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04お金は、目的ではなく「結果」である「お金を追うな、仕事を追え」──人生の師の忘れられない教え

04お金は、目的ではなく「結果」である「お金を追うな、仕事を追え」──人生の師の忘れられない教え会社が利益を上げることはもちろん大事ですが、それを目的にしてしまうと、会社はおかしくなっていきます。 利益を最優先する社長が決してうまくいかないワケ  事業を通して収益を上げることは、ビジネスの必須条件です。  どんなに素晴らしいミッションを持ち、誠実な経営をしていても、売上や利益の出ない会社を私は信用しません。社会から評価されていないからです。そして、社員を幸せにすることができないうえに、会社を存続させていくことが危うくなるからです。  だからといって、収益を上げることを事業の目的にしてはいけません。  お金を稼ぐことは目的を達成するための手段であり、結果なのです。「はじめに」で、良い社長の条件として、「 1.お客さまに喜ばれる商品やサービスを提供して、社会に貢献している」「 2.働く人が幸せである」「 3.高収益である」、この3つの条件を充たす会社をつくることだと言いました。  このとき、高収益であることは、あくまでも 3番目の要素なのです。  良い商品やサービスを提供し、お客さまに喜んでいただく。そういう仕事を通じて、働いている人が幸せを感じる。この2つができたうえでの、利益なのです。「お金が目当てで会社を始めて、成功した人を見たことがない」  これは、アップル創業者、故・スティーブ・ジョブズの言葉です。  ジョブズの関心、そして社員の求心力になっていたのは、「世界を変える革新的な製品をつくり出すこと」でした。  ジョブズは 1985年に一度はアップルを追われますが、約 10年後、アップルの業績の低迷により復帰します。なぜ自分がいなくなってダメになったのか。  失敗の原因はトップの考え方、価値観にあった、とジョブズは語っています。「アップルをなによりアップルたらしめてきたもの、すなわち人々のためにより良きコンピュータをつくることはないがしろにされ……富が優先されていった」  原動力は製品であるべきなのに、金もうけを目的にしてしまったからだというのです。  このように、利益を最優先させると、いろいろなことが変わっていきます。  どんな人を雇うのか、誰を昇進させるのか、会議で何を話し合うのか、どんな製品をつくるのか。その結果、当初の会社の存在意義は、どんどん崩れてしまいます。  これはなにもアップルに限った話ではありません。「数字」ははっきりと分かりやすいので、売上や利益を達成目標にすることは一般的にどこでも行われています。私の会社でも重要な KPI( Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の一つにしています。しかし、その目標達成は、会社が本当に目的にしていることを達成するための手段や評価にすぎません。そこを逆転させてはダメです。「お客さま第一」という理念を謳っている会社が、利益のことを一番にするようになったら、「お客さまそっちのけ」になってしまいます。  売上は大事、利益も大事です。  しかし、それは良い仕事の結果として後からついてくるものなのです。 一流の社長は「良い仕事をすること」を第一としている「お金を追うな、仕事を追え」  これは私が人生の師として慕っていた禅宗の老師、故・藤本幸邦先生の言葉です。  長野県篠ノ井の円福寺というお寺の住職でしたが、晩年は曹洞宗の大本山・永平寺の最高顧問も務められるような高僧でした。私は 30代のころからいろいろ教えを受けてきて、藤本先生のボランティア活動の東京事務局長もしてきましたが、 10年ほど前に 99歳で亡くなられました。

 その藤本老師が繰り返しおっしゃっていたのがこの言葉なのです。  お金を追い求めるような生き方をするのではなく、いついかなるときも自分にできる最善を尽くし、良い仕事をすることが、さらなる仕事につながっていき、結果としてお金が入ってくる機会がまた増える、という意味です。  私はこの老師の教えを胸にしっかりと刻み、常に自分に与えられた仕事をしっかりと務めることを心がけています。 Pointお金は目的達成のための手段であり、結果にすぎない。

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