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小さな会社の〈人と組織を育てる〉業務マニュアルのつくり方

小さな会社の〈人と組織を育てる〉業務マニュアルのつくり方工藤正彦日本実業出版社本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載することを禁止します。また、本作品の内容を無断で改変、改ざん等を行なうことも禁止します。本作品購入時にご承諾いただいた規約により、有償・無償にかかわらず本作品を第三者に譲渡することはできません。本作品を横組み表示にてご覧いただくことを推奨しております。

はじめに

マニュアルは、小さな会社の経営課題を解決する「仕組み」になる! 「いやぁ、いい人にやめられちゃって、ホント困っています。彼しか知らないことが多くて、引き継ぎが大変ですよー」 どんな規模の会社でも退職者が出ると、引き継ぎに時間がかかり、時としてその対応に振り回されることになります。大きな会社ならまだしも、人数が少ない会社ではなおさらです。一人の人間が関わっている仕事の量や種類は驚くほど多岐にわたっており、また仕事の境界が判然としないことも多々あるからです。「人」への依存度が桁違いに重い、これが小さな会社の現実です。 この「引き継ぎ」に伴う問題。一見「経営」に関わることではないように思えますが、見方を変えれば、実は会社が現在抱えているさまざまな問題を象徴的に表しているとも言えるのです。技術やノウハウの属人化は、経営の大問題 その人にしか分からない・できない技術やノウハウ。それが退職者と共に消失する。 これは「人」に頼って仕事を回している小さな会社にとって、非常に大きな経営上の問題です。その技術やノウハウを見える化し、共有化することができたら、どんなにか役立つことでしょう。 個人の持つノウハウの見える化・共有化は、単に「引き継ぎ」を効率化するだけでなく、会社全体に関わるもっと大きな問題なのです。 技術やノウハウの見える化・共有化は、最優先の取り組み課題。 この認識が非常に重要です。そして、 個人が持っている知恵や経験を、会社に蓄積する仕組みが、今求められているのです。 小さな会社のもう1つの課題には、「人を育てる」ということがあります。 人の採用・育成・定着、そして、戦力化です。 ある小さな会社の社長が、こう言いました。 「我々のところには、偏差値が高くて優秀な人は来ない。その前提で、採用や教育を考えなければならない」 確かにその通りでしょう。ここで重要なのは、新しく採用するより現在いる人の育成・定着、そして、戦力化をどう考えていくかということです。 小さな会社は、「採用」より、まずは「育成」を重視すべき、です。 そして人を育てる制度や文化を築くことができれば、自ずと会社は良くなっていきます。

「人」への依存度が高いということは、その「人」が成長し戦力化すれば、会社も発展することになります。 では、どのように期待するレベルに「育成」していけば良いのでしょうか。 小さな会社の経営者からよく言われます。 「うちの社員の意識を変えたい。もっと積極的になってほしい」 「もっとよく考えて仕事ができる社員になってほしい」 経営者の気持ちはよく分かります。考え方や意識を変えて、より成長してほしい、成果を上げてほしいということでしょう。 つまり、経営者としては、 考え方(意識)が変わる 行動が変わる 成長する(成果が上がる) と考えるのでしょうが、現実はそううまくは進みません。 人はさまざまな経験を通して、考え方や価値観、あるいは仕事のスタイルなどを身につけます。 これをおいそれと変えることは難しいと言わざるを得ません。 また、仮に「考え方(意識)」が変わっても、次の「行動」が変わらなければ、「成長(成果)」はできません。そうであれば、「考え方」を変えるより、まず「行動」を変えることを優先すべきです。 つまり、実際はこうです。 行動が変わる 考え方(意識)が変わる 成長する(成果が上がる) これは小さな行動で良いのですが、行動が変わると、その変化はすぐに現れます。 たとえば、挨拶をしない人が、自ら挨拶をする。この変化はすぐに周囲に伝わります。 そうすると、 「明るくなったね」 「最近、元気だね」 といった評価が出始めます。「挨拶」という小さな行動を徹底して実践することで、まわりの見る目が変わってきます。 この周囲の評価の変化は、本人にもさまざまな影響を与えることになります。 ここで重要なことは、始まりは「強制的」でも「やらされ感」を持っていたとしても良いということです。 しかし、こう反論する方もいるでしょう。 「いくらカタチができていても、心が伴っていなければ、ダメだ!」 確かに、そうですね。 昔からよく言われている言葉があります。「仏つくって魂入れず」と。 一番重要なことが欠けていては、仏像の役目は果たせないという意味ですが、私はこう言い返しています。

「仏という、カタチをまずつくらなければ、魂は入れられない!」 だから、「カタチ =行動」を優先させるべき。つまり、「はじめに行動ありき」、なのです。 考え方(意識)を変えるのは大変ですが、行動を変えるのはそれほど難しいことではありません。それを徹底的に実践する中で、少しずつ変化が現れてくる。そして考え方(意識)にも影響を及ぼしていく。その結果として、考え方(意識)が変わる、ということにつながっています。 「人」の育成で重要なことは、まず「行動」を変えさせることなのです。 これまで述べてきた、小さな会社の2つの課題 ① 技術やノウハウの見える化・共有化 ② 人材の育成(成果につながる「行動」づくり) これに対応できるのが、マニュアルなのです。 私はマニュアルに関わって 40年近く、とくにこの十数年は「マニュアル屋」として、まさにマニュアルづくりを生業としてきました。中小企業から名のある大企業まで、本当にさまざまな種類のマニュアルを作ってきました。そこで学んだことは、基本 =行動(カタチ)の重要性です。 「基本を制するものはすべてを制す」という言葉がありますが、マニュアルとは、まさにこの「基本」なのです。 このマニュアルを核にして ① 現場(個人)の知恵や経験を、会社に蓄積する仕組み ② 業務改善を効率よく進める仕組み ③ 人材を育成する仕組み ④ リーダーを育成する仕組み づくりを進めていくことができます。 本書は、小さな会社が抱える課題を、「マニュアル」を通して解決していこうとするものです。マニュアルとは、できない人間をできる人にするものマニュアルとは、人を縛るものではなく、人を活かすものマニュアルとは、組織の秩序を作り、活性化させるもの 人を育て、組織を活性化するためにも、マニュアルを作りなさい! このことについて、これから本書の中で説明していきたいと思います。小さな会社の経営者、幹部の皆さんに少しでもお役に立つことを願っております。

小さな会社の〈人と組織を育てる〉業務マニュアルのつくり方

もくじ

はじめに マニュアルは、小さな会社の経営課題を解決する「仕組み」になる!

 

 

第 3章

成果が上がるマニュアルの作り方 ステップ 1

1マニュアル作成の基本

1 マニュアルに求められるもの

2 マニュアルの基本要件

3 マニュアル作成 ~活用の基本

4 推進体制・組織づくり

2テーマの選定と目標の設定

1 目的・狙いの明確化

2 テーマの選定

3 目標の設定

3業務の洗い出しと整理

1 洗い出しの手順

2 「業務作業分類表」の作成

3 「業務作業分類表」の更新

4 「業務作業分類表」で確認できること

コラム マニュアルは簡単に作れる、できる?

第 4章成果が上がるマニュアルの作り方 ステップ 2

18つの要素とフォーマット

1 8つの構成要素でまとめる

2 注意したい作成例

3 基本フォーマットで統一する

2成果が上がる原稿の作成

1 フォーマットへの落とし込み──原稿の作成──

2 原稿作成に必要な視点

3 効果的な情報整理

3作成を妨げる「抵抗勢力」への対応

1 「抵抗勢力」の3つの特徴

2 「抵抗勢力」への対応

4原稿のチェック・完成

1 作成者と社長が陥る落とし穴

2 マニュアルの最終チェック

3 マニュアルの完成

コラム マニュアルでは、感動させられない?

第 5章マニュアルで人と組織を育てる

1マニュアルを徹底的に活用する

1 「活用」の基本的な考え方

2 「活用」の基本ステップ

3 「マニュアル活用報告会」の開催

4 マニュアルの「活用」を阻む抵抗勢力

2マニュアルの改訂を繰り返す

1 「改訂」の基本的な考え方

2 「改訂」のサイクルを回す

3 「改訂」のルールを作る

4 「改訂」の進め方

3マニュアルが、人と組織を育てる

マニュアルを、会社(経営)の武器にする ──まとめにかえて

コラム 現場に負担がかかる?──自発的 VS強制的

おわりに

オリジナル・テンプレートダウンロードのご案内表紙デザイン/菊池祐(ライラック)

 

 

 

 

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