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13  最悪の事態を具体的に考える

 私は、いろいろあって思いもよらぬ形で独立しました。  独立のための準備を、まったくと言っていいほどしていなかったのです。  そのため、独立当初はかなり厳しい状態でした。  でも今はあの状態で独立できたことに感謝しています。  当時はこの先の不安が山ほどあって、一晩眠れないくらい悩みました。  悩みに悩んだ末に、嫁とこんな話をしました。「最悪を受け入れてしまえば、1つひとつの出来事にビビることはない」  この本をここまで読んで「うちの会社も変わろう。数字を見るのを、経費を削るのをやめて、もっとお客様を喜ばせることに専念しよう」と思ってくださった方もいると思います。  そのとき頭をもたげてくるのが「失敗したらどうしよう」という不安です。  うまくいかず倒産したらどうしよう。  私は「起こりうる最悪の事態を想定する」ことで不安を乗り越えることができました。  心理学的に説明すると、人間は「わからないことだから不安になる」そうです。  たとえば、乗っている電車がいきなり止まった。原因が何かも、いつ動き出すかも、まったくわからない。  そういうとき、とても不安になるものです。  でももし止まったとき、こんなアナウンスがあったらどうでしょうか。「ただ今信号機のトラブルで停止しています。車両に故障はありません。あと 5分程度で復旧する予定です」  不安はなくなるのではないでしょうか。  失敗したとき起こり得る事態を具体的に、具体的に考えて、それを受け入れられると感じた瞬間、不安はなくなります。  最悪も想定の範囲内だから、困ることは何もないのです。  私の考えた最悪は、「 1人もお客様がおらず、事業が続けられなくなること」でした。  私は嫁にこう言いました。「うまくいかなかったら、離婚して母子家庭となって子ども 2人を中学校に行かせてくれないか」  嫁はこのとき、「わかった」と言ってくれましたね。  こんなとき、女の人は度胸ありますよね。  この嫁だったから、独立できたんだと思います。「でも心配するな、必ずうまいこといくから」って言いました(何の根拠もないですけど(笑))。「約束する。来年の今日、『な、独立してよかったやろ』って言うから」と言いました。  そして、どうなったか?  言ってみるもんですね。 1年後、嫁にこう言いました。「な、言うてたとおりになったやろ」と。  だから、今が大変な状態の人頑張って!  神様は、乗り越えられない試練は与えないっていいます。「死ぬわけじゃない」そう考えれば、どんな試練も小さなものに感じられます。  試練を乗り越えたとき、幸せな生活が待っていますよ。  大きく転換するというのは、飛行機で言うと離陸したのと同じ。  飛行機が離陸したら、安定してシートベルト着用のサインが解除されるまで歩き回れません。  離陸するときは、水平飛行のときの 3倍の燃料がいるといいます。  しかし安定すれば、燃料消費は少なくなり、自由に動き回ることもできるようになるのです。  苦しいかもしれませんが、それを脱したら、楽しいときが待っています。

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