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10章 部下の心をつかむ人間的魅力の磨きかた

74好かれる人の放つエネルギーとは何でしょう好かれる上司と嫌われる上司がいます。

部下に厳しい人でも、部下に好かれている上司がいます。

上司と部下の間には影響しあうエネルギーがあります。

上司が出しているエネルギーには3種類があります。

第一は、「押さえつけるエネルギー」です。

部下を拒絶し、押さえつけ従わせようとします。

第二は、「引き寄せるエネルギー」です。

部下の心を受け入れ、引き寄せることです。

第三に、「包み込むエネルギー」です。

部下の良い悪いすべて、丸ごと包み込むことです。

部下がよかれと思って提案したことでも、必ず否定する上司がいます。

「まだ早い」「時期が悪い」「余計なことは考えるな」提案した内容ではなく、ただ否定されるだけだと押さえつけられていると感じます。

部下は、提案の内容を検討してダメなら仕方がないと思いますが、それはそれでダメな理由を知りたいし納得したいと思っています。

上司はものごとにはタイミングがあると思っているだけかもしれませんが、まずいことに知らず知らずのうちに「押さえつけるエネルギー」を出しているのです。

部下はせっかく提案したのに、押さえつける上司についていきたいと思うでしょうか。

部下の提案をよく聞いて、誠実に検討してくれる上司もいます。

提案を採用してくれるかどうかは、さらに上の決裁もいることでしょうから別として、ともかく部下がよかれと思って提案した心を受け入れてくれたのです。

部下の提案は部下のヤル気の行動です。

ヤル気を受け入れたことで心を引き寄せています。

部下の提案には不完全なところもあるでしょう。

それが分かっていて、部下の良いところも悪いところも丸ごと受け入れて包み込む上司もいます。

失敗した部下に「よく頑張った。

次への勉強にしよう」と励ます上司がいます。

「包み込むエネルギー」を受けて部下は、この上司が大好きになるでしょう。

第二、第三のエネルギーを出して、人間的魅力を養いましょう。

「押さえつけるエネルギー」を出す上司についていきたいと思うでしょうか。

「引き寄せるエネルギー」と「包み込むエネルギー」を出す上司についていきたいと思います。

75人が慕い寄ってくる豊かな人間性を持とう人間的魅力というのは、尽きるところ豊かな人間性を身につけることだと思います。

この人間性を身につけることは難しいけれども、その努力をしましょう。

人間性といってもいろいろな要素があります。

人にやさしい。

相手のことを気遣ってくれる。

困った人を手助けする。

筋を通して揺るがない。

信念がある。

約束を守る。

人の良いところを見る。

人間性に欠ける人がいます。

どんな人を想像しますか。

ちょっとしたことで怒りっぽい。

人に対して裏表がある。

約束を平気で破る。

時間にだらしない。

人の陰口や悪口を言う。

やたらに人を疑う。

おつき合いを避けたくなるようなことをする人です。

人間性を疑いたくなります。

人間性とは、良くも悪くもその人の人格であり、心の状態ではないでしょうか。

豊かな人間性を身につけるためには、自分の心の内側を見つめ直し、良くないと思うところを変える努力をして、良いと思うところを大きくしていくことです。

部下を持ち上司の立場になると、権力を振り回し傲慢になる人がいます。

これでは、人が慕い寄ってくる豊かな人間性の持ち主とは言えないでしょう。

ちょっとしたことで怒ってしまい、不機嫌になってしまう上司がいます。

こういう人は怒りを抑える練習をしたほうがいいと思います。

その方法は部下に対する感謝の心を養うことです。

部下によって支えられていることを理解することです。

良い人間性とは、総合的なものです。

「君子は器ならず」(論語)論語にある孔子の教えです。

人間性豊かな君子たるものは、ある用途の決まった食器のようなものではない。

自由で総合的にものごとの善き判断と行動ができる存在なのです。

そうできる知識と教養を身につけ、心の修養に努めなさいという教えです。

どんなに優れた実績を上げようとも、高い地位につこうとも、まだまだ未熟であるという謙虚さを持ち、他人への思いやりを持ち、人としての道徳心を持つことが大事です。

豊かな人間性を身につけるには、心の内側を見つめ直しより良く変えることです。

人間性豊かな人は、自由で総合的に善き判断と行動ができる存在です。

76恕の精神は、日本の心、誇りです善き人間性の中心となる心は、「恕の精神」です。

部下を許す心です。

思いやって励ます心です。

私心なく全体の利益を考えることです。

上司に、「恕の精神」がないと「運気」が消えて次のようになります。

部下を追い詰める。

部下を潰す。

有能な部下が自ら去っていく。

人が育たない。

周囲の人と対立する。

私利私欲に溺れる。

金や権力に目がくらむ。

地位も生活も没落する。

弟子の子貢が孔子に尋ねました。

「ひとことで言って、生涯おこなうべきことがあったら教えてください」「それは恕である。

自分にされたくないことを他人に対してはやらないことだ」この「恕」とは、情け深く思いやりがあること、相手をあわれんで罪を許すこと、一切を包容してその人を向上させようとすることなどと、辞書には解釈されています。

恕の精神がなくなると、クレーム社会、権利ばかり主張する社会となります。

最近の困った傾向です。

ちょっとのことでクレームを言い、権利を主張する息苦しい事件が増えています。

恕の精神には、お互いさまという配慮があります。

困ったときはお互いさまで助け合おう、迷惑はお互いさまで我慢しようという心配りです。

恕の精神の表れとして、「三方よし」の教えがあります。

「自分よし、相手よし、世間よし」自分にも、相手にも、世間にも良いようにすることです。

自分だけが得しても良くないし、相手だけが得しても長続きしません。

そして世間の人も良くなるようにするのがよいのです。

「落としどころ」という言葉があります。

対立した意見がぶつかり合い、いつまでも結論が出ないのは生産的ではないのです。

ものごとが前に進みません。

お互いが不幸なままです。

それに関係する多くの人たち、いわゆる世間の人たちも迷惑です。

そこで先人たちの知恵として、落としどころを探して皆が納得する結論を得るのです。

自分も相手も完全に満足ではないが、あるていど満足できればそれでいいという納得は、やはり相手を思いやる恕の精神が具現化された判断原理なのです。

孔子は、生涯を通しておこなうべきことは「恕」であると教えています。

「恕」とは、自分にされたくないことを他人にやらない、情け深いことです。

77心の余裕は譲ることから生まれます上司になると、たくさん神経を使ってイライラすることが増えてきます。

そのため、タバコを何箱も吸って酒を飲みすぎ胃を悪くし肺がんになる人もいます。

わたしも30代の頃同じような経験がありつらい思いをしました。

もっと心に余裕を持って部下と接していれば良かったのにと反省しています。

心に余裕がある生活をしているかどうかの診断方法があります。

スーパーやコンビニで、ドアや狭い通路で人とすれ違うときどうしますか?①自分が先に行く。

②相手が来ても同時に自分も行く。

③相手が通るのを待ってから行く。

先に行く、同時に行くという人は、心に余裕が生まれません。

イライラが多い人です。

待ってから行く人は、心に余裕がある人です。

相手に道を譲る心が、余裕を生み出すのです。

狭い道路で自動車が道を譲るときも同じです。

両方が先に行こうとするとにらみ合いになりイライラします。

譲らずに先へ行ったほうが得したように思いますが、逆なのです。

勝ち負けで言えば負けているのです。

譲ったほうが勝ちなのです。

相手に譲る心は、相手の喜びを自分の喜びとする姿勢です。

それだけ心が広く大きいのです。

小さな心の人と、大きな心の人とでは、大きな心に人間的魅力を感じるのは当然でしょう。

何かにつけ譲らない人がいます。

譲らないと心が汚れてきます。

気をつけてください。

自分のことしか考えない嫌な人間、悪臭がする心の持ち主になります。

譲る人は心がきれいになります。

心の余裕が生まれるから健康になり幸福感に包まれます。

「正しいと思う者が、一歩譲る心を持てば争いは起こらない」昭和天皇のお言葉です。

深い御心を感じ、身が引き締まるではありませんか。

会議でも、交渉ごとでも、押すばかりではなく、一歩引くこともあってよいのです。

譲ることで大局を収め、それを喜びとする人には魅力があります。

相手に道を譲る心が、余裕を生み出すのです。

相手に譲る心は、相手の喜びを自分の喜びとする姿勢です。

78陰徳あれば陽報あり「あなたには能力があるのに、なぜか出し惜しみをしています」「なぜもっと持てる力を出そうとしないのですか?」このセリフは、管理者研修でよく使います。

返ってくる答えは決まっています。

「認めてくれないからです。

評価してくれれば頑張りますよ」社長が認めてくれないから、ヤル気がないという上司に部下はついていくでしょうか。

評価してくれたら頑張るという上司に魅力を感じるでしょうか。

社長が顔を出すと急に頑張っているふりをする。

いなくなると怠ける上司。

こんな上司にうんざりすると、部下の皆さんから本音を聞くことがあります。

あなたはまさかこんなことはないでしょうね。

誰も見ていなくてもやるべきことをしっかりやる。

評価されなくても力を出し切る。

こういう上司は魅力があり尊敬できます。

これは部下の皆さんの声です。

昔も今も真理は変わらないようです。

「陰徳あれば陽報あり」という教えがあります。

人知れず善いおこないをする者には、必ず好い報いがある。

紀元前150年頃、「淮南子・人間訓」という思想書で述べられています。

見えないところで、力を尽くす人が良い結果をもたらすのです。

英語圏にも、同じ教えがあります。

Hethatsowsgoodseedshallreapgoodcorn.良い種をまくものは、良い麦を収穫する。

認められなくても、評価されなくても、そんなの関係ないと思いましょう。

陰の徳を積むのです。

持っている能力を出し切りましょう。

そういう上司を部下は尊敬し見習うことでしょう。

そういう職場はあなたが見ていないところでも、部下は全力で仕事に取り組みます。

部下は上司の魅力に引かれて、それを見習い努力し成長するのです。

人知れず善いおこないをする者には、必ず好い報いがある。

Hethatsowsgoodseedshallreapgoodcorn.

79言い訳は無用、「為」お客様のところで納めた機械にトラブルが発生しました。

ともかく急ぐので、社長がA課長にそこへ行って処理してくれと言います。

しかし、A課長は担当ではないし、他にやりかけの仕事があります。

理由を言って断ります。

そこで社長は他の幹部に頼みました。

彼は快く引き受けて現場へ飛んでいきました。

あとに残ったA課長は、「担当じゃない。

やりかけの仕事がある」と心に言い訳をします。

しかしなんだかスッキリしません。

言い訳をすると、何かもやもやしたものが残るのはなぜでしょうか。

それに対して孔子はこう言っています。

「其の鬼に非ずしてこれを祭るは、諂いなり。

義を見て為ざるは勇無きなり」我が家の先祖でもないのに祭ってペコペコするのはへつらいである。

人としてなすべきものだと知りながら、それをしないことは勇気がないことだ。

見て見ぬふりをするな。

困っていたら助けよ。

そのための勇気が必要だという教えです。

わたしたちは言い訳をします。

やるべきことが分かっていてやらないとき、何かの理由でやれないとき、自分や相手を納得させるために言い訳をしたくなります。

言い訳すると、そのときはやり過ごせます。

でもプラスの気分は生まれません。

言い訳はへつらいだからです。

自己の正当化は他者へのへつらいそのものです。

へつらいは、とうぜんですが「運気」もさげています。

義とは、打算や損得を考えない人としての正しい道のことです。

これは勇気を奮っておこなうと、「運気」を高めます。

やりたくない。

嫌な仕事だ。

面倒くさい。

手がかかる。

大切なことであっても、誰もが逃げたくなる事柄があるものです。

それが会社にとって、一般社会において大事なことだとします。

誰かがやらなければならいことなのです。

こんなとき、迷わずにあなたは受けて立ってください。

真の勇者にしかできないことで、人間的魅力を養うことができます。

言い訳は、自己の正当化であり、他者へのへつらいそのものです。

義とは、打算のない人の道です。

勇気を奮っておこないましょう。

80喜怒哀楽は魅力の源泉になります喜怒哀楽の表現が豊かな上司には魅力があります。

部下の仕事がうまく運んだら手を叩いて喜び、本気で怒って間違いをいさめ、涙を流して心から哀しみ、赤ん坊のように無邪気に楽しむ上司は、魅力にあふれています。

これができる上司は、深い知識があり多くの引き出しを持っているからです。

その場その場で臨機応変に喜怒哀楽の対処ができるのです。

しかも気まぐれではなく先々をよく考えたベストの判断で喜び、そして怒りなどの対応ができるなら、安心してついていけます。

この上司こそ信頼でき、わが身を託してよいと思うのではないでしょうか。

上司たるもの、喜怒哀楽はただ出せばよいというものではなく、どのように喜び、どのように怒り、どのように哀しみ、どのように楽しむかが大事と言えます。

王陽明は弟子に与えた手紙にこう言っています。

「天下の事、万変と雖も我が之に応ず所以は喜怒哀楽の四者を出でず」世の中のことは変化が目まぐるしいほどだが、自分がこれに対応することは喜怒哀楽の四つの範疇に収まっているという意味です。

そこでさらにこう言います。

「これ学を為すの要にして、政を為すも亦たその中にあり」この喜怒哀楽の表現が学ぶことそのもので、世の中を治めるのも、為政者の喜怒哀楽によって良い政治にもなるし悪くもなると教えています。

どのように喜ぶか、どんなことに喜ぶかということが、学ぶことそのものなのです。

怒りについても、つまらないことで激高するのではありません。

大きな問題、あってはならないこと、良識や社会通念に照らして正しいことかを判断して怒ることが大事だというわけです。

「政を為す」とは、喜怒哀楽によって部下の心をつかめるかが決まるというのです。

これは言うは易く行うは難しで、わたしも反省することばかりですが、とても大事なことなので、気をつけましょうという意味で申し上げています。

喜び、怒り、哀しみ、楽しみが、真心から適切に出る人に魅力を感じるのです。

喜怒哀楽は、何に、どのように喜び、怒り、哀しみ、楽しむかが大事です。

喜怒哀楽とは学ぶことであり、人心を治めることでもあります。

81権限を委譲できる器を持とう権限委譲して部下を育ててほしい。

ほとんどの社長が管理者に求める期待です。

部下を持つ上司の人たちを見ていて権限委譲が下手だなと思います。

というより委譲したくないと思っているように思います。

第一に、自分でやったほうが早いと考えています。

部下を指導して問題を解決させるより自分がやったほうが早くて効率がいいと思っています。

そして仕事を抱え込んでいます。

第二に、自分が不要だと思われないか心配なのです。

権限委譲して部下を育て、自分は新しいことにチャレンジするべきなのに、それができない人です。

第三に、自分のほうが部下よりも、ものをよく知っていると思い込んでいます。

これは錯覚です。

担当している現場の部下がいちばん解決策を持っているのです。

権限を委譲できない上司は、人間的器が小さいと反省してください。

器を大きくしないと、社長はこれ以上の地位や仕事を与えようとはしないでしょう。

しかし部下に丸投げするのは無責任で危険です。

能力の低い部下もいるからです。

仕事や問題の内容と部下の能力を見極めて、段階的にどう権限委譲するかを判断してください。

①上司が仕事や問題を処理する。

②上司が処理方法を指示して部下が実行する。

③部下が処理方法を提案して上司の承認を得る。

④部下の判断で処理して上司に事後報告する。

この4段階があると思われますが、④の方法で部下が行動でき問題がなければ部下の能力は高くなります。

そして余力ができたあなたは役員や社長の補佐をしましょう。

そのためには、部下の考える力を伸ばすことです。

まず自分で考えさせてください。

こうしなさいと教えないで、質問してください。

「どうしたらよいですか?」「検討しておくべき点は何だろうか?」仕事を与えるとき、部下が問題を持ち込んできたとき、この質問をしましょう。

部下は自分で考える習慣が身につきます。

正しい判断と行動ができれば安心して権限委譲ができます。

権限を委譲できる上司になり、高い地位と大きな仕事で活躍しましょう。

部下に質問して考えさせ育てて権限委譲をしましょう。

82一貫性のある行動に信頼が集まります上司は様々な主張をして部下を引っ張り、リーダーシップを発揮します。

朝は右へ行けと言い、夕刻には左へ走れと言い、これを朝令暮改と人は呼びます。

朝令暮改は決して悪いことではありません。

仕事の状況は刻々と変化します。

これに応じて臨機応変に対処することはむしろ大事なことです。

状況が変化し危機が迫っているのに手をこまねいて、朝言ったことを夕刻に変更できないほうが悪い結果をもたらします。

また、一貫性のある行動が大事だとも言います。

ブレずに、やり切ることで部下の信頼は集まります。

大きな方向性、大きな方針は簡単に変えてはいけません。

何かの主張をしたとき、ちょっとやそっとで、あきらめては信頼を失います。

それを続けること、必ずやり切ることです。

もう一つ、人への接しかたや行動スタイルはどんなときも同じでいきましょう。

日常の態度や振る舞いなど、対人関係における一貫性の基本を学んで実行しましょう。

①時間的な一貫性を持ちましょう。

その時々で態度を変えないことです。

朝は機嫌が良かったのに、夕刻にガラッと不機嫌になり態度が変わると部下は面食らいます。

仕事の対応変化は状況によりあってもよいのです。

しかし見通しの悪さや判断の甘さは、部下もシビアに見ています。

一貫性がないと部下に見られてしまいます。

②対人関係の一貫性を持ちましょう。

上司にはペコペコして、部下の前ではエラそうな態度をとるなどはやめましょう。

えこひいきをやめ一人ひとりにフェアーなことが、公平であり一貫性のある上司です。

お客様には誠実そうにして、業者には横柄な態度で接するのは一貫性がありません。

業者にも丁寧に誠実に接しましょう。

③状況対応の一貫性を維持しましょう。

通常と緊急事態の両方とも変化なく、落ち着いて行動しましょう。

困ったときこそ平常心を持って行動してください。

仕事の状況判断では、対応が変わることがあってもよいのです。

目的や目標は一貫性を持たせて変えてはいけません。

やり切ることです。

状況変化を見て、臨機応変に対処する朝令暮改は必要です。

目的や目標、人への接しかたや行動スタイルには一貫性を持ちましょう。

 

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