子どもが後継者になる場合、親子ゆえにこじれやすい場合もあります。血がつながっているがゆえに反目してしまうとき、どうすべき? 親は子に継がせたい、子は親の言うことを聞かない 経営者の後継者問題は、とても難しい問題です。親子に限らずそうです。 とくに、先代が一代で会社を大きくした人物のような場合、なんとか経営ができるというレベルの後継社長のやり方だと、もどかしくて仕方ないのです。 これが、親子でなければ「社長としての機能」の優劣だけを考えて、厳しいことを言ったり、ときには辞めてもらったりもできるのです。お金で解決することができる。 ところが、親子となると、様相が変わってくるわけです。 子どもにその力がなくても、やらせたい。株式のこともあります。 力がまずまずあるのではないかという場合も、やることなすこと面白くない。 よく、親子間で揉め、私のところに解決してほしいと相談に来られる方がいるのですが、私は話を聞いて、「それは会社の経営の問題ではなく、親子喧嘩の範疇ですから、親としてご自身で解決してください」と言います。 ずいぶん前の話ですが、息子さんが後継者と決まっているものの、気に食わないことが多くて、何かとお父さんが口を出し、揉めていた親子がいました。 お父さんのほうが正しいことを言っている部分もあるし、息子さんの言っていることが分かる部分もある。 私はその息子さんに、「親孝行して不幸になった人はいませんよ」と言いました。 先代はずっと会社をつぶさずに続けてこられたのですから、言っていることが大きく間違っているわけではないのです。「いろいろ感じるところはあるでしょうが、ここは素直な心で、先代の言っていることを一旦受け入れてみてはどうですか?」と提案しました。 息子さんは理解してくれ、その会社にしばらく平穏な日々が訪れました。 私がその話をしてから半年ほどして、元気だったお父さんが突然倒れ、亡くなられました。 息子さんから、「あのとき、小宮さんがああ言ってくださったので、最期に親不孝をしなくて済みました。本当に感謝しています」と言ってくださいました。 親が経営者だから子どもが継がなければいけない? 親が経営者だから、子が継がないといけないということはないと思います。 親がプロ野球の選手をしているから自分もなりたいと言っても、実力が認められなかったらなれません。 それと同じように、経営者も誰でもなれるものではないという認識が必要です。 好きになれないのに経営者になる人は、ある意味、気の毒です。好きになれないなら、本来、やってはいけないのです。好きでも能力や意識が低ければ同じです。 経営を失敗したら、倒産です。多大な迷惑を多くの人にかけますから、嫌々やられたら、たまったものではありません。 息子だから、娘だから、継がなければいけないということはない。 オーナー経営者の場合、株式の継承の問題もありますが、すごく良い会社をつくって、優秀な人を雇って経営してもらって、経営と所有を分離するというやり方もあります。 継がせたものの、やる気もなくて遊んでばかりいるなら、クビにする。 社長としての機能を果たせない人間を、その地位につけておくことが間違っています。 もし少々能力が低くても、親を尊敬していて、真面目にやろうとしているなら、優秀な補佐をつけてやればいいのです。先代の番頭みたいな人ではなく、若い後継者を支えられるような、同年代の部下をつけてやる。 ここでも大切なのは、素直かどうかです。素直さとやる気があれば、能力は補佐できるのです。要するに、前向きなやる気と素直さ、まじめさなのです。
子どもに期待しすぎ、その実力評価を誤ると、優れた経営者も晩節を全うすることができなくなってしまいます。会社は、社会の「公器」と考えて、ベストな選択をすることが大切です。 Point子どもに無理に継がせずとも良い。会社は公器、世の中のためにあるべきもの。
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