鬼 100則 33社長の賞味期限は? 大きな志・夢を抱いて起業する。あるいは両親の仕事を引き継ぐ。だが、当初思い描いた姿と大きく乖離してしまった現実を前に愕然とする。ことあるごとに勇気を振り絞ってチャレンジを試みるが一向に光が見えない。 気づけば、社員との会話は途絶え、朝礼参加の回数が減り、現場への足も遠のく。社内業務の改善意欲が次第に衰える一方で、社外活動が増える。 社外活動が活発になると、新しいコミュニティが広がる。出会った同類たちと決めた役割やテーマに汗をかくことで得られる連帯感、仲間意識、そして安堵感。そこには、死守しなければならない利益額というノルマもない。だから、だんだん居心地が良くなる。 他方、自社では打破すべきテーマがなかなか見つからず、見つかっても実行できない、成果も上がらない。だが、社外活動の場合はテーマがシンプルであり、短期勝負のものが多い。仲間と力を合わせれば結果も早い。 この頃になると、社員も気落ちした社長の様子に気づきはじめ、社内での社長の影響力もじわりと低下しはじめる。そんな時期が 2 ~ 3年あるいは 5 ~ 6年も続くと、さすがに会社の業績も下降線の一途をたどり、社長の意欲はさらに低下する。 そうなる前に手を打つべきだ。社長が自らの賞味期限に少しでも早く気づき、会社の存続のためにどう区切りをつけるかの決断が大切。ずるずるとドツボにはまってから退くのか、早目に弟に譲るのか、妻と交代するのか、はたまた息子または信頼できる右腕に託すのかを決断する。 手を打つ時期如何では、会社の価値や存続に天と地ほどの差が生じる。そのときを迎えてからあたふたとしないためにも、今の内にオペレーションシステムをはじめ、社内の見える化、組織のシンプル化を進めたり、さらに関係先との契約書の整理や見直しなど、あらゆる環境整備をしておくべきだ。社長としての賞味期限が迫っていても、下を向いてただ過ごすわけにはいかない。周囲の人は、そのあとも生きていかねばならないからだ。 自らの賞味期限に早く気づいて早目の準備に入ることは、自分なりの新たな世界を作り出していけるまたとないチャンスでもある。これは、あなた自身に残された「かけがえのない人生の後半戦」を、新しいステージと捉える第二創業でもあるのだ。
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