鬼 100則 60妄想の世界が実現を生み出す パソコン販売比率を劇的に上げたい。そんな妄想が浮かんできた。 家電店にとって、当時パソコンは憧れの的だった。 J社の PC販売比率は 25%くらい。マツヤデンキ、カトーデンキ販売はそれぞれ約 7 ~ 10%。 Y社は約 20%。販売比率が急上昇の Y社を調査したところ、 PCメーカーを買収して一気に P C人材を手中にしたとのこと。これがヒントになって、ひらめいた。マツヤデンキの脱退の準備を進めながら、次の手を打ったのだ。 全国で P C主力の小売店を調査。秋葉原の亜土電子に目をつけ、業務提携してパソコン販売店舗を出店したい旨の直訴状を提出。店名〝 T・ ZONE〟。 「香川の電器店です。マツヤデンキの FC店で売上ナンバー 1です。マツヤデンキと提携しませんか? 今回の交渉が成功すれば、全国マツヤグループ 300店舗で〝アプティバ( IBMのパソコン)〟を販売し、あなたのアプティバ販売を全国一にできます」 このように猛アピールをし、数カ月後、高松に亜土電子の社長をご招待。屋島にある予定店舗をご案内。 そこで「大坂さん、やりましょう。四国一の PC売り場を作りましょう」と意気投合。 2 ~ 3カ月後、「そろそろマツヤデンキの社長に会わせてくれ」との申入れを受ける。申入れはもっともな話だが、実はこの件は、マツヤデンキの社長には一切言っていなかった。カトーデンキの加藤社長と 2人でアメリカへ行った折、亜土電子との提携話をはじめてもちかけた。すると交渉は全て任すとの承諾を得た。 このことを亜土電子の社長に伝え、急遽加藤社長との会談をセッティング。無事に提携が決定。これまで 1台も入手できなかったアプティバをカトーデンキの各店に展示できた。 あわせて P C専門店が調達してきた何百種類もの品揃えのサプライ用品も、そのノウハウと共に一挙に入荷。マツヤデンキを脱退し、カトーデンキと組むにあたって〝妄想〟し続けた「ライバルの Y社に負けないくらいのクオリティーの PC・その関連商品の品揃え」を 1年間で実現できたのだ。 やはり、事業のスタートはいかに妄想するかである。まさに妄想のパワー、恐るべし。
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