鬼 100則 78とんがりすぎた部下の専門性と社長の自信喪失 優秀な社員がいることで会社のかじ取りがうまくいかないという相談をよく受ける。 優秀な社員とは、専門分野で特別に秀でている社員だ。特に P C分野の人材や、トップセールス、レベルの高い資格保有者、または非常に頭のいい人などがそれにあたる。 彼らに見られる傾向として、社員を含め上席者をばかにすることだ。そして、自分の意見をひたすら通そうとする。結果、周囲との調和ができず、チームワークにヒビが入る。 一方で社長は、その人の専門性が高く優秀であればあるほど、とかく勇気をもって直言できなくなりがち。これを見抜いてか、彼らはその言動をさらにエスカレートさせる。 彼らの共通点として挙げられるのは、広角的なものの見方や長期ビジョンが欠如していることである。会社が一番大切にしているのは、仲間たちとの絆、チームワークだ。しかし彼らは、会社の成果がチームワークによって築きあげられていることに気づいていない。 気づいていないばかりか、気づこうともせず、自分の得意分野にのみ光を当てて、自分の優位性を決定的に周囲に認めさせるような発言を繰り返す。 そんな人材を前に、経営者としてどう対処すべきか? 縁あって会社に来てくれた社員である。組織社会の常識がわからないからといって、上司や仲間が批判し、その芽をつぶしてはならない。私はそんな 1人 1人に対し、さらなる成長を願い、次のように話した。 「ことさら自分の優秀さを強調する君の発言は、周囲には痛くてしょうがない。君の得意な能力は皆の認めるところだ。それよりも部下に教えることで、君が持つ特色や特技をもっと会社全体に拡げてくれないか。その素晴らしい君の得意な能力は、他に自慢するためにあるのではない。皆のため、会社全体の発展のために使ってはどうか。そうやってみんなを引っ張っていって欲しいのだ。そうすれば、君はもっと上のポジションを狙える。責任者として上の立場から眺めた会社の景色は、今とはまったく違う壮大なものだよ。そこを目指してみないか」 彼らは、自分の得意な能力を認めてくれ、かつ、それの活かし方まで伝授され、エールを送ってくれたことに大きな手ごたえを感じてくれる。凝り固まっていた彼らの殻は、次第に取り払われ、素晴らしい社員として成長してくれるのだ。
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