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02差別化は「 QPS」で考える競合他社に負けない「差別化戦略」の描き方

02差別化は「 QPS」で考える競合他社に負けない「差別化戦略」の描き方「自社の強み」を漠然としか認識していない社長は、案外多くいます。ここでは、自社の強みを分析するシンプルな手法をご紹介します。 自社の強みを自覚できていますか?  私のお客さまのなかに、日本に数台しかない 4000 tプレス機を持っている会社があります。   4000 tと聞いてもピンとこないかもしれませんが、これは車のボンネットのような大きな金属でも一発でぶち抜くことができるほどの性能です。ライバル企業からすると、ちょっとやそっとのことでは太刀打ちできない、ものすごい「強み」です。  しかし、そんなすごい設備があるのに、 1000 tクラスのプレス機でもできる、小さな部品の加工ばかりを請け負っていたとしたら、どうでしょう?  これでは、せっかくの強みが活かせていない、ということになります。したがって、 4000 tのプレス機でなければできない仕事を、たくさん受けるほうがいいわけです。そう考えると、どういうところにどんな営業をかければいいのかもはっきりします。  自社が他社と違うと自信を持ってアピールできる点は、どこか。  それが会社の強みです。  これは、「方向づけ」とも深く関係します。企業経営の根本である、マーケティングを行い、イノベーションしていくのです。  つまり、強みの確認は、企業活動の源泉ともいえます。 強みは、お客さま目線の「 QPS」で考える  マーケティングで自社の強みは何なのかを把握する際、私は商品やサービスの内容を、次の3つの基準から考えることをお勧めしています。 1.クオリティ( Quality:品質) 2.プライス( Price:価格) 3.サービス( Service:サービス、その他)  私はこれを、3つの頭文字をとって「 QPS」と呼んでいます。これは、お客さまが自社を選ぶか、ライバル他社を選ぶかのポイントを分解したものです。  クオリティが高いほうがいいのは当たり前ですが、そのクオリティを維持するためにプライスがとても高かったら、選ばないお客さまもいます。「そこまでのクオリティを求めていない、もう少し安いほうがいい」と考える方も当然いるわけです。  逆に、「このクオリティだから高くてもほしい」と考えるお客さまもいます。  価値観の違いですから、どっちが良い悪いではないわけです。  ここでいうサービスとは、「お金をいただかないものすべて」です。コンサルティングや機械のメンテナンスサービスのように、サービスでお金をいただくものは Qになります。一方、コンビニエンスストアの場合、近いところで買うことが多いと思いますが、「近い」ことそのものにお金を払っている人はいません。  このように、人がモノを買うときには、お金を支払って得るクオリティとその価格だけでなく、お金を支払わない「その他」の要素があるのです。それをここでは「サービス」と呼んでいます。「その他」の Sだと思ってもらえばいいです。お客さまは、この QPSの組み合わせで、相対的に良い会社やお店を選んでいるのです。  お客さまがどういう QPSの組み合わせを求めているか。お客さまのほしいものを見つけ出して、 QPSに落とし込めるか。  自分たちはどこでどう戦うのか、戦い方をきちんと考えることができているのか。  それらを把握するためには、自社の商品やサービスは市場でどう評価されているかを知ることと同時に、競合他社はどういう QPSを提供をしているのかを具体的に知らなければなりません。  その上で、 QPSでどう差別化していくかを明確にし、それを具体的に、商品やサービスに落とし込んでいくのです。

状況に応じて自社の強みを徹底的に考え抜く  コロナ禍のなか、危機的状況下においては、社長の発想力、行動力が会社の強みとして発揮されるものだなあ、と実感することがいろいろありました。  というのも、自粛になってどこの会社も身動きが取れなくなったとき、「こんなときだからこそ自分たちに何ができるのか」「人は何を求めているのか」を考え、さっと行動できる社長さんたちがいたのです。  当社のお客さまでイベントに遊具などの資材を供給する会社の社長は、コロナで予定されていた仕事の多くがキャンセルになりました。すると、すぐに中国からマスクの輸入を始めたのです。  市場にまったくマスクが出回っていなかった時期のことです。とにかくお客さまのために何かしたいと、ほとんど利益を取らずに販売しはじめたのです。  これまでマスクとは何の関係もなかった会社なのですが、イベント資材の調達の関係で中国とのパイプがあったので、いちはやく動いた。  この会社の強みは、自社のつながりを活かして、臨機応変に、すばやくアイデアを実行に移せるところです。お金もうけのためではなく、日ごろお世話になっているところに何か提供できないか、という発想から、実際にマスクの輸入まで行いました。自粛などが落ち着いたころに、関係先が再びどこの会社と取引したいと思うかは、明らかです(この会社のその後の展開については後記で説明します)。  もう一つ、これは地方のホテルと野菜農家の話です。  営業自粛で社員の仕事がなくなってしまったホテルが、同じ地元にある野菜農家の収穫のために社員を派遣したという話を聞いたのです。  普段は、海外から農業技術の実習生としてやってくる人たちの労働力に支えられていた農家ですが、彼らが入国できなくなってしまったので、人手が足りなくて困っていたわけです。これも、お互いの困りごとを解決しようというところから発想したのだと思います。  とにかく、自分たちが置かれている状況に合わせて、自社が強みを活かしてやれることは何かを徹底的に考えることです。「つながりを活かす」ことも、もちろん、自分たちの強みとなり得ます。  ただ、コロナ禍で、そんなことに気づいた企業もたくさんあると思いますが、実行に移さなければダメです。アイデアだけでは何も変わりません。  だからこそ、経営者は、常日頃から社内外のいろいろなことに目を配り、自社の強みやできることを考え、そしてそれを実行に移さなければならないのです。 Point社長は自社の強みは何か、常日頃から考え、行動に移す必要がある。

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