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65  経営の大元を押さえる

鬼 100則   65経営の大元を押さえる  どの経営者も、戦いの日々を送っている。毎日の数字データをチェックし、ルーティーン業務が想定通りうまく回せているか、突発的に起きてくる問題にどのように適切に対応すべきかなど、目の前の業務処理に忙殺される毎日のはずである。  だが、社長が日々どんなに愚直に、そして真面目に働いていても、ある日突然、まるで天が見放したかのような大きな落とし穴にはまってしまい、再起不能に陥ることがある。  これは日々の業務に忙殺されるあまり、目の前の業務処理などにばかり目が行っていたことが仇となり、会社存続に関わる重大テーマを見過ごしていたことに起因する。重大テーマとしては、ざっと見て次のようなものが挙げられる。  ①持ち株比率  ②運営の実権  ③印鑑・通帳の管理  ④人事権  ⑤組織上のポジショニング  ⑥ブランド名、メイン商材の権利・特許・商標登録  ⑦土地建物の賃借契約・期限・代金  ⑧保証・担保  ⑨ F C・ VC契約の中身・解約条件  ⑩借入金・金利などの条件  ⑪販売先や仕入れ先の中でウエイトの高い取引先への対応や、在庫高の中で大きな比率を占める商品の完全コントロール  ⑫社員との絆作り・社員に寄り添う  時代の先端を行くコンセプトが受けて大繁盛となり、マスコミ取材などで一躍脚光を浴びた居酒屋のオーナーが、 2号店・ 3号店と多店舗展開を図ろうとした矢先、地主から賃借契約の期限切れ(正確には、期限が来ても借主側から契約更新の申し出がなかった)を理由に退去を求められたため、続けられなくなったという悲劇がある。  また、大塚家具のお家騒動の例を引くまでもなく、創業者の家族や親族などに株式が分散されており、社長の株式保有が少なかったために、親族同士の敵対が原因で社長を解任されるということもありうる。  経営者たる者は、月に 1回は無理でも、年に数回は、これらの会社存続に関わる大きなテーマについて深く考え、じっくり手を打つことが必要である。  そして、今から手を打つべきテーマを毎年、あるいは半年に一度はどうしたいのかを真剣に考え、長期計画の中に落とし込んでいくのである。そうしておけば、とんでもない悲劇を避けられる可能性は高まる。

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