社長が会社の善し悪しを決定します。では、社長の何がそれを決定するかと言えば、「基本的な考え方」です。それが会社全体に表されるのが、「理念」です。会社の理念がしっかりしている会社は、多少の波はあっても、最終的には強い。大正時代に松下電器産業を興した松下幸之助さんは、昭和七年に、「今年を松下電器創業の年とする」とおっしゃいました。それは、会社というものの使命を明確にし、「理念」としてはじめて社員に明確に示した年でした。会社の理念とは、「企業の存在意義」です。仕事を通じて、市場や社会にどんな貢献をしていくのか、ということです。あるいは、そのための根本的な行動規範です。松下電器の場合は、その根幹は「産業報国」──より良い商品を、広く皆に、より安く提供し、国民生活を豊かにすることでした。住友家の「浮利を追わず」も行動規範であり、理念です。理念が明確でない、あるいはそれが働く人に徹底しない会社は弱いものです。理念は単なるお題目ではなく、社長の信念でなければなりません。
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