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21儲かる社長は人事評価の基準を明確にし、ダメ社長はブラックボックスで評価する。

中小企業の社長の多くは、社員の評価をする際に「その社員のことが好きかどうか」という基準になりがちです。しかも、評価する直前の印象で決めてしまう「ハロー考課」など、その時の気分で左右されることもあります。  とはいえ、中小企業の場合は社長が、社員を「好きかどうか」で評価することは、必ずしも間違いではありません。社長にとって「好きかどうか」という判断は、感情的な気持ちというよりも、「社長の指示命令を素直に実行し実績を上げているかどうか」という観点で考えた結果であることが多いからです。項目 18で述べたとおり、イエスマンを育てることは大事なことです。  しかし問題は、「社長の好みだけで評価されている」という不満を持たれて、社員たちのモチベーションが下がってしまうことにあります。  どんなに社長が正しいと思って評価しても、基準を明確にせずに「ブラックボックス」で評価してしまうと、社員は「彼は社長にゴマすりしたから」などと疑ってしまいます。  大切なのは、社長の「好きかどうか」という基準を、客観的に見ても公正に見えるように明文化して、「ガラス張りの評価」をすることです。社長が好きになる社員を高い評価にできる仕組みをつくると同時に、社員から不平不満が出ないようにするのです。  医薬品製造業を経営している Q社長は、この点をよく理解して、うまく人事評価を行っている人です。  この会社では、「目標管理による評価」と「行動面の評価」を組み合わせて、会社として求める人材を明確にし、給料と昇進を決める基準としています。「目標管理」では、年度当初に社員 1人ひとりに仕事の数値目標を掲げさせ、年に 2回仕事の実績を評価していました。それとは別に、「遅刻など秩序を乱す行為はなかったか」「行動力を発揮したか」「困難な仕事に積極的に取り組んだか」など、行動面の評価項目を決めて「 A、 B、 C」をつけていました。目標管理は数字で表す「絶対評価」で、行動面の評価項目は社員同士を比較する「相対評価」で実施します。  最終的にこれらの評価をどう判断するかについては、結局のところ社長の独断です。それでも社員にとっては、評価の基準が明確になっているため、仕事を頑張ろうとします。とりわけ、向上心が強く能力が高い社員が生き生きとした表情で貢献してくれるようになり、会社の業績も順調に推移しています。   Q社長の会社のもう1つの特徴は、たとえ幹部に昇進してもその地位を安泰にさせないところです。営業成績がよかったために部門の責任者である部長にしてみた結果、マネジメント能力が発揮されなかったのを理由に降格させることもあるのです。  野球の名プレーヤーが必ずしも名監督として活躍できるわけではないのと同様です。そのような人物にとっては、昇進が必ずしもベストな選択ではないため、一般社員に戻すという判断をしています。  また、 Q社長は、問題社員を排除する基準として、社員に対する懲罰規程もつくっていたのです。その基準は「遅刻や無断欠勤が多い」「お客様からのクレームが多い」「仕事上のミスが多い」など、ややあいまいな内容でしたが、これらを決めておくことで、あまりにも問題が多い社員を排除することも可能になります。  「中小企業は人がすべて」といえるほど、社員をどのように動かすかが重要課題です。  社員が増えれば秩序を乱すなど足を引っ張る社員が必ず出てきます。中小企業の社員の多くは、大企業の社員と比べると能力や意識の面で劣っているのは仕方ありませんから、なんとかうまく使うという姿勢は持つべきです。  しかし、会社に大きな悪影響を及ぼす社員に対しては、腫れ物に触るような対応は禁物です。ひたむきに頑張る社員は高く評価して、このような問題ある社員は辞めてもらうという姿勢も一方で持つべきです。  また、自分の息子など身内を会社に入れていることはよくあります。社長にとって息子は大切なので、優先していい待遇をしたくなります。  それでも、社員が 30名を超えるような規模になってきたら、たとえ後継者である息子であっても、しっかりと人事評価の基準に照らし合わせて評価することが重要です。「あのボンクラ息子を優遇する代わりに、俺たちをこき使っている」という社員の不満を防ぐためだけではなく、息子がしっかりとした後継者となるように育てるためでもあります。 21/儲かる社長は、頑張って成果を上げた社員が正当に評価されるよう、評価基準をつくる!

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