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6章 作成者の落とし穴

目次

作成者(時)の落とし穴

いざ『マニュアルjを作成しようと思ったとき、専門書を読む、関 連するセミナーに参加するなどといった行動を普通はとるだろう。

そ して、そこで仕入れた知識をもとに書き始める。

しかし、頭では理解 しているのだが、情報を整理する、文章を書くという大変な作業の中 で、ついつい作成における基本的な注意事項を忘れてしまう。

“書 く”という作業に没頭してしまい、『マニュアル』の作成目的や対象 者のことは、頭から抜け落ちる。

“思い込み”という深い穴

作成者(時)の落とし穴。

これは、“思い込み”という落とし穴で ある。

自分では「ょくできた(書けた)」と思っている。

「これくらい は、わかるはずだ」と思っている。

「これは絶対必要だ1」「このぐら いはできるだろう」、さらに、「これは『マニュアjレJにならない」- 作成者の一方的な,思い込み。

これが時として非常に深い穴を掘って しまう。

実際に書いてみて初めて気づくことが、『マニュアル』作成には本 当に多い。

それは、「なるほど、そういうことか」といった良い意味 での気づき・発見であれば良いが、どちらかと言えば、「ムムッ、こ れはなかなかどうして…・・・J「う~ん、どうまとめる……」といった 類のものが、実に多いのである。

一番悲惨なのは、『マニュアル』完 成後に指摘されて気づく例である。

今さらやり直しはできない。

したくない。

ここは聞き直るしか手は ない。

「これはこれで一つの完成ですからー…・。

素人が何とかここまでま とめましたから・・…・次の改訂のときにでも……」

『マニュアル』作成の犠牲者にtci5ないために

る。

その意味で、当たり前であるが、これはこれでりっぱな“完成” である。

ただ、作成者本人が自覚しているような後悔の念がなけれ の話である。

こうした気持ちを持った人は、ほとんどの場合、次 の二つの行動をとる。

l工、 l① h ア川を見ない問い) ② fマニュアjレ』に関わらない 自分の苦い失敗の記録をまざまざと見せつけられるのは、人間誰し もイヤである。

早く誰かが改訂してくれればと切に願う。

これは言うなれば、『マニュアルJ作成の犠牲者である。

浅い穴から深い穴まで、作成時における様々な“落とし穴”につい て、ぜひよく踏まえて、『マニュアル』作成に取りかかってほしいと 思う。

専門家のはまり込み→日識のオンパレード

難解な文章が続く。

専門的な知識が並ぶ。

作成者の「これでどう だ1」といった誼蓄が書き立てられる。

昨今、インターネットなどの普及で、様々な情報、詳細な情報が簡 単に手に入ることもあって、実によく調べている。

それはそれで、大切 そしゃく なことだが、それをよく岨噌しないで、そのまま『マニュアル』に載 せているのをよく見かける。

まじめで熱心に取り組む人、学究肌の人、技術系の人に多いのが、 この特徴である。

必要だと思って書き始めたら(調べ始めたら)、ズ ルズルと深みにはまってしまう。

調べ上げたことに満足して、ちょっ と照れながら、「結構、これ、時間がかかりましたよ」などと得意げ に話す。

「お疲れさまでした。

ところで、この『マニュアル』、誰向けでした か? 新人に必要な’情報ですか?」そのときになって、「あっ! 」と 気づかされる。

それでもまだちょっと不満で、、「このくらいは、知っ ておいたほうが後々助かるんじゃないかな……」などと言い立てる。

『マニュアルJに「00論文」は必要ない。

作成者に必要な’情報、 ではない。

誰にとって必要な4情報なのかである。

ともすれば、 とが忘れられてしまう。

<情報を整理・絞り込む上で‘の留意点> ①目的と対象者を明確にする ②その対象者に、必要十分な情報であるか検討する ③適切な情報量にする ④とくに“お客様にとって”必要なのかを重視する

“簡単・すぐできる”という思い込みー経験のコワ

① 手早くラッピングします。

② それを順序良く並べます。

どうもイメージが湧かない。

そのことを質問すると、「大丈夫です よ。

見てればすぐできます。

5秒で理解できますよ」との答えが返っ てきた。

確かにそうなのかもしれない。

しかし、それは経験した者が言える 言葉である。

作業のイメージ、を持っている人だから、言えるのであ る。

新人(未経験者)たちは、このイメージがない。

確かに一度経験す ればできるのだろうが、ここで一つ問題になることがある。

その経験 が、きちんと作業分解されて具体的に説明できるレベルになっている かどうかということである。

冒頭の例で言うならば、「手早くラッビング」することは確かにで きるのだが、なかなかきれいにできないのである。

フィルムが短い、 長すぎる、曲がってしまうなど、コツを覚えるまでにそれなりの時間 がかかってしまう。

つまり、それまでに大量のフィルムのゴミが出て しまう。

ムダ・ムラの発生である。

これは、作業技術系の『マニュアル』に多い特徴である。

経験者 は、言葉の少なさを経験というイメージ‘で、補っている。

行間のすき間 を埋めている。

しかし、新人にはそれができない。

いわゆる、簡単な作業ほどこの傾向が強い。

『マニュアル』に詳し く載せるほどの技術ではない。

現場ですくい覚えられるのだから… しかし、だからこそ具体的にすることが必要なのである。

そのプロ セスの中で、新しい発見や気づきが多く生まれるのも、また事実であ る。

暗黙知を形式知にする際に、よく起こる問題でもある。

小さなことでも暖昧にしない。

もっと効果や効率を考える。

そのこ とによって、問題意識、改善意識、さらに論理的に考えるといったこ とが、訓練され強化されていく。

<仕事の見直しの視点> もっと⑧ く(安全経済的に) もっと⑧ 確に もっと⑧ く もっと⑧ に(楽しく) という“仕事の見直し”の視点を常に意識しておくことが必要であ る。

何も知らない人聞がこの作業をする(覚える)ということを前提 に、いかに効率的に習得できるかを考えなければならない。

先の例で言えば、作業分解をきちんとして、数値化してみた。

“5 秒”の内容は、それなりの手順とポイントを含んでいた。

その結果、 ムダ・ムラがなくなったことは、言うまでもない。

まさに、簡単に・ すぐできるようになったのである。

<作業技術項目を作成する上での留意点> ① “簡単・すぐできる”技術ほど、作業分解してみる ② できるだけ手Ji!買に落とし込み、そのポイントを明確にす る ③ その際、できるだけ数値化にこだわる

思いの力ラ回

作成者の思いが、強すぎる例である。

私たちのお店は、お客様に足しげく通っていただけるお店に ならなければなりません。

お客様は、数あるお店の中から、 私たちのお店を選んで来ていただいたのです。

そんなお客様 に、私たちは精一杯のおもてなしの気持ちで接することが大 切です。

そのためには、お客様カず気持ち良く過ごしていただ けるように・

このような内容が、A4用紙半分以上を埋めつくしている。

いかに お客様をおもてなしすることが重要かを綿々とつづっている。

よく読 むと、それなりに思いがわかる、通じる。

である。

『接客読本』といった小冊子であれば問題ない が、これは『マニュアlレ』である。

簡潔明瞭に主旨を、ポイントを伝 えることが優先される。

その意味で長い。

ポイントがまとめづらい。

実は、こうした例は、 案外多いのである。

『マニュアル』の1枚目ということではなく、そ れぞれの項目ごとに、背景や重要性、目的、理由などを事細かに書 く。

いかに重要か大切かということを熱っぽく語る。

気持ちは、本当 によくわかる。

ただ、その効果を考えなければならない。

『マニュア ル』にこういう形で載せた効果を。

この『マニュアル』は、誰が対象で、どう使われる(教育・訓練さ れる)のか。

どうチェック・評価されるのか。

そもそも、見やすいの か、理解しやすいのか。

『マニュアjレJに載せる内容(情報)は、言うまでもなく様々な角 度から吟味・検討されなければならない。

社内の担当者が、一人で 『マニュアル』を作成したりするときに、得てしてこうしたことが起 こる。

作成者本人は、非常に満足している。

しかし読む(使う)側

は、たまったものじゃない、ということになる。

言いたい(書きたい)ことを、どう効果的に表現し、まとめるか。

この『マニュアル』を読んでいる人の顔、使用している場面などをイ メージすることが、その一つである。

そして、『マニュアル』のフォーマットの整備である。

長文にならJ ないように、ポイントが明確になるように、“形”を作って、落とし -ーーーーーーーー~ 込むことが必要である。

『マニュアル的』表現(方法)とは、あえて言えば、 シ」 る とあ こで る的 あ理 で論 瞭・ 明的 潔体 簡具 fJl\ この二つが二大要素である。

『マニュアjレjの目的・対象、そして効果(成果)を常に考えて作 成に取り組まなければならない。

“マニュアル的表現”に慣れる。

これも訓練である。

<作成上の留意点> ① まず、フォーマットを決める ② 箇条書きで、書きたいことを整理する ③ 狙い・効果を考えて、絞り込む

体系・全方位にこだわる

『マニュアル』を作成するためには、どんな項目(内容)で構成す るかを、まず最初に考えなければならない。

必要な項目の“洗い出 し”という作業である。

項目がそろってくると、それをもとに全体図 4 を作る。

『営業マニュアjレ』を例にとると、大きなテーマで、整理しても、 つ程度にはなる。

① 会社の営業方針・戦略関係 ② 営業マンの役割・心得関係(マナー等も含む) ③ 営業基本スキル関係(アプローチからクロージングまで) ④ 営業実践スキル(応酬話法・お客様心理など) しかし、営業マンに必要なことはこれだけかと言うと、実はまだま だたくさんある。

|① 営業事務関係 !② 営業知識関係 ! 他部門・工場との折衝関係 I 商品知識 業態・業種によっては、おそらくこの何倍もの項目が挙げられるだ ろう。

問題は、この全てを網羅する必要があるかどうかである。

担当 者としては、体系をまず整理し、今回はこの部分を『マニュアル』に するということを明確にして、取り組みたいと考える。

全体を明確に するということは、様々なマニュアル化を進める上でも、また、上司 に提案書を書く上でも必要なことである。

しかし、この全体図・体系図を作成するには、実に大変なパワーが かかる。

生半可な時間では完成しない。

どこまでを入れれば、「営業の仕事」が一望できるのか? 行動費の精算方法はどうする? パソ コンの操作方法は? 総:務部の『マニュアル』との整合性は…・・、極 端に言えばキリがない。

以前、この体系にこだわる担当者がいた。

「完成したら、ご連絡し ます」と言ってくれたので、3ヶ月程たった頃、連絡してみた。

「い や一、忙しくて。

これだけやっているわけにはいかないので……」半 年がたつた。

1年後、彼は転勤した。

結局、『マニュアルJは1ペー ジも作成できなかった。

こだわる人間は、どこの世界にもいるものだが、悪戦苦闘して成 果なしの良い例である。

こういう担当者は結構多い。

いわゆる、加減 がわからないということであろうか。

全体図・体系は必要である。

し かしそれは全体の整合性、位置関係が分かる程度でかまわない。

それよりも、会社から求められていることは何か。

営業部門とし て、何が今優先的なテーマなのかということである。

営業スキルを指 導できない、商品知識が不足している、お客様対応が不安である・・ etc そうした現場の切実なニーズに対応した『マニュアルJ作りか ら取り組むのも一つの方法である。

その『マニュアル』作りの中で、 様々なことが出てくる。

これは商品知識で扱おう、この内容は『別マ ニュアルJでほしいな……そこから体系が見えてくる。

全てを網羅している、完壁などということはあり得ない。

時代や環 境、会社の発展状況に応じて、『マニュアル』の内容はどんどん変化 する。

変化して当たり前である。

『マニュアルJはツールなのだから。

完壁な体系が重要であるという強い認識・こだわりが、結局I冊の 成果物さえあげることができなかった。

これも作成者が陥る深い穴の 一つである。

<作成上の留意点>

①いつまでにを明確にして、全体図の作成に取り掛かる

②“大.中,, I頁目のレべ、ルで、全体図を作成する ③期待されているニーズを確認し、テーマを絞り込む

完成度・精度にこだわる

これも、体系・全方位と同じように、 “穴”である。

『マニュアル』の項目を、大・中・小と細分化し、それを行動(作 業)としてより具体的にしていく。

仮説を立て、数値化できるよう に、様々な取り組みにチャレンジする。

例えば、 こだわることによって陥る こんな例である。

肉を薄く切って、きれいにトレイに並べます。

一見、何も問題のない文章のようであるが、具体性という視点で見 ると、多くの問題が、実はある。

① 1回の肉の“量”は、どのくちいか ②“薄く”とは、どのくらいか ③ どのように“薄く”切るのか ④右手で切るとしたら、左手はどうするのか ⑤“ きれいに並べる”とは? ⑥切った肉を、どのようにトレイに持っていくのか ⑦ “切る”ときの姿勢・立ち位置はどうなのだ といったように、突き詰めれば具体的にする項目がどんどん増えてく る。

それをさらに数値化するためには、何度も現場に足を運び、実際 に作業をして割り出さなければならない。

こんな方法で一つ一つの内 容を検討していたら、途方もない時聞がかかる。

途中でイヤになって くるかもしれない。

ところが、そうしないと気が済まない人たちがいる。

暖昧なままに しておくと、不安にかられてしまう。

「決定版にしたい!」という意 気込みで作成に取り組むことを、決して否定するものではない。

いや むしろ、そういう気持ちで取り組むことが大事である。

しかしである。

「より具体的に」と指導している立場から言えば 矛盾した言い方だが、何事にも“限度”がある。

スケジ、ユール、完成 時期(納期)という制約・条件もある。

“完成度を上げる”という大義名分のもと、納期がズルズルと遅れ てしまっては、本末転倒である。

目的・優先順位をはき違えることに なってしまう。

改訂をする際に、修正・加筆していくことで、対応で きることも多い。

ある企業の例であるが、年2回の改訂をここ10年ほど続けてい る。

改訂を繰り返す中で、まさに完成度・精度がどんどん上がってい る。

1ヶ所のチェックも入らないほど完成された原稿があがってくる こともある。

現場では、日々様々な新しいノウハウが生まれている。

もっと良い やり方が生み出されている。

その意味で、“完成版”は永遠にないと も言える。

『マニュアル』は常に進化し続けているのである。

しかし、このl慶昧なコトを具体的に追求していくという姿勢は、非 常に重要である。

これこそが、会社全体で共有していかなければなら ない価値でもあると思う。

この追求の中で、新たな発見や気づきが生 まれ、会社のレベルを向上させていくのである。

<作成上の留意点> ① “いつまでに、ここまでやる”を明確にして、取り組む ② 内容の要・急所の部分を、まず具体的にする ③ 期限内に終了しない場合は、次回改訂で対応する (百|き継ぎ事項として明文化しておく)

「フォーマットJの効

『マニュアルJ作成にとりかかる前に、基本となる「フォーマツ ト」を決める。

複数の人聞が作成(執筆)にあたることが多いので、これを決めて おかなければ、バラバラの内容(形)のものが出来上がってしまう。

また、何を・どの位置に・どのように書けば良いのかがわかるので、 マニュアル初心者でも書きやすい。

基本フォーマットの設定は、『マ ニュアル』作成における最も重要なワン・ステップである。

ところが、このフォーマット(形)にとらわれてしまう、というこ とがしばしば起こる。

無理やりその形に押し込めてしまい、逆にわか りづらい結果になってしまうのである。

例えば、手順を書くスペースを5マスとったとしよう。

そうする と、何が何でも“5つの手)|| 買”にしてしまう。

その結果、何が言いた いのか、何がポイントなのかがぼやけてしまうことがある。

『マニュ アル』作成の初心者(不慣れな人)がよく陥る“穴”である。

では、フォーマットのしばりがないとどうなるか。

伝えたい内容をどう構成するか、デザインするかで悩んでしまう。

一般的には長文の説明調になりやすい。

「箇条書きを中心に。

文章は短めに。

ポイントはまとめてください」 といくら言っても、論文調になってしまう。

頭では理解しているの だが、いざ書き出してみると……である。

『マニュアルJは、ツール(道具) である。

使い(読み)やすくな ければならない。

使用者(読者)がいるのである。

その意味で、基本 のフォーマットは、『マニュアル』作りに不可欠なものである。

しかし、前述したように、形にとらわれて、その良さが出ないとい うことが起こり得る(私が提H白するフォーマットは、いろいろなルー ル・制約があるということもあるが…ー・) 。

いずれにせよ、「基本 フォーマット」を踏まえた上で、読む人にわかりやすいかを判断基準に書き進めるしかない。

これも慣れ、訓練である。

ただ、言えることは、『マニュアル』的表現・書き方(具体的に整 理する)に慣れてくると、様々なメリットが生まれる。

例えば、 ・“どのように”という方法が、不明確 .正しい理解の順番になっていない -情報のレベル(質) が、バラバラ ・判断するモノサシ(基準)がない などといったことに気づかされる。

これまで、いかに暖昧なままで済まされてきたか。

「基本フォーマット」の設定は、市動に役立つ新しい発見や気づき に出会う上でも、その効果は絶大である。

<フォーマット作りの留意点> ① 各内容に共通の必須事項(盛り込む要素)を決める ② その項目の書き方・位置等を決める ① それらを入れ込んだ、全体のレイアウトを決める ④ 読む側がわかりやすいかを基準にチェックする

「ブローチャート」の錯覚

いろいろな『マニュアルJを見ていると、よく「フローチャート」 に出会う。

「フローチャート」は、全体の流れ・関連性を理解する上で、非常 に便利な道具(技法)である。

矢印がヲ|かれ、YES・NOとかOK・ NGによって、また矢印が変わっていく。

そして、その流れや矢印の 意味を丁寧に解説する。

しかし、ここから頭が混乱してくる。

「矢印Aは……」Aというのは、どこだ…ー・となる。

もちろん、こ の「フローチャート」がどれだけ複雑かの程度による。

単純な一直線 の流れ図ならば、そうは問題にならない(図1)。

図2のようになると、一つ一つよく見ていくと何となく流れは見え てくる。

全体像はおぼろげに理解できる。

しかし、ここまでである。

つまり、「では、どうするんだ」が当たり前だがない。

ところが、こ こで錯覚が起きる。

「フローチャート」で理解できた(わかった)は ずだ、で、終ってしまう。

そして、その前提で内容が進んで‘しまうので ある。

「では、どうすれば良いの? 」という疑問が当然残ってしま う。

『理解=行動』ではない。

ともすれば、「フローチャート」1枚 で、終ってしまうのである。

行動が伴う内容なのに、である。

作成者は、当然、行動が具体的にイメージされている。

だから、こ の流れ・関連性が理解できれば、行動できるはずだと思ってしまう。

これは、複雑な構造のものではなく、例えば「電話応対」などの『マ ニュアルJでもよく見かける。

必要なポイント・セリフなども書き込 んであるから大丈夫だろう、となる。

繰り返すが、「フローチャート」は全体の流れ・関連性を理解させ る上では有効である。

しかし、それは直ちに“行動”のステップへと はつながらない。

『マニュアルjは、 -誰が見てもわかる -誰がやっても同じようにできる ・理解(イメージ)が同じである .イ也の角評尺ができない これを作成(表現)の基準においておかなければならない。

「フローチャート」のメリットを踏まえながらも、それだけで済ま せるのではなく、続けて、その具体的な内容編を作成することが必要 である。

<フローチャートを作成する上での留意点> ① 「フローチャー卜jをできるだけ複雑にしない ② 「フローチャートJに“流れ”以外の要素をあまり書き込 まない ③ 各論編(行動レベル)を必ずつける

「写真」への思い込

デジタルカメラの普及は、『マニュアル』に大きな変化をもたらし た。

手軽に簡単に写真が『マニュアル』に取り込めるようになり、 『操作マニュアルJ、『技術マニュアル』といった実物を見せながら説 明したほうが理解しやすいものに、さかんに使われている。

また、マ ニュアル作成者が自ら写して貼りつけることが多いので、『マニュア jレ』を作る“楽しさ”も増大したのではないかと思われる。

確かに、写真はそのものズ、パリを見せるわけだから、余計な説明が 入らない。

文章を書くのが苦手な人には、強力な助っ人で、ある。

見て わかるというメリットは、『マニュアル』にとって、非常に大きな意 味を持っている。

ところで、こんな問題が起きてきた。

「写真で理解できるから、説明は簡単にポイントのみを」という指 示がよく出る。

これはこれで正しいのだが、問題はその写真の中身で ある。

例えば、ところが、写真を見ても、そのポイントがもう一つよく理解できな い。

これを写した人は当然わかっているから、見た人もわかるはずだ と思ってしまう。

経験者(できる人)は、写真のどこに焦点を合わせ れば良いかがわかる。

何を意味しているか、語っているのかがわか る。

しかし、初心者にはそれがわからない場合が多い。

焦点が定まら ないのである。

上記の例では、

といった矢印を入れることで、「押しながら切る」というイメージ カ王イ云わる。

また、写真のポイントとなるところを、0で囲む、あるいは説明文 を加えるといった処理が、理解を助ける上で必要である。

このように、写真は確かに便利で理解を助けるが、撮影者の独りよ がりにならないように注意しなければならない。

写真への過度の期待 は、禁物である。

内容を具体的なポイントに整理し、その理解を助ける上で写真を利 用する、という考え方が大切である。

写真よりイラストのほうが良い 場合だ、って、当然ある。

要は、何でもかんでも写真で片づけてしまう ことが、問題なのである。

こうした傾向は、内容を掘り下げて考え る、数値化するといった具体性の追求を阻害する。

文章を書いてい て、ちょっとつまると、「まあ、写真でわかるだろう」となってしま う。

写真は、思っている以上には伝わらないということを、よく考え ておくことが必要である。

!<写真を活用する上での留意点> I CDまず、内容やポイン卜を吟味する ② 内容・ポイントのどこを(何を)写真にするか検討する ③ 写真に、矢印やO囲みをするなど、理解を助ける工夫を する

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