鬼 100則 29社長の思いつき発言は、社員のやる気を失わせる 時間があるとふと思いついたように社内を、店内を、倉庫を回る社長。何を言われるのだろうかと社員の間に緊張が走る。 「何でここに置いてるの?これをすぐ片づけなさい」「床が汚れてる。すぐきれいにして」「昨日までの達成率は?」「こんな売上では駄目だ。週末にチラシを入れなさい」など。 たまに現場に来た社長から、次々と矢継ぎ早に指示が飛ぶ。 すると今日中にやり切りたい仕事を山ほど抱えている社員は、作業を一時ストップするしかない。社長の指示は全てに優先されるため、社員は不満を内に秘め、指示された仕事を黙々とこなすのだ。 社長の飛び入り発言による作業の大幅な遅れは、社員たちの不満を社内に充満させ、挙げ句に、「遅れは社長の急な指示が優先されたためだから仕方がない」と弁明されてしまう。 社長の思いつき発言のために、「仕事で大切なのは期限遵守、約束までに仕事を仕上げること」と、これまで社員教育で教えてきたことが徐々にないがしろにされてしまうのだ。 これでは、社内の仕組みを磨きあげ、効率のいいハイレベルな会社を目指していたはずなのに、肝心の社長自らが会社のルールを壊し、どんどんレベルを下げてしまう。社長の思いつき発言により、会社を壊してしまっているのだ。 社長は神様ではない。自分の知らないこともいっぱいある。 「現場に神宿る」という言葉があるが、だからこそ現場から離れている社長が、その権威権限をバックに軽々に「こうした方がいい」などと言ってはならない。 とにかく社長は今、自分が気づいて社員にやらせようとすることが果たして正しいかどうかを必ず現場の担当者やその上司に尋ね、自分の考えの根拠・合理性を調べるようにして欲しい。 そして、これを機会に、関係者の皆にしっかり考えさせ、話し合いで決まったことをルール化していくのである。そうしないと、社員が考えない会社になってしまう。 これが会社を筋肉質にしていく手法なのだ。
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