鬼 100則 49新規出店は地獄への入り口目指すは強靭な金型作り 私が指導する社長たちの耳タコになっている言葉に「新規出店はするな」がある。 出した店が、ようやく利益を出すようになった。すると社長は勢いに乗って発表。「いよいようちの会社も 2号店だ」と。 店長のポストも増えるし、売上は倍だ。社員も増えてきっと社員も喜ぶはずだ……。だが、とんでもない。私に言わせれば、地獄への入り口だ。ご愁傷様と言いたい。 冷静に考えて欲しい。 1号店がうまくいったのは、社長が現場にいて社員と密着した中で責任を持って経営を行ってきたからだ。 2号店を出そうと思ったとたん、いい立地場所のリサーチ、 2号店用のスタッフ集め、出店コストのための資金調達などの準備に追われ、社長が現場に割ける時間は減る。その段階で、 1号店の売上も下がりはじめるはずだ。 もっとも 2号店を出すことによって、売上は多少増えるだろう。しかし、利益はどうか?人件費は膨らみ、家賃などの諸経費は倍になるはずだ。また、出店に伴い、 1号店から貴重な戦力を貸し出せば、 1号店の売上にも影響が出る。何よりも、社長の目が会社全体に十分に届かないという致命的現象が起きる。 そもそも 1号店での問題の積み残しはなかったのか。売上さえ上がれば、全ての問題も自然と解決されていくという甘い期待を持っているなら、それは大間違いだ。 まずは「これ以上やるべきことがない」というレベルにまで強靭な経営の金型を作りあげる。 1号店で埋もれていた問題は、社長の目が離れたとたんに噴き出し、命取りになる。 1号店の段階で強靭な金型を作りあげられれば、その金型で新規出店しても、失敗の可能性は極小化される。焦ることはない。むしろ、将来につながる大切なときなのだ。 これまで金型ができ上がっていないのに新規出店を続けてしまい、その結果、 1店舗ずつ閉店し、社員に辞めてもらい、残ったのは社長 1人と借金の山になったという経営者をどれほど見てきたことか。皆さんにはそうなって欲しくない。間違った方向に力を使い、社長の、社員の大切な人生を無駄にして欲しくないのだ。 だが、社長が十分力を蓄えて社内体制を整え、強靭な金型を作りあげた場合は別だ。反対する理由はない。「出店?いいじゃないか。立地だけは間違えないでくれ。一緒に検討しよう」として応援エールを送ってきたものだ。
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