営業を苦手としている社長は多くいますが、はっきりいってそれだけで損しています。 本来、社長が一番、会社のなかでもっとも商品やサービスの知識に詳しく、営業能力に長けているはずです。 社長が営業に出れば、営業先も役職者が応対してくれる可能性が高くなり、決裁権を持つ人に会える確率が上がりますから、取引が決まるまでのスピードが速くなります。 項目 24で紹介した食品製造業の T社長は、自ら積極的に営業活動をしています。 かつては営業に苦手意識があり、いつも社内にいましたが、セミナーに出たことがきっかけで、いてもたってもいられなくなり、しばしば営業に出かけるようになりました。 終日、飲食店を中心にまわって、自社の製品を説明したり情報交換をしたりするという活動を繰り返しています。社内にいる時間よりも外に出て営業をしている時間のほうが、はるかに長いのです。既存の取引先だけではなく、まだ取引がないところも飛び込みで営業を仕掛けています。 こうして T社長は次々と新規の取引先の開拓に成功して、トップセールスとなりました。それだけではなく、社内の若手営業マンたちが、社長の姿に刺激され生き生きと営業をするようにもなったのです。 また、東京で不動産業を経営している c社長は、都内で遊休不動産を持っている地主などに対して、繰り返し営業をかけることで業績を上げている人です。 c社長の営業は次のスタイルです。 都内で活用されていない土地の情報を入手したら、その土地が分譲住宅で販売したりなどで十分に収益が得られるか検討します。そしてその土地には価値があると判断できれば、そのオーナーに会いに行って、「売ってくれませんか」などと説得するのです。 ただ、すでにそのような土地は、他の不動産会社も目をつけて営業しているにもかかわらず、オーナーが「うん」といわず、そのままになっているケースが多いようです。 ある時、 c社長は住宅建築地として最適な 60坪ほどの土地を発見し、 70歳くらいのオーナーに売ってくれるように営業に行きましたが、「先祖代々の土地を売るものか」とテコでも動かない態度でした。それでも、 c社長はあきらめず、何回も何回もアプローチしました。 そして、ついに通い続けて 13回目のことです。そのオーナーの家のドアが壊れていたため、修理をしてあげて、ようやく「土地を売ってやるよ」という返事をもらうことに成功したのです。 たとえ社長が自ら実施しても、営業はうまくいかないことがありますが、あきらめずに何回もアプローチすることで目的を達成することがあるということを c社長の事例が教えてくれます。「しつこく営業しても、相手は余計に買いたくなくなるから無駄なことだ」 よく営業が苦手な社長はこういいますが、 1回ダメだったからとあきらめていませんか。何回も顔を合わせて c社長のように成約につながることもあるのです。 もう 1人、営業で大きな売上を勝ち取った社長をご紹介しましょう。 インターネット関連の企業を経営している若手経営者の d社長は、ある時「 ○ ○社長に会いにいって取引してもらう」と決意して実行しました。相手の社長の名前を聞けば、誰もが「あの社長に会えるわけがないから無茶なことするな」というような著名人です。 ところが、 d社長は、いろんな人との人脈を辿って、ついにその人に会うことを実現しました。それどころか、年間数億円の受注を獲得するのに成功したのです。 その後、 d社長の会社は順調に業績を拡大しており、数年後の IPOを目指して取り組んでいます。 私は、 d社長からこの話を聞いた時に、「やはり成功する社長は抜群の行動力と営業力を持っているなあ」と感銘を受けたものです。 業種によっては、「うちは営業などする必要がない会社だ」と思う社長がいるかもしれませんが、営業しなくてもいい会社など存在しないでしょう。 3つの事例が指し示すとおり、社長自らが積極的に営業に出て得た成果というものは、本当に大きく売上に貢献します。苦手な人も少しずつ営業活動をしていきましょう。 36/儲かる社長は、自ら営業活動に出ることの意義を知っている!
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