CHAPTER2→自分の「マネジメントリーダー力」を伸ばす
01まず自分を振り返ってみよう!
部下と苦楽を共にするディズニーのリーダー
プロローグでもご紹介したように、東京ディズニーランドは、1800億円という大きな負債を抱えてスタートしました。そのため、大入袋を配る社長の英断はあったものの、給料は、かなり低めに抑えられていました。
私も、オープンして数年間は、家賃を払えば残りわずかで、これでやっていけるのかと不安を覚えたものでした。私と同じような思いを抱くキャストが大勢いました。
また、今のように「テーマパーク」という名称に馴染みがなく、「遊園地」ととらえる人が一般的でした。そのような世間の目を意識して、このままディズニーの仕事を続けていいものかと悩むキャストもかなりいました。前述したように、オープンして数年後に退職者が続出したのも、それらのことと無関係ではなかったでしょう。
私が、このようなキツく、悩み多き時期を乗り越えることができたのは、やはり、仕事上の悩みや愚痴を聞いてくれる先輩やマネジメントリーダーがいたからです。
彼らには、よく飲みにも連れていってもらいました。
そこで無礼講で議論し、ケンカもしましたが、悩み事の相談にのってもらったりすることで信頼感が育まれ、何ものにも代え難い共に働くことの楽しさも生まれました。
私がジャングルクルーズやカヌーのマネジメントリーダーになってからも、先輩たちと同じようにキャストに熱く接しました。
当時は、ディズニーの哲学の解釈をめぐってキャストとぶつかり、大変な思いも経験しましたが、そのときのジャングルクルーズやカヌーの仲間とは、今でもおつき合いがあります。今なお、「苦楽を共にした」という気持ちを共有し続けているからです。
部下から信頼されているかどうかを知る方法
ディズニーでは、部下の個人的な相談にのったり、自ら部下に「何かあったの?」と声をかけることが、マネジメントリーダーの大切な役割とされています。
さて、あなたはいかがでしょうか。部下から相談されることが多いでしょうか。それとも、少ないでしょうか。実は、相談機会の多い少ないが、部下から信頼されているかどうかの指標になるのです。
つまり、部下から相談される機会が多いマネジメントリーダーは、それだけ部下から信頼されているわけです。では、部下の信頼が薄いとどういうことが起こるのでしょうか。部下から信頼されていないと、成約報告や売上アップといったよい報告ばかりが上がってくるようになります。
たとえ悪い情報でも報告するように義務づけてあっても、定期的な報告や連絡の際、よい報告ばかりがめだって、悪い報告は避けられるケースが多いのです。悪い報告をすると、どう対応されるかわからないといった不信感や不安感が募るためでしょう。
このような状態は、職場・組織全体にとって「危険な状態」といわざるを得ません。というのも、悪いところがわかれば、それを改善することで職場・組織の強化につなげられるからです。
逆に、悪いところがまったく報告されず、マネジメントリーダーが知らないままだと、悪いところが放置されたままの状態になり、一向に改善されないことになります。
そうなると、マネジメントリーダーにしても、自分の〝命取り〟になりかねません。減給、降格などの処分を受けかねないし、場合によっては、会社が倒産する可能性すらあります。
そんな大事に至る火種はくすぶっていないか──マネジメントリーダーとして、自分は部下に信頼されているか、部下から相談を受ける機会は多いか少ないか、自分を振り返ってみましょう。
自分を知ることがレベルアップにつながる
マネジメントリーダーとしてレベルアップするには、周りからどのように思われているか、どう評価されているかを知る必要があります。
自分が、どういう人格・性格で、どのような言葉を使い、どのような行動をしているか、どのように周囲の人と接しているかなどを知れば、なぜ周囲の人がそういう反応を示すのか、どういう気持ちでいるのかが判断できます。
また、「自分にはこんな能力もあったんだな」とそれまで気づかなかった自分の能力を知ることもできます。自分の能力を知れば、その能力に合った目標、さらには、その目標よりも高い目標を設定することができます。
そして、●その目標が誰が見てもはっきりしている●その目標が具体的である●その目標が計量化できる●その目標がイメージできるという条件を満たしていれば、自分自身の置かれた現実に気づき、理解し直すという自己洞察が進んでいるといってよいでしょう。
それはマネジメントリーダーとしてレベルアップしつつあることを意味します。
こうすれば自分を知ることができる
ただ、客観的な目で自分を知る・評価するのはむずかしいものです。
やはり、自分の普段の言動を客観的に知るには、鏡やカメラ代わりとなる周りの人からのフィードバックが必要になります。
このため、私が在籍していた当時は、ディズニーでは「多面評価」と称して、上司・同僚・部下から自分をどのように思っているかを伝えてもらう機会が設けられ、自分を客観的に見つめることができるようになっていました。
そういう機会を得ることがむずかしいマネジメントリーダーの方のために、72ページ(※こちらを参照)に、自分で自分をチェックできるリストを掲載しておきます。
自分で追加したい項目があれば、その項目を加えて、自分流のチェックリストをつくってください。
このチェックリストを活用して、自分なりに冷静・客観的に反省点、気をつけたい点、改善したい点、よい点、さらに伸ばしたい点などを見つめ直し、自分でレベルアップするための目標を立ててみましょう。
ところで、マネジメントリーダーだからといって、リストにあげたすべてを身につける必要はありません。
というより、それは不可能でしょう。あくまでもチェックリストとして活用してください。そして、1度で終わりにするのではなく、定期的にチェックを繰り返すことをおすすめします。
02「どうすればできるか」思考で行動する
ディズニーで「できない」は禁句!
拙著『9割がバイトでも最高の感動が生まれるディズニーのホスピタリティ』でもご紹介したように、ディズニーでは「できない」は禁句です。ディズニーでは「どうすればできるか」をまず考えます。
たとえば、成人の日には、着物姿の女性ゲストがたくさん入園しています。ジャングルクルーズでは、水しぶきの上がる滝を巡る箇所があるので、着物を濡らすゲストが出る可能性があります。
そんなとき、ジャングルクルーズのキャストは、「着物のゲストには乗船をご遠慮していただこう」とは考えません。
「どうすれば、乗船しても着物を濡らさずに楽しんでいただくことができるか」を、キャスト全員で考えます。
たとえば、●スピールで「着物が濡れる場所」と「どのくらい濡れるのか」を伝えよう●レインコートをお貸ししよう●濡れてもシミにならない水質にしようというように、まず制限・制約なしで、できる方法を考えます。
こういうとき、つい「これはムリだから……」と制限を設けて考えてしまいがちですが、ディズニーの場合は、制限なしで一生懸命考えます。
そして、その結果、どうしても妙案が出ない場合には「代替案」を考え出します。なぜ、キャストにこのような姿勢が身についているかといえば、マネジメントリーダーが、そのように行動しているからです。
逆に、マネジメントリーダーが「できない」思考に染まっていると、部下も同じように「できない」思考に染まります。部下は上司のすることをよく見ていて、上司の真似をするものなのです。
「できない」のではなく「やっていない」
「部下を育て伸ばしていますか」と質問したとき、「いやあ、なかなかできないんですよ」と答えるマネジメントリーダーがいます。
そんなとき、私は、それ以上言う言葉を失ってしまいます。「できない」のであれば、どうしようもありません。でも、ほんとうにできないのでしょうか。
私が知る限りでは、部下を育て伸ばすことができないのではなく、「自分の仕事が忙しい」とか「時間がとれない」といったことを理由にして、部下を育て伸ばそうとしていない、やっていないケースがほとんどです。
できるにもかかわらず、やっていないのです。しかし、やっていないのであれば、まだ可能性があります。すぐにでも、行動に移してください。
部下がつらいときにこそ「声をかける」ディズニーのリーダー
「ストローク」については拙著『9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方』でも詳しく解説していますが、重要なことなので、本書でも取り上げておきましょう。
前述したように、ジャングルクルーズの仕事は、精神的にも肉体的にも、とてもハードです。
たとえば、ジャングルクルーズのスキッパーのナレーションに、ゲストがいつも楽しそうな反応を示してくれるとは限りません。
ときにはまったくの無反応、ときには「前に来たときのスキッパーのおしゃべりのほうが面白い」とか「つまらない」と露骨に口に出すゲストもいます。
かと思えば、乗船中はものすごく盛り上がったのに、帰港したとき、まったく拍手がもらえないこともあります。そんなとき、スキッパーのつらさ、悲しさといったらありません。
しかも、1日30~40周もしなければなりません。にもかかわらず、ほかのアトラクションやショップのアルバイトと時給は同じなのです。
それでも、アルバイトたちが、ジャングルクルーズの仕事を続けることができるのは、「ワーキングリード」と呼ばれる現場のマネジメントリーダーが、しょっちゅう声をかけてくれるからです。
彼らが、「(拍手がないと)厳しいゲストだったかな。
次は大丈夫」「(拍手があると)さすが!」と積極的にストロークを与えてくれるからこそ、つらい思いや不満を忘れ、笑顔で全力で仕事に取り組むことができるのです。
ストロークが部下のやる気を高める
「ストローク」とは「相手を認めること」です。具体的にいえば、笑顔で挨拶したり、褒めたりする行動のことです。
心理学によれば、「人は、肉体への物理的な攻撃よりも、ストロークを与えられないことにより大きなダメージを受ける」「人はストロークをもらうために生きている」といいます。
実際、ストロークを受ければ受けるほど、人は幸福感に包まれるものです。
マネジメントリーダーから繰り返しストロークを受ければ、部下は「自分は、リーダーに認められている」と感じて信頼感を抱き、仕事に対するやる気も高まります。
ところが、マネジメントリーダーのなかには、「ストロークなんて……特に褒めたりすればつけ上がる」と言って、ストロークを与えない人がいます。
しかし、褒めるストロークと叱るストロークのメリハリをきちんとつけていれば、部下が「つけ上がる」ということはありません。
また、「ストロークはあまり与えるものではない」と、ストロークの回数に限度を設けているマネジメントリーダーもいます。しかし、ストロークの回数に限度など設けるべきではありません。
その結果、「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる」ではありませんが、ストロークを積極的に与え続けるマネジメントリーダーは、ますます部下から信頼され、ストロークをしない、あるいはストロークに消極的なマネジメントリーダーは、ますます部下から信頼されなくなります。
マネジメントリーダーにとってストローク力は、部下から信頼されるとともに、部下のやる気を高める必須の能力です。
04「自分の目」で判断・評価する
うわさを信じ込んだリーダーの失敗
マネジメントリーダーが犯しやすい事例をご紹介しましょう。
Aユニットのショップの運営に配属された入社3カ月目の山田(仮名)くんは、ある日、三田(仮名)ユニットマネージャーに呼び出されました。
「山田くん、Bユニットのショップに異動してくれないか」山田くんは、突然のことで驚きました。
希望して配属されたショップだったので、異動には抵抗もありました。
でも、異動命令を拒否することはできないので、山田くんは「心機一転、頑張ろう」と思い直して、Bユニットのショップに異動しました。
山田くんは、Bユニットのショップで、自分なりに一生懸命頑張りました。
ほかのキャストとの関係も悪くありませんでした。
ところが、異動して2カ月経過した頃、木村(仮名)ユニットマネージャーの自分に対する態度が変わり始めたことに気づきました。
異動当初は、「よろしくな、一緒に頑張ろう」と温かい言葉をかけてくれていましたが、妙にとげとげしくなり、叱られる回数も多くなってきたのです。それには、理由がありました。実は、最近、木村ユニットマネージャーは、ほかの同僚から、こんな話を聞かされたのです。
「山田か、あれはダメだろう」
「山田か、こんなミスが多かったぞ」
そのとき以来、木村ユニットマネージャーは「挨拶が少ない」とか「オレに対して無表情だ」とか、山田くんの欠点ばかりが目につくようになりました。
そして、いつしか木村ユニットマネージャーは、イライラし声を荒げて山田くんを注意・叱責するようになりました。
山田くんの顔を見るのも嫌になりそうでした。
一方、山田くんは、どんどん仕事への意欲をなくしていきました。
ある日、決定的なことが起こりました。
山田くんがゲストと接している最中に、木村ユニットマネージャーに呼ばれ、「あのゲストに近づくな」と理由もなく告げられてしまったのです。
そして、木村ユニットマネージャー自身が続きの接客を行ったのです。
山田くんの存在を否定するような言葉と行動でした。
山田くんは、数日後、退職を決意しました。
うわさは「信用しやすい」ので要注意!
なんとも嫌な事例です。
しかし、実際に、このようなケースが少なくありません。人には、もともとうわさ話に左右されやすい傾向があります。
特にうわさ話は、直接見たものや直接聞いたものより信用しやすい側面があります。
木村ユニットマネージャーも、「山田は、ダメだ……」というほかの人の言葉に心を動かされてしまったのです。
このような姿勢が、マネジメントリーダーとしてふさわしくないことはいうまでもありません。部下の成長の芽を摘むのはもちろん、この事例のように部下を退職に追い込むことになってしまいかねません。せっかく雇用・育成した部下の退職は、人的コストの〝浪費〟にほかならず、組織に損失を与えます。
次のようなケースも考えられます。
たとえば、悪いうわさを信じて冷遇した部下が、自分よりも上のポジションに昇進するケースです。そのときは報復される可能性もあります。
また、その部下がお客様として、自分の前に現れるケースも考えられるでしょう。お客様になった部下が、今度は自分や組織に対する悪い口コミを広げることもあり得ます。
逆に、部下に公平で誠実な対応をしていれば、後に、自分を支える大きな力になってくれる可能性もあるでしょう。将来的にこのようなケースもあり得ることから、部下もまた、自分の命運を左右する人脈の1人という視点を持つことが必要です。
マネジメントリーダーは、部下の悪いをうわさを信じ込んで、公平性を欠く対応をすることがないよう、くれぐれも注意しなければなりません。
05流ちょうでなくてもいいから「熱く語る」
「兄ちゃん、頑張ってるなあ!俺も頑張るから!」
私が、パークの夜間清掃に当たるナイトカストーディアルの新人キャストの研修を担当したときのことです。私は、研修室に入ったとたん、思わずギョッとしました。
50人ほどの40代から50代の男性ばかりのクラスであることは承知していましたが、多くの人からギロッとにらみつけるような視線を浴びたからです。
後ろのほうでは、腕組みをして寝ている人もいます。そして、ほとんど全員が、大きく股を広げて椅子に深くもたれかかった格好です。
「俺たちは、夜間掃除をしに来ただけなんだ。めんどくさいことはやめてくれよ」という雰囲気が部屋中に満ちていました。
全員が新人研修を受けた経験などなかったのですから、無理もありません。私は、まず大きな明るい声で、「こんにちは、ジャングルクルーズで働いている福島文二郎です!楽しいクラスが始まるので、まず、体を眠りから覚ましましょう」と言い、その場でできる簡単な準備運動から、研修をスタートさせました。
それから、「これから働く皆さんのお仕事のおかげで、ゲストが爽快に気持ちよく東京ディズニーランドで楽しめます。
ゲストに爽快で、すがすがしい気持ちになっていただくには、皆さんのお力を借りるしかありません」と言って、ナイトカストーディアル・キャストの仕事の意義を説明しました。
ただ、その間もずっと寝ている50代の男性がいました。
そこで、私は、休憩のときに、周りにいる人に聞かれないように、「私は、吉田(仮名)さんとお仕事がしたいのです。でも、このまま寝ているようであれば、吉田さんが東京ディズニーランドを訪れるゲストのために安全で清潔な環境をつくれるか、不安です。
一緒に東京ディズニーランドのゲストを楽しませることができるキャストであることを、私に見せていただけませんか」と震えながら注意しました。
そして、私は、顔をこわばらせながらも、とにかく一生懸命に、そして熱くディズニーの歴史、ディズニーテーマショーの考え方、キャストの目指すべきゴール、キャストの行動指針などについて伝えていきました。
研修には、パークの中を一緒に見て回る時間も含まれています。そのときも、汗をかきながら一生懸命に熱く説明しました。こうして、やっと4時間目の最後の研修科目が終わりました。
私は、研修を終えた新人ナイトカストーディアルのキャスト1人ひとりに、「ブロシャー」というディズニーに関するパンフレット一式と、「福島文二郎が担当しました」という直筆の研修修了証明書と、キャストの名前の入ったネームタグを手渡しました。
そのときのキャストの顔を今でも思い出します。研修を受ける前、あれほど、嫌そうな表情を見せていたキャストのほとんどが、なんと私に笑顔を返してくれたのです。なかには、私に、「兄ちゃん、頑張ってるなあ!俺も頑張るから!」と声をかけてくれるキャストもいました。
ヘタでも本気で伝えれば、必ず伝わる
「自分は口ベタだから、相手にうまく言葉を伝えることができない」と言う人をよく見かけます。しかし、大切なのは、流ちょうにしゃべることではなく、いかに一生懸命に、かつ熱く相手に伝えるかです。
立て板に水のようにトークを展開するセールスマンよりも、木訥でも一生懸命に熱くトークをするセールスマンのほうが成績がよいものです。
また、相手がちょっとでも反抗的な態度を見せると、すぐに口を閉じてしまう人がいますが、それでは伝えたいことも伝わりません。
ディズニーのマネジメントリーダーたちは、一生懸命に熱く語れば必ず伝わると信じています。だから、忍耐力を持って、何回も何回も一生懸命かつ熱く語ろうとします。そうすれば、事実、必ず相手に伝わるものです。
前述の研修でも、私の一生懸命さ・熱さが、研修後のキャストの「俺も頑張る!」という言葉につながったのです。
伝えたい言葉を文章にしておく
マネジメントリーダーには、たとえば新しいルールを徹底したいときなど、いろいろな機会を利用して、部下に繰り返し伝えなければならないことがあります。
もちろん、筋道を立ててわかりやすく伝えることが必要ですが、毎回違う言葉を使って伝えていては、説得力が弱まります。部下の記憶にも残りにくいでしょう。
そこで、使う言葉を文章にしておき、部下に話す前に目を通すのです。
そうすることで、前回の話と矛盾するようなことがなくなるのはもちろん、最も浸透させたい言葉をブレなく強調することができます。
その結果、そのフレーズが部下の心に深く刻印され、後々まで残ります。
06必ず理由を伝える
「弁当持ち込み禁止」をゲストに伝え続けたキャスト
東京ディズニーランドがオープンして数年間は、パーク内で弁当を食べることはできないというルールが、ゲストに浸透していませんでした。
そのため、パーク内のパラソルの下のベンチで、家族で楽しそうにお弁当を広げて食事をしているゲストも見受けられました。
そんなゲストに、場所を変えて食事をしていただくようにお願いするのは、キャストも心苦しい気持ちでいっぱいです。それでも、キャストは、ほかのゲストの夢を壊さないため、勇気を振り絞って声をかけました。
「お食事中、誠に申し訳ございません。実はパーク内へのお弁当のお持ち込みをご遠慮いただいております。(ガイドブックを広げて、園外に設けられたピクニックエリアを指しながら)ご面倒でも、この場所にご移動いただき、お食事していただけますか。
出るときに出口で手にスタンプを押し、入るときそのスタンプを提示していただけば再入園できます」そして、その理由について、こう伝えました。
「東京ディズニーランドは、夢と魔法の世界をお客様に楽しんでいただいております。せっかくつくったおいしいお弁当をこの場所でお食べになりたい気持ちは、十分承知しておりますが、パークにいらっしゃる間は、お弁当により現実に戻るのではなく、夢の世界をお客様にも楽しんでいただきたいのです」
キャストたちは、ゲストにルールだけを伝えるのではなく、その理由についても丁寧に説明することを根気強く続けました。
ただ、それでも、「なぜ東京ディズニーランドは、弁当の持ち込みを許さないのか。パーク内のレストランを利用させて儲けようとしている」といった批判を浴びることもありました。
ゲストに不快に思われない伝え方
東京ディズニーランドが、ゲストを大切にしていることはいうまでもありません。
ですから、ゲストからクレームが入るような問題が生じると、朝礼で、マネジメントリーダーは、「私たちは、オリエンタルランドから給料をもらっている。でも、突き詰めて考えれば、私たちが接しているゲストの皆様から、お金をいただいているんだよ」とはっきり言います。
といって、ディズニーには、顧客第一主義とか「お客様は神様です」というような考え方はありません。つまり、前の事例でもおわかりのように、お客様の希望することはなんでも受け入れるというわけではありません。
たしかに、ディズニーにも「すべてのゲストがVIP」であり、ゲストを最優先する考え方はあります。しかし、ディズニーでいうゲストとは「ディズニーのテーマショーに賛同してくれるお客様」のことです。
ディズニーのテーマショーとは、五感を使って楽しむ3次元のショーで、長編アニメーションを中心とした物語がベースとなっています。
たとえば、白雪姫もそのひとつですが、白雪姫の舞台で、お客様がおにぎりをほおばっていれば、白雪姫の物語をぶちこわし、テーマーショーが台無しになってしまいます。
また、このようなテーマショーを妨げるお客様は、テーマショーを楽しみにしているほかのゲストにとって、迷惑とまではいえないでしょうが、好ましい存在とはいえません。
そこでキャストは、なぜ弁当の持ち込みはできないのか、なぜ下駄履きやタトゥーをむき出しにした格好で入園できないのか、その理由を一生懸命にゲストに伝えてきました。
というのも、ルールだけを伝えれば、一方的に指図されているようで、ゲストを不快な気分にさせる可能性があるからです。なぜそのルールがあるのかを懇切丁寧に説明してはじめて、ゲストも納得し理解してくれます。
キャストたちの継続的な努力の結果、今では、すべてのゲストがパーク内のルールを当たり前のこととして受け入れています。
優先順位があれば、理由を説明しやすい
こういう例もあります。
たとえば、カストーディアルの研修でキャストから「ゲストの写真を撮ってあげましょうと教えられたのですが、清掃がおろそかになりませんか」と質問されることがあります。
これに対して、ディズニーのマネジメントリーダーは、次のように答えます。
「ディズニーには、①Safety(安全)、②Courtesy(礼儀正しさ)、③Show(ショー)、④Efficiency(効率)という行動の優先順位があります(くわしくは拙著『9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方』を参考にしてください)。
ゲストの写真を撮ってあげるのは『②礼儀正しさ』のカテゴリーに、清掃は『③ショー』のカテゴリーに入りますから、ゲストの写真撮影が優先されます。
ただし、そばでお子さんがアイスクリームを床に落とされたような場合、滑って転ぶ危険性があるので、『①安全』のカテゴリーに入り、アイスクリームの清掃が優先されます。
ただ、清掃をしながら、お子さんに『掃除が終わったら、新しいアイスクリームと交換してあげるね』と声をかけます。
つまり2番目の『礼儀正しさ』を実行します。この4つの優先順位をゲストの立場になって常に考えて、積極的に行動してください。
「慣れない間は、遠慮せずに質問してください」このように、ディズニーでは、なぜそういう行動をとらなければいけないのか、その理由についてもきちんとキャストに伝えます。
また、ここで注目したいのは行動の優先順位です。
合理的な裏づけのもとに行動の優先順位が決まっており、それが部下に徹底していれば、このマネジメントリーダーの説明に見られるように、簡潔にわかりやすく理由を説明できるケースも少なからず出てきます。
まだ行動の優先順位が決まっていない組織は、ぜひ行動の優先順位を決めることをおすすめします。
ちなみに、ディズニーでは、前述のような質問が出た後は、朝礼などで、質問をしたキャストを褒めるとともに、全キャストに報告し、情報を共有化します。
07怒りはコントロールし、厳しく叱る
ディズニーでは、たとえ個人的な事情があっても厳しく叱る
ディズニーのマネジメントリーダーは、たとえば笑顔ができていないキャストがいれば、周りには聞こえないように配慮しながら、そのキャストをしっかり叱ります。
「笑顔、出ていないぞ。頑張れ」と。
仮に、そのキャストから「話を聞いてほしい」と申し出があれば、マネジメントリーダーは、本心が話せるように人気のない倉庫の片隅などで話を聞きます。
ただ、「前日、友人との間にトラブルが生じたため」と事情がわかったとしても、マネジメントリーダーは、話を聞いた後、「事情はわかった。でも、あの場所はオンステージだよね。あの場所では笑顔でゲストに接しなさい」と伝え、同情はしません。
ディズニーでは、日頃からキャストに「オン(演技中)とオフ(私生活)を切り替えなさい」と指導しているからです。
叱るときは、この3つのポイントを押さえる
最近は、部下に遠慮して、部下を叱らないマネジメントリーダーが多くなってきています。部下を育てるには、ときには厳しく叱ることも必要です。
特に、安全にかかわるミスや、お客様からクレームが出るようなミスをした部下に対してはしっかり叱らないと、同じミスを繰り返し、組織に大きな損失を与えかねません。
また、ほかの部下が「この程度ならミスしても叱られないんだ」と仕事に対する姿勢が甘くなったり、逆にマネジメントリーダーの指導力に不信感を抱き、職場の士気が低下したりします。
ただ、部下を叱るときは、次の3つのポイントを押さえる必要があります。
[ポイント1(時間)]
時間をあけない部下が重大なミスをした場合は、時間をあけず、その場ですぐに叱ることが大切です。
そのほうが部下に与えるインパクトが大きく、自分が犯したミスの大きさを実感し、「同じミスを繰り返してはいけない」という思いが、部下の心により強く刻まれるからです。
それに対して時間があくとミスの記憶が薄れ、ミスの重大さを実感できなかったり、自分の行為・行動のどこに問題があったのか、思い出せなかったりします。
そのため、マネジメントリーダーから叱る理由や的確な行動を伝えられても、真剣に受け止めることができず、場合によっては「なぜ、今頃になって」と反発されかねません。
当然、同じミスを繰り返す確率も高くなります。
このような事態を避けるために、繰り返しますが、部下が重大なミスを犯したときは、時間をあけずにすぐに叱りましょう。
ただ、その際、次の2つのポイントも押さえて叱る
ことが必要です。
[ポイント2(内容)]
行為・行動を叱る叱る対象は、あくまでもミスや間違い、つまり誤った行為・行動であり、人格ではありません。
よく「お前がだらしないから、こんなミスを犯すんだ」とか「お前の性格の問題なんだよ」、はては「お前やっぱり、バカだな」と、あたかもミスや間違いを犯した原因が部下の人格にあるような叱り方をするマネジメントリーダーがいます。
しかし、これは、叱るというよりは部下への人格攻撃であり、部下がミスや間違いをしたことを反省し、今後同じミスや間違いを犯さないためにはどうすればよいかを考えることにはつながりません。
部下の反感を買うか、部下を委縮させるだけです。
[ポイント3(環境)]
人前で叱らない部下を叱るときは、人前で叱らないように配慮しましょう。部下を人前で叱ると、部下は恥をかかされたような気持ちになり、部下の恨みを買うケースもあります。
また、朝礼など公の場では、「昨日、星野(仮名)くんが、こんなミスを犯したが……」などと名指しせず、名前を伏せて「こういうことがあったが」と話を進めていくようにしましょう。
怒りをコントロールする方法
「叱る」ことと「怒る」ことの違いについて考えてみましょう。
「叱る」とは、単にミスや間違いを責めるだけではなく、今後はミスや間違いを犯さないよう指導することを含む理性的な言動であり、部下を育てたいという愛情も含まれています。
それに対して、「怒る」とは、声を荒げてミスや間違いを犯した相手を責めたてることで、誰にもプラスにならない感情的な言動です。
なぜ、両者の違いに言及したかといえば、叱る気持ちが高ぶりすぎると、叱るのではなく、怒る状態に陥りやすいからです。怒りは、部下を傷つけたり、部下から反感を買ったりする可能性が高く、部下を育てることにはつながりません。
また、マネジメントリーダー自身も、怒った後、後味の悪い思いをすることが多いはずです。そのような事態を避けるには、自分の怒りをコントロールすることが求められます。では、どうすれば怒りをコントロールできるのでしょうか。
[方法1]怒る前にひと呼吸あける
その方法のひとつは、怒る前にひと呼吸あけることです。その間に深呼吸をしてもよいでしょう。ひと呼吸あけて、高ぶる気持ちを静める、あるいは怒りのエネルギーを吐き出す時間をつくることで、理性的・客観的に対応するように自分を導くことができます。
そして、ミスをした部下に、「少し、感情的になりそうだ。ちょっと整理して、後で話をしたい」と言えるようになれば、もう怒りをコントロールする上級者です。
そう言えること自体、客観的で冷静な姿勢を失っていませんし、部下も、なぜ怒られるのか反省する時間を持つことができるからです。
[方法2]怒りの〝地雷〟をつかんでおく
もうひとつは、どういう事態に出合ったとき自分は怒りを爆発させるか、つまり怒りの〝地雷〟を把握しておくことです。人は、自分や自分が親しくしている人に危険が迫ったとき、怒りの行動に出るといわれますが、より具体的に、自分はどういうことがあると怒りやすいかを把握しておくのです。
たとえば、挨拶がないと必要以上に怒ってしまうとか、会話を途中で遮られると激高するとか、自分が怒りやすい部下の言動を把握しておくわけです。
自分の〝地雷〟がわかっていれば、いざ、そういう事態に出合ったとき、「これは、まずいぞ」と怒りの爆発を予知しセーブすることができます。
また、人には、怒りの〝バイオリズム〟のようなものがあるので、どのくらいのペースで怒りが爆発するのか、客観的に把握しておくのも有効です。
たとえば、カレンダーに怒りを爆発させた日に印をつけてペースをつかんでおくと、「そろそろ怒っちゃいそうだな」と予測し、自分をコントロールしやすくなります。
[方法3]ストレートに怒りを相手に伝える
ただ、ストレスへの抵抗力が弱いマネジメントリーダーは、怒りをため込んでしまうと、メンタル面の問題を引き起こす可能性も出てきます。
そういうマネジメントリーダーは、いっそのこと怒りを出したほうがよいでしょう。たとえば、「私は、今、怒ってるんだぞ」「はらわたが煮えくり返ってるんだ」と自分が怒っていることを相手にストレートに伝えるのです。
当然、部下には怒っていることが伝わります。ただ、声を荒げて部下を責めているわけではないので、部下の感情的な対応を抑えることができます。
もちろん、怒りっぱなしにするのではなく、後で、どうして怒ったのかを検証し、怒った部下にその理由を冷静に説明し、今後は気をつけるように伝えればよいでしょう。
いずれにしても、怒りのコントロールはむずかしいものです。ただ、以上ご紹介した方法を積み重ねていくことで、怒りを抑える確率を高めることができます。
08部下同士の〝ケンカ〟を解消する
新人正社員とアルバイトが大ゲンカ!
ディズニーの職場には、よい人間関係が根づいていると前述しました。しかし、キャスト同士がいつも友好的な関係を保っているとは限りません。
特にディズニーの場合は、血気盛んな若いキャストが何千人もいるのですから、キャスト同士が対立することも少なくありません。
実は、私も、マネジメントリーダーとして、部下同士の対立に直面したことがあります。私がジャングルクルーズのワーキングリードをしていたときのことです。
前述したように、ディズニーでは、新人正社員は入社後3~5年間、現場研修を受けます。その間、正社員は、アルバイトから業務内容や方法について指導してもらいます。
あるとき、指導を受けていた新人正社員と指導していたアルバイトが、今にもとっくみ合いのケンカになりそうな騒ぎを起こしました。
アルバイトの指導を受けてばかりで業を煮やした新人正社員が、アルバイトに向かって「オレは、正社員なんだよ!」と口走ったのが発端でした。
新人正社員を担当するのは、経験年数の長いリーダー格のアルバイトですから、当然、業務に対する知識も深ければ誇りも持っています。
そこで、「なんだと!」となってしまったわけです。このとき、私がディズニーのマネジメントリーダーとしてどう対応したかを、ご紹介しましょう。
ケンカ状態を解消する3つのステップ
[ステップ1]ケンカの原因をつくったキャストと1対1で話す
ケンカの原因をつくったのは、あきらかに新人正社員でした。
そこで私は、「最初にケンカをふっかけたのは、お前だろ。しかも『オレは正社員だ』と差別的な言葉を口にしたんだよ。自分が間違っているとは思わないのか」と言いました。
彼は胸中反発していたのかもしれませんが、「わかりました。僕が、間違っていました」と言い、私の言うことに納得してくれました。
その言葉を聞いて私は、「お前だって、オリエンタルランドで働いてるんだろ。オレたちがメシが食えるのは、アルバイトのキャストたちが頑張ってくれてるからだろう。アルバイトのキャストたちと仲良くしろよ。お前も、いずれリーダーになるんだから」と続けました。
そのとき私は「アルバイトのキャストに謝れ」とは言いませんでした。頭ごなしに「謝れ」と言うと、たとえ謝ったとしても当事者間に遺恨が残ると考えたからです。
私は「自分の気持ちを正直に、アルバイトのキャストに伝えなさい」とだけ言っておきました。後日、私は、マネジメントリーダーとして、対立した当事者同士が話し合うための時間をつくりました。
そして、2人にじっくりと話し合ってもらいました。後で私は、新人正社員が自分のほうからアルバイトに謝ったと聞きました。
[ステップ2]2人のポジションを離し、徐々に近づけていく
その次に私がとった行動は、2人のポジションを離しておくことです。たしかに2人で話し合いを持ちましたが、お互いに気持ちの整理がスッキリついたとは思えなかったからです。そして、時間をかけて徐々にポジションを近づけていくように2人を配置しました。
[ステップ3]1つのテーマについて一緒に考えさせる
ディズニーの各職場では、マネジメントリーダーが「楽しみながら技術力がアップできるようなイベントをしなさい」と、キャストに企画を任せることがあります。
たとえば、ジャングルクルーズであれば「礼儀正しさを徹底するキャンペーン」とか「ゲストから拍手をたくさんいただくキャンペーン」などのイベントをキャストが企画し、実践するわけです。
私は、このイベントを考えるメンバーに、対立した2人、さらに2、3人のキャストを選出し、「みんなで一緒に企画を考えなさい。
成功するのも失敗するのも、君たち次第だからな」と言って、そのための時間を捻出しました。対立後ある程度時間を置いて、1つの目標達成のために協力し合う時間をつくることは大変有効です。
互いに集中して一生懸命考え、案を出し合ううちに、仲間意識が生まれ、チームワークもよくなっていきます。このときも、2人の間にあった〝わだかまり〟は、いつの間にか消えていきました。
後日、私は、2人を飲みに誘い、和解の総仕上げの機会を設けました。ちなみに、「オン」と「オフ」の切り替えを徹底して指導するディズニーの場合、キャスト同士の対立がゲストへのサービス低下につながることはありません。
09他部署と〝ケンカ〟する
ディズニーでは小雨が降ると2つの部署が〝ケンカ〟する
一般に、東京ディズニーランドというと、キャストや職場に一体感があり、お互いの間で何の対立もないと受け止められがちです。
たしかに、「すべてのゲストにハピネスを提供する」というディズニーのミッションを達成するために全キャストが一丸となり、一生懸命努力しています。
しかし、であればこそ、対立が生まれるケースがあります。
たとえば、運営部には、オンステージ上でショーがある場合など、運営全般を管理する責任があります。
つまり、ゲストが満足しているかどうかを確認したり、ゲストの入場や退出を誘導したり、座席を管理したりする責任があります。
一方、エンターテイメント部には、オンステージのショーイベントやパレードを完璧に提供する責任があります。
霧のような小雨がショーの始まる前に降り出したときなど、この2つの部署が対立することがあります。
小雨が降り出すと、「オップスワン」と呼ばれる運営部の現場の最高責任者と、「エンターテイメントワン」と呼ばれるエンターテイメント部の現場の最高責任者が、ショーを通常どおり実行するかどうかについて協議をします。
そのとき、オップスワンは、ショー時間中の天気予報を調べて「天気予報ではやむと言っているので、ショーを始めよう」と主張します。
せっかく楽しみにしているゲストの期待になんとか応えたいと願っての主張です。
それに対して、エンターテイメントワンは、ダンサーやキャラクターが滑って転ぶリスクもあるし、ショーのレベルを低下させればゲストを失望させることになるので、「今回は中止しよう」と主張し、両者が対立するようなことがあります。
両者とも、それぞれの部の立場から、キャストやゲストのためを思っての対立です。
ただ、対立したままでは困るので、どちらかの主張を通すことになります。
基準が明記されているわけではありませんが、オップスワンの意見が通ることが多いようです。
もちろん運営部のキャストは、できるだけ多くのキャストを集めて舞台上の雑巾がけをしたり、カストーディアルから温風器を借りてきて温風で乾かしたり、最善を尽くします。
〝ケンカ〟でもディズニー哲学を伝える
ディズニーでこのような対立が生まれるのも、裏を返せばそれだけ風通しがよいからです。
ディズニーにおける〝ケンカ〟とは、ゲスト、キャスト、組織のために、よりよいものを導き出そうと互いの考えをぶつけ合い切磋琢磨する行為ともいえるでしょう。
ただ、マネジメントリーダーには、ギリギリまで相手を説得する、しかし、引くときは引くという柔軟性も求められます。
でないと、意地の張り合いになってしまい、いつまでたっても〝ケンカ〟が終わりません。
いずれにしても、このような〝ケンカ〟ができるからこそ、30年間、ショーのレベルを維持できたといっても過言ではないでしょう。
一方、部下のキャストは、このようなマネジメントリーダーの後ろ姿を必ず見ているものです。
そして、ゲストを大切にする姿勢、ディズニー哲学を貫く姿勢、全力を尽くす姿勢、キャストを信じ認める姿勢など、マネジメントリーダーの〝ケンカ〟からさまざまなことを学び取っています。
ディズニーには、「自分の役割を果たすために、自分を導く」というリーダーシップについての考え方があります。
つまり、マネジメントリーダーにはマネジメントリーダーの役割があり、その役割を自ら積極的に果たしていこうということです。
というのも、部下は、上司の背中を見ているからです。
上司であるマネジメントリーダーが自ら自分の役割をしっかりと果たしていれば、部下もまた、自分の役割をしっかりと果たすようになるからです。
コメント