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04「見て覚えろ」では後輩は育たない

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04「見て覚えろ」では後輩は育たない

後輩の「やる気」を引き出すディズニーの指導プログラム

ディズニーでは、かなり高度な「トレーニング・パッケージ」をもっています。

つまり、後輩たちを育てるためのプログラムが整備されています。

これらのプログラムは、カリフォルニアにディズニーランドが最初にオープン(1955年7月)して以来、徹底的に考えられ、精査され尽くされた結果、生まれたものです。

たとえば、新人を採用するには、当然コストがかかります。

とくにディズニーの場合は、採用人数が多いので、その分採用コストもはね上がります。

さらに、ディズニーではある一定水準以上のレベルのサービスをゲストに提供できるキャストでなければ、パークにデビューさせません。

ですから、トレーニングにもコストをかけています。

ただ、むやみに長い時間を要することがないよう、徹底的に論理的・合理的な内容で、プログラムは構成されています。

同時に、キャストにやる気を起こさせ、気持ちをサポートするために心理的な側面をもふまえた内容となっています。

育て方を間違えると、会社が損をする

ディズニーに限らず、どこの会社でも、よほどの例外をのぞいて、上司・先輩のほとんどが、後輩に育ってほしいと願っているはずです。

では、そのためにどう対応しているかとなると、問題点が少なくないようです。

たとえば、「人のやることを見て覚えなさい」という言葉を後輩に投げかけるだけのケースがあります。

あるいは、「2、3時間だけトレーニングをして、あとは〝ほったらかし〟」というケースもあります。

実際のところ、こういうケースがほとんどではないでしょうか。

このようなやり方は、次のような問題を引き起こします。

問題点1CSを低下させるたとえば、アルバイトが店頭に立つような場合、十分な商品知識や、サービス提供のノウハウがないので、お客さまへの対応もぎくしゃくしたものとならざるを得ないでしょう。

また、商品を探すのに手間取ったり、お客さまの質問に答えられないケースも出てくるはずです。

このような場合、お客さまの売り逃がしなど、機会損失にもつながります。

お客さまにしてみれば、新人もベテランも関係ありません。

ただ、よい商品を手際よく提供されたいとのぞんでいますから、「何よ、この店の対応は……」ということになってしまいます。

そして、「もう、この店には来たくない」と思われてしまう、顧客離れにつながってしまう可能性も十分あるのです。

つまり、トレーニングをしっかりと積まない社員が〝前線〟に立つと、CSを低下させ、会社の損失につながるということです。

問題点2後輩のモチベーションを下げる後輩は、多少不安もあるでしょうが、それよりも、「どんな先輩と出会えるかな」「この会社で、いろいろなことを吸収して成長したい」「この会社で頑張るぞ」といった期待や希望に胸をふくらませて、入社してきているものです。

ホスピタリティ・マインドを働かせてみれば、すぐにわかるはずです。

ところが、仕事に対してどう取り組むべきか、それはなぜかといった動機づけをされることもなく、ちゃんとしたトレーニングも受けられないとなると、後輩の期待や希望の熱は、一気に冷えてしまいます。

そして、文字どおり、モチベーションをもてない状態に陥り、働きがいを見出すこともできなくなってしまうのです。

新人なりの仕事に対するパフォーマンスも、当然落ちていきます。

こういうケースが重なると、無気力で、ただ目の前の仕事をこなしていくスタッフで固められた職場ができあがってしまいます。

会社にとって好ましくないことは、いうまでもありません。

問題点3後輩が先輩になったとき、自分の後輩を育てない前述したように「人は、自分が扱われたように人を扱う」ものです。

「人のやることを見て覚えなさい」「2、3時間だけトレーニングをして、あとは〝ほったらかし〟」という扱い方は、当然、次の世代にも引き継がれていくはずです。

つまり、きちんと対面して、後輩を育てようとしない姿勢が、それこそ職場の風土になってしまうのです。

もちろん、このような育て方が功を奏すケースもあるでしょう。

しかし、一般的には、このような育て方をした結果、多くの後輩たちが、「何もしてくれない」と会社や上司・先輩に失望するでしょう。

たとえ会社に残ったとしても、後輩の負担は大きく、一人前になるまで長い時間がかかり、結局、人育てによけいなコストがかかります。

たしかに、すべての会社が、ディズニーのようにきめ細かい指導・教育プログラムをつくることはむずかしいかもしれません。

しかし、私も長くプログラムづくりにかかわってきましたが、ディズニーにしても、はじめから、いまのような教育プログラムがあったわけではありません。

それこそ、試行錯誤を繰り返しながら、いまのプログラムをつくりあげてきたのです。

要は、後輩たちが働きがい、やる気をもつような自社なりのプログラムを、時間をかけて練り上げ、つくりあげていくことです。

そのとき、この本でご紹介するディズニーの考え方や方法が参考になるはずです。

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