的ですが、面接は生き物なので、どのような流れになるかはわかりません。

どんな流れになろうとも、アピールタイムをつくっておけば、あなたが欲しいと思った人材に熱意を伝えることを忘れることがありません。

面接に来ていることだけで、応募者があなたの会社で働きたいという前提で話を進めてしまっている担当者もまだまだ多いかもしれません。この勘違いを社内で共有することで面接のレベルは格段に上がります。

ただ正直に話すと、上記の能力は担当者の持つコミュニケーション能力や人間的魅力も大きく影響します。最近では人事部にエースを投入する企業が増えていますが、私も非常に賛成です。

能力的にも人間的にも、他者から一緒に働きたいと思わせる人を、面接担当にすることも大切な戦略だということは考えておいてください。

今どきの若者の仕事観

みなさんは、今の若者にどのような感情をもっていますか?「格差社会の中で生きる若者はかわいそうだ」「就職ができない人がたくさんいて悲惨だ」「明るい将来を見出せない若年層は不幸である」同情の声をよく聞きます。

しかし、実際の当事者の若者はどう考えているのでしょうか?内閣府の「国民生活に関する世論調査」(2017年度)を見て私は驚きました。

2017年の18~29歳の約79・5%は「現在の生活に総じて満足している」と答えており、初版の原稿を執筆した2011年の20代の約73・5%と比べて、満足度は年々上がっているのです。

しかも、20代~60代の働く世代の中では一番満足度が高いのです。そして、この数値は1970年からの調査の中で過去最高の満足度に近いものです。

30代以降の世代からは20代の若者はかわいそうだと同情されてきましたが、実は当事者である20代の若者たちは満足した生活を送っているのです。

消費にもおもしろい傾向があります。車は買わない、ブランド品も興味がない、飲みにいくことも外食もあまりしない。しかし、インターネットや通信費は惜しまない。人と繋がるためにお金は使うが、物欲はない。そもそも、バブル時代を経験したことがなく、もの心がついたときには、日本の景気の良い時代は終わっていた。そのため、就職難や格差についても、不満ではなく当たり前になっている。これが、現代の20代のリアルです。

だから上の世代から、草食系は元気がない、欲がないと揶揄されてしまうのですが、実は環境に対応して自然に生きてきただけなのかもしれません。仕事観についても同じようなことが言えます。お金に対する欲が確実に弱くなっています。

以前は、例えばなぜアルバイトリーダーをやりたいのかという質問に、「お給料が良いから」と答える人が多かったのですが、今では「人と繋がれるため」「責任がありやりがいを感じるから」「アルバイトではあまり体験できない出張があるから」等、以前ではあまりなかったお金以外の理由がかなり増えてきています。

ボランティアについても、思うことがあります。

震災以降、私も自分ができる範囲内でボランティアに参加させてもらっているのですが、ボランティアの企画を募集すると、今でも一番集まってくれるのが20代の若者たちです。

震災後の20代の若者たちの活躍は、どの世代よりも目立っていたと感じます。お金はなくても、誰かのために動こうという意識が非常に強いのではないでしょうか。人との繋がりを大切にしようとする世代のようにも感じます。

また、今の経済はデフレが進み、良い品質の物が安価で買えるようになり、お金がない若者には意外と住みやすいようです。

また、世界にはハーバードに代表されるような幸福度を研究する大学施設が多くあり、日本では慶應大学が有名ですが、それらの研究データによると幸福度を上昇させる大きな要素に「人との繋がり」が挙げられます。

SNSを駆使して、上手にまわりとの繋がりを保つことができる若者の幸福感が高いことも納得がいく事実です。誤解がないように言っておきますが、アルバイトスタッフのモチベーションを高めるために、お金は非常に大切です。

しかし、若者の価値観の変化を考えると、お金以外のモチベーションの価値は、今後も大きくなると思います。中小企業の我々は、環境づくりで、アルバイトスタッフにとっての付加価値を生み出すことがより重要になるのです。

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