「メインバンク」に依存し過ぎるのは危険です。 私は中小企業の社長に、少なくとも 3行以上の銀行と取引し、できるだけ分散して融資を受けることをお勧めしています。 たしかに、複数の銀行と付き合うのはいろいろと手間や時間がかかるのは事実です。 しかし、 1行のみだと銀行内での事情により、資金繰りが厳しい時や設備投資を行いたい時に、資金調達できないかもしれません。 3行以上の銀行と取引しておけば、1つの銀行がなんらかの事情で融資を渋った時でも、別の銀行が支援してくれる可能性があり、資金の調達手段の幅が広がるというメリットがあるのです。 ところで、「銀行」といってもさまざまな業態に分かれています。メガバンク、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合のほか、政府系金融機関(日本政策金融公庫や商工組合中央金庫)もあります。 一般にメガバンクはドライだと認識してください。 むしろ、地域に根差した地方銀行、信金、信組のほうが「地元の企業を支援する」という意識が強いので、何かと無理を聞いてくれる可能性が高いのです。政府系金融機関は、「民間金融機関から融資を受けにくい中小企業を支援する」という目的の下に存在しているため、少々赤字でも踏み込んで融資してくれます。 これらの金融機関を上手に組み合わせて預金や融資の取引をすることで、まとまった資金が必要になったときも首尾よく融資を受けることができるようになります。 また、銀行の担当者の能力は個人差が大きいものです。担当者が、どれだけ会社のことを理解してくれて積極的に動いてくれるかで、資金調達の可否が左右されるといっても過言ではありません。 ここでは、複数の銀行と取引することによって、優秀な担当者と巡り会えた社長をご紹介します。 九州で高齢者介護のビジネスをしている Y社長は、 5年前に異業種から参入したばかりですが、地元の金融機関 5行から少しずつ融資を受けていました。わずか 5年で地域では 1、 2位を争うほどの売上を達成するようになり、新しい施設をつくることを計画していました。 そこで、取引銀行である第二地方銀行へ融資を相談したのです。 今回は 1億円という高額融資の申し込みだったため、銀行の担当者(支店の次長)も二つ返事というわけにはいきませんでした。 ただ、 Y社長は普段からこの担当者と密に情報交換をしていたので、担当者も「なんとかできないものか」と真剣に考えてくれたのです。 数日後、担当者が持ってきてくれたのは、「うちの銀行と日本政策金融公庫が協調して融資を検討することにします」という話でした。 Y社長は、まだ日本政策金融公庫から融資を受けたことがなかったので、「そんなことができるのか?」と半信半疑でした。 その後、 Y社長は、事業計画書を作成して担当者と一緒に日本政策金融公庫へ行ったのです。 実は、この時日本政策金融公庫にいて、 2人と応対したのが私でした。 第二地銀の支店の次長は、 Y社長のことをよく理解している様子で、「うちの銀行としてもできるだけ融資を実行したいのですが 8000万円までが限界なので、公庫さんで残りの 2000万円を支援してくれないか」という趣旨の話を持ちかけてきました。 Y社長の会社の業績と今回の計画を見たところ、高額投資なのでやや背伸びしている感がありました。 ただ私は、普段からこの会社を見ている地元の銀行が大半を融資するとなれば、政府系金融機関としても支援するべきだと思い、 2000万円を融資する方向で検討しました。稟議を経て最終的に融資が決定し、 Y社長の新しい施設がオープンしたのです。 普通は、これほど企業のことを思って熱心に動いてくれる銀行員はなかなかいません。 ところが、この担当者は、熱心なだけではなく企業の実態をしっかりと見極める眼を持っていました。 Y社長が複数の金融機関とつき合っていたので、この優秀な担当者と巡り会えたのです。あなたの会社でも、ぜひ積極的に複数の銀行との取引を行うことをお勧めします。 31/儲かる社長は、多くの銀行と取引をし、良好な関係を築いている!
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