先の項の「内部志向」よりも「外部志向」を別の言葉で表現すると、「 ES( Employee Satisfaction 従業員満足度)」より「 CS( Customer Satisfaction お客さま満足度)」ということになります。 これもまた当たり前のことのように思われるかもしれませんが、一方で、「まず、従業員が生き生きと心地よく働ける環境をつくらないと、お客さまに満足していただけるようなサービスはできない」という考え方もあります。 たしかに、従業員が食うや食わずでは、お客さまによい商品やサービスを提供するのはむずかしい。「衣食足りて礼節を知る」のは当然でしょう。 しかし、 ES優先を強調すると、組織はおかしくなります。 たとえば、公務員です。給与はそこそこかもしれませんが、格安の宿舎などがあるうえに、高額の退職金や年金をもらえ、さらには、生産性が低いのに有給休暇もすべて消化でき、残業代もふんだんにつけられます。官僚ともなれば、天下りもできます。問題となった「渡り」をする人もいます。「遅れず、休まず、働かず」をモットーとしている人にはこんなすばらしい、 ES(従業員満足度)の高い職場はないでしょう。 一方で、 CS(お客さま満足度)は最低でしょう。高い税金をとられている国民のなかで役所のあり方や対応に満足している人などいるでしょうか。 ES(従業員満足度)が高くとも CS(お客さま満足度)など上がりません。 むしろ、逆です。 わたしの経験では、「従業員第一」などと言っている会社に限って給料が安いものです。従業員第一と言っている会社の経営者は、それを安月給の言い訳にしているのではないでしょうか(!)。 さもなければつぶれています。なぜなら、そんな従業員第一の会社をお客さまは好きではないからです。 もちろん、従業員を冷遇すればよいと言っているのではありません。むしろ逆です。まず CSを高めて、それにより ESを高める、それが正しい発想です。 CSが高まれば会社の業績は向上します。そうなれば、従業員や株主に多くを配分することができます。 ESはあくまでも CSの結果なのです。 つまり、従業員の待遇をよりよくするためには、お客さまを優先して利益を高めるしかないのです。 CSを高めて業績を上げて高い給与を支払うのがよい会社です。 それに、お客さまや世の中のためと思って仕事をして、それで稼げれば仕事が楽しくなるだろうし、そのほうが結果的にお金が多く稼げることを知れば自分も幸せだと思います。 CSを高める経営は「働きがい」を高める経営でもあるのです。 CS向上が働きがいのアップにつながり、それが業績向上を通じて、 ES上昇につながる。さらにそれが、 CS向上につながるという、よい循環を得られるのです。 ちなみに、わたしは、会社が従業員に提供できる幸せは、 1 働く幸せ」 2 「経済的幸せ」だと考えています。 経済的幸せとは、いうまでもなくお給料です。働く幸せとは、働くことによって自己実現する幸せです。そして、自己実現とは、なりうる最高の自分になることです。 会社とは働きに来るところであり、人は、「働きがい」ということを知れば、働くことによってなりうる最高の自分になれるのだと思っています。
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